カーク「地下格納庫でのＲ－３の
パーツ交換作業が終了した」
カーク「あとはＴ－ＬＩＮＫシステムの中枢が
回復するのを待つだけだ」
ロバート「中枢だと！？」
ジョナサン「おいおい、カーク…
人間を機械と一緒にするんじゃない」
カーク「パイロットなど、
マシンの１パーツに過ぎんよ」
ロバート「何！？
冗談でもそんなことを言うな！」
ジョナサン「待て待て、二人とも！
今、私達で争っても何にもならんぞ」
ロバート「く……！」
ジョナサン「カーク、お前も相変わらずだな。
人の扱いがさばけているというか、下手というか…」
ジョナサン「きっと、
マリオンはそういう所に似たんだな」
カーク「昔の話だ」
ロバート「………」
ジョナサン「どうした、ロブ？」
ロバート「…一つ、気になることがあるんです」
ロバート「何故、
イングラム少佐はＲ－３を
破壊しなかったのでしょう？」
カーク「無論、彼がわざと狙いを外したからだ」
ロバート「だから、どうして？」
カーク「少佐は、
アヤを起爆剤にしようとしたのだろう」
ロバート「起爆剤…？」
カーク「そうだ。
キョウスケやマサキ、リュウセイ達に
より強い力を発揮させるためのな」
ロバート「もしや…クスハもそのために？」
カーク「おそらくな」
ジョナサン「だが…これからが厄介だな。
イングラム少佐はこちらの手の内を
ほぼ知り尽くしている」
ジョナサン「何にせよ、
これからは苦戦する一方だろうな」
ロバート「いや、それはわかりませんよ」
カーク「何故そう思う？」
ロバート「人間の底力って奴はな…
俺達科学者が計算した以上の数値を
弾き出すことがあるからさ」
エクセレン「あら…いい所にいたわね、
色男さん。ねえねえ、医務室って
どこにあるか知らない？」
ライ「上のプレートが見えないのか？」
エクセレン「あらら、ここだったのね。
それで、アヤの具合はどう？」
ライ「まだ意識が戻っていない」
エクセレン「そう…。
大事に至らないといいけどね」
エクセレン「ま、眠れるお姫様は
王子の熱いキッスで目覚めるってのが
相場だけど、どう？ 王子様」
ライ「遠慮しておく。Ｒ－２の
調整作業が残っているのでな」
エクセレン「あらあら、若いわねえ。
素直じゃないんだから、もう」
エクセレン「あら、ラーダさんと
リューネも来てたの？」
リューネ「うん…事情が事情だし、心配でね」
ラーダ「それに、彼女には辛い現実を
伝えなければならないから…」
エクセレン「そうね…。
信じてた人に、好きだった人に
裏切られちゃったんだもんね」
ラーダ（…イングラム少佐だけじゃない…。
もしかしたら、ヴィレッタも…）
アヤ「う、うう……」
リューネ「アヤ、気がついた！？」
アヤ「…リューネ…私、夢を見たの…」
リューネ「夢？」
アヤ「…イングラム少佐が…
私を…撃ったの。そんなこと、あり得ないのに……」
ラーダ「アヤ……」
エクセレン「はい、ストップ。
夢にしたい気持ちもわかるけど…現実よ」
アヤ「えっ…？」
ラーダ（エクセレン…あなた…）
エクセレン「イングラムはあなたを…
あたし達を裏切ったのよ」
アヤ「う、嘘よ！」
リューネ「ホントのことだよ。アヤ…。
あいつはあたし達にも攻撃を仕掛けて来て…
クスハを連れ去ったんだ」
アヤ「そ、そんな……。うっ…うう…」
エクセレン「泣いたって、
何の解決にもなんないわよ」
エクセレン「優しい言葉をかけて
あげられる余裕もないしね」
アヤ「エクセレン……」
エクセレン「あなたがイングラムを
信じたいなら、止めはしないけど…
泣いても何にもなんなんわよ」
リューネ「そうだね…。
酷な言い方だけど…」
アヤ「リューネ……」
リューネ「ね、アヤ。決着つけようよ」
リューネ「イングラムの所まで行って…
あいつの胸ぐらつかんで、
あんたの想いをぶつけなよ」
アヤ「私の…想い…？」
リューネ「うん。
あたしだったらそうするよ」
エクセレン「そうそう。あたし達は
サンプルじゃなく…感情を持った人間だってこと…
思い知らせてやれば？」
アヤ「…わかったわ。
イングラム少佐に会って…決着をつける」
リューネ「その意気、その意気」
エクセレン「こんなご時世だもの、
少しでも前向きにならないとね」
アヤ「ええ…ありがとう、みんな…」
ラーダ「じゃあ、アヤ。
気分を落ち着かせるのに、効果的な
ヨガのアサナを教えてあげるわ」
アヤ「え？」
エクセレン「やば…！」
リューネ（今の内に逃げようっと…）
ラーダ「どこへ行くの、二人とも？
あなた達にも付き合ってもらうわ」
リューネ「や、やっぱり？」
ラーダ「大丈夫、大丈夫。
ちょっと苦しい姿勢だけど効果は抜群よ」
リューネ「あのさ、
それって本末転倒じゃないの？」
エクセレン「まあ…
それで気を失っちゃえば、
またゆっくり休めるし」
アヤ「…ま、また今度で…
いいですか、ラーダさん？」
ラーダ「駄目よ。
さ、みんな、呼吸を整えて……」
キョウスケ「…自分を戦闘指揮官に？」
ダイテツ「そうだ。
前任のイングラム少佐が
ああいう結果になったのでな」
キョウスケ「…階級から考えて、
アヤ大尉かイルムガルト中尉が
適任だと思われますが…」
イルム「悪いな、俺は荷の重い
ポジションが性に合わなくてね。
ついさっき辞退させてもらったよ」
イルム「それに、
アヤ大尉も自分の代わりにお前を推したそうだ」
キョウスケ「しかし…」
カチーナ「ヘッ、遠慮すんなよ。
あたしは全然構わないぜ？」
キョウスケ「カチーナ中尉…」
カチーナ「指揮官なんて面倒だし…
勝手に突っ込んで、またラッセルに
心配かけるわけにもいかねえしな」
イルム「おいおい、
勝手に突っ込むことが前提か？」
カチーナ「…さてね。
ま、ともかく…あたしは柄じゃないってことさ」
ダイテツ「レフィーナ中佐や
ショーンからの推薦もある。
無論、ワシもお前が適任だと考えておる」
キョウスケ「………」
キョウスケ「…わかりました。努力します」
ダイテツ「では、頼むぞ」
レイカー「それから、部隊の再編と
今後の作戦を遂行するにあたって…」
レイカー「曹長階級のパイロットを少尉へ…
そして、君を中尉へ戦時昇任させる」
キョウスケ「了解です」
（アラート）
オペレーター「第３防衛ライン上に
エアロゲイター部隊が転移出現！
当基地に向かって来ます！！」
ノーマン「何だと…？
今まで奴らは支部クラスの基地に攻撃を
仕掛けて来なかったと言うのに…」
レイカー「本格的な軍施設への攻撃を
開始したか…ハガネとヒリュウ改が目的か…
そのいずれかでしょうな」
ダイテツ「では、それを確かめる意味でも
ワシらが迎撃に出よう」
レイカー「うむ…頼むぞ、ダイテツ」
（敵機が出現、戦艦選択、キョウスケ機が出撃、出撃準備）
キョウスケ「アサルト１より各機へ。
本日からおれが戦闘指揮を執ることに
なった。以後、よろしく頼む」
ジャーダ「よっ！
待ってたぜ、大統領！」
エクセレン「しかも、
中尉にご昇進～。いやん、素敵！
もう好きにしてって感じ！」
タスク「キョウスケ中尉殿、
給料上がったんでしょ？
今度おごって下さい！」
レオナ「…この状況で、
よく悪ふざけが出来るものね…」
イルム「ま、こうなるわな」
カチーナ「予感的中。
だから、面倒なのさ」
キョウスケ「では、各機…
敵機の迎撃に移ってくれ」
（作戦目的表示）
キョウスケ（敵に極東基地へ
向かう気配が見当たらない。
…やはり、標的はおれ達か）
キョウスケ（ならば、
イングラム少佐がおれ達をサンプルと
呼んだ理由も納得できる…）
キョウスケ（ただ、何のための
サンプルかという疑問は残るがな）
（敵機が出現）
リオ「くっ、狙いすましたかのように！
こっちの部隊展開のパターンを
知っているとでも言うの！？」
ラトゥーニ「だって、イングラム少佐が
敵に回っているんだもの。私たちの
手は読まれていると思った方がいい」
リオ「そ、そうね…！」
ラトゥーニ「多分、あのスパイダーは
水陸戦用タイプの強化型…。
みんな、気を付けて」
エクセレン「それに、
まだまだ夜はこれから…って感じが
ビシバシするわねえ」
タスク「隠し球の一つや二つは
あるって思っといた方がいいッスね」
キョウスケ「そういうことだ。
敵はまだ増援を送り込んでくる
可能性が高い。各機、油断するなよ」
（敵機が出現）
ガルイン「………」
エクセレン「わお、予感大的中！」
ブリット「少尉！
喜んでる場合じゃないですよ！！」
イルム「こないだの青い奴か。
多分、指揮官機ってところだな」
エクセレン「ついでに言うなら、
緑のとは違うのだよって感じ？」
キョウスケ「そこまでにしろ、
エクセレン。どうやら本命の登場らしい」
エクセレン「んじゃま、
丁重にお出迎えしないとねえ」
リュウセイ「もしかして、
あの青い奴にはイングラムが
乗っているのか！？」
アヤ「いえ、違うわ。
あれに人は乗っていないと思う…」
マサキ「じゃあ、
何が乗ってるってんだ！？」
アヤ「そ、それはわからないけど…」
キョウスケ「いずれにせよ、敵の
指揮官的存在であるに違いない。
いい機会だ、お手並み拝見といこう」
ガルイン「………」
ラッセル「キョウスケ中尉、
この空域に接近してくる
友軍機を感知しました！」