(北端の階段の途中に緑の髪の女性がいて、その前に鎧を着た女性がいて向き合っている)
???(チキ)「神竜の大地へようこそ。
乙女の騎士……ワルキューレさん」
ワルキューレ「お邪魔しています。
神竜の巫女……チキさん」
チキ「天の使いが、この地に何のご用事かしら?
この世界のことは、この世界の人たちが決めることよ?」
ワルキューレ「わかっています。
だからこそ、私は来たのです」
チキ「つまり……この世界とは無関係のものが
入り込んだとでも……?」
ワルキューレ「……その通りです」
カムーズ
ワルキューレ「魔人……カムーズ」
ワルキューレ「かつて至宝である「黄金の種」を奪い、
マーベルランドにて私が討ち果たした相手です」
チキ「討ち果たした……?
それを追ってというのは、おかしくないかしら?」
ワルキューレ「悪は滅びず……ということなのでしょうか。
再び復活を果たしたのです」
ワルキューレ「そして、それだけではありません。
様々な世界で……おかしなことが起きています」
金色の鎖
ワルキューレ「それが"金色の鎖"と……」
時空の門
ワルキューレ「"時空の門"です」
チキ「金の鎖というのはわからないけれど、時空の門……
絶望の未来とつながっている魔法陣ね」
ワルキューレ「その門が、マーベルランドにも現れたのです」
チキ「そんな……!
たしかにこの世界は、異界とのつながりがあるわ」
チキ「でも、あの門は……」
ワルキューレ「事実です。実際、私に追われたカムーズは、
その門からこの世界に逃亡したのです」
チキ「わかったわ、ありがとう、ワルキューレ。
その魔人を探せばいいのね?」
ワルキューレ「いいえ、それは私がやります。
お互い、干渉すべきではないでしょう」
ワルキューレ「ここへは、今起きていることを
あなたに伝えるために来ただけです」
チキ「……それは感謝するわ。
でも、それだけでは済まないようね」
ワルキューレ「…………!」
(階段下の草原に屍兵が4体出現する。チキとワルキューレが屍兵を見る)
屍兵「………………」
ワルキューレ「この邪悪な気配は……!」
チキ「屍兵(しかばねへい)……。
絶望の未来からやって来た、邪竜ギムレーの兵士」
時空の門
チキ「その世界とつながる時空の門が、
他の世界にも現れたなんて……由々しきことね」
ワルキューレ「調べる必要があるようですね。
今、世界で何が起きているのか」
ワルキューレ「魔人カムーズの復活も、無関係とは思えません」
チキ「ふう……心が休まらないわね。
それに……向こうから、まだ来るようよ?」
(南端にアウトブレーカーが2体転移してくる)
???「………………」
チキ「見たことのない怪物だわ。
新しい屍兵……?」
ワルキューレ「この敵は見たことがあります……!
……こことも、マーベルランドとも違う世界で」
チキ「なんですって……?
じゃあ、どこからだと言うの?」
???(ユーリ)「オレたちの世界……
テルカ・リュミレースってとこからだよ」
(南側から長い黒髪の男性と金髪の男性が歩いてくると、アウトブレイカーが歩いてきた男性たちの方を向く)
チキ「テルカ・リュミレース……?
あなたたちは何者? 目的は私たちかしら?」
ユーリ「おっと、賊なんかじゃねえぜ?
女に斬りつける剣は持ってねえから安心しな」
フレン「ユーリ! ……ご無礼をお許しください」
フレン「私は帝国騎士団の騎士、フレン・シーフォです。
彼はユーリ・ローウェル」
フレン「我々の世界を脅かすものたちを追って、
ここまで来ました」
ワルキューレ「ユーリさんに……フレンさん!」
チキ「ふふ、ナバールやオグマを思い出すわ。
この剣士たちはワルキューレの知り合い?」
ワルキューレ「はい、異世界の友人たちです。
この敵と、あなた方がここにいるということは……」
ユーリ「ああ、星喰(は)みの残党を追ってたんだが……」
ユーリ「急に現れた、魔法陣みてえなもんに
飛び込みやがってな」
フレン「他の世界に、その脅威を広げるわけにはいかず、
我々もそこを通り、追って来たのです」
ユーリ「ワルキューレ、そっちの姉さんは何者だ?
ずいぶんと変わった気配してるみたいだが」
ワルキューレ「古の時代より生き続ける神竜族の末裔(まつえい)……
マムクートのチキさんです」
フレン「神竜族……つまり、長い年月を生きてきた、
竜の力を持つ種族の方……ということですか?」
チキ「そうなるわね。だけど……」
(チキが右の竜像の側へ転移する)
ユーリ「ん?」
チキ「私はまだ力が完全には戻っていないの。
そのせいもあって……すぐに……眠く……」
チキ「………………」
チキ「すーっ、すぴーっ……」
ユーリ「おいおい、敵の前で寝るとか、
どういう神経してんだよ、このおばさん」
チキ「すやすや……」
チキ「……ムニャムニャ……お姉さん……」
ワルキューレ「さすが神竜の巫女……
特殊な能力をお持ちですね」
フレン「どうやらチキさんは戦えないみたいだ。
僕らだけでやろう、ユーリ、ワルキューレさん」
ワルキューレ「では、お二人を援護します。
敵は星喰みの眷属と、屍兵です。気を付けて」
フレン「チキさんに敵が近い。
時間はかけられないぞ、ユーリ」
ユーリ「わかってるって。
バラバラに動かれる前に、まとめて片付ける!」
(勝利敗北条件表示)
ユーリ「ふう、あと一息ってところか」
フレン「油断するな、ユーリ!
何か来る!」
ワルキューレ「この気配……まさか……!」
チキ「………………!」
(中央に炎の塊が2体と手が4本ある魔物が転移してくる)
カムーズ「しくじったな……人間がいやがるか」
ユーリ「おいおい、腕が四本もあんのかよ」
ユーリ「おまけにあのツラ……相手すんのは、
ちっとばかし骨が折れそうだな」
ワルキューレ「魔人……カムーズ!」
カムーズ「てめえは……ワルキューレ!?」
カムーズ「なんてこった、よりによって……!
チッ! あいつらがしつこすぎるからだ!」
フレン「誰のことを言っているんだ?
ワルキューレさん、こいつは一体……」
ワルキューレ「……カムーズ。
かつてマーベルランドを荒らしまわった魔人」
ワルキューレ「一度……いえ、二度に渡り倒したのですが、
またマーベルランドに現れたのです」
フレン「復活した魔人!?
そんな奴がなぜここに……」
ユーリ「なんでもいいさ。悪党退治なら、
手を貸すぜ、ワルキューレ?」
ワルキューレ「そうですね。お手数をかけますが……
この機を逃したくはありません」
カムーズ「調子に乗るんじゃねェ! ガキども!
また暴れられるチャンスが来たんだ! 簡単には……」
チキ「……お待ちなさい」
カムーズ「ああっ!? なんだテメェは! 寝てろ!」
チキ「そうしたいのだけどね……。
あなた、何か持っているわね?」
カムーズ「な、なに……?」
ワルキューレ「チキさんが起きるほどの物……?
カムーズ、あなたはまた魔法のアイテムを……!」
炎の台座
カムーズ「チッ……こいつか。
やはりかなりの値打ちモンらしいな」
チキ「それは……!」
???(クロム)「待ってもらおう!
その「炎の台座」……返してもらうぞ!」
(東側から同じ髪の色をした男性と女性が歩いてくる)
???(クロム)「もう逃げられんぞ、化け物め……!
よりによって、この神竜の大地に逃げ込むとは!」
カムーズ「クッ、追いついてきやがったか!」
???(ルキナ)「チキさん! ご無事ですか!?」
チキ「大丈夫よ、クロム、ルキナ。
私はそう簡単にやられたりしないわ」
ユーリ「あんた、寝てただけだろうがよ」
ワルキューレ「この方々は、騎士……?
いえ、この雰囲気……そして気品は……」
チキ「正解よ、ワルキューレ。
彼こそがイーリス聖王国の王子……クロム」
チキ「そして、もう一人がルキナ。
クロムの実の娘さんね」
フレン「娘……?
あまりにも年齢が近いのでは………」
ユーリ「やめとけって、フレン」
ユーリ「いわゆる、おおっぴらに
できない事情ってやつがあるんだろ」
クロム「いや、チキ! 説明を省きすぎだ!
誤解を生むだろう!」
ルキナ「お父様は、そのような裏表のある人ではありません!
不器用な、でもいい人なんです!」
クロム「……ルキナ、気持ちは嬉しいが、
余計に混乱する」
チキ「簡単に言うと、時間を越えて
未来からやって来た子孫……ということよ」
フレン「未来から……? にわかに信じがたいですが……」
フレン「しかし、現に我々も異世界からやってきた訳ですし、
それなら確かにつじつまも合う……」
フレン「わかりました、信じるしかなさそうです」
クロム「……最初からそう説明してくれ、チキ」
ルキナ「この剣士の方々は……味方なのですか?
初めてお会いしますけど……」
チキ「一人はワルキューレ。古い知り合いよ。
あと二人も……異界からのお客様ね」
ルキナ「異界から……!?
やはり、ここ最近現れている魔物たちは……!」
カムーズ「テメェら、いい加減にしやがれ!
やるのか! やらねェのか!」
ユーリ「おっと悪ぃ、忘れかけてたぜ。
ああ言ってるが、どうするんだ?」
クロム「すまない、力を貸してもらえるか?」
ユーリ「ま、乗りかかった船だしな。俺はユーリ。
こっちの堅物(かたぶつ)はフレンだ」
フレン「よろしくお願いします。
この世界の……王族の方々」
ルキナ「はいっ、よろしくお願いします。
必ず炎の台座を取り戻しましょう!」
カムーズ「ケッ、ヨソの世界か……。
こりゃ面白くなりそうだなァ、ワルキューレ!」
ワルキューレ「そのようなことにはなりません。
私が収束させてみせます!」
クロム「魔人カムーズと言ったな?
炎の台座を戦乱の種にはさせん……!」
クロム「そのような運命は……変えてみせる……!」
(ルキナがクロムに近づき、ユニットを組む)
(勝利敗北条件表示)
カムーズ「ぐぐっ……こいつらァ……!」
ワルキューレ「カムーズ! ここで討ちます!」
カムーズ「そうはいかねェんだよッ! おらァッ!」
炎の台座
ルキナ「炎の台座を……投げた!?」
クロム「おのれ……!」
カムーズ「……今だ!」
(カムーズが立ち去る)
ワルキューレ「カムーズ!」
ユーリ「逃げやがったか。
見かけによらず、セコい手使うぜ」
クロム「奴は逃がしたが、台座は取り返せた。
……今はそれで良しとするしかないな」
ルキナ「異界から来た怪物……
この地に何が起きているのでしょうか?」
(階段の前にワルキューレたちが集まっている)
クロム「なるほど、異界……
テルカ・リュミレースに、マーベルランドか」
ルキナ「異界にも様々な地があるのですね。
行ってみたい気もします」
ワルキューレ「どこもいい場所です。……戦いさえなければ」
ユーリ「その戦いこそが他の世界に行く
きっかけってのも考えてみりゃ皮肉な話だな」
フレン「確かに僕たちだって、星喰みの眷属が逃げなければ、
ここまで来ることもなかっただろうね」
チキ「どうあれ、助けられたことに変わりはないわ。
お礼を言わせてもらうわね」
ルキナ「ありがとうございました。
でも、ワルキューレさんは宿敵を……」
ワルキューレ「いえ、その力を持つ盾……炎の台座でしたか?
それが奪われなかっただけで十分です」
黄金の種
ワルキューレ(かつて「黄金の種」が引き起こした悲劇……
起こさせはしません……)
クロム「これから、君たちは?
そちらに現れたという時空の門は気になるが」
フレン「それを調べるためにも、
テルカ・リュミレースに戻ります」
ワルキューレ「私はカムーズを追います。
……もう別の世界へ逃げたかとは思いますが」
ルキナ「私たちもこれから各地を回り、
何か異常が起きていないかを調べてみます」
ユーリ「じゃ、ここでお別れだな。
民を泣かす真似はすんなよ、聖王、クロムさんよ」
クロム「肝に銘じよう。
……さらばだ、異界の友たちよ」
フレン「では、失礼します」
ワルキューレ「また、どこかで」
ルキナ「さようなら、みなさん。
今回のご恩……返せる日が来ることを願っています」
(クロム、ルキナが東、ユーリ、フレンが南、ワルキューレが西に歩き去る)
チキ「………………」
チキ「これで終わり……というのなら、
それが一番いいのだけれど……」
チキ「あまり、いい予感はしないわね……」
過去、現在、未来……そして異世界、
あらゆる時代を、世界を巻き込み、
事態は進みつつあった。
その先に待つものを、それがどこに収束するのかを、
今は誰も知らない。
そして舞台は、現在……閉鎖都市・渋谷へと移る。