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戦うべき敵 月へ行く ~ 第18話 ~

《イギリス近海(移動中・シロガネ)》

[シロガネ ブリッジ]

連邦兵「艦長、 本艦は定刻通りノルウェー海から イギリス海域へ進入しました」
リー「北アフリカの戦況は?」
連邦兵「現在、ケニア、スーダン、 エチオピアが敵勢力下に入りました」
連邦兵「ヨーロッパから結集中の部隊は リビアで敵と交戦中。 戦線はエジプト方面にも拡大しつつあります」
リー「……ハガネは?」
連邦軍「アラビア半島で足止めを食い、 本体との合流が遅れているようです」
リー「フン、 この緊急時に使えん連中だな」
(通信)
連邦兵「艦長、大西洋連合艦隊より 暗号伝令です」
リー「内容は?」
連邦兵「艦隊集結地点を カーボベルデ沖からアゾレス諸島沖に 変更するとのことです」
リー「針路変更の後、第一戦速。 艦隊集結点へ向かう」
連邦兵「了解!」
リーDC残党め…… 貴様らに地中海を渡らせはせんぞ)

《マオ・インダストリー》

[マオ・インダストリー]

リン「ようこそ、 マオ・インダストリー社へ。 レフィーナ・エンフィールド中佐」
レフィーナ「お久しぶりです。 早速ですが、搬入作業の方を よろしくお願い致します」
リン「そのことなのだが…… Mk-IIIとビルガーのロールアウトが 予定より遅れてしまっている」
レフィーナ「やはり……」
ショーン「仕方ありませんな。 無理に納期を繰り上げたのは こちらの方ですから」
リン「申し訳ない。 ……常務、状況の説明を」
ユアン「はい」
ユアン「R-1の方はすぐにでも…… ファルケンのタイプLは、新OSへの 書き換えが終了次第お渡し出来ます」
レフィーナ「新OS?」
ユアン「ええ。 タイプRが奪取されたこともあり、 TC-OSに改良を加えたのです」
ショーン「なるほど…… DC残党もタイプRのOSを 解析しているはずですからな」
ショーン「それで、 ヒュッケバインMk-IIIの方は?」
ユアン「すでに ノーマルエンジン搭載型のタイプRが ロールアウトしておりますが……」
ユアントロニウム・エンジン搭載型のタイプLと、 二種類のAMパーツの仕上げに手間取っております」
レフィーナ「ロールアウトまでの時間は?」
ユアン「あと一ヶ月は欲しいところです」
レフィーナ「一ヶ月……。 では、タイプRの方はすぐにでも 使えるのですか?」
ユアン「それなのですが……」
リン「今、ここにはない。 レイカー司令の許可を得て、現在は 実戦でのデータ取得中なのでな」
ショーン「ほう……どなたがそれを?」
リン「すまないが、本人の希望もあって 教えることは出来ない」
ショーン「ま、 だいたいの見当はつきますが……」
ショーン「我々が引き取りを 命じられたのは、タイプLですからな。 上も文句は言いますまい」
レフィーナ「では、ビルトビルガーの方は?」
ユアン「実はロールアウト直前なのですが……」
ユアン「二人の開発主任の間で 仕様に関する意見の相違がありまして、 作業がストップしているのです」
レフィーナ「え……?」

[マオ・インダストリー 格納庫]

リオ「久しぶりね、レオナ。 元気だった?」
レオナ「ええ。 あなたも変わりはないようね」
リオ「お味噌汁、 上手に作れるようになったの?」
レオナ「……10回以上は倒れたわね、彼」
リオ「そ、そう……」
リオ(いったい、 どうやったら人が倒れるような お味噌汁を作れるのかしら……?)
リョウト「リュウセイ、 R-1の関節部の交換とTFコーティングは、 ハミル博士の指示通りにやっておいたよ」
リュウセイ「おう、ありがとよ」
リョウト「あと、 僕の方で変形シーケンスの 微調整をしておいたから……」
リョウト「変形時のつっかかりが 前に比べてマシになってるはずだよ」
リュウセイ「わかったぜ」
リョウト「それから…… アルブレードのデータをありがとう。 量産型の参考にさせてもらうよ」
リュウセイ「ああ。 最終的にはテスラ・ドライブと キャノンを付けるんだよな?」
リョウト「うん……。 まだ量産型はフレームを 作っている段階だけどね」
リュウセイ「それにしても、お前…… 技術屋がすっかり板についたなぁ」
リョウト「え? そ、そうかな?」
リオ「リョウト君、 ハミル博士やラドム博士の下で頑張ってるものね」
リオ「今じゃ、 SRX計画の重要な開発スタッフなのよ」
レオナ「大したものね」
リョウト「い、いや…… 僕なんてまだまだだよ」
リオ「でも、もったいないわ。 リョウト君、パイロットとしての 腕前も高いのに……」
リョウト「……」
リュウセイ「じゃあ、お前……やっぱり?」
リョウト「うん……。 今回の件が落ち着いたら、軍を辞めて 正式にマオ社へ入るんだ」
リョウト「正直言って、僕は あまり戦闘に向いてないと思うし……」
リョウト「ここで働くことによって、 みんなの力になりたいんだ」
リュウセイ「そうか……。 お前が決めたことなら、それでいいと思うぜ」
レオナ「行く末は マオ社の重役になるかも知れないわね」
リュウセイ「ああ、逆玉って奴だな」
リョウト「い、いや、あの…… 僕らはまだそんな……」
リオ「その前に、お父様を説得しなきゃね」
リュウセイ「ま、頑張れよ。 ……ところで、Mk-IIIの方はどうなんだ?」
リョウト「色々と問題が多いけど…… 一番ネックになってるのは、 AMボクサーなんだ」
リュウセイ「装着すれば、 小型版のSRXになるっていうアレか」
リョウト「うん。RWシリーズ2号機の 機体フレームを流用してまで 作ってるものなんだけど……」
リョウト「Mk-III本体との兼ね合いが 難しくてね。ロールアウトするのは ガンナーの方が先になると思う」
リュウセイ「そうか……」
リオ「やっぱり、気になる?」
リュウセイ「そりゃあな。 RWシリーズの2号機が なくなっちまったのは残念だけど……」
リュウセイ「Mk-IIIのデータは 俺達のRシリーズにもフィードバック されてるんだし」
リュウセイ「とにかく頑張ってくれよ、リョウト」
リョウト「うん……」

[マオ・インダストリー 格納庫]

エクセレン「わお、あれが噂のビルトビちゃんね?」
タスク「アルトと同じコンセプトって 聞いてたけど、随分と細身ッスね」
エクセレン「そうねぇ。ちょっとスリム過ぎるし…… 右手に何も付いてないしね」
(扉が開閉する)
マリオン「……ですから、ビルガーには 武装と装甲を追加すべきでしてよ」
カーク「お前の話はわかるが、それでは 納期に間に合わん。DC残党との 戦闘は激化しつつあるのだぞ」
マリオン「納期、納期と……。 当初のコンセプトをねじ曲げて 完成させても意味はありませんわ」
マリオン「その結果、 SRXも多くの問題を抱えることに なったのではなくて?」
カーク「……投入時期を見定めろと言っている。 戦争が終わった後に完成しても遅いのだ」
マリオン「その言葉、 あなた達SRX開発担当者に そっくりお返ししますわ」
カーク「……」
エクセレン「あらら…… 相変わらずねぇ、あの二人も」
マリオン「エクセレン少尉……久しぶりですわね」
エクセレン「ええ。 ヴァイスちゃんの改造プラン、 考えてくれました?」
マリオン「……タスク少尉、 私の指示通りにジガンの改良を終えたようですわね。 ズィーガーの方は?」
タスク「ええ、まあ……ボチボチと」
エクセレン「あ、あの……ヴァイスちゃんは?」
マリオン「今のヴァイスに 何か文句がございまして?」
エクセレン「ん~、 そういうわけじゃないんですけど……」
エクセレン「スーパー・ヴァイスちゃんとか、 ゴッドグラビ・ヴァイスちゃんとか、 ヴァイス・ノヴァちゃんとか……」
エクセレン「そんな感じになると嬉しいかも」
マリオン「わけがわかりませんわね。 とにかく、今優先すべきはビルガーの完成ですわ」
エクセレン「あらら」
タスク「ところで、 ビルガーって思ってたより細身ッスね」
カーク「高機動タイプであるファルケンとの 連携戦闘を踏まえてのことだ」
マリオン「前に言ったはずですわよ。 私は、ビルガーの仕様をファルケンに 合わせるのは反対だと」
カーク「だが、アルトとヴァイスの 反省点を生かすには……」
エクセレン「……長くなりそうねぇ」
タスク「そうッスね。 アラドの様子でも見に行きます?」
エクセレン「今行ったら、 私達も折り曲げられかねないし… あの子の検査が終わってからにしましょ」

[不明 (医務室)]

アラド「ぐぎゅっ」
ラーダ「あら、どうしたの?」
アラド「あ、あの……このポーズ、 めっちゃキツいんですけど」
ラーダ「蓮華のアサナよ。 気持ちが落ち着かない?」
アラド「そ、それどころか、マジで落ちそうッス」
ラーダ「あらあら、 若いのに身体が固いのね。 それじゃ、元に戻していいわ」
アラド(た、助かった……)
ラーダ「検査の結果が出るまで、 少し待ってもらえるかしら?」
アラド「はい」
(アラドが少し離れる、通信)
ラーダ「……」
ラーダ(やはり…… 脳に調整を受けた形跡がある……)
ラーダ(おそらく、 過去の記憶がないのはそのせい……。 でも、この反応は……)
ラーダ(特脳研の データにあったものと似ているわ。 そして、あのプロジェクトにも……)
ラーダ(まさかとは思うけど……)
(アラート)
アラド「な、何だ!?」
ラーダ「警報……!?」
アラド「ええっ!?」
ラーダ「様子を見てくるわ。 あなたはここにいて」
(扉が開閉する・ラーダが立ち去る)
アラド「……」
アラド(これは…… チャンスかも知れねえ……!)


第18話
戦うべき敵

〔戦域:月面、マオ社周辺〕

(マオ社の東側にリオンが出現、マオ社の側にヒリュウ改が出現)
ユン「目標の識別終了!  CF型のリオンです!」
レフィーナ「こちらからの呼びかけには?」
ユン「何の応答もありません!」
ショーン「おそらく、 L2宙域で接触した連中と 同じでしょうな」
レフィーナ「ええ……」
ショーン「まだ結論は出ていませんが、 敵であることに違いはありません。 ……艦長、ご命令を」
レフィーナ「セレヴィス・シティへ警告。 本艦は高度このままで固定。 月の自転の影響に注意して下さい」
ショーン「了解です」
レフィーナPT隊、出撃準備!  VLSホーミングミサイル 両舷発射口、全開放!」
レフィーナ「敵機を月面都市エリア内に 侵入させてはなりません!」
リン「……常務、従業員の避難は?」
ユアン「プロジェクト関係者以外は シェルター内に入りました。後は……」
リン「開発中の試作機か」
ユアン「ええ。 現在、ハミル博士やリョウト達が 最下層ブロックへ移送させている所です」
リン「今、使える機体は?」
ユアン「社長、まさか……」
リン「万が一に備えて、だ。 すぐに使える物は?」
ユア「……シュッツバルトと 量産型Mk-II、ファルケンの タイプLです」
ユアン「残りはバラしていたり、 シーリングの解除に時間が かかったりで使えません」
リン「では、その3機の出撃準備を。 私とラーダ、リオで出る」
ユアン「止めても無駄のようですな。 ……わかりました」
リン「すまない、常務」
アラド(………)
アラド(しめた、 ドアのロックがかかってねえ)
アラド(それに、外に誰もいねえぞ。 逃げ出すチャンスは今か……!)
ユン「敵第一波、 射程圏内に入りました!」
ショーン「目標データ、入力終了」
レフィーナ「VLSホーミングミサイル、 発射!」
(ヒリュウ改からミサイルが発射され、一番近くの4機を撃墜)
ユン「第一波、全機撃墜!  残存敵機、回避運動に入ります!」
レフィーナ「PT各機、直ちに出撃!  フォワードは敵機の追撃を!」
(R-1が出撃、出撃準備)
エクセレン「リュウセイ君、 R-1ちゃんの調子はどう?」
リュウセイ「前よりいい感じだぜ。 リョウト達に感謝しなくちゃな」
リュウセイ「それよか、あいつらは 何なんだ? DCの残党かよ?」
エクセレン「ん~、 アフリカで大騒ぎ中のあの人達が こんな所に来るとは思えないし……」
レオナ「……もしかしたら、 今回で正体がわかるかも知れません」
エクセレン「え? どういうこと?」
レオナ「……」
カチーナ「オクト1より各機へ!  敵をセレヴィスやマオ社に 近づけるんじゃねえぞ!」
(範囲確認)
タスク「あそこに入られたら 終わりってことか……!」
レオナ「水際で防げる範囲では なくてよ。機動性と移動力の 高い機体がフォワードに回り……」
レオナ「こちらへ 近づかれる前に撃墜すべきね」
エクセレン「んじや、フォワードは ヴァイスちゃんとR-1ちゃんで やるのがベストっぽい感じ?」
リュウセイ「ああ!」
カチーナ「よし、野郎共!  気ィ引き締めていけ!!」
(作戦目的表示)

〈敵機全滅〉

ユン「敵機、全機撃墜!」
エクセレン「……さっきの敵、 動きからしてアレよね?」
カチーナ「ああ、 こっちを引きつけようとしやがった。 ありゃ間違いなく……」
(アラート)
ユン「3時方向に熱源反応多数!  識別はバレリオンです!」
レフィーナ「!」
(バレリオンが出現)
カチーナ「やっぱり来やがったか!  オフェンスはすぐに戻れ!」
レフィーナ「艦回頭!  本艦で敵機を迎撃します!」
(シュッツバルドと量産型ヒュッケバインMk-IIが出現)
レフィーナ「! あれは……!?」
リン「……こちらはリン・マオだ。 これより貴隊を援護する」
エクセレン「わお!  シャッチョーさん自らご登場!?」
ラーダ「セレヴィスや開発中の新型に 何かあったら大変ですもの。 私達もお手伝いしますわ」
レフィーナ「ラーダさんまで……!  すみません……」
リン「リョウト、ファルケンは?」
リョウト「立ち上げが 上手くいきません……!  もう少し時間を下さい!」
リン「了解した。行くぞ、ラーダ」
ラーダ「ええ……!」

〈バレリオンを5機撃墜〉

アラド(……ここが格納庫か。 ん? あれは……)
リオ「リョウト君、 ファルケンはまだ出られないの!?」
リョウト「ご、ごめん。今のままじゃ、 機体は動かせても戦闘なんて……」
カーク「OSをタイプRで使った 旧バージョンに差し替える。 作業は同時並列でいくぞ」
リョウト「わ、わかりました!」
カーク「リオ、お前は機内で待機しろ」
リオ「はい!」
アラド(間違いねえ……!  色は違うけど、ありゃファルケンだ)
アラド(よし、今なら……!)
(アラート)
ユン「新たな熱源反応!  敵の増援です!!」
(セレヴィスの南にガーリオンが4機出現)
タスク「あいつら、 セレヴィスに突っ込むつもりか!?」
カチーナ「チッ、まだバレリオンが 片づいてねえってのに!」
リオ「リョウト君!」
リョウト「何とか間に合わせる!  リオはファルケンに乗って、 待っていて!」
リオ「ええ!」
(扉が開閉する、機動)
リオ「!?  コ、コックピットハッチが!」
リョウト「どうしたの!?」
リオ「今、誰かがファルケンに!」
リョウト「ええっ!?」
(ビルトファルケン・タイプLが出撃)
リュウセイ「赤いファルケン!?」
リン「リオか!」
リオ「ち、違います!  あのファルケンには……!!」
リン「何っ……!?」
アラド「こ、こいつ!  コントロールがっ!!」
(ビルトファルケン・タイプLが南へ移動)
アラド「うわわっ! 何だこりゃ!?」
ラーダ「い、今の声……!」
リュウセイ「アラド!?  あれに乗ってんのはアラドか!?」
カチーナ「な、何だとォ!?」
アラド「くっ、この……!  言うことを聞け、ファルケン!」
(ビルトファルケン・タイプLが円を描くように動く)
アラド「よ、よし!  これで出力を絞りゃ何とか……!」
カーク「ほう……。 あの状態のファルケンを御するとは」
マリオン「……面白い子ですわね」
リオ「ちょっと、あなた!  どういうつもりなの!?」
エクセレン「そうよ、アラド君。 お姉さん、聞いてないわよ?」
アラド「すみません。 おれ、行かなきゃならないんです」
リオ「行くって、どこへ!?」
アラド「そ、それは……」
ラーダ「まさか、あの子……!」
アド「……おれ、 あいつとの約束を守らなきゃ」
タスク「あいつ!?  それに、約束って何だよ!?」
(ビルトファルケン・タイプLが西へ移動)
カチーナ「あのガキ、逃げる気か!?」
ラッセル「もしや、 敵と合流するつもりじゃ……?」
タスク「待て、アラド!  あいつらはDCの残党じゃねえ!!」
アラド「え!?」
タスク「奴らは お前の仲間なんかじゃねえんだ!  賭けたっていい!」
アラド「……!」
レフィーナ「タスク少尉の 言う通りです。彼らの正体や目的は まだはっきりしていませんが……」
レフィーナ「彼らが セレヴィス・シティに何をするか、 あなたにも予想がつくはず!」
アラド「くっ……!」
レフィーナ「あなたの位置なら、 ガーリオンを食い止められます!  どうか私達に協力して下さい!」
アラド「で、でも……おれは!」
(ビルトファルケン・タイプLが西へ動く)
タスク「アラド!!」
リュウセイ「放っとけ、タスク」
タスク「何!?」
リュウセイ「あいつが行くってんなら、 しょうがねえ」
タスク「お前、それでいいのかよ!?」
リュウセイ「ああ、カイ少佐からも 無理強いすんなって言われてる」
タスク「あいつが ここで行っちまうようなら、 そこまでの奴だったってことか?」
リュウセイ「……」
アラド「う……!」
レオナ「……彼の正念場ね」
タスク「だけど、どっちに転んだって こりゃヤバいぜ!」
エクセレン「ん~…… ま、大丈夫じゃなぁい?」
タスク「え?」
カチーナ「とにかく、足の速い奴は ガーリオンをブチ落とせ!!  他の奴は都市の防衛に回るんだ!」
リュウセイ「了解!」
リュウセイ(……アラド、信じてるぜ。 お前がここで逃げ出すような 奴じゃねえってことをな)
(作戦目的表示)

〈NEXT EP〉

(ガーリオンがビルトファルケン・タイプLの傍を移動)
アラド「! 抜かれた!?」
ラッセル「な、何て加速だ!!」
カチーナ「驚いてる場合か!  あいつらを行かせるんじゃねえ!」
ラッセル「し、しかし、 あのスピードに追いつくのは!」
エクセレン「ヴァイスちゃんでも ギリギリかも……!」
アラド「……!」
ゼオラ(……アラド……)
アラド「ゼオラ……!」
ゼオラ(ね、アラド。私と約束して)
アラド「わかってる……」
ゼオラ(これから先、 何があっても二人で頑張って…… 必ず生き残りましょ)
アラド「わかってるよ!!」
ユン「ガーリオン、 都市外周エリアへ侵入!!  こ、このままでは!」
レフィーナ「諦めてはなりません!  何としても敵を止めるのです!」
アラド「う……うう……!」
アラド「ち、ちきしょう……!  ちきしょぉぉぉぉっ!!」
(アラドに『熱血』『気合』)
タスク「アラド!?」
アラド「BMセレクト、おれ好み!  ブースト!!」
アラド「うおおおりゃああああ!!」
【強制戦闘】
アラド[オクスタン・ライフルB]vsバイオロイド兵[防御]
(ガーリオンが爆発)
タスク「アラド……!」
カチーナ「あ、あのガキ……!!」
アラド「さあ、 どっからでもかかってきやがれ!  この野郎!!」
【強制戦闘】
バイオロイド兵[バーストレールガン]vsアラド[オクスタン・ライフルW]
(ガーリオンが爆発)
アラド「次、かかってこい!  こっから先には行かせねえぞ!!」
カーク「……ファルケンを 接近戦で使うか」
マリオン「ふふ…… ますます面白い子ですわね」
タスク「おい、リュウセイ……」
リュウセイ「ああ。 あいつ、やっぱり……!」
カチーナ「ヘッ……あのガキ、 なかなか根性あるじゃねえか」
エクセレン「んふふ、 十代の頃の私ならズキュンと来たかも」
エクセレン「そいじゃま、あの子に おいしいトコ持ってかれないように こっちも頑張りしましょっか!」
タスク「合点だぜ、姐さん!」
レフィーナ「ドラゴン2より各機へ!  残った敵を早急に撃破して下さい!」
リュウセイ「よし、行くぞ!  アラド!」
アラド「はいっ!」

〈敵機全滅〉

エクセレン「ふう~、 さすがにこれで打ち止めじゃない?」
タスク「多分……」
リン「……タスク、 先程、あの敵がDC残党ではないと 言ったな? どういうことだ?」
タスク「え? それは……」
(アラート)
ユン「8時方向に 局地的な重力異常を感知!」
ユン「こ、これは…… 空間転移反応です!!」
レフィーナ「何ですって!?」
(ガルガウが戦闘空域の南西端付近に出現)
カチーナ「な、何だありゃ!?」
リュウセイ「か、怪獣!?」
レオナ「アインスト……!?  いえ、違うわ!!」
???(ヴィガジ)「……フン、 さすがは闘争本能だけを 発達させた野蛮人共だ」
???(ヴィガジ)「おかげで こちらの予定に支障が出たぞ」
レフィーナ「ユン、識別は!?」
ユン「該当するデータはありません!」
ショーン「サイズと見た目は 特機系のようですが、あれは……」
リン「地球の物なのか……!?」
???(ヴィガジ)「……このままでは 他の連中への示しがつかんのでな」
???(ヴィガジ)「ここで 出るつもりはなかったが、 貴様らの命と機体をいただくぞ」
???(ヴィガジ)「このガルガウの 実戦テストを兼ねてな!」
(???(ヴィガジ)に『気合』、ガルガウがビルトファルケン・タイプLに隣接)
アラド「うっ! うわあっ!!」
???(ヴィガジ)「まずは貴様からだ!!」
【強制戦闘】
???(ヴィガジ)[アイアンクロー]vsアラド[防御]
(ビルトファルケン・タイプLのHP10%)
アラド「だ、駄目だ! 機体がっ!!」
(ビルトファルケン・タイプLが爆発)
リン「!!」
タスク「ア、アラド!!」
???(ヴィガジ)「チッ、せっかくのサンプルを。 パワーコントロールが今一つだな」
???(ヴィガジ)「まあいい、あの施設を 手に入れれば取り返しはきく」
リュウセイ「アラド! おいっ!!」
リョウト「だ、脱出装置は ちゃんと作動したけど、 ファルケン本体は……」
リュウセイ「あ、あの怪獣野郎!  よくもやりやがったな!!」
???(ヴィガジ)「さあ行くぞ、野蛮人共!  今の内に貴様らを始末してやる!」
カチーナ「デカトカゲが 仕掛けてくるぞ!  各機、散開しろ!」
(作戦目的表示)

〈ガルガウのHP80%以下 or 5ターン経過〉

カチーナ「くそ! あのデカトカゲ、 ハンパじゃねえぜ!!」
エクセレン「なんだか… 雲行きが怪しくなりそうじゃない?」
タスク「いや、もう充分怪しいって!」
エクセレン「でも、何とかしてお帰り 願わないとヤバヤバちゃんよん?」
リョウト(くっ……こんな時に Mk-IIIが使えれば……!)
???(ヴィガジ)「どうした?  もう抵抗する気も失せたか?」
???(ヴィガジ)「ならば、死ね!!」
(通信)
???(ヴィガジ)「む……?」
???(メキボス)「……よ~う、 楽しんでるみたいだな」
???(ヴィガジ)「!  貴様……何の用だ?」
???(メキボス)「おいおい…… 一人で抜け駆けしといて、 そりゃないんじゃねえか?」
???(ヴィガジ)「フン、抜け駆けだと?  これは戦況の変化に応じた判断、 そして行動だ」
???(メキボス)「まぁ、 作戦を邪魔されて頭にきた気持ちは わからんでもないがな」
???(メキボス)「俺達の出番は もうちょっと後のはずだぜ?」
???(メキボス)「だから、 さっさと帰って来いってンだ」
???(ヴィガジ)「黙れ! 貴様の指図は受けん!」
???(ヴィガジ)「それに、 経過はどうあれ結果を出せば いいのだろう! 結果を!」
???(メキボス)「あのな、 情報をかく乱するにしても お前が出た時点でご破算だって」
???(メキボス)「そのガルガウなんぞを見たら、 奴らの警戒心が不必要に増すだけだぜ?」
???(ヴィガジ)「ぬ……!」
???(メキボス)「ほら、いい加減にしねえと あの方がマジで怒り出すぜ、 リーダーさんよ?」
???(ヴィガジ)「チッ……!  わかった、後退する」
(ガルガウが撤退)
カチーナ「! 逃げやがった!?」
レフィーナ「すぐに追尾を!!」
ユン「目標は高速で戦闘エリア外へ移動!  反応、ロストしました!」
レフィーナ「……!」
ショーン(あの特機は空間転移で 現れた……。やはり、彼らは……)

[マオ・インダストリー オフィス]

リュウセイ「ラーダさん、アラドの容態は?」
ラーダ「命に別状はないけど、 かなりの傷を負っているわ……」
ラーダ「しばらくは、 ICUでの集中治療が必要ね」
リュウセイ「そ、そうか……」
カチーナ「いったい、 あのデカトカゲは何者なんだ?」
レオナ「おそらく、例のバイオロイド兵の 指揮官機でしょう」
カチーナ「だが、 あんな奴は今まで見たことがねえ」
カーク「強いて言えば、 ヴァルシオンシリーズに似ていたが…… DCとは無関係だろう」
マリオン「ええ、 あれは空間転移で現れましたしね」
マリオン「グランゾンならともかく、 今のDCにあんな真似が出来る機体は ないはずですわ」
レオナ「やはり…… 彼らはDC残党、アインストに続く 第三の勢力かも知れませんね」
カチーナ「じゃあ、あいつが ここへやって来た理由は何だ?」
エクセレン「もしかしたら、 シャッチョーさんとこの新製品を 奪いに来たんじゃないかしら?」
リン「……」
リュウセイ「だけど、 あいつは新型機のファルケンを 撃墜しやがったんだぜ?」
エクセレン「ん~、そこが引っ掛かるのよね」
リン(……軍事施設ではなく、真っ先に 私の会社を襲撃した理由か……)
リン(連邦軍部隊消失事件を 踏まえれば、エクセレン少尉の意見は あながち間違いではないかも知れん)
(扉が開閉する)
レフィーナ「リン社長…… よろしいでしょうか?」
リン「ああ、何だ?」
レフィーナ「先程、 総司令部から新たな命令が下り……」
レフィーナ「私の艦は ホワイトスターの護衛任務に 就くことになりました」
リン「それは彼らの襲撃に備えるためか?」
レフィーナ「はい。事態を重く見た 連邦政府と軍上層部は……」
レフィーナ「ケースEを発令し、 月や各コロニーに警告を出しています」
リン「……」
マリオン「では、納期が遅れている ヒュッケバインMk-IIIと ビルトビルガーについては?」
レフィーナ「私の方から上層部へ 現状報告をした所、機体の受け取りの 延期が決定されました」
マリオン「頭の固い連邦軍にしては、 珍しく柔軟な対応ですことね」
カーク「もしや、レイカー司令が?」
ショーン「それ以外にも 政治的な動きがあったようです」
カーク(では…… ニブハル・ムブハルという男の 後押しがまたあったのか)
マリオン「何はともあれ、 私達にとっては朗報ですわね」
カーク「まあな」
ショーン「とは言え、 あまり余裕はありません。調整は 前倒しでお願いしたい所ですな」
カーク「ああ、出来る限りのことはしよう」
エクセレン「……ところで、艦長。 私とリュウセイ君もホワイトスターへ 行くことになるんですか?」
レフィーナ「いえ、 総司令部からの命令で、 あなたとリュウセイ少尉は……」
レフィーナ「カチーナ中尉達と共に、 『デザートスコール作戦』へ 参加してもらうことになります」
リュウセイ「デザートスコール?」
ショーン「アフリカ北部へ降下し、 DC残党軍と交戦中の友軍を支援する作戦です」
リュウセイ「そんなのをやるってことは…… まだ連邦軍が劣勢なんですか?」
ショーン「ええ……。 DC残党軍の勢いを止められぬようですな」
カチーナ「それで奴らの頭の上から 水をブッかけようってのか。 ……面白れえ、やってやるぜ」
レオナ「艦長、地球へ降下した後、私達は?」
レフィーナ「ハガネと合流し、 ダイテツ中佐の指揮下に入って下さい」
レオナ「了解です」
レフィーナ「では、各員は直ちに準備を」

[マオ・インダストリー 格納庫]

リオ「そう……。 あなた達は地球へ下りるのね」
タスク「ああ、別便の輸送機でな」
レオナ「あなた達と ゆっくり話が出来なかったのが残念だけど……」
リオ「うん……。 でも、またきっと会えるわよ。 そんな気がする」
リュウセイ「すまねえが、それまで アラドの面倒を見てやってくれ」
リュウセイ「あいつ、 もう逃げ出したりしねえと思うから」
リオ「わかったわ、任せて」
ラーダ「彼が動けるようになったら、 連絡するわね」
リュウセイ「頼んます、ラーダさん」
リョウト「みんな、気をつけて……」
リュウセイ「ああ、そっちもな」

『カートリッジ』を入手した。
『リペアキット』を入手した。
『プロペラントタンク』を入手した。

『M950マシンガン』を入手した。
『スピリットテイカー』を入手した。
『チャフグレネード』を入手した。


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