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リトル・プリンセス リュウセイルート ~ 第21話 ~

〈テンペスト撃墜〉

テンペスト「な、何ということだ!  王女を手に入れられずに…!」
(ストークが爆発)

〈敵機全滅〉

エイタ「敵機がリクセント公国の 領土外へ撤退して行きます」
ダイテツ「よし…PT隊を先行させ、 王女の身柄を確保しろ」
テツヤ「了解です」

[ハガネ ブリッジ]

ジョイス「ありがとうございます、 ダイテツ・ミナト中佐。おかげで 我が国は救われました」
ダイテツ「いえ。シャイン王女が ご無事で何よりです」
ジョイス「本当に、 何と御礼を申し上げれば良いやら…」
ジョイス「王女の御身にもしものことがあれば、 亡くなられた大公夫妻に申し訳が立ちません」
ダイテツ「では、王女のご両親は…?」
ジョイス「はい…。事故で…」
ダイテツ「…そうですか」
ダイテツ(ワシの孫と同じく、 両親を失ったのか…)
テツヤ「ところで、王女はどちらに?」
ジョイス「そう言えば、お姿が見えませんな。 私がここまでお連れして来たのですが…」
エイタ「王女なら、 さっきブリッジから出て行かれましたよ」
ジョイス「な、何と…!」
テツヤ「エイタ、 どうして止めなかったんだ?」
エイタ「え?  内緒にしてねって言われたんで…」
テツヤ「…お前な。 責任取って捜してこい!」
エイタ「す、すみません!」
(扉が開閉する・エイタが立ち去る)
ジョイス「も、申し訳ございません。 軍艦の中で勝手な行動は慎まれるよう 重ね重ね念を押していたのですが…」
ダイテツ「構いません。あの年頃の子は 好奇心がおう盛なものですからな」
ジョイス「は、はあ…」
イングラム「ところで、ルダール公… お聞きしたいことがあるのですが」
ジョイス「何でございましょう?」
イングラム「先程の敵部隊は シャイン王女の拉致が目的でした。 …狙われた理由とは?」
ジョイス「! そ、それは…」
イングラム「劣勢に追い込まれている DCが必要としていることから…」
イングラム「王女の持ち物、もしくは 王女そのものに何か秘密があるのは間違いない…」
ジョイス「………」
ジョイス「…わかりました。 我が国を助けて頂いたあなた方に、 隠していても詮無いこと…」
ジョイス「実は…シャイン様には ある特別なお力が備わっているのでこざいます」
テツヤ「特別な力?」
ジョイス「はい。その力は 代々の大公家に脈々と受け継がれ… シャイン様も例外ではなく」
テツヤ「も、もしかして… 超能力や霊能力…の類ですか?」
ジョイス「そうお考え頂いても 結構でございます」
テツヤ(ま、またその手の話か…)
イングラム(念動力…いや、違うな。 あの王女からその資質は感じられない)
ジョイス「わかりやすく申しますと… 予知能力の一種でございます」
ジョイス「ただ、未来のことが 完全にわかるというわけではありません」
ジョイス「しかし、 シャイン様のお力は先代よりも遥かにお強いのです」
イングラム「興味深い話ですね」
テツヤ「何故、DC残党はそのことを?」
ジョイス「亡くなられた先代は EOTI機関に出資されていたことがあり… おそらく、その時に…」
ジョイス「ですが…軍事利用… 考えるのもおぞましいのですが、 そんなことが出来るとは、とても…」
イングラム「いえ、 あながちそうだとは言えません」
イングラム「彼女の力を機動兵器の マン・マシン・インターフェイスに応用すれば…」
イングラム「敵の攻撃を予測・回避する 機体を作り上げることが出来ます」
ジョイス「そ、そのようなことが…」
イングラム「DCの副総帥であるアードラー・コッホは、 その手の研究に長けた男です」
イングラム「今回はうまくDC残党を 撤退させることができましたが…」
テツヤ「我々がこの国を離れれば、 奴らが再び王女を狙う可能性もあると…?」
ジョイス「………」
ジョイス「…お願いでございます。 どうか、あなた方の手で王女を安全な場所へ かくまっていただけませんか?」
ダイテツ「ふむ…。 イングラム少佐の話が事実だとすれば…」
ダイテツ「シャイン王女の身柄を、 DCやコロニー統合軍に渡すのは 避けねばならんところだな」
テツヤ「しかし、艦長。 安全な所と言っても…」
ダイテツ「一度、 レイカーに相談してみよう」

[ハガネ ブリッジ]

レイカー「…なるほど。 事情はわかった」
ダイテツ「ワシとしても、 DCやコロニー統合軍が王女を 狙う理由が気になるのでな」
レイカー「お前がそこまで親身になるとはな。 孫娘のことを思いだしたのか?」
ダイテツ「ば、馬鹿なことを言うな。 歳が違う、歳が」
レイカー「フフ…歳は関係あるまい。 では…王女はしばらくの間、 極東支部で預かることにする」
レイカー「ここは連邦軍総合参謀本部や EOT特別審議会のあるジュネーブよりは 安全だろうからな」
ダイテツ「すまん」
レイカー「それに、 Rシリーズや新型機の調整作業もある。 ハガネは王女を護衛して日本へ帰還してくれ」
ダイテツ「了解した」

[ハガネ ブリーフィングルーム]

アヤ「…結局、 お城の中には入れないの?」
ラトゥーニ「ええ。 ハガネはすぐに日本へ出発すると…」
アヤ「そう…残念だわ。 リクセント城なら、貴重な美術品とか あったでしょうに…」
リュウセイ「美術品? 何で?」
アヤ「実はね、私…美術館巡りとか好きなの。 それで…」
リュウセイ「ヘッ、 アヤがそんなのに興味を持ってたとは。 柄にもねえってのはこのことだな」
アヤ「何ですってぇ?  それ、どういう意味!?」
リュウセイ「い、いてて!  ほっぺたをツネるなって!!」
ガーネット「それにしても… あの王女様、可愛かったわねえ」
アヤ「ええ。ああいうの、 女の子の永遠の憧れだもんね」
リュウセイ「ヘッ、 いい歳こいて何言ってんだか…」
アヤ「何ですってぇ?  そ・れ・はどの口が言ってるのかしら~!?」
リュウセイ「だ、だから、 ほっぺたをツネるなって!!」
ガーネット「やっぱ、 あの年頃の女の子は可愛く着飾らなきゃね」
ガーネット「ね、ね、ラトゥーニ。 前の服、もう一回着てみない?」
ラトゥーニ「え…?  でも…任務もあるし…」
エイタ「あの~…」
アヤ「あら、どうしたの?」
エイタ「みなさん、シャイン王女を 見かけませんでしたか?」
アヤ「いえ…」
ガーネット「もしかして、 マサキみたいに艦内で迷子になっちゃったの?」
エイタ「え、ええ…まあ…」

[ハガネ 格納庫]

ライ(クロガネ…。 エルザムが乗ったあの艦の消息は、未だつかめずか)
シャイン「そこのあなた」
ライ(父亡き後、あの男は何をする気なのだ…?)
シャイン「これ! ちょっと!  ねえってば!」
ライ「…む?  シャイン王女…何故、こんな所に?」
シャイン「珍しいからでございますわ。 そうだ…あなた、案内なさいませ」
ライ「自分はまだ仕事が終わっていません。 他の者にお頼み下さい」
シャイン「私はあなたがいいと言って いるんでございますのよ!?」
ライ「王女… 何でも自分のおっしゃっる通りになると お思いですか?」
シャイン「!」
ライ「それがご自身の意志ではなく、 家柄や立場から、そういうものだと 思っているだけなら…なおさらです」
シャイン「ぶ、無礼でしょう、あなた!」
ライ「失言はお許しを。 …では」
シャイン「お待ちになって!  …あなた、あの…お名前は?」
ライ「…ライディース・F・ブランシュタインです」
シャイン「ブランシュタイン… あなた、もしかして…あの?」
ライ「…自分はこれで」
(足音・ライが立ち去る)
シャイン「………」
シャイン(お父様と同じこと…言われちゃった…)

[ハガネ ブリーフィングルーム]

イルム「何だってぇ!?」
リオ「本当なんですか!?」
アヤ「ええ。 シャイン王女は私達と一緒に 日本へ行くことになりました」
リュウセイ「それって、 王女さんを俺達でガードするってことか?」
シャイン「そうでございますわ」
アヤ「みんな、粗相のないようにね」
ジャーダ「は、はあ」
シャイン「あの…ライディ様はどちらに?」
ラトゥーニ「ライディ様…?」
ジャーダ「おい、それって…」
ガーネット「ライのこと?」
リュウセイ「そ、そうかも」
シャイン「そこのあなた」
リュウセイ「お、俺?」
シャイン「はい。お時間はございますか?」
リュウセイ「は、はい」
シャイン「では、 ライディ様を捜してきて下さいませんこと?」
リュウセイ「え? 何で俺が…」
シャイン「私、 艦内のことはまだよくわかっておりませんの」
シャイン「誠に申し訳ないのですが… お願い出来ますか?」
リュウセイ「は、はい! 只今!」
(扉が開閉する・リュウセイが立ち去る)
ガーネット「さっすが、王女様… 年の割には命令することに慣れてるわね」
アヤ「それに引きかえ、リュウときたら…」
イルム「小市民の悲しき性だねぇ…」

[艦内 個室]

クスハ「…クスハ・ミズハです」
イングラム「入れ」
(扉が開閉する)
クスハ「あの…。 お話って何でしょうか、少佐…」
イングラム「明日からお前に PTシミュレーター訓練を課す」
クスハ「え!? ど、どうしてですか!?」
イングラム「お前に適性があるからだ」
クスハ「適性…?」
イングラム「そう。 定期健診と同時に行っていた検査の結果、 判明した」
クスハ(検査って… 私、ドクターからそんな話を聞いてない…)
イングラム「お前のために 特別訓練プログラムとSRX計画の機体を 用意してある」
クスハ「そんな…。 私は看護兵です。パーソナルトルーパーを 操縦するなんて…」
イングラム「現在がどういう状況か、 お前も知っているはずだ」
クスハ「………」
イングラム「来るべきエアロゲイターとの戦いに備え、 俺はSRX計画の機体を扱える人材を 一人でも多く必要としている」
クスハ「でしたら、私よりも…」
イングラム「もう一度言う。 お前には素質がある」
クスハ「………」
イングラム「我々はエアロゲイターに 勝利しなければならない。それがひいては 人命を救助することにつながる」
イングラム「クスハ… お前の力を我々に貸してくれ。 …お前なら出来る」
クスハ「………」

《アースクレイドル》

[アースクレイドル]

イーグレット「…ようこそ、 我が聖地アースクレイドルへ」
アードラー「挨拶はいい。 ここの建設は進んでおるのか?」
イーグレット「地上との連絡口は ほぼ完成したが、地中中核部の隔壁は未だ建設中だ」
イーグレット「さらに、 メインコンピューター・メイガスの 調整作業も終わっていない」
アードラー「予定より遅れておるな。 マシンセルは使えるのか?」
イーグレット「実用化まで、あと1年はかかる」
アードラー「1年後じゃと…?  遅い。そんな時分には、異星人が とっくに地球を征服しておるわ」
アードラー「ええい、 ワシが直接ソフィアを問い質す。 ここへ呼んで来るのじゃ」
イーグレット「彼女はメイガスに かかりきりでな。ここ数週間、 中枢ブロックから姿を見せていない」
アードラー「構わん。 DC副総帥であるワシの命令じゃぞ!」
イーグレット「…今、ソフィアの手を止めれば、 メイガスに影響が出る」
イーグレット「そうなれば、 例の量産機のラインにも問題が発生するが… それでもいいのか?」
アードラー「うぬぬ…。 ならば、致し方あるまい」
アードラー「あれは王女の力同様、 ワシの世界征服計画にとって 必要不可欠なものじゃからな」
イーグレット「下らんな。 小娘の力をあてにするなど…」
アードラー「何とでも言うがいい。 それに、王女の行き先が日本だということは わかっておる」
イーグレット「スパイからの情報か」
アードラー「うむ。 後は奴の働き次第じゃな」

『ハチマキ』を入手した。
『資金20000』を入手した。


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