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星への翼 ~ 第7話 ~

[輸送機・機内]

ブリット「そうか……テスラ研へ戻るのか」
クスハ「うん…… 参式の調整作業を手伝わなきゃならないの。 また離ればなれになっちゃうね」
ブリット「仕方ないさ。お互い仕事なんだから」
クスハ「今度は……いつ会える?」
ブリット「……わからない。 今度の任務は長くなりそうなんだ」
クスハ「そう……」
ブリット「ご、ごめん」
クスハ「ううん、ブリット君が悪いわけじゃないもの」
ブリット「………」
クスハ「私ね……前みたいにブリット君と 同じ艦に乗れればいいなって思う時もあるの」
ブリット「……俺も……。 いや、君には安全な所にいて欲しいんだ。 わがままなお願いかも知れないけど」
クスハ「そんなことない。 ……次に会える時を楽しみにしてるね」
ブリット「ああ。 それじゃ、もう行かなきゃならないから」
クスハ「私も……輸送機が出る時間」
ブリット「クスハ、今回の任務が終わって 休暇がもらえたらテスラ研へ行くよ」
クスハ「うん、待ってる」
ブリット「………」
クスハ「ブリット君……」
ブリット「……あ、いけね。肝心なことを忘れてた」
クスハ「え?」
ブリット「テスラ研へ行ってリシュウ先生に会ったら、 これを渡してくれないか?」
クスハ「……Dコンのメモリーチップ?」
ブリット「ああ。 こないだのサムライガーリオンの 映像データが入ってる」
ブリット「あいつがどうしてシシオウブレードを 持ってるか気になってね。先生に聞いたら、 データを送ってくれって言われて」
クスハ「………」
ブリット「物が物だから、確実に先生へ渡したいんだ。 あと、あの件は上から口止めされてるから、内密にね。 ……頼むよ」
クスハ「うん、わかったわ」
クスハ(もう……こんな時でも仕事の話なんだから)
クスハ(でも、そこがブリット君らしいけど)

〔戦域:ラングレー基地周辺〕

(滑走路にシロガネとATXチームのPTがいる)
オペレーター「プラチナム1より アサルト各機へ。搬入作業開始まで その場で待機せよ」
キョウスケ「アサルト1、了解」
エクセレン「……効率がいいのは わかるけど、私達に機体の直接 搬入をやらせるなんてねぇ」
エクセレン「艦長さんもケネス司令並に 人使いが荒いんだから」
キョウスケ「……通常回線を開いたまま 文句を言うのは止めた方がいいぞ」
エクセレン「あら?  いやん、聞かれちゃったかしら」
キョウスケ「何も言われない所を 見ると、大丈夫だったようだな」
ブリット「ところで、キョウスケ中尉。 ラミアさんは?」
キョウスケ「シロガネの中で アンジュルグの修理に 立ち会っている」
キョウスケ「彼女でないと わからん所が色々あるらしいからな」
ブリット「………」
(レイディバードが出現)
エクセレン「ん?  あれって、クスハちゃんが乗ってる 輸送機じゃない?」
ブリット「ええ、そうです」
エクセレン「んふふ~、いいのかな?  ブリット君」
ブリット「いいも悪いも、仕事ですから」
エクセレン「模範的解答ねえ。 でも、乙女ハンターとしては 落第点よ?」
ブリット「は? 自分に何を ハンティングさせる気ですか?」
エクセレン「はああ~…… その調子じゃ、別れ際に 何もしてなかったみたいね」
ブリット「何も、って……。 ちょっとした頼み事はしましたが」
エクセレン「んはあああ~…… 今までいったい何を学んで きたんだか」
ブリット「そ、そんなに 落胆されても……」
キョウスケ「何を教えてたんだ、 お前は」
エクセレン「まあ、色々と。 んじゃま、せめて手を振るだけでも。 ね?」
ブリット「手って…… そんなの、見えるわけないでしょう」
エクセレン「頭がカタいわねぇ。 パーソナルトルーパーの手は、 武器を取るためだけに非ず、よん」
ブリット「え? まさか……」
エクセレン「そのま・さ・か。 ほらほら、一緒に!  イーーチバァーーーン!!」
(動作音)
ブリット「どうしてそこで そのポーズなんですかっ!」
キョウスケ「ブリット、発光信号の 使用を許可する。クスハを見送るぞ。 ポーズは好きにしろ」
ブリット「は、はい!」
クスハ「……!」
クスハ「あれは……ATXチーム!  あはっ、ヴァイスが手を振ってる!」
クスハ「それに発光信号…… ガ・ン・バ・レ。 ……ありがと、ブリット君」
クスハ「マ・タ・ア・オ・ウ…… キョウスケ中尉も」
クスハ(ありがとう……行ってきます)
(レイディバードが西に離陸)
ブリット(クスハ……元気で)
オペレーター「プラチナム1より アサルト各機へ。搬入作業を開始せよ」
キョウスケ「アサルト1、了解。 ……エクセレン、ブリット。 おれ達も行くぞ」
エクセレン「ラジャラジャ!」
ブリット「了解です」

《オースティン(移動中・シロガネ)》

[シロガネ 格納庫]

(格納庫内)
ラミア(PTX-003C、アルトアイゼン。 PTX-007-03C、ヴァイスリッター……)
ラミア(形状にパーソナルカラー、形式番号、名称が 私のデータと異なっている。そして、ヒュッケバインの 後継機、連邦軍の主力機でもあるリオン……)
ラミア(向こうの状況とは色々と違っているらしい。 だが、あの女……エクセレン・ブロウニングのことも 気になる。ただの偶然だと思うが……)
キョウスケ「……おれ達の機体に興味があるのか?」
ラミア「キョウスケ中尉。 私もパイロットの端くれでございましてからに、 他の機体には興味がありますのでございましますの」
ラミア「自社の機体ならともかく、軍用のカスタム機…… そうそうお目にかかっちゃえませんのでして」
ラミア(……どうしようもないな、この口調は)
キョウスケ「カスタム機が珍しい、ということか。 それはアンジェルグも同じだがな」
ラミア「どういうことで ございますのでしょうか?」
キョウスケ「イスルギの機体とは思えん。 どこの技術を使っている?」
ラミア「どこも何も、イスルギ重工の技術に 決まっちゃっているのでしょうですが……」
キョウスケ「わかった、アンジュルグの件はいい。 だが、お前の操縦技術、身のこなし……民間の パイロットにしては少々出来すぎている気がしてな」
キョウスケ「似ている者を挙げれば…… 特殊戦技教導隊のパイロットに近い」
ラミア「それは、私も常々疑問に思ってはいたんで ございますのですが……」
キョウスケ「言われるがままに 訓練を受けただけというのか?」
ラミア「ええ」
キョウスケ「何食わぬ顔をしながら、 水面下で事を運ぶ……あまりいい思い出がなくてな」
ラミア「中尉…… はっきりおっしゃられちゃって下さい」
キョウスケ「いや、あまり気にするな。 お前のスポンサーがイスルギだけとは思えんだけだ」
ラミア(仕掛けてきたか。さて……)
キョウスケ(乗ってくるか?  何らかのカードを切ってくるはずだが……)
(扉が開閉する)
一般兵「キョウスケ中尉、 ここにいらっしゃいましたか」
キョウスケ「どうした?」
一般兵「艦長からの命令です。ATXチームは メインブリッジに集合せよとのことです」
キョウスケ「了解した。行くぞ、ラミア」
ラミア「わかりました。 それから、私の言ったことは全て真実なので ございましょうから、悪しからず」
キョウスケ「……そういうことにしておこう」
ラミア「はい」
ラミア(『こちら』でも『向こう』でも…… 注意すべきはこの男か。動きづらくならんといいがな)

[シロガネ ブリッジ]

リー「今後の編成についてだが…… 戦闘時は、基本的に貴様らATXチームが 前衛を務めろ」
キョウスケ「はっ」
エクセレン(な~んか、本格的にこき使われそうねぇ。 もっとも、前衛・突撃はいつものことだけど)
オペレーター「艦長、サイト24から報告が。 ポイントYT887で、DC残党らしき機影が キャッチされたそうです」
リー「……近いな。 もしや、ヒューストン基地を目指しているのか?」
オペレーター「その可能性は高いと思われます」
リー「………」
キョウスケ「艦長、自分達もヒューストンへ?」
リー「いや。我々は我々の任務を遂行する。 このままメキシコ高原へ向かうぞ」
ブリット「何故です!? 艦長はヒューストン基地を 見捨てるおつもりですか!?」
エクセレン(あっちゃあ…… ブリット君、まだまだ青リンゴちゃんねえ)
リー「ブルックリン・ラックフイールド少尉。 貴様、今までどういう教育を受けてきた?」
ブリット「!?」
リー「上官の命令には絶対服従。それが軍隊の原則だ」
リー「それを守れぬ者は 命令系統を混乱させる要因となり、 全体の作戦行動や士気に悪影響を及ぼす」
リー「個々が与えられた命令に従い、 定められた任務を効率よく遂行しなければ、 優れた戦果を挙げることなど出来ん」
ラミア(至極当然の話だな。 兵士に求められるのは任務の完遂だ)
ブリット「そ、それはわかります。 でも、ヒューストン基地へ向かっている連中も DC残党である可能性が……」
リー「……本艦の任務は、あくまでも メキシコ高原に潜伏していると思われる DC残党の討伐だ」
リー「航路を変更し、ヒューストンへ向かえば、 時間と物資のロスにつながる。それに、あの基地にも 戦力はある。わざわざ本艦が行く必要はない」
ブリット「しかし、艦長!」
リー「それ以上口を開けば、営倉入りだぞ」
ブリット「営倉が怖くて……!」
キョウスケ「そこまでだ、ブリット」
ブリット「!」
リー「まったく……貴様らのような軍人が L5戦役の中心戦力だったなどと、私は認めん。 そして……許さん」
ブリット(!?  許さないって……どういうことだ?)
キョウスケ「艦長、よろしいですか」
リー「何だ?」
キョウスケ「ヒューストンには新主力機の 量産型ヒュッケバインMk-IIが配備されており、 特別プロジェクトの実験機もあると聞いています」
ラミア(量産型のヒュッケバイン?  それに、実験機だと?)
キョウスケ「自分は敵の目的がそれらの情報収集…… あるいは奪取ではないかと考えます」
リー「その根拠は?」
キョウスケ「先日の試験場占拠事件です。 艦長はその詳細をケネス司令から お聞きになっていますか?」
リー「……ああ。それで?」
キョウスケ「現時点で量産型ヒュッケバインが 配備されている基地は北米地区で4つ……」
キョウスケ「その中で保有戦力が最も少ないのは、 ヒューストン基地です。となれば……」
リー「敵は手薄な所を狙う気だと?」
キョウスケ「そうです」
リー(あり得る話だ。 ここでケネスに恩を売っておくのも悪くない。 後々のことを踏まえてな)
リー「では、ATXチームは直ちに出撃し、 ヒューストンへ向かえ」
キョウスケ「自分達だけで?」
リー「ああ。 言い出したのは貴様らだ。やってもらうぞ」
エクセレン(あらら、どっかで聞いたような台詞ね)
リー「本艦は予定通り、メキシコ高原へ向かう。 貴様らは事が済み次第、帰投しろ」
キョウスケ「……了解」

《地球連邦軍ヒューストン基地》

[地球連邦軍ヒューストン基地 オフィス]

(通信室)
ミツコ「……プロジェクトは 順調に進行しているようですね」
フィリオ「はい。本日1500、 このヒューストン基地にてシリーズ77・ コードβプロト、『カリオン』のテストを行います」
ミツコ「うふふ、結果が楽しみですこと」
ミツコ「特にカリオンの武装が どれだけの力を発揮するか、出来れば この目で確かめたいところですわ」
ミツコ「あ、記録映像を送って下さいましね。 画像はSSSモード、音質はRS5モードで。 後々、商品化するつもりですの」
フィリオ「……シリーズ77に武器は どうしても必要な物なのですか?」
ミツコ「もちろん。あなたもミッドクリッド大統領の 東京宣言をお聞きになったでしょう?」
ミツコ「あれが異星人の存在と、彼らによる地球侵攻の 危機が政府公認のものとなりました。今や外宇宙は 敵だらけ。小学生でも知っている常識ですわ」
ミツコ「もっとも、DCのメンバーだったあなたは 以前からご承知のはずでしょうけど」
フィリオ「しかし、 『プロジェクトTD』の本来の目的は……」
ミツコ「あら……7年前、太陽系外宙域で 異星人と交戦した探査艦ヒリュウのことをお忘れ?」
ミツコ「まさか、大事な妹さん達を 敵でいっぱいの外宇宙へ丸腰で送り出すおつもり?」
フィリオ「……」
ミツコ「あなたはビアン博士の考えに賛同したからこそ、 彼の下でリオンの開発に加わったのでしょう?」
フィリオ「それは……そうですが、 プロジェクトTDの技術を 軍事に転用するのは……」
ミツコ「いい機会ですから、 はっきり申し上げましょう」
ミツコ「私の仲介がなければ、DCが壊滅した時点で プロジェクトは解散……」
ミツコ「それどころか、あなた達は反逆者として 拘留されるところでしたのよ?」
フィリオ「我々の研究を連邦軍で 続けられるようにして下さったことに 対しては感謝しています」
フィリオ「しかし……」
ミツコ「いいこと? 今のあなた方の 実質上のスポンサーは連邦軍でなく、 イスルギ重工なのです」
ミツコ「私は、社の利益にならない物へ お金を出すつもりなどありません」
ミツコ「我が社の製品が 連邦軍次期主力機の座を得るには、 プロジェクトTDの成果が必要……」
ミツコ「ですから、 新たなリオンの礎となるαプロトの 完成を心待ちにしておりますわよ」
フィリオ「はい……」
ミツコ「それでは、ごきげんよう」
(通信)
フィリオ(αとβ、そしてΩ。 シリーズ77の軍事運用は避けられぬことなのか……)
フィリオ(僕は……)
(扉が開閉する)
ツグミ「少佐、テストの準備が完了しました」
フィリオ「ありがとう、タカクラチーフ。 パイロットの様子は?」
ツグミ「2名共スタンバイしています。 ただ、アイビスの心拍に多少の乱れを 計測していますが」
フィリオ「彼女のことだ、武者震いだと思うよ」
ツグミ「だといいのですが……」
フィリオ「不安かい?」
ツグミ「……はい。 ツイン・テスラ・ドライブの実験機であるカリオンを 彼女の技量で扱えるかどうか……」
ツグミ「少佐、システムチーフの 権限で、今回のテストはスレイのみで 行うことを提案します」
フィリオ「……君の意見はもっともかも知れない。 だが、テストは予定通り2機で行うよ」
ツグミ「少佐は何故そこまで彼女を…… アイビス・ダグラスを買うのです?」
ツグミ「確かに、メンバーの欠員により テストパイロットは今や2名だけに なってしまいましたが……」
フィリオ「そこまでにしよう、チーフ。 そろそろ予定の時刻だ」
ツグミ「でも……」
フィリオ「君もいつか知るよ。 彼女の持っている確かな力を……」
フィリオ「そして、それこそが僕達……いや人類にとって 最も必要とすべきものであることをね」
ツグミ「フィリオ……」
フィリオ「さあ、行こう。 残された時間はわずかなんだ……」


第7話
星への翼

〔戦域:ヒューストン基地周辺〕

スタッフ「ターゲットの バルドング、配置につきました」
ツグミ「カリオン、スタンバイOK」
フィリオ「よし…… カリオン01、04、STOL発進」
(カリオンが2機出現)
ツグミ「ツイン・テスラ・ドライブ、 各アビオニクス、オールグリーン」
スタッフ「04、01に遅れています」
フィリオ「アイビス、加速だ。 フォーメーション23について」
アイビス「りょ、了解!」
(アイビス機、東へ移動しスレイ機に隣接)
ツグミ「フォーメーション23、 確認。が、04の機体制御に 若干のブレがあります」
フィリオ「アイビス、 少し緊張しているようだね」
アイビス「そんなことは……!」
フィリオ「肩の力を抜いてごらん。 大好きなチーズケーキを 目の前にした時のように」
アイビス「……はい」
フィリオ「ほら、リラックスして。 いつもの君なら出来るはずだよ」
アイビス「ありがとうございます、 フィリオ……少佐」
スレイ「……」
ツグミ「……スレイ、アイビスを 誘導してあげて」
スレイ「了解した。 ……04、こちらの指示に従え」
アイビス「りょ、了解!」
ツグミ「機体、安定しました。 続いて、武装テストを行います。 01、ターゲットへアプローチ」
スレイ「了解。 スレイ・プレスティ、行きます」
フィリオ「落ち着いてな、スレイ」
スレイ「……余計な心配は無用です」
(スレイ機が71式戦車バンドルグに隣接)
【強制戦闘】
スレイ[ソニック・カッター]vsAI[防御]
(71式戦車バンドルグが爆発)
スタッフ「01、ターゲット撃破」
フィリオ「ワンアプローチでか……」
スタッフ「さすがですね。 ナンバー01のポジションは 伊達じゃない」
フィリオ「ああ。我が妹ながら、 よくやってくれているよ」
ツグミ「続いて04、 ターゲットへアプローチ」
アイビス「………」
ツグミ「アイビス!」
アイビス「りょ、了解!  アイビス・ダグラス、行きます!」
【強制戦闘】
アイビス[ソニック・カッター]vsAI[防御]
(71式戦車バンドルグのHP40%に)
アイビス「くっ! しまった!」
スタッフ「04、ターゲット撃破失敗」
フィリオ「カリオンの出力に問題が?」
スタッフ「いえ、重力加速は充分な 数値を計測しています。原因は パイロットの操縦ミスです」
フィリオ「……そうか」
ツグミ(予想通りの結果ね……)
アイビス「すみません!  再アプローチに入ります!」
フィリオ「その必要はないよ、 アイビス。テストに関しては 充分な結果か出た」
アイビス「でも……!」
フィリオ「今の君の最優先事項は、 一刻も早くカリオンに慣れることだ」
ツグミ「少佐、時間の無駄です。 次のテストに進みましょう」
アイビス「時間の無駄……!?」
スレイ「チーフの言う通りだ。 お前が成功するのを待っているほど 我々は暇ではない」
アイビス「く……」
スタッフ「ターゲット、回収します」
(敵機が撤退、アイビス機がスレイ機に並ぶ、アラート)
フィリオ「警報!? 何があった!?」
ツグミ「タワーより伝達!  所属不明機が当基地に接近!  現在、迎撃部隊と交戦中!」
ツグミ「いえ、 突破されたようです!」
フィリオ「!!」
(敵機が出現)
フィリオ「ガーリオン……!」
アーチボルド「ふふふ……。 連邦のパイロットはリオンの扱いに まだ不慣れなようですね」
アーチボルド「おかげで、思ったより 簡単に基地へ侵入できましたよ」
ツグミ「短時間で基地の守備隊と 防衛網を突破してくるなんて……」
スレイ「敵はかなりの手練れらしいな」
アイビス「……!」
アーチボルド「ほう、あれが プロジェクトTDの実験機ですか」
所属不明兵「アーチボルド・ グリムズ少佐、あの機体は どうするのですか?」
アーチボルド「ああ、無視して下さい。 僕達の獲物じゃありませんから」
所属不明兵「はっ!」
アーチボルド(バン大佐への手土産には うってつけなんですが、ねぇ)
基地司令「フィリオ少佐、 パーソナルトルーパー部隊が出撃 するまでの時間をカリオンで稼げ!」
フィリオ「待って下さい、司令。 あれは実験機で、パイロットにも 実戦経験はありません」
基地司令「だが、カリオンには 実弾が装填されているのだろう!」
基地司令「今すぐ敵を迎撃できるのは あの2機しかない! やらせろ!」
フィリオ「しかし……!」
スレイ「こちら01。 これより敵機を迎撃する」
フィリオ「スレイ!」
スレイ「機体は完璧だ。 後はパイロットの腕を見せれば、 プロジェクトの有意が実証できる」
スレイ「アイビス、お前は下がれ」
アイビス「で、でも……」
スレイ「足手まといだと 言っている……!」
ツグミ「スレイの言う通りよ。 アイビス、下がりなさい」
アイビス「……あたしだってやれる…… やってみせるよ……!」
ツグミ「アイビス!」
フィリオ「……わかったよ、アイビス。 でも、二人とも無理をしないでくれ」
スレイ「了解」
アイビス(やってみせる……。 あたしは、こんなところで 終われないんだ……!)
アイビス(星の海を往く日まで あたしは……!)
(作戦目的表示)

〈1EP〉

アーチボルド「おや? 離脱せずに こちらとやりあう気ですか」
所属不明兵「情報では、 非武装の実験機だと……」
アーチボルド「やれやれ、 どうやら『ローズ』に 一杯食わされたようですね」
アーチボルド「仕方ありません。 コーツ隊は実験機の相手を」
所属不明兵「はっ!」
アーチボルド「ああ、そうそう。 くれぐれも功を焦ってあの2機を 攻撃しては駄目ですよ」
アーチボルド「スポンサーを怒らせると 僕達の活動に支障が出ますからね」
所属不明兵「了解!」
アーチボルド「ところで、 僕達の獲物は見つかりましたか?」
所属不明兵「はっ、熱源反応を確認。 機数、4。出撃準備中のようです」
アーチボルド「結構。じゃあ、僕達は もう少し様子を見るとしましょう」

〈初戦闘〉

[スレイ]

スレイ「兄様のカリオンに この私の力があれば!」

[アイビス]

アイビス「撃つんだ……!  撃たなければ、自分がやられる!」

〈2PP〉

フィリオ「おかしい……」
ツグミ「え?」
フィリオ「ガーリオン隊は まともな動きを見せていない。 まるで何かを待っているかのようだ」
ツグミ「言われてみれば……」
フィリオ(もしや、敵の狙いは?)

〈2EP〉

オペレーター「司令、第3小隊の 発進準備が整いました!」
基地司令「よし、出撃させろ!」
(量産型ヒュッケバインMk-II×4が出現)
アーチボルド「現れましたね。 では、第3段階に移行……」
アーチボルド「中のパイロットは 殺して構いませんから」
(ガーリオンがヒュッケバインにそれぞれ隣接)
スレイ「何だ!?  あのガーリオンのスピードは!?」
ツグミ「ブースト・ドライブ!?」
フィリオ「馬鹿な、 あのシステムは……!」
連邦兵「なっ、何だ、こいつら!?」
(機械音)
連邦兵「ハ、ハッチが! うわああっ!」
アイビス「あいつら、 何をやっているんだ!?」
所属不明兵「少佐、 機体の奪取に成功しました!」
アーチボルド「上出来です。後詰めは 僕達に任せて、直ちに離脱を」
所属不明兵「はっ!」
(ガーリオンと量産型ヒュッケバインMk-IIが撤退)
基地司令「ヒュッケバインが 奪取されただと!?  すぐに追撃しろ!!」
オペレーター「だ、駄目です!  あのスピードでは追いつけません!」
基地司令「ば、馬鹿な!」
フィリオ「何てことだ……」
ツグミ「少佐、これは一体……!?  何故、あのガーリオンが ブースト・ドライブを!?」
ツグミ「あれは私達のプロジェクトで 開発したバイン・ランゼンの……!」
フィリオ(イスルギに提出した データが外部にもれたのか……?)
アーチボルド「では、もうしばらく 付き合ってもらいましょうか。 獲物を逃がす時間を稼ぐためにね」
(アーチボルドの側にリオン・タイプFが複数出現)

〈3PP〉

オペレーター「司令!  友軍機が基地内に突入してきます!」
基地司令「!」
(出撃準備)
キョウスケ「ちっ、やられたな。 量産型ヒュッケバインMk-IIは 持っていかれた後か」
エクセレン「悪い方の読みは 抜群に当たるのよねえ」
ブリット「あいつら、よくも!!」
キョウスケ「熱くなるな、ブリット。 実験機だけでも守り抜くぞ」
ブリット「ええ、わかっています!」
ツグミ「アルトアイゼンに ヴァイスリッター、量産試作型の ヒュッケバインMk-II……」
スレイ「彼らが あのATXチームか……!」
ラミア(コードのない機体…… あれが実験機か?)
フィリオ(何だ、あの機体は……?  パーソナルトルーパーや アーマードモジュールじゃない)
フィリオ(強いて言えば、 ヴァルシオーネやダブルGに 似ているが……)
アーチボルド「おやおや、噂に名高い ATXチームのご登場ですか」
アーチボルド「よろしい、彼らへの 攻撃を許可します。前々から手合わせ 願いたいと思っていましたからね」
フィリオ「スレイ、アイビス、後は 彼らに任せて、一時離脱するんだ」
スレイ「その必要はありません。 私はまだやれます!」
アイビス「あたしだって!」
フィリオ「これは プロジェクト責任者としての命令だ。 拒否は許さない」
フィリオ「それに、素人の君達では 彼らの足手まといになるだけだ」
スレイ「兄様……!」
アイビス「フィリオ……」
フィリオ「離脱するんだ」
スレイ「……了解です……」
(スレイ機とアイビス機が撤退)
ラミア(後退したか。 よほど大事な機体らしいな)
ラミア(それに、あの加速…… 高性能のテスラ・ドライブを 搭載していると見た)
キョウスケ「アサルト1より各機へ。 敵機を掃討するぞ」
ラミア「了解」
(作戦目的表示)

〈vs アーチボルド〉

[キョウスケ]

アーチボルド「さて…… 腕前を見せてもらいましょうか、 キョウスケ・ナンブ君」
キョウスケ「おれの名前を知っている?  DC戦争の生き残りか?」
アーチボルド「残念ながら、外れです。 それに、君達は僕達の間で かなりの有名人でしてね」
アーチボルド「これからは 長いお付き合いになると思いますので どうぞよろしく」
キョウスケ「……ここで 落ちればお別れだ」
アーチボルド「おやおや、 噂通りつれない男ですね。でも、 そういうわけにはいきませんよ」
アーチボルド「僕…… しつこさには定評があるんです」
キョウスケ「自慢することか。 ……行くぞ!」

[エクセレン]

エクセレン「泥棒さん、 何なら私のハートも奪ってみない?」
アーチボルド「いえいえ、 今日のところは量産型の ヒュッケバインMk-IIで充分です」
エクセレン「いやん、残念。 でも、キャンセル料は高くつくわよ?」

[ラミア]

アーチボルド「報告のあった アンノウンですね」
アーチボルド「持ち帰りたい ところですが……今日は やめておきましょう」
ラミア「この機体を失うわけには いかん。任務の支障になる物は 何であろうと容赦しない」

[ブリット]

ブリット「量産型のMk-IIを奪って、 どうするつもりた!?」
アーチボルド「僕達と君達の間に 戦力差があっては不平等でしょう?」
アーチボルド「まあ、 取り引きの一つだと思って下さい」
ブリット「取り引きだって……!?」

状況選択

アーチボルド機以外の敵機を全滅させた
アーチボルド機のHPを40%以下にした
アーチボルド機を撃墜した


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