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R-1対アルトアイゼン リュウセイルート ~ 第22話 ~

《地球連邦軍極東支部伊豆基地》

[伊豆基地 司令室]

一般兵「ハガネ、基地内に進入。 地下ドックのハッチを開放。 スタッフは係留作業を開始せよ」
レイカー「ハガネ到着後、 ダイテツを私のオフィスまで来させてくれ」
サカエ「了解です」

[伊豆基地内]

ダイテツ「何? DC残党が?」
レイカー「ああ。 ノーマン・スレイ少将からの情報だ」
ダイテツアイドネウス島以外に、 彼らの戦力拠点となり得る場所があるのか?」
レイカー「…ダイテツ、 お前は『プロジェクト・アーク』のことを 知っているか?」
ダイテツ「ああ。EOTI機関の ソフィア・ネート博士が提唱した、 種の保存計画のことだな」
ダイテツ「確か、 月地下深部に巨大な人工冬眠施設 『ムーンクレイドル』を建設し…」
ダイテツ「一握りの人間を百年単位で冷凍睡眠させ、 異星人の侵略をやり過ごすという内容だった」
レイカー「そうだ。 そして、建設中のムーンクレイドルは、 ヒリュウ改の活躍により難を逃れた」
ダイテツ「ならば、残党の戦力拠点にはなるまい」
レイカー「では…ムーンクレイドルと同規模の施設が 地球にあったとしたら?」
ダイテツ「! それは本当か?」
レイカー「噂の域を出ておらんがな。 だが、事実だとすれば、我々にとって クロガネ以上に大きな脅威となる…」
ダイテツ「………」
レイカー「いずれにせよ、お前達はRシリーズと 新型機の調整作業に目処が付くまで この基地に駐留してくれ」
ダイテツ「わかった」

[伊豆基地 ブリーフィングルーム]

ガーネット「さ…これでいいわよ、ラトゥーニ」
ラトゥーニ「…どうしても この格好じゃなきゃダメなの?」
ガーネット「当たり前でしょ。 王女様のお供をするんだから」
ガーネット「それに、歳も近いし… 友達同士みたいにも見えるでしょ?」
ラトゥーニ「あんまり意味のない カムフラージュだと思うけど…」
シャイン「そんなことはございませんわ」
ラトゥーニ「こんなフリルのついた服… 逆に目立ち過ぎ…」
シャイン「大丈夫、似合っておりますわ」
ラトゥーニ「ど、どうも… ありがとうございます…」
シャイン「あ、でも…あの眼鏡は駄目よ。 いかがわしく見えてしまいますから。 今度、私が見繕ってプレゼントしますわ」
ラトゥーニ(…この服は いかがわしくないのかしら…)
シャイン「何か言いたいことでも?」
ラトゥーニ「い、いえ…」
ガーネット「やれやれ… どっちが年上だかわかんないわね」
ジョイス「しかし…ラトゥーニ様に シャイン様のボディガードを お願いしてしまってよろしいので?」
ガーネット「あ、気にしないで。 この子、生身でも強いから」
ガーネット「スーパー・ポリス数人分の 働きはするわよ」
ジャーダ「…セキュリティ・ポリスだっつーの」
ガーネット「この際、 どっちだっていいじゃないの」
シャイン「…期待してます。 さ、ラトゥーニ…参りましょう」
ラトゥーニ「は……はい」
(扉が開閉する・シャイン、ラトゥーニと入れ違いにリオとリョウトが入ってくる)
リオ「あら?」
リョウト「みんなして 何をやってたんですか?」
ジャーダ「王女様が、 お忍びで東京支庁の偉いさんと 会うことになってな」
ジャーダ「そこで、 ラトゥーニをボディガード役に 仕立て上げたってワケさ」
リオ「なるほど…。 それでまたラトゥーニがあの格好を…」
リョウト「ボディーガード…。 じゃあ、ラトゥーニも格闘技か何かをやるんだ…」
ジャーダ「も?」
リョウト「い、いえ…何でもありません。 ところで、少尉達も一緒に行くんですか?」
ジャーダ「ああ。 王女様は支庁へ行った後、 浅草を見物したいんだってさ」
ジャーダ「それより、 お前はどうすんだ? 実家に帰るのか?」
リョウト「いえ、色々とワケありで、 帰りたくないんです。道場を継げって 父さんや姉さん達がうるさいし…」
リオ「道場って?」
リョウト「い、いや、何でもないよ」
リョウト(僕の実家が 空手の道場をやってるなんてこと… リオが知ったら、また勝負を挑まれかねないし…)
リオ「変なの。 じゃあさ、クスハも誘って横浜の中華街へ行かない?  おいしい物でも食べましょ」
リョウト「でも、 彼女…特別任務があるって言ってたよ」
リオ「特別任務…? 確か、アヤ大尉も…」

[SRX計画ラボ]

ロバート「R-GUNの最終調整をやれだって!?  本気か!?」
イングラム「ああ。 間もなく月から輸送されて来る」
ロバート「無茶を言わないでくれ。 ただでさえ、今までの遅れを 取り戻すのに精一杯なんだ」
ロバート「R-2と弐式のテストだって 満足に出来ていない。その上、R-3は まだ起動すらしていないんだぞ」
イングラム「R-3とアヤは ケンゾウ・コバヤシ博士に預ける。 お前はR-GUNに専念してくれ」
ロバート「だから、無茶を言うな。 あれはRシリーズの中で、 一番不安定な機体なんだぞ!」
ジョナサン「そうだな。 データを見る限りじゃ、わがままで 気まぐれな美女という感じだな」
ジョナサン「だが、 それだけに御する楽しみが あるんじゃないのか? ん?」
ロバート「そんなマニアックな…」
イングラム「R-GUNは、 すでにヴィレッタとラーダの手によって 起動に成功している」
イングラム「後は最終調整だけだ」
ロバート「それにしたって 人手が足りなすぎる!」
イングラム「心配は無用だ。 月のマオ社から応援を呼んである」
ロバート「応援!?」
(扉が開閉する)
カーク「久しぶりだな、ロブ」
ロバート「カーク!  応援って、お前のことか?」
カーク「そうだ。私では不服か?」
ロバート「そ、そんなことはないが… それでも、R-2やR-GUN、 弐式を同時に仕上げるのは…」
イングラム「カークはどう思う?」
カーク「ここへ来る前にレポートを 読ませてもらった。問題は多いが、 荒療治をすれば不可能な話ではない」
ロバート「荒療治って、まさか…」
カーク「だが、R-2と弐式は 戦闘データがほとんどない状態だ。 それはどうクリアするつもりだ?」
イングラム「心配は無用だ。 データ収集に最適な対戦相手を用意してある」
ロバート「対戦相手だって?  いったい何を企んでいるんだ?」
イングラム「直にわかる」
ロバート「あんたがそういう答え方をする時って、 大概ロクでもないことを考えてるんだよな…」
イングラム「フッ…」
ジョナサン「ところで少佐… 弐式のテストパイロットは決まったのか?」
イングラム「問題ない。 そちらもすでに手配済みだ」


第22話
R-1対アルトアイゼン

〔戦域:伊豆基地周辺〕

(R-1、R-2と81式PTキャリア×3が出現)
ハンス「よろしいのですか、司令?  調整段階の機体で、今回のような 模擬戦を行うなど…」
レイカー「構わん。 SRX計画の機体に関しては、 全てイングラム少佐に任せてある」
レイカー「それとも、君は “彼”がこの基地へ戻って来るとことに 異論があるのかね?」
ハンス「もちろん…あの男は不幸を 呼びますからな。出来れば永久追放 処分にしたいところです」
リュウセイ「こちらR-1、 各部チェック終了。起動する!」
(システム起動)
カーク「ライ、 エンジンの出力を25%以下に キープすることを忘れるな」
ライ「了解。R-2、起動する」
(システム起動)
オペレーター「R-2の起動を 確認しました」
ロバート「とりあえず、 動くには動いたか。後は模擬戦闘が まともに出来るかどうか…」
カーク「出力の安定度は低いが、 かつてのヒュッケバインよりはマシだ。 ライなら大丈夫だろう」
ロバート「他人事のように言うね。 それより、弐式のパイロットのことは リュウセイ達に伝えてあるのか?」
イングラム「まだだ」
ロバート「な、何だって!?」
イングラム「指揮者より各機へ。 イレギュラーであるが、 模擬戦に新型機を参加させる」
ライ「…イングラム少佐、 そのような話はブリーフィングで 聞いていませんでしたが」
イングラム「だから、 イレギュラーだと言った」
ライ(臨機応変に 対応してみせろということか…)
リュウセイ(何か変だよな…。 教官達は隠し事をしてるみてえだ)
リュウセイ(それに… アヤはいねえし、クスハも ここ最近姿を見てねえし…)
オペレーター「指揮者よりG2へ。 マニュアル操作で上体を起こして下さい」
ライ「リュウセイ、 新型機が起動するぞ」
リュウセイ「!」
(グルンガスト弐式が出現)
リュウセイ「あれがグルンガストの弐式か。 パイロットは誰なんだろ?」
オペレーター「G2、 上体の揺らぎが大き過ぎます。 機体重心位置に注意して下さい」
クスハ「は、はいっ!」
リュウセイ「!」
リュウセイ「ク、クスハ!?  あれに乗ってるのはクスハなのか!?」
イングラム「指揮者よりR-1、 R-2へ。G2が定位置に付き次第、 模擬戦闘訓練を開始する」
リュウセイ「どういうことなんだ、教官!  何でクスハが新型機に乗ってるんだ!?」
イングラム「その質問に答える必要はない」
リュウセイ「えっ!?」
クスハ「リュウセイ君」
リュウセイ「クスハ!」
クスハ「心配しないで。 イングラム少佐から言われたことだけど… 私、自分の意思でこの弐式に乗ってるから」
リュウセイ「何だって…?」
クスハ「これは 自分で考えて決めたことでもあるの」
リュウセイ「だ、だけど… そんなのに乗ったら、お前は…」
クスハ「…わかってる。 でも、リュウセイ君やリョウト君、 リオだってそうでしょう?」
リュウセイ「………」
クスハ「それに、 エアロゲイターが攻めてきたら、 今よりもっと大変なことになる…」
クスハ「それを防ぐために、 私は私に出来ることをやりたいの」
リュウセイ「クスハ……」
(アラート)
オペレーター「高熱源体、急速接近中!  各機、警戒して下さい!!」
リュウセイ「何っ、DCか!?」
(アルトアイゼンが出現)
リュウセイAMじゃねえ!  あれはゲシュペンスト…!?」
ジョナサン「あれは アルトアイゼン…どうして キョウスケがこんな所に?」
キョウスケ「この間合い…もらった」
(キョウスケに『鉄壁』、アルトアイゼンがR-1に隣接)
【強制戦闘】
キョウスケ[リボルディング・ステーク]vsリュウセイ[回避]
キョウスケ『止められると思うな…!  R-1のパイロット!』
リュウセイ『うぐっ、こいつ、 ただのゲシュペンストじゃねえ!!』
リュウセイ「こ、こいつ!  何なんだ、いきなり!?」
キョウスケ「データ以上の反応速度…。 どうやら、機体の性能に頼っている わけではないらしいな」
リュウセイ「何!?」
ライ「気を付けろ、リュウセイ!  12時方向から新手が来たぞ!」
(ヴァイスリッターが出現)
ライ「識別は007-03C…。 ゲシュペンストMk-IIの カスタムタイプ…!」
(ヒュッケバインMk-IIが出現)
ライ「あれはヒュッケバイン…。 だが、機体の形状が違う。 もしや、新型か?」
リュウセイ「何者なんだ、こいつら!?」
ライ「…なるほど。 そういうことか、イングラム少佐」
リュウセイ「そういうことかって… どういうことだ!?」
イングラム「こちらイングラムだ。 これより、模擬戦の内容を変更する」
イングラム「R-1はアルトアイゼン、 R-2はヴァイスリッター…」
イングラム「グルンガスト弐式は ヒュッケバインMk-IIと戦い、 これらを撃破せよ。以上だ」
リュウセイ「な、何だって!?  冗談じゃねえぞ!!」
エクセレン「当たんなきゃ、大丈夫!  フフフ…もしかして、 怖くなっちゃったの、ぼ・う・や?」
リュウセイ「ぼ、坊やだとぉ!?」
キョウスケ「エクセレン、茶化すな。 R-1のパイロット…命が惜しければ すぐにその機体から降りろ」
リュウセイ「て、てめえ… マジでやり合おうってんだな!?」
キョウスケ「こちらは そういう命令を受けている」
リュウセイ「だったら、遠慮はしねえ!  行くぜ!!」
ジョナサン「やはり、 アルトとヴァイスに乗っているのは あの二人か…!」
ロバート「少佐、どういうつもりだ!?  ATXチームとSRXチームを 戦わせるなんて…!」
イングラム「………」
(作戦目的表示)

〈vs ブリット〉

[リュウセイ]

リュウセイ「クスハに 手出しはさせねえぞ!!」
ブリット「くっ! かかって来るなら、 迎え撃つしかない!」

[クスハ]

ブリット「グルンガストの 量産試作機か! 相手にとって 不足はないっ!!」
クスハ「!!」
(戦闘)
クスハ「く、うう…」
ブリット「あのグルンガスト、 どうして反撃して来ないんだ!?」
イングラム「クスハ曹長、 何をしている? 反撃しろ」
クスハ「み、味方の人に 攻撃するなんて…!」
イングラム「相手を倒さなければ、 お前が死ぬだけだぞ」
クスハ「そ、そんな…!」
ジョナサン「イングラム少佐、 今のあの子には無理だ」
ロバート「そうだ。こんな馬鹿げた 訓練は今すぐやめさせるんだ!」
イングラム「指揮者よりH2へ。 G2に再度攻撃を仕掛けろ。 大破させても構わん」
ブリット「!」
ロバート「少佐!!」
イングラム「…これは命令だ」
クスハ「で、でも!  こんな訓練、あんまりです!」
ブリット「くっ!  いくら命令とは言え、一方的に 攻撃するなんて…フェアじゃない!」
クスハ「ど、どうすれば…!」
ブリット「……!」
ブリット「こちらH2!  機体に問題発生! よって、 戦闘の続行は不可能です!」
クスハ「えっ…?」
オペレーター「え…!?  こちらでは、異常など 確認されていません!」
ブリット「以上、通信終わり!」
(通信)
オペレーター「!?  H2、応答して下さい!」
エクセレン「あらら… ブリット君、やっちゃったみたいね。 若いんだから、もう」
(ブリットが中立に)

〈vs エクセレン〉

[リュウセイ]

エクセレン「あらら、 相手を間違えてるわよ、ボク!」
リュウセイ「ぼ、僕だとぉ!?」

[ライ 1回目]

ライ「来たか、白騎士!」
エクセレン「うふふ… ヴァイスの力、見せてあげる!」
(戦闘)
エクセレン「ふ~ん、R-2は 初めての実戦だって聞いてたけど、 なかなかやるじゃない」
ライ「機動性は向こうの方が上… しかも飛行可能か。だが、それは 俺にとって問題ではない」
エクセレン「もう、無理しちゃって。 やせ我慢は身体に良くないわよ。 だから、早めに勝負を付けてあげる」
ライ「そう簡単にはやられん。 俺に出会った不幸を呪うがいい…!」
エクセレン「あららん、 キメキメじゃない、色男さん。 ふふっ、燃えてきちゃった!」

[ライ 2回目]

ライ(あの女…何も考えていないように 見えるが、R-2の欠点を踏まえた 上での攻撃をして来ている…!)
エクセレン「悪いけど、武器の射程は こっちの方が上なのよね!」
ライ「ならば、 肉を切らせて骨を断つまでだ!」
エクセレン「あらら…クールなタイプと 思ってたけど、割と熱血君なのねえ」
(戦闘)
ライ「なるほど…装甲を犠牲にし、 機動性を重視した機体…それ故の テスラ・ドライブと長射程武器か」
エクセレン「ふふっ、私の ヴァイスが両刃の剣だってこと、 もうバレちゃったみたいね」
エクセレン「んじゃま、さっさと 勝負をつけさせてもらうわね!」
ライ「茶番はよせ」
エクセレン「!」
ライ「お前がわざとR-2の動力源から 狙いを外しているのはわかっている」
エクセレン「…なぁんだ、 そっちもバレバレだったのね」
ライ「余計なお世話だと言っておこう。 それに、手加減をする相手と戦っても 実戦データは取れないからな」
エクセレン「ふ~ん… 今回の目的にも気付いてるのね。 さっすが、エリート軍人さん!」
エクセレン「それじゃ、遠慮なく やらせてもらいましょっか!」

[撃墜]

エクセレン「わわ、油断しちゃった…!  キョウスケ、後はお願いね!」

〈vs キョウスケ〉

[ライ]

キョウスケ「おれの相手は お前ではないはずだ…!」
ライ「だが、リュウセイでは こいつに勝てないかも知れん…!」

[リュウセイ 1回目]

キョウスケ「接近戦で おれのアルトに勝てると思うな」
リュウセイ「言ったな!  こっちだって接近戦用なんだ!」
(戦闘)
キョウスケ「あの機体…試作機とは 言え、よく保つ。対異星人戦用に 作られただけのことはあるな」
リュウセイ「チッ、何て瞬発力だ!  あいつ、ただの改造機じゃねえぞ!」

[リュウセイ 2回目]

キョウスケ「おれの間合いから 逃げられると思うなよ…!」
リュウセイ「そいつは俺の台詞だ!!」
(戦闘)
リュウセイ「くっ!  あの野郎、場慣れしてやがる!」
キョウスケ「そちらも伊達にDC戦争を 生き延びたわけではないらしいな」

アルトアイゼンを
撃墜しなかった 撃墜した


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