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蒼い追跡者 ~ 第3話 ~

〔戦域:荒地〕

(量産型ゲシュペンストMk-IIが4機出現)
連邦軍兵「……各機に告ぐ。たった今、 報告が入った。テスラ研を占拠して いるのはDC残党ではなく……」
連邦軍兵「……友軍らしい」
連邦軍兵「ほ、本当ですか、隊長!?」
連邦軍兵「俺もまだ信じられんがな。 それに、トライロバイト級がテスラ研へ 向かったとも言ってきている……」
連邦軍兵「では、 我々だけでその敵を?」
連邦軍兵「いや…… ベーオウルブズも急行中だそうだ」
連邦軍兵「!!  ベ、ベーオウルブズ!?」
連邦軍兵「そんな……!  よりにもよって、あの部隊が!」
連邦軍兵「あいつらが来たら、 俺達までやられかねないぞ!」
(アラート)
連邦軍兵「む? この反応は……」
(ソウルゲインと量産型アシュセイヴァーが4機出現)
アクセル「……ちっ、 こんな所まで詰められていたか。 余裕はないようだな、こいつは」
連邦軍兵「友軍のコード……。 しかし、あれは……?」
アクセル「見られた、か。 エクサランスの件といい…… 流れが悪いな」
アクセル「……ここはおれがやる。 貴様らは先にテスラ研へ戻れ」
所属不明兵「了解」
(量産型アシュセイヴァー4機が撤退)
連邦軍兵「あのような機体が 出ているとは聞いていない。 もしや……!?」
連邦軍兵「こちらはピーターソン基地 所属、ホーク1! そちらの所属と 官姓名を明らかにされたし!」
アクセル「互いに運がなかったな。 これも……戦争というものだ。 覚悟を決めてもらう」
(ソウルゲインが少し東へ移動)
連邦軍兵「隊長! 仕掛けてきます!」
連邦軍兵「ならば、奴は テスラ研を占拠した連中の一味か!  各機、散開! 迎撃せよ!!」
(作戦目的表示)

〈敵機全滅〉

アクセル「片付いたか。 だが、この分では他の連中も……」
(通信)
W16「隊長、本隊が到着しました。 ヴィンデル様達はそのまま出立されます」
アクセル「時間は稼げたようだな。 ……了解した」
W16「隊長も急いでお戻りを」
アクセル「ああ。 少し遅れるが、準備を進めろ」
W16「はっ」
(ソウルゲインが東側へ移動し撤退)


第3話
蒼い追跡者

〔戦域:テスラ・ライヒ研究所周辺〕

(ヴァイスセイヴァー、多数の量産型アシュセイヴァーが出撃しているところにソウルゲインが出現)
レモン「あら、遅いお帰りね、アクセル」
アクセル「少々手間取った。 その割に実りは少ないが、な。 ……先発隊やヴィンデル達は?」
レモン「もう行ったわ。 後は奪取した新型と私達を 残すのみよ」
アクセル「……今の所は ほぼ予定通りか」
レモン「でも、エクサランスは 駄目だったみたいね。ヴィンデルが 残念がっていたわ」
アクセル「いや…… 良かったかも知れん。これがな」
レモン「え?」
アクセル「何でもない。それより、 貴様が出ているということは…… 後詰めか?」
レモン「正解。敵の動きが 予想以上に速くてね。さっき、 パリソン隊との通信が途絶したわ」
アクセル「何…? パリソンが?」
レモン「どうやら、 年貢の納め時……という感じかしら」
レモン「ふふ…… 納めるつもりはないけれどね」
アクセル「この作戦…… やはり急ぎすぎたんじゃないのか?」
アクセル「まるで分の悪い博打だ。 負ければ……何も残らん」
レモン「らしくないわね、アクセル。 成せば成る、成さねばならぬ……って 言うじゃない?」
レモン「それにね、私…… 向こう側に行くことを 結構楽しみにしているのよ?」
アクセル「楽しみだと?  ……例の話か」
レモン「さあて、ね」
アクセル「らしくないのは 貴様だ、レモン。仮に向こう側に いたとしても、そいつは……」
レモン「期待なんてしてなくてよ?  ただ純粋に興味がある……それだけ」
アクセル「………」
レモン「それよりも、先に向こう側へ 送り込んだナンバーズを信じなさいな」
レモン「あの子達は 上手くお膳立てをしてくれるはずよ」
アクセル「あの人形共か。制作者の 貴様の気持ちはわからんでもないが、 入れ込みすぎじゃないのか?」
アクセル「ファースト・ジャンパーの 例もある。連中が失敗すれば、 おれ達も同じ運命だ」
レモン「はあ……。 相変わらず、あの子達には辛いわね」
レモン「私がこれだけ頑張ってるのに、 誉めてくれたのは一度だけだものね」
アクセル「17番か。人形共の中でも 奴だけは別格だった。もっとも、 操縦技術面だけの話だ、こいつがな」
アクセル「そして、別格がもう一人。 ……レモン、貴様らは先に行け」
レモン「!? あなた、何を……」
アクセル「ただ尻尾を巻くのは 我慢ならん。あのまま奴がさらなる 力を得れば……」
アクセル「おれ達にとって脅威…… いや、それ以上になりかねん」
レモン「まさか…… 向こう側までは追ってこれないわよ」
アクセル「そのまさかで、ここまで 追い込まれたことを忘れたか?  ……決着はつけていく」
(ベーオウルブズ隊が出現)
アクセル「来たか、 腐った連邦の亡霊共が……」
アクセル「進む先にあるもの全てを 喰らい尽くす者共……!」
レモン「連邦軍特殊鎮圧部隊、 ベーオウルブズ……!」
???(キョウスケ)「………」
アクセル「ゲシュペンストMk-III…… やはり、最後までおれ達に付きまとう のは……奴か」
レモン「ここまで来れば、 執念以上のものを感じるわね」
アクセル「因縁だ。 あの時……あの任務で奴らと 行動を共にして以来のな」
レモン「昨日の友は今日の敵、 ってわけね」
アクセル「迎合するつもりなど 初めからなかった。 おれも……奴もな」
???(キョウスケ)「逃がさん…… 憎み合う……世界を…… 広げる者達……」
???(キョウスケ)「おれは創らなければ ならない……世界を……静寂で なければならない……」
アクセル(奴め、以前戦った時よりも 悪化している……?)
???(キョウスケ)「お前達は…… 望まれていない……世界を創る……」
???(キョウスケ)「だから…… 撃ち貫く……のみだ」
(???(キョウスケ)に『気迫』『ど根性』がかかる)
レモン「こ、この反応は……!?」
アクセル「おれの知らぬ間に 何があったか知らんが…… また変化を遂げたか、奴は」
レモン「こないだよりも さらに様子が変だわ。 彼もマシンも……」
???(キョウスケ)「お前は…… 純粋な生命体には成り得ん。 おれが……そう、おれこそが……」
アクセル「……おれ達は 混沌による調和を望んだ。 貴様は……何を望む?」
アクセル「そこまでの力を得た 貴様は……?」
???(キョウスケ)「創造……する…… 望まぬ世界を……破壊……」
???(キョウスケ)「ククク……フフ、フフフフ…… 創造と破壊、破壊と創造…… 創造は破壊……破壊の創造……」
アクセル「ちっ…… こちらのことを理解しているか どうかも怪しいか。化け物が……!」
(ソウルゲインが東側の基地外へ移動)
レモン「アクセル、 どうするつもり!?」
アクセル「言ったはずだ。 ……決着をつけていくとな」
レモン「待って!  すぐ私達が跳ぶ番なのよ!?」
アクセル「後顧の憂いは 断っておかねばならん。 奴は危険な存在だ」
アクセル「もう人間では なくなっているのかも知れん」
レモン「その憂いって、 ベーオウルブズのことかしら?  それとも……」
アクセル「どちらも、だ。 おれ達が行った後、リュケイオスには 確実に消えてもらわねばならん」
アクセル「不確定な要素は可能な限り 取り除く。……そのイレギュラー 足り得る、こいつは」
レモン「一度決めたら 変える人じゃない、か」
レモン「……遅刻は厳禁よ?  わかっているとは思うけど」
アクセル「行け……!」
レモン「こちら側と向こう側は違う。 ベーオウルフもそう…… 忘れないで、アクセル……!」
(ヴァイスセイヴァー、量産型アシュセイヴァー全てが撤退)
アクセル「ベーオウルブズ…… いや、ゲシュペンストMk-III……」
アクセル「おれは…… おれはこの世界と決別する……!」
アクセル「行きがけの駄賃だ。 もらっていくぞ……!」
???(キョウスケ)「各機……展開」
アクセル「貴様の首をだ。 キョウスケ・ナンブ……ッ!」
キョウスケ「……噛み砕け……!」
(ソウルゲインがゲシュペンストMk-IIIに隣接し辺りに爆煙)


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