トーマス「リョウト、
お前の選択は正しかったぜ」
リョウト「選択！？」
トーマス「そうだ。
てめえがＤＣに戻って来ても、
結果は同じだった」
トーマス「どのみち、
アードラーはお前をお払い箱に
するつもりだったからな」
リョウト「くっ！！」
トーマス「また会ったな、
魔装機神。今日はちゃんと
相手をしてやるから安心しな」
トーマス「…それから、俺のことは
覚えてくれなくていいぜ。どうせ
てめえらはここで死ぬんだからよ」
マサキ「てめえが誰だろうが
知ったことか！ 人間を
爆弾代わりにしやがって…」
マサキ「俺はそういうことを
平気でやりやがる連中が
一番許せねえんだっ！！」
トーマス「チッ、
奴らを少し甘く見過ぎてたか」
トーマス「だが、覚えてろよ。
この借りは必ず返してやるぜ！
シー・ユー・アゲン！」
テンザン「やれやれ、お前は
もうちょっと頭のいい奴だと
思ってたけどな」
リョウト「どういう意味だ！？」
テンザン「お前は
バーニングＰＴで一度も俺に
勝ったことがないだろうが」
テンザン「それを知ってて、
実戦でこの俺と戦おうなさんざ…
頭の悪い証拠だぜ」
リョウト「…僕は決意したんだ…。
あなた達を本気で倒すって…！」
テンザン「ほ～う。じゃ、
その本気ってのを見せてみな！」
テンザン「うおあっ！？
やりやがったな！ このゲーム、
ひとまず勝負を預けるぜ！！」
（アラート）
エイタ「南西の方角から、
接近してくる機体を感知！」
テツヤ「敵の増援部隊か！？」
エイタ「！
ち、違います！ こ、これは…
あ、あいつだ…！！」
テツヤ「ちゃんと報告せんか！」
エイタ「た、大尉！
シロガネを沈めたあいつが…来ます！！」
テツヤ「何っ！？」
（グランゾンが出現）
リュウセイ「あの青いロボットは、
南極の時の…！」
ダイテツ「…グランゾンか！！」
マサキ「シュウ！
貴様、こんな所に！！」
シュウ「ほう、マサキですか。
これは奇遇ですね。あなたはいつから
群れを成すようになりました？」
シュウ「一匹狼を気取っていたのでは
ありませんか？」
マサキ「貴様こそ、何を考えている！？
ＤＣに協力するなんて…！」
シュウ「話したところで、
私の考えがあなたに理解出来るとは
思えませんね」
シュウ「それより、そこの方々に紹介して
いただけませんか。初対面の方が
いらっしゃるようですから」
マサキ「フン、自分でやりな！！」
シュウ「そうですか、仕方ありませんね」
シュウ「私の名前はシュウ・シラカワ…
そして、これは私の愛機…
グランゾンです」
シュウ「こういう形で出会わねば
ならないとは不幸ですが…」
シュウ「これもお互いの都合というもの。
ご勘弁願います」
ジャーダ「な、何だ、あの野郎…
気取りやがって…！」
シュウ「あなた方のご高名は
私も聞き及んでいます。
一度、お手合わせしたいと思っていました」
シュウ「ですから、
遠慮なくかかって来て下さい」
イルム「やれやれ、キザな野郎だな」
イングラム（あれがシュウ・シラカワか。
なるほど、ただの男ではなさそうだ）
イングラム（そして、
南極で壱番艦シロガネを
大破させたグランゾン…）
イングラム（その力をこの目で確かめ、
データを収集するにはいい機会だ）
テツヤ「艦長、
今こそシロガネの借りを
返す時です！ 攻撃命令を！！」
ダイテツ「………」
テツヤ「艦長！！」
ダイテツ「大尉、最大戦速で、
このスターバク島海域より離脱する。
各機にそれまでの時間を稼がせろ」
テツヤ「何故です！？
シロガネの乗組員達の無念を
晴らすのではないのですか！？」
ダイテツ「我々の目的は
アイドネウス島の陥落だ。
それを忘れてはならん」
テツヤ「しかし、むざむざと
奴に背中を向けるなど…！」
ダイテツ「お前の気持ちはわかる。
だが、あの男は、本気で本艦と
戦おうとは思っておらん」
テツヤ「え！？」
ダイテツ「奴がその気なら、
すでに本艦は撃沈されているはずだ。
南極でのシロガネのようにな…」
テツヤ「う…！」
ダイテツ「シュウ・シラカワが
何を考えているのかはわからんが、
この機を利用して離脱する」
（脱出位置を示す）
テツヤ「りょ、了解です…！」
シュウ「…ほう、あの艦は
ここから脱出するつもりですか」
シュウ「フフフ…南極事件を踏まえた
賢明な判断だとほめておきましょう、
ダイテツ・ミナセ中佐…」
（作戦目的表示）
テツヤ「各機へ！
本艦がこの海域を離脱するまでの
時間を稼ぐだけでいい！」
テツヤ「無理な戦闘はするな！！」
シュウ「…ハガネに協力するとは
あなたもお人好しですね」
マサキ「てめえこそ、ＤＣに協力して
何をするつもりだ！？」
シュウ「…ご想像にお任せしますが…」
シュウ「少なくとも、私の目的は
あなたが考えているようなものでは
ありませんよ」
マサキ「うるせえっ！
行くぜっ！！」
シュウ「…あなたが
イングラム・プリスケン少佐ですか。
お名前は存じていますよ」
イングラム「…こちらもな」
シュウ「…何でも、
ＥＯＴＩ機関の手助けなしで、
ＥＯＴを解析したとか………」
シュウ「フフフ…いったい、
どこからそのような知識を
得られたのです？」
イングラム「…それはお互い様だ」
シュウ「テスト中の不完全な
状態とはいえ、このグランゾンを
行動不能にさせるとは…」
シュウ「…フフフ…あなた方の
執念深さには敬意を表しますよ…」
シュウ「…おかげで、各種データを
収集することも出来ました。
それでは、またお会いしましょう」
（グランゾンが爆発）
テツヤ「よし、本艦は
スターバク島海域より離脱する！
各機、帰還せよ！！」
（味方機が全機撤退）
ダイテツ「…では、我々に協力すると？」
リョウト「は、はい…。
もうＤＣには戻れませんし…
戻るつもりもありません」
リョウト「それに…
僕は今までＤＣに荷担していた
罪滅ぼしをしたいんです…」
ダイテツ「………」
テツヤ「艦長、
彼の言葉は信用していいと判断します」
ダイテツ「…よかろう」
ダイテツ「リョウト・ヒカワ、
現時刻を以て、君を捕虜ではなく、
本艦の乗組員として扱う」
ダイテツ「以後は、イングラム少佐や
テツヤ大尉の指示に従ってくれ」
リョウト「は、はい、ありがとうございます！」
テツヤ（頑張れよ、リョウト…）
アヤ「…と、いうわけで、
彼は私達と同行することになったの」
リョウト「リョウト・ヒカワです。
よろしくお願いします」
ジャーダ「ああ、こっちこそな」
ガーネット「あたし達、
あんたがＤＣにいたことなんて
気にしてないから仲良くやりましょ」
ジャーダ「そうそう。
むしろ同情してるぐらいだからな」
リョウト「そう言ってもらえると助かります…」
リオ「リョウト君、
私…あなたのことを少し見直したわ。
結構、勇気があるじゃない」
リョウト「あ、ありがとう。
でも、あれは君のおかげで…」
リオ「そうじゃなくて…
『俺だって出来るんだ』ぐらい言いなさいよ。
男は自信を持たなきゃダメよ」
リョウト「ご、ごめん…」
リオ「もう、何でそこで謝るのよ！」
ガーネット（ふ～ん。
何だかいいコンボ…じゃなかった、
コンビになりそうじゃない）
マサキ「………」
ガーネット「どうしたの、マサキ？
深刻な顔しちゃって…」
マサキ「………」
ガーネット「マサキ？」
マサキ「あ、ああ…何でもねえよ」
アヤ「シュウ・シラカワのことが
気になってるのね？」
マサキ「…まあな。
結果的には奴を逃がしちまったからな」
アヤ「そうね。
あの人、ビアン博士と同じで私達を
倒すつもりがなかったみたいだし…」
マサキ「チッ、あの野郎…
今度はどこへ行きやがったんだ？」
リョウト「あの…マサキさん。
シュウ・シラカワ博士のことですが…」
リョウト「あの人は多分、
ＤＣ総司令部のアイドネウス島へ
向かったと思います」
マサキ「！ 本当かよ！？」
リョウト「ええ…。
今、ＤＣの幹部クラスの人間が
本部に集結しているみたいですから」
マサキ「よし…待ってろよ、シュウ！」
マサキ「何が何でも
アイドネウス島まで行って…
今度こそ決着をつけてやるぜ！」
一般兵「総帥、
シュウ・シラカワ博士が
お見えになりました」
ビアン「シュウか…遅かったな」
シュウ「申し訳ありません。
グランゾンの単独行動テストを
行っていましたので」
ビアン「…結果は良好のようだな」
シュウ「いえ、まだまだです」
シュウ「博士が開発された
ヴァルシオンの足下には及びませんよ」
ビアン「フフ…戯れ言を」
シュウ「それで…私の役目は？」
ビアン「このアイドネウス島に止まり、
この戦いの行く末を見届けるのだ」
シュウ「フッ…
わかりました、ビアン博士……」