レディ「……そろそろ時間だな」
(爆発、震動)
リリーナ「え……何!?」
レディ「うまくいったか……」
(速い足音)
リリーナ「お父さま!? お父さまッ!!」
(速い足音)
レディ「ドーリアンの娘か!?
その娘も逃がすな!」
(爆発音)
リリーナ「うっ……お父さま!?」
(速い足音)
アラン「くそっ遅かったか。ドーリアン氏を
はやく運び出せ!」
ゲリラ「はい!」
アラン「ここは危険だ、急いで外へ」
リリーナ「あ、あなたがたは何なの!? やめて!
お父さまをどうしようというの!?」
アラン「ここにいては君も殺される。とにかく
来るんだ!」
リリーナ「やめて! お父さまを病院へ連れて
いって! このままでは死んでしまうわ!」
(機関銃の銃声)
レディ「くっ、なぜレジスタンスがここへ!?
そいつらを止めろ!」
(機関銃と銃の銃声)
リリーナ「ん…………ここは……」
アラン「気がついたね。ここは安全だ。
申しわけない。我々がもう少し
はやく情報をつかんでいたら
こんなことには、ならなかったんだが……」
リリーナ「あなた…………人殺し! お父さまを
病院にも連れていかずに!
すぐに病院へ行けば、お父さまは
助かったかもしれないのに!」
アラン「病院は敵の手がまわっていた。
それに、残念だがドーリアン氏は
もう手遅れだった」
リリーナ「あなたがたはいったい何なの! どうして
お父さまが殺されなきゃならないの!?」
アラン「我々はカラバだ、反帝国組織
の。ドーリアン氏を狙ったのは
スペシャルズ、いやロームフェラ財団だ」
リリーナ「ロームフェラ財団……」
アラン「そうだ。連中はドーリアン氏の
活動が邪魔になると
判断したのだろう。奴らのやり方は
昔からちっとも変わっていない」
リリーナ「そんな……お父さまは平和のために
努力されていたというのに……」
アラン「ドーリアン氏から、君あての伝言を
……いや……遺言か。君に向けた
最期の言葉を、あずかっている」
リリーナ「…………聞かせてください」
アラン「……『リリーナ、私はもうだめだろう。
お前にどうしても話しておかなければ
ならないことがある。私はあなたの
本当の父ではない……
あなたの本当の名は
リリーナ・ピースクラフト……
かつて完全平和主義を唱えた
ピースクラフト家のご息女です
しかしお父上は暗殺され、逃げ
延びた私はあなたを娘として……』」
リリーナ「…………」
アラン「……そこで、ドーリアン氏は
息を引き取られた」
リリーナ「お父様が……本当のお父様では
ない……? ウソ……そ、そんなのウソよ!」
ブライト「ニューエドワーズ基地の情報は
本当か?」
クワトロ「それに関する情報はほとんどつかめて
いないのが現状のようだ
帝国上層部とスペシャルズの
幹部がレジスタンス対策のために
集まるというのが本当ならば、これは
チャンスとみるべきだろうが……」
アポリー「カラバの方に問い合わせてみたら
どうです?」
クワトロ「やらせている。准将でなくとも、ここは
無理をしたいところだな」
ブライト「よし、厳重な警戒が予想される
が、とりあえずニューエドワーズを
襲撃する方向で準備を進めよ
う。准将には船をまわして
もらえるよう手配しておく」
クワトロ「了解だ、中佐」
レディ「帝国とスペシャルズの上層部
すべてがニューエドワーズ基地に
集まるという情報量を、巧妙に
増加させておきました」
トレーズ「少なくとも、私と君が出席するの
は事実だ」
レディ「ご自身も、おとりのうちですか」
トレーズ「ル・カイン閣下も大変乗り気で
おられる。ありがたいことに、ね」
デュオ「よ、また会ったな。輸送機
ぶんどって、ニューエドワーズにむかう
つもりだったんだろ? 俺のはもう積ん
であるぜ。お前もさっさと積んじまえよ」
ヒイロ「……今度の任務の重要性を
理解しているのか」
デュオ「ああ。うまくいきゃ残る仕事は1つ
だけだ。早めに宇宙に帰れる」
ヒイロ「……いいだろう、デュオ・マックスウェル。
エンジンに火をいれてくれ」
(速い足音)
デュオ「あいつ、俺の名前おぼえやがった……」
カトル「僕はカトル・ラバーバ・ウィナー。
君は?」
トロワ「名前などない。どうしても呼びたけれ
ばトロワだ。トロワ・バートンとでも
呼んでくれ」
カトル「トロワ、君もいくんだろう、
あの基地へ」
トロワ「お前には関係ない」
カトル「でも、助け合えばきっとうまくいく」
トロワ「どうかな」
五飛「助かります」
ゲリラ(女)「物資はどこへ運びましょうか」
ゲリラ(男)「ここでよい」
ゲリラ(女)「こんなところで? こんなところで
子供1人に大量の弾薬を
渡してどうするんです?」
ゲリラ(男)「なにも聞くな。輸送機代も
もらっている。お気をつけて」
五飛「すみません」
アーク「ニューエドワーズを攻撃するって、
決行するんですか?」
アポリー「そういうことだ。アウドムラも手配でき
たそうだからな」
アーク「アウドムラ?」
アポリー「ガルダだ。超巨大輸送機。
カミーユ、整備は終わったのか!?」
カミーユ「やってますよ!」
カミーユ(いつの間にか戦争させられてさ……)
アーク「でも、かなり厳しいって聞きましたけど」
アポリー「そういうもんさ。楽な戦争なんかある
わけないだろ
それにカラバの支援だってあるっていう
ぜ?」
アーク「………………」
クワトロ「アポリー中尉、来てくれ」
アポリー「なんです、大尉」
クワトロ「アークライトとカミーユはよくみてやって
くれ。成り行きで加わったせいか、
2人とも迷いがあるようだ」
アポリー「わかりました。でもいつまでもそれじゃ、
こっちが危ういですよ」
クワトロ「わかっている。いずれ戦う理由を自
分で見いだしてくれると信じたいな」
ルー「なにやってるんです? こんなところで
男2人でこそこそと」
アポリー「なんでもないの。作戦が決まったんだ
お前も準備しておけよ」
ルー「もー、バッチリですよ」
(アウドムラでニューエドワーズ基地へ)
ワーカー「ゼクス特尉!」
ゼクス「ワーカー特士、久しぶりだな」
ワーカー「ゼクス特尉も、お元気そうで。
ライトニングバロンの噂は聞いています」
ゼクス「噂の先行は好きではないのだがな」
ワーカー「しかし特尉のご活躍は、異星
人に対する我々の立場を
良好にしてくれていると思えます」
ゼクス「その結果、同じ地球人からは
嫌われる。しかし貴様も配備
されていたとはな。ここは、かなり厳しい
戦場になるぞ」
ワーカー「やはり特尉も、そう思われますか。
帝国側の指揮官などは、
この警備で攻めてくるバカはいないと
いっているそうですが」
ゼクス「いや、バカはくる。今我々が相手
にしているのは、そういう連中だ」
ワーカー「はい。この戦場で私のするべきことは
理解しているつもりです」
ゼクス「!?……死ぬ気か、ワーカー?」
ワーカー「特尉が教えてくださった『後の
兵士たちのために戦え』というのが
今の私の行動理念です」
ゼクス「……今は貴様の方が勇敢な
兵士だな」
ギウラ「ふん。地球人どもめはりきりおって。
まぁよい、とどこおりなく終われば
この私の実績になるというもの」
(アラート)
ギウラ「な、な、なんだ!? どうしたのだ!?」
ゴステロ「どうしたもこうしたもねぇ。敵が
きたんじゃねぇか。ひゃはははははっ」
ボーン「ひへへへへへへっ」
ギウラ「そ、そんなバカな……」
マンジェロ「ひぃやぁっ! オレの計算どおりだぁ!」
ギウラ「き、貴様ら、敵が来たなら早く
出撃しないかっ!」
ゲティ「慌てるんじゃねぇ。まずは地球人
どもにやらせりゃいいんだ。ふひひひひ」
ギウラ「く…………」
ギウラ(なぜル・カイン閣下はこんな連中を
親衛隊にしているのだ)
(スペシャルズが出現、アウドムラが出撃)
(出撃選択)
ブライト「いいか、目標ポイントはこのエリアだ。
情報では、ここに高官たちが
集まっているはずだ」
(エリア表示)
ブライト「3機以上でこのエリアを占拠
するんだ。時間をかけすぎると、
敵の増援に包囲されるおそれが
ある。急げよ」
アーク「わかりました」
ノベンタ「ど、どうしたことだ、これは!?」
トレーズ「反帝国のレジスタンスの襲撃です。
会談は中断です」
ノベンタ「バカな。ようやくグレスコ総督が地
球人の権利を認め、このような
会談の場も用意できたというのに
……不幸な偶然なのだ
私はこれを自治権獲得の
平和への障害とは思わん」
トレーズ「お気持ちはよくわかります。レジスタン
スは早急に排除せねばなりません」
ノベンタ「バカをいうな!」
ノベンタ「自分たちのみの安泰を得ている
ロームフェラ財団の幹部に
何がわかるというのだ。彼らは真剣
に地球の未来を考える
若者たちだ。それを排除して、この
地球に何が残る
グレスコ総督もレジスタンスたちの説
得に意義を見いだして
下さっているのだぞ!?」
トレーズ「おっしゃることは、私にもよくわかります。
しかし、ここはともかく脱出するのが
先決でしょう。ガルダが待機して
おります。それでお逃げください
死んでしまっては何ごとも成せません。
ノベンタもと元帥がなくなられては、
これまでの努力が無駄に
なりましょう」
ノベンタ「しかし……」
トレーズ「他の皆様もすでにそちらへ向かって
いただくよう手配しております
お急ぎください」
ノベンタ「…………わかった、まかせる」
(W隊が出現)
デュオ「おっと、先客がいたようだな。ありゃ
レジスタンスの連中か……ん?
おいおい、ほかにも似たようなのがいるぜ」
アポリー「大尉! あのときのガンダムタイプが
います」
クワトロ「そのようだ。どうやら無事だったようだ
な。とすると他のガンダムタイプも
M作戦で降下したものと考えて
よさそうだな……」
ヒイロ「地球解放戦線機構か……」
カトル「見てよトロワ! レジスタンスも
他のガンダムも、きっとみんな目的は
一緒だよ!」
トロワ「なんであろうと、邪魔になるなら
排除するだけだ……」
ゼクス「ワーカー!!」
ワーカー「くっ……やはり、だめか。……戦闘デー
タの記録、よろしく頼みます
後の兵士たちのために!」
(ワーカー機爆発)
ゼクス「すまん、ワーカー……」
バスク「バカが、突っ込みすぎおって。
エマ中尉、ル・カイン直属の
死鬼隊とやらはどうしたか!?」
エマ「ル・カイン司令の親衛隊が
出ます!」
バスク「いまさらか」
(死鬼隊が出撃)
ゴステロ「ひぃははははぁっ! あのコゾウどもかぁ、
ぶっ殺してやるぅ! いくぞお前らぁ!」
ゲティ「お、俺に命令するんじゃねぇ!
貴様がリーダーってわけじゃねぇんだ!」
エイジ「ゴステロ!
今度こそ終わりにしてやる!!」
ゴステロ「小僧が!! 貴様にでかるのか!」
(スードリが出現)
クワトロ「あれは……スペシャルズのガルダか!」
デュオ「やっべぇ、ターゲットが逃げちまうぜ!」
ヒイロ「逃がしはしない……」
(ヒイロに『熱血』)
ブライト「我々もあれを叩くぞ!
逃がしてはこの作戦は失敗だ!」
ノベンタ「なに……!?」
ヒイロ「ターゲット捕捉。破壊する……」
ノベンタ「早まるな……若者よ……」
ノベンタ「くっ……若者たちよ、なんという
早まったことを……」
(爆発、エマ隊が出撃)
エマ「なんてことを! 全機、レジスタンスを
逃がすな!」
(アルトロンが出現)
五飛「貴様ら、まだ無意味な戦いに
あきたらないのか!? 貴様らは……
まんまと、はめられたのだ! 連中の
通信を聞いてみろ。貴様らは
ようやく帝国の譲歩をとりつけた、
地球の平和論者たちを
一掃してしまったのだぞ!」
ブライト「な……なんだと!?」
トロワ「……なんだと……?」
カトル「……そ、そんな……」
デュオ「なんだ、どういうことだよ!?」
五飛「踊らされたんだ。ル・カインと
トレーズ・クシュリナーダの手の中で」
ヒイロ「俺は……」
エマ「なに……なにを言っているの、
彼らは……?」
クワトロ「ばかな……ええい、全機撤退だ!
急げ!」
(味方機、W勢が撤退)
バスク「エマ特尉、汚名返上のチャンス
をやる。追撃隊の指揮をまかせる。
奴らを逃がすな!」
エマ「はっ、バスク特尉。では追撃隊の
編成にかかります」
バスク「急げよ」
エマ(確か……はめられたって……
どういうこと? まさか……)
レディ「処理は完璧です、トレーズ様」
トレーズ「そのようだね。これで人々は迷うこと
なく歴史の流れに身をまかせられる」
(アウドムラが東に少し移動)
ブライト「なんということだ……」
クワトロ「いまさら言ってもしかたがない。すぐに
追撃隊も出てくるだろう」
アーク「あの2人はどうするんですか?」
ブライト「ああ……後の3人はどこかへいって
しまったのか……」
クワトロ「彼らは敵ではない。准将の希望
通り我々に同行してもらうのが
いいだろう。彼らがそれを望めば、だが」
エイジ「よかったら一緒にこないか?
今の状態では君たちもつらいだろう」
アンナ「それがいいわ。一緒にいらっしゃいよ」
デュオ「頼む……今は、同情が気持ち
いいぜ……」
カトル「僕も、同行させてください。今は、
その方がいいと思います」
ラシード「カトル様! 我々はそんなに
頼りないですか?」
カトル「違うよラシード。マグアナック隊にだっ
てまだやることはたくさんあるはずでしょう
まだまだ戦いは続くのだから」
ラシード「まぁ、カトル様がそういうんならしかた
ないですな。わかりました、我々は
基地に戻ります。でも、なにかあった
ら必ず呼んでくださいよ」
カトル「もちろん。では、よろしくお願いします。
僕はカトル、
カトル・ラバーバ・ウィナーです」
デュオ「俺はデュオ・マックスウェルだ。
逃げも隠れもするが、ウソはいわねぇ
デュオ・マックスウェルだ」