ダイテツ「そうか……アラド・バランガは
この艦に残る決意をしたか」
カイ「ええ。先程、本人から申し出が。
しばらくの間は様子を見ようと思っています」
イルム「まあ、保護観察に近いですね」
ダイテツ「わかった。
後のことは少佐達に任せる」
カイ「了解です」
テツヤ「しかし、彼をキルモール作戦に同行させて
大丈夫なのですか?」
イルム「ああ、そのことなんですが……」
(扉が開閉する)
エクセレン「失礼しま~す。
エクセレン・ブロウニング少尉と……」
リュウセイ「リュウセイ・ダテ少尉、
ただ今出頭しました」
ダイテツ「うむ、ご苦労」
エクセレン「それで、ご用件は?」
ダイテツ「極東方面軍を通じ、
マオ社から要請があってな……」
ダイテツ「機体受け取りのため、
お前達二人に月へ行ってもらいたい」
リュウセイ「機体って……
もしかして、俺のR-1ですか?」
イルム「それだけじゃない。
ビルトファルケンのタイプL、ビルトビルガー……」
イルム「そして、ヒュッケバインMk-IIIもな」
エクセレン「わお、ビルトビちゃんだけじゃなく、
おニューのヒュッケちゃんまで?」
リュウセイ「でも、あれ……
開発が遅れてるって聞いてるけど」
イルム「総司令部の方からツッコミが入ってな。
キルモール作戦に何とか間に合わせろだとさ」
リュウセイ「う~ん……
機体が機体だけに無理をしない方が
いいんじゃねえかなぁ」
エクセレン「まあ、命令だし…
しょうがないんじゃない?」
ダイテツ「……お前達はすぐに艦を発ち、
宇宙へ上がれ。衛星軌道上付近まで
ヒリュウが迎えに来る」
エクセレン「え?
レフィーナ艦長やタスク君達、
こっちへ来てるんですか?」
ダイテツ「うむ、
総司令部の命令でイカロスから
地球圏へ呼び戻されたのだ」
エクセレン「わかりました。
んじゃ、リュウセイ君と月まで駆け落ちってことで♥
最近、マンネリ気味だったのよね~」
リュウセイ「いや、俺……
アルトで撃ち貫かれたくねえんだけど」
イルム「心配するな。
お前ら二人で間違いが起きるなんて、誰も思わんよ」
カイ「……エクセレン、リュウセイ。
すまんが、アラドを月のマオ社へ連れて行ってくれ」
リュウセイ「え? あいつをですか?」
カイ「ああ。
念のため、マオ社にいるラーダに
アラドの検査をしてもらおうと思ってな」
エクセレン「あらら、それじゃあの子も
ヨガの餌食になっちゃうわね」
リュウセイ「間違いねえな」
ダイテツ「……では、これより本艦は
キルモール作戦に参加するためエチオピアへ向かう」
ダイテツ「エクセレン少尉、リュウセイ少尉……
お前達はアラド曹長を連れ、月のマオ社へ行ってくれ」
エクセレン「了解です」