back index next


ブライアンという男 キョウスケルート ~ 第14話 ~

《コロニー・エルピス》

[コロニー統合軍 総司令部]

ジーベル「マイヤー総司令、 折り入ってお聞きしたいことが…」
リリー「少佐、何事です?  私を通さず、総司令にお話とは…由々しき事態でも?」
ジーベル「申し訳ありませんな、中佐。 あまりよろしくない話を耳にしたもので」
マイヤー「何か? ジーベル少佐」
ジーベル「コロニー統合府大統領… ブライアン・ミッドクリッドが、ら致されたと 聞きました」
マイヤー「それがどうかしたのか?」
リリー「大統領は、我が統合軍にとって邪魔な存在です。 彼の身柄を確保して何の問題があると…」
ジーベル「トロイエ隊はともかく、 何故、その任務にゼンガーなどを参加させたのです?」
ジーベル「あの男は元々連邦軍の者。 しかも現在、唯一我々の手をわずらわせている ヒリュウ改…」
ジーベル「そのクルーだった男です。 いつ我々を裏切るか…」
マイヤー「…二度あることは三度ある、か。 だが、役目を果たすまであの男は裏切らぬ」
ジーベル「う…。し、しかし…」
リリー「良くも悪くも、 ゼンガー少佐は裏表のない人物です」
リリー「彼に二心のないことは、 あなたもわかっているのでは?」
ジーベル(チッ…。 総司令といい、この女といい…。 何故、そこまであの男を買う?)
ジーベル「…では、総司令。 自分にも、コルムナ防衛任務をお任せ下さい」
ジーベル「必ずや、 ゼンガー以上の働きをお見せ致します」
マイヤー「…よかろう」
ジーベル「では…」
(足音・ジーベルが立ち去る)
リリー「よろしいのですか、総司令?  あの者…己の手柄のためには、手段を選びません」
マイヤー「構わん。 オペレーション・ユグノーのために 時間稼ぎは必要だ」
マイヤー「それに、 我らの行動は後の世で非難されて然るべきよ」

[ヒリュウ改 格納庫]

カチーナ「ブライアン・ミッドクリッドが 捕まっただぁ?」
ラッセル「はい。 ブリッジの方で、そういう内容の通信を 傍受したそうです」
タスク「誰、それ?」
ラーダ「タスク君、 少しはDコンでニュースを見た方がいいわよ?」
タスク「俺、芸能情報ぐらいしか見ねえからなあ…」
ラーダ「…ブライアン・ミッドクリッドという人はね、 コロニー統合府の大統領…」
ラーダ「かつての『NID4』… コロニー自治権獲得運動の中心的人物よ」
ラッセル「彼のおかげで、コロニーは地球連邦からの 無血独立を成し遂げることが出来たんです」
タスク「ふ~ん。 それじゃ、統合軍とはソリが合わなかったから 捕まえられたってわけか」
ラーダ「ええ。 コロニー内では絶大な支持を受けているし、 連邦政府にも影響を与えられる人物だもの…」
ラーダ「あの人の動き次第では、 統合軍も足をすくわれかねないわ」
キョウスケ「しかし… 開戦後から今まで逃げ切っていたとは… 先読みと機転が利く人物のようだな」
タスク「しかも、相当な勝負師とみた。 会ってみてえなあ」
ラーダ「そうね。 写真で見たことがあるけど、素敵な紳士だし…。 私も会ってみたいわね」
カチーナ「ヘッ、どうせガチガチの堅物に違いねえ。 苦手だね、そういうタイプは」
キョウスケ「………」

[ヒリュウ改 ブリッジ]

レフィーナ「…ミッドクリッド大統領を 救出するのですか?」
キョウスケ「はい。上手く行けば、 状況を好転させられるかも知れません」
レフィーナ「しかし、今は一刻も早く、 コルムナを奪回しなければなりません」
レフィーナ「大統領を助け出す余裕は、とても…」
ギリアム「艦長、 キョウスケ少尉の言うことにも一理あります」
レフィーナ「どういうことですか?」
ギリアム「ミッドクリッド大統領は、 統合軍にとって邪魔な存在…」
ギリアム「にも関わらず、ら致したということは… 彼らには、大統領を殺せないわけがあるのです」
レフィーナ「え…?」
ショーン「ふむ。 マイヤー総司令は政治家としても優れた男…」
ショーン「人気者の大統領を殺せば、 どういう事態を迎えることになるか、 よくわかっているはずですし…」
ショーン「むしろ、 生かしておいて利用することを考えるでしょうな」
ギリアム「ええ、おそらく」
レフィーナ「皆さんの言いたいことはわかりました」
レフィーナ「しかし、 大統領の居場所がわからないことには…」
ショーン「では…コルムナへ向かう途中で、 大統領をら致した部隊に遭遇すれば救出する…」
ショーン「ということでいかがでしょう?」
キョウスケ「賭け金はおれ達の命、 賞品は…大統領の命か」
ショーン「若い娘だったら、 もう少しやる気も出ますがね」
レフィーナ「…わかりました。 私もその賭けに乗りましょう」


第14話
ブライアンという男

〔戦域:宇宙空間〕

C軍艦長「…総司令から手荒な ことはするなと命令されております」
C軍艦長「無論、大統領が 抵抗をなさらなければの話…ですが」
ブライアン「………」
一般兵「艦長!  敵艦が接近中です!!」
C軍艦長「来たか…!」
(ヒリュウ改が出現)
レフィーナ「賭けに勝ったかどうか、 確認します…各機、出撃を!」
(出撃準備)
キョウスケ「で、どうする?」
カチーナ「どうするもこうするもねえ、 いつも通り叩き潰すぜ?」
レフィーナ「叩き潰さないで下さい!」
ヴィレッタ「確証は持てないが、 あのペレグリン級に大統領が 乗っているなら…」
ヴィレッタ「護衛機を片づけつつ、 だ捕した方がいいわね」
タスク「開けてビックリ玉手箱。 大統領がいたら大当たり! …ってな。 ちょっとワクワクして来たぜ」
エクセレン「私もよ。 これって、もしかして…恋?」
ラーダ「関係ないと思うけど…」
キョウスケ「とにかく、 動きを止めるのが先決か。 ペレグリンの航行能力を奪うぞ」
C軍艦長「敵が来るぞ!  最大戦速で、この宙域を離脱しろ!」
(ペレグリンの離脱地点を示す)
キョウスケ「アサルト1から各機へ。 護衛を潰しつつ、大型艦を狙う。 逃がすなよ!」
(作戦目的表示)

〈ペレグリンのHPが75%以下〉

ユン「敵艦、停止しました!」
カチーナ「よし! あとは 周りの護衛機を落とすだけだぜ!!」
キョウスケ「…少し簡単すぎる。 アサルト1よりヒリュウへ。 状況は?」
ユン「少尉の予想通りです。 敵増援部隊、来ます!」
カチーナ「ちっ。 ま、これだけ暴れてりゃ仕方ねえか」
エクセレン「むしろ、 遅いくらいじゃなぁい?」
(コスモリオンなど出現)
ユーリア「やはり、 食いついてきたか…ヒリュウ改」
エクセレン「わお、それいけ隊のご登場?」
タスク「それ、何にも 言葉が引っ掛かってないッスよ?」
エクセレン「ん~、ニュアンスでね」
キョウスケ「…親衛隊を出してくるとは 厄介な話だな」
レオナ「ペレグリンから入電。 エンジンブロック破損、 航行不能とのことです」
ユーリア「ならば、やるべきことは… わかっているな?」
レオナ「はっ。 必ずや総司令のご意志どおりに」
レフィーナ「各機へ!  ペレグリンをだ捕するために、 敵機を全滅させて下さい!」
キョウスケ「……」
タスク「少尉、 気になることでもあるんスか?」
キョウスケ「…何でもない」
キョウスケ(仮にこれが仕組まれて いることだとしたら…あの男…来るか…?)
(作戦目的表示)

〈AFTER 2 TURNS EP〉

ユン「新たに敵反応!」
ショーン「やはり、 そう簡単にはいきませんか。 艦長、敵の規模によっては…」
レフィーナ「ええ、 撤退も…考えています」
ユン「敵増援…一機です!」
タスク「何だよ、ケチ臭え話だな。 一機だけに、一気に蹴散らして…」
(グルンガスト零式が出現)
キョウスケ「やはりな、 ゼンガー・ゾンボルト…!」
ゼンガー「キョウスケ… 大統領を、お前達に渡すわけにはいかん」
エクセレン「さぁてどうだか。 ねえ、ボス?」
ゼンガー「…撤退するなら、今の内だ。 逃げる敵を後ろから斬りはせん」
ギリアム「お前らしい台詞だな。 だが、背を見せるつもりはない」
ゼンガー「ならば、来るがいい!  ギリアム・イェーガー!!」
エクセレン「何か盛り上がってるけど… こっちの意見は聞く気なし?」
エクセレン「後ろからなら斬られない… ってことは、横に逃げたら 半分斬られるのかしらねえ?」
タスク「意見って、そういうのかよ!」
キョウスケ「聞かれるまでもない。 …ゼンガー、総合府大統領は こちらに渡してもらうぞ」
ゼンガー「良かろう!  言ったからには、やってみせろ!」

ゼンガーを
撃墜した 撃墜できなかった


back index next