クワトロ「占領軍の新司令官だと?」
ブライト「そうだ。先ほど准将から
連絡があった。
グレスコ総督の息子だそうだ」
エイジ「……ル・カイン」
ブライト「知っているのか、エイジ?」
エイジ「天才的な戦術家、そして
自信とうぬぼれの区別のつかない
男です。あいつが来た以上は、今
以上に帝国の支配が強まる」
クワトロ「ふむ……
それでブレックス准将はなんと?」
ブライト「しばらく様子をみるということだ」
ルー「ちょっと、聞いた?
旧ニューヨークのゲリラが
ル・カインの襲撃を計画してる
らしいよ」
デビッド「なんだって!? ……あいつらか」
ブライト「まずいな……。就任直後に襲撃
されたとあっては
帝国軍も黙っているわけがない。
こちらにも影響がでる」
デビッド「俺たちが行ってやめさせてくるぜ。
エイジ、来てくれ」
デュオ「なんだよ、せっかく人が
親切にしてやってんのに
お前のガンダムは
修理が必要なんだろ」
ヒイロ「頼んだ覚えはない。それに俺のMSは
他人にさわってほしくない。それだけだ」
デュオ「へぇへぇ。そういや、お前聞いたか?
帝国に新司令官が
来るんだってよ。噂じゃとんでもない
ヤツらしいぜ」
ヒイロ「……俺には関係ない」
デュオ「……まったくどうしてこんなヤツを
助けちまったのかなぁ
無口で無鉄砲で無愛想で
あーやだやだ。俺がお前だったら
その暗い性格のろって、
とっくの昔に人間やめてるぜ」
ヒイロ「おい」
デュオ「なんだよ。いまさら協力してくれって
いっても遅いんだよ」
ヒイロ「少し黙っててくれ」
デュオ「……はいはい、
どうもすいませんでしたぁ」
デュオ(どうもこいつの次の目標は、
俺と同じみたいだな
……まったくよく似てやがる。
てことは6つめに関しても
同様ってわけか……)
ル・カイン(私が来たからには、
帝国に刃を向ける者たちも
私の足もとに血まみれの体を
投げ出す事になろう)
(足音、扉が開閉する)
ギウラ「ご苦労様です。
準備は整っております」
ル・カイン「そいつらか、
使える地球人というのは」
ギウラ「はっ、ロアン・デミトリッヒと
トレーズ・クシュリナーダです」
ロアン「お呼びいただき光栄です。
私にできますことはなんなりと
お申し付けください」
トレーズ「スペシャルズを代表し、閣下の
就任をお喜び申し上げます」
ル・カイン「フッ、こういう地球人もいるか。
よかろう、存分に働いてもらうぞ」
デビッド「中止するまでは
何度でも言ってやる!
ル・カインを襲撃するなんて
バカな真似はやめろ!」
ゲリラ「バカな真似とはなんだ!
お前たち解放戦線の手を
借りるわけではない
グレスコの息子を倒して見ろ、
帝国軍に与える精神的
打撃は、はかりしれない」
デビッド「それが甘いんだ。
みくびりすぎている
組織と仲間を失ってからでは、
取り返しがつかないんだぞ」
ゲリラ「俺たちが銃やバズーカでやるとでも
思ってるのか。MSだって
手に入れている。どうだ、
文句はあるまい」
エイジ「無理だ。悪いことはいわない
ル・カインの襲撃は中止するんだな」
ゲリラ「なんだお前は」
エイジ「アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ」
ゲリラ「エイジ・アスカ……あの混血か。
もういい。余計な手出しは
やめてもらいたいね。俺たちの力を
見せてやる」
ブライト「そうか、やはり無理だったか。
しかたあるまい
大尉、出撃の準備をしておいてくれ」
アーク「どうするんです?」
クワトロ「見捨てるわけにも、いかんだろう。
我々は帝国をこの地球より
追い出さねばならん
同志は多い方がいい」
ブライト「ニューヨークか。少しばかり無茶を
せにゃならんな」
(ミデアでニューヨークまで移動)
(敵機が出現)
ゲリラ「……見てろ……
俺たちがやってやる」
(ル・カインがゆっくり前進してくる)
ゲリラ「よし……いまだ、やれ!」
(ル・カイン以外を撃墜)
ル・カイン「なに!?」
(中立・ガンダム、ガンタンク、ガンキャノン、ドール、ザクで取り囲む)
ゲリラ「あれが、ル・カインだ!
一気にいくぞ!!」
(ザクとガンタンクでル・カインを撃墜)
ゲリラ「やった!!
誰が甘い、誰がバカなまねだ!
見ろ、ル・カインは俺たちが倒した!
奇襲は成功だ!
見たか、デビッド!
解放戦線がなんだ!」
(敵機増援が出現)
ギウラ「バカどもめが。一人たりとも
生かして帰すな!」
ゲリラ「くそぅ帝国め……お、お前は!?」
ル・カイン「私がお前らごとき地球人の
ワナに、はまると思うのか。
己の策のなさを恨め」
(敵1機が移動しザクとドールを撃墜、ガンタンクに攻撃)
ゲリラ「うわあぁぁぁぁぁーっ!!」
ル・カイン「地球人どもよ、聞け! 私に
立ち向かうことが、
いかに愚かな行為であるか、今から
みせてやる。我々に逆らおうとするな
お前たち地球人の幸せは、
我々に支配されることにあるのだ
支配するものと、されるもの。
およそ宇宙にはその原理しかない
よりよき支配、無垢なる従順。
これこそが理想なる世を現出する
ただ一つの真理だ。私が地球に
来たのは、その原理に基づいて
真の平和を確立するためだ。
地球的なるものは一切捨てよ!
我々を信じよ! 帝国を信じよ!」
(ミデアが出現、味方機が出現)
クワトロ「勝手なことを!」
ル・カイン「なんだ貴様らは?」
ルー「地球解放戦線機構よ!
私たちが望むのは、帝国が
地球から、いなくなることだわ!」
エイジ「俺たちは、あんたとグレスコ総督を
かならずこの地球から
追い出してみせる!」
ル・カイン「フッ、クズめが。
あいにくと私は
道理のわからぬ地球のサルと
血の濁った男の世迷いこどを
聞く耳は、持ち合わせておらん」
エイジ「なに!?」
ル・カイン「アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ……
帝国の裏切り者
お前とは必ず会えると思っていたぞ」
クワトロ「いいか、作戦目標は
ゲリラ機の脱出の援護だ
1機でも多く脱出させる。
彼らの脱出が終わり次第
我々も撤退するぞ」
(脱出位置表示)
アーク「わかりました」
クワトロ「聞こえているな?」
ゲリラ「あ、ああ。ありがたい!」
ル・カイン「フフフ、
なかなか楽しませてくれそうだな
ハーハハハハハッ、
せん滅せよ!」
カルラ(ゲイル中尉の仇は、この私が……)
トレーズ「…………」
ロアン「……ばかなことを……」
デビッド「バカにしやがって、
地球人を、なめきってやがる
しかもあの裏切り者の
ブタまで一緒だ」
ゴステロ「ぐぐぅぅ……エイジーッ! エイジーッ!!」
エイジ「まさか……ゴステロ!?
生きていたのか?」
ゴステロ「さぁてなぁ、貴様らのおかげで
体中機械だらけだ
この体のどこからどこまでが
生きていることやら
お礼はたっぷりと、させてもらうぜぇ」
(エルリッヒ隊が出現)
エルリッヒ「特佐、ご無事で?」
トレーズ「こちらは問題ない」
エルリッヒ「では我々は敵対機の撃破に
かかります」
トレーズ「それで構わない。君たちにまかせる」
エルリッヒ「はっ。ガイア特尉、よろしく頼みます」
ガイア「まかせておけ。
オルテガ、マッシュ
敵の退路をふさぐぞ」
オルテガ「おう。ガイア、整備兵に無理を
いってつけさせたこの装備だ
使わぬわけにはいくまいな」
ガイア「むろんだ。使い勝手の報告も
してやらねばならん
機会があれば、あれをやるぞ」
マッシュ「了解だ。ドライセンでどこまでできるか
試してみるといよう」
アーク「またあいつだ……確か、
シュターゼンって……」
エルリッヒ「あの少年……
格段に腕をあげているようだな」
ゴステロ「エイジィィ、貴様だけはこの俺の手で
ぶち殺してやる!」
エイジ「ゴステロ! お前にやられるわけには
いかない!」
カルラ「エイジ……貴様だけは許さんぞ!」
エイジ「ル・カイン、覚悟!」
ル・カイン「貴様ごときが、この私に
かなうと思うな!」
エルリッヒ「腕をあげているな、少年。どうしても
戦いをやめぬ気か?」
アーク「お前が、それをいうのか!?」
クワトロ「よし、我々も撤退するぞ。
全機グリーンエリアまで引け」
(エリア表示)
エイジ「ル・カイン。誇りのためだけに戦うこと
もできるのが、地球人だということを
よく覚えておけ!」
ル・カイン「フフフ、おもしろい。
この星は刺激に満ちている
気に入った!
ハーッハッハッハッハッ!!」
クワトロ「これは?」
アポリー「例のゲリラたちですよ。しばらく
活動を休止して地下に潜る
ことにしたとかで、彼らが確保して
いたMSと強化パーツの類を
いくつか我々に譲渡してくれる
そうです」
クワトロ「そうか……ありがたく使わせてもらおう」
ロベルト「艦長、さっきの連絡艇、
なんだったんです?」
ブライト「ああ、ブレックス准将の使いだ。
今回の件で、我々は敵に
その存在をさらけだしてしまった。
これからは、かなり狙われるだろう
部隊強化の足しにと、35000
ほど、資金を送ってくれたのだ」
クワトロ「ほう、それは助かるな」
グレスコ「だいぶ派手にやったそうだな?」
ル・カイン「もうお耳に入りましたか」
グレスコ「お前を呼び寄せた理由は、
わかっておろうな」
ル・カイン「心得ております、父上」
グレスコ「意味のない殺戮と破壊は、
民心を離反させるだけだ」
ル・カイン「……!? 父上もかわられましたな。
やはり3年も地球におられると
地球病とやらにかかるのですかな」
グレスコ「地球病?」
ル・カイン「将軍どもが噂しております。
父上、政策の不徹底や
不必要な甘さは、地球人ども
に軽んじられることになります」
グレスコ「…………お前はまだ若い。
わからぬことも多い」
(足音)
ル・カイン「わかろうとも思いません。父上、
いいかげん目をさまされたらどうです」
(扉が開閉する)
ル・カイン「父上!
……そうか、そういうことなのか。
父上はご自分が
地球の空気に感傷的に
なっていることを、ご存じなのだ
ですから私を招いたのですね
……父上」
レディ「お呼びでしょうか」
トレーズ「レディ、ル・カイン閣下が
就任されたことで
我々はこれまで以上に
動きやすくなる」
レディ「すでに例の計画を閣下に
ご提案申し上げる用意が
整っております」
トレーズ「そのまま進めてくれ。
……ところで、レディ・アン」
レディ「はい」
トレーズ「ドーリアン氏なのだが、
地球人の自治権獲得や
コロニーの再建について、ずいぶんと
精力的に活動されているようだね」
レディ「承知致しました。
次のバスタイムには、バラのエッセンスを
用意いたします」
トレーズ「頼む」
デュオ「あいつが発進しただって!? マジで
直しちまったのかよ。やるじゃねぇか」
ハワード「おい、デュオ。お前、デスサイズを
ばらして、どうするつもりだ?」
デュオ「あん? 俺はそんなことしちゃいないぜ?」
ハワード「なら誰がデスサイズを解体するんじゃ」
デュオ「解体!? ……
あーっ、あいつやりやがった!
足りないパーツを俺のから
とっていきやがったのかよ!
ちっきしょーーっ!!」