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Shinobi ~ プロローグ 3 ~

〔戦域:渋谷601周辺〕

(渋谷601の西側に忍装束の男性がいる)

???(秀真)「………………」
???(秀真)「閉鎖都市、渋谷か。 このような場所を指定するとは……」
 顔を隠した影丸
???(秀真)「 "あの男"もまた、闇に身を置く者ということか」
???(秀真)「………………」
???(秀真)(しかし、この感じ……なんだ……?)
???(秀真)(調査では、異世界とつながるという 不安定な場所……長居すべきではないか)

(秀真が渋谷601の方を向くと、渋谷601の西側に紫い霧のようなものが集まりだす)

???(秀真)「この空間に亀裂が入る感覚……!  もしや……何か来るのか!?」

(渋谷601の西側に大穴があき、穴の中が光り出す。 中から左胸に「飛」の文字か書かれている忍装束の男性が出て来ると、穴の光が収まる。二人が向き合う)

???(秀真)「人間だと……!?」
???(飛竜)「………………」
???(飛竜)「この風景には見覚えがある……。 過去の地球……日本か」
???(秀真)(過去の……地球?)
???(秀真)「おまえは、何者だ?」
???(飛竜)「………………」
???(秀真)「左胸の文字…… 異世界の怪物というわけではないようだが」
???(飛竜)「………………」
飛竜「……飛竜。 貴様こそ何者だ? この時代の者か?」
秀真「秀真(ほつま)。 ……それ以外は言えん」
秀真「「この時代」と言ったな?  その物言い……別の時間から来たとでもいうのか?」
飛竜「今は西暦2000年代初頭……そうだな?」
秀真「……その通りだ」
 東風
飛竜「……怪しい女を見なかったか?  中国系の服装をした、格闘を使う女だ」
秀真「見ていない。 ここは閉鎖都市……いるのは俺とおまえだけだ」
秀真「過去や未来から来たという者たちの記録は、 資料で見たことがある。おまえがそうなのか?」
飛竜「俺はこの時代より未来から来た。 ……貴様が信じる、信じないは別としてな」
秀真「もしや、この壁面に穿(うが) たれた大穴は……」

(秀真と飛竜が穴の方を向くと渋谷601の穴が光り出す)

秀真「なに……!?」
飛竜「……あの女か?」

(穴の中から忍び装束の女性が出てくると穴の光が収まる。秀真と飛竜が緋花の方を向く)

???(緋花)「………………」
飛竜「違うか。……何者だ?」
秀真「この女の装備……シノビか?」

???(緋花)「ここは……渋谷?  それにあなたたちは……」
???(緋花)「…………えっ?」
秀真「む……?」
???(緋花)「あなた……Shinobi機関(シノビきかん)の エージェントじゃないかしら?」
秀真「……やはり機関の関係者か」
秀真「俺は……秀真。 機関から任務を請け負うこともある」
???(緋花)(……ほつま……! やはり、間違いない…… これはどういうこと……?)
???(緋花)「………………」
???(緋花)「今までどこに隠れていたのかしら?  ……それにその刀、新しくしたの?」
秀真(この女……どこかで……?)
秀真「俺はどこにも隠れてなどいない。 それにこの刀……悪食(あくじき)も手放す気はない」
秀真「悪食は危険な刀だ。 ……他者(たしゃ)にゆだねることなどできん」
???(緋花)「……悪食。人の魄(はく)を喰らう妖刀であり、 有明結界網(ありあけけっかいもう)の要……」
秀真「なに……?  おまえは何者だ? 名は……?」
緋花「……緋花(ひばな)。 Shinobi機関に使われている、ただのシノビよ」
緋花「刀については……そう、機関の資料を見たのよ。 忍一族『朧(おぼろ)』の当主が持つ刀、とね」
秀真「………………」
秀真(ひばな……聞かない名だ。 だが……この女は俺のことを知っている……?)

飛竜「秀真……。 その女、別の時代から来たのかもしれん」
秀真「……確かに。 飛竜の言うことが本当なら、今、この渋谷は……」
緋花「別の時代……?  したり顔で語っていないで、教えてくれないかしら?」
飛竜「この時代から見て、少し先の未来…… 貴様からすれば、過去へ来た可能性だ」
緋花「あたしが……過去の世界に来た?  忍務の最中に、タイムスリップをした……と?」
飛竜「貴様は秀真にどこに隠れていたのかと言った。 ……この男は、貴様の時代にはいないのではないか?」
秀真「俺が……?」
緋花「………………」
秀真「人が時間を越える…… 過去にそういう事例もある」
秀真「特に、この渋谷では。 信じられないかもしれんが……」
緋花「………………」
(緋花が被っているものを取る)
緋花「……信じるわ。 あなたを見た以上、信じざるを得ないしね」
緋花「忍務の最中に……まったく、ついてないわ」
秀真(素顔をさらすことで、 己の言動を真実だと証明する、か)
秀真「……わかった、緋花。 俺もおまえのことを信じよう」
緋花「……ありがとう、面倒がなくて助かるわ」

飛竜「互いに干渉すべきではない。 ……それぞれの時代へ戻るべきだろう」
(緋花がマスクを被っている)
緋花「飛び込めば戻れる……というのなら簡単だけれど」

(渋谷601の穴が光り出し、秀真、飛竜、緋花が穴の方を見る)

秀真「もしや……まだ何か来るというのか!?」

(穴から派手な飾りのついた忍び装束の女性が出現し、穴の光が収まる)

???(ナツ)「うわあっ! ちょっとなんなのこれ!  ヤバいって!」
???(ナツ)「ああ、びっくりした。 ……この穴、マジなんだってのよ!」

???(ナツ)「地面も壁も石でできてる……ここどこ?  それに、あんたたちダレ?」
緋花「それはこっちの台詞よ。 どこから来た誰なのかしら? あなたは」
???(ナツ)(あ、怪しい……。シノビが簡単に名乗るなって、 先生も言ってたしなあ……)
秀真「その刀に装束……。 緋花、この(むすめ)も……Shinobi機関の者か?」
緋花「……知らないわ。 こんなシノビと呼べないような恰好をした(むすめ)は」
???(ナツ)「マジ悪口言われてるんですけど!  人のこと言えないっしょ! あんたたち!」
???(ナツ)「っつーか、みんな……忍者?  ここで何してんの? どこのシノビよ?」
飛竜「………………」
緋花「……おしゃべりは苦手なの」
秀真「……おまえが何者かわからん以上、言えん」
???(ナツ)「かぁ~、ムカつく!  忍者ってのはどうしてこう……。先生もそうだったけど」
ナツ「アタシは封魔衆の凪津(ナツ)!  流派は夢想抜刀流! これでいい!?」
秀真「封魔衆……? 聞かぬ名だ」
緋花「夢想……抜刀流。 古い資料で見たことがあるような気がするけど」
飛竜「封魔の里、そして夢想抜刀流……。 貴様は過去から来た者か?」
ナツ「過去? 何言ってんの? 今は今っしょ」
緋花「飛竜、心当たりが?」
飛竜「かつての任務で、会ったことがある。 ……その女は、西暦1600年以前の世界から来た」
秀真「では、このシノビの娘は…… 400年以上前の世界から……?」
ナツ「ちょっと、 アタシにわかるように説明してくんない?」
ナツ「封魔の里で、アタシ以外に…… 夢想抜刀流を使う……?」
ナツ(えっ!? それって……もしかして……!?)
ナツ「飛竜って言ったっけ?  その人のこと、詳しく教えてほしいんだけど!」
ナツ「アタシ、行方不明になった先生を探してるんだ!」
飛竜「俺が出会ったシノビは元の世界に戻った。 ……この世界にはいないはずだ」
ナツ「入れ違いかあ……ヘコむなあ」
ナツ「じゃあ、あんたたちも色んな時代から来てるってこと?  で、戻り方は?」
秀真「……俺は元々、この時代の人間だ」
緋花「………………」
飛竜「………………」
ナツ「うっそ! わかってないの!?」

〔戦域:渋谷601周辺〕

(北端の横断歩道の西側に忍者装束の男性と道着を着た男性がいる)

???(影丸)「ここだ、アキラ」
アキラ「本当にこんな所で 待ち合わせしているのか? 影丸」
アキラ「閉鎖都市、渋谷…… おいそれと入っていい場所じゃないだろう」
影丸「アキラよ。相手は政府機関とつながりのある、 戦闘集団の当主だ……」
影丸「接触するためには、 これくらいのことはせねばならぬ」
アキラ「そんな所に俺を連れて来ていいのか?」
影丸「おぬしは以前の戦(いくさ)で、 "あれ"と戦った経験がある。無関係ではあるまい」
 デュラル
アキラ「戦闘サイボーグ……デュラルか」
影丸「正確にはV-デュラル。 ……本物のデュラルにあらず」
アキラ「本物じゃない……? どういうことだ?」
影丸「………………」
影丸「……それはいずれ語ろう。 今は奴らの足取りを掴むことが先決なり」
アキラ「わかったよ。 で? 会うっていうのはどんな奴なんだ?」
影丸「我と同じく、今を生きるシノビの一族。 ……確かな腕を持つ、寡黙な者だ」

???(ナツ)「だぁーから!  黙ってばっかじゃわかんないっしょ!」
???(ナツ)「帰る方法がわからないって、 マジどういうこと!?」

影丸「………………」
アキラ「寡黙なシノビ……って話だったよな?」
影丸「会うのは男だ」
アキラ「女連れなのか?  ……まあ、行ってみようぜ」

(影丸とアキラが南に進み、秀真達の傍まで来る)

ナツ「ポーンと飛び込めばいいだけの話じゃないの?  今更ビビってどうすんのさ!」
秀真「数年後の未来、遥かな未来、そして数百年前の過去…… この穴は様々な時間軸に通じている」
緋花「どうやって、正確に自分のいた時代に 戻るつもりなの? ナツ」
飛竜「転移先を確定させるための装備が ここにはない」
ナツ「あーっ、もう! ワッケわかんないよ!」

アキラ「……なんかモメてるな」
アキラ「忍者、忍者……と。 ……全員忍者じゃないか? 影丸」
影丸「………………」

(秀真たちが影丸たちの方を向く)

緋花「何者……?」
ナツ「あ、なんかすごいシノビっぽいの来た!」
影丸「『朧』の当主……秀真に用がある」
秀真「葉隠(はがくれ)の……影丸か?」
影丸「いかにも。一人で来ると聞いていたが?」
秀真「そのつもりだった。 ……少し話した方がいいだろう」
アキラ「やれやれ、嫌な予感がするぜ……」

〔戦域:渋谷601周辺〕

影丸「それぞれ別の時代から、 この渋谷に現れたと? ……信じられぬ」
飛竜「……事実だ」
アキラ「いや、俺は信じるぜ」
アキラ「以前の戦いもそうだった。 過去や未来……異世界も巻き込まれていたからな」
ナツ「う~ん、もしかしたら先生も、そういう戦(いくさ)に また巻き込まれたのかな……」
影丸「秀真、おぬしはどうする?」
秀真「俺は戻り、Shinobi機関に報告をするつもりだ」
緋花「……機関か。時間軸の違うあたしは、 関わらない方がいいかもしれないわね」
 零児と小牟
アキラ「なあ、政府機関なら……『森羅』はどうだ?  この前の戦いで世話になった」
秀真「超常現象を専門に扱う特務機関か。 ……適任かもしれん」
飛竜「……む?  待て、ワープホールの様子が……おかしい」

(渋谷601の穴が光り出し、中から黄色のヘルメットで顔を隠した人物が出現し、北端に着地する)

???(ソロ)「………………」
アキラ「なんだ? ロボット……?」
???(ソロ)「ストライダー飛竜、発見。 ……抹殺する」
緋花「ストライダー……?  飛竜、このお人形さん……あんたの敵のようね」
飛竜「……暗殺者、ソロ。 かつて冥王と呼ばれた男の配下だ」
秀真「おまえを追って来たのか」
ナツ「ってことはさ、今…… 飛竜のいた時代につながってるんじゃない?」
飛竜「……可能性は高い」
影丸「む? まだ出てくるようだぞ……!」

(ソロの前に強化忍が複数出現する)

アキラ「なんだ? また……忍者?」
緋花「中臣(なかとみ)重工の強化忍者?  こいつらは……あたしの時代の敵よ」
飛竜「このワープホールが 各時代に通じているのは間違いない、か」
ナツ「こりゃチンタラやってらんないね。 まだつながってるうちに、やっちゃおうよ!」
秀真「ああ、すべきことはひとつだ。 ……任務を開始する」

(飛竜の側に秀真と緋花が移動し、ユニットを組む。 アキラの側にナツが移動し、影丸は歩いて近づき、ユニットを組む)


プロローグ 3
Shinobi

(勝利敗北条件表示)

〈PLAYER TURN ROUND 1〉

〈ソロを撃破〉

ソロ「任務続行は困難……撤退する」

(ソロが立ち去る)

影丸「どこへ行った?」
アキラ「ビルの大穴に飛び込んじまいやがった。 待てよ、じゃあ今、奴を追えば……」
飛竜「……元の時代へは戻れる、か」

〈STAGE CREAR〉

〔戦域:渋谷601周辺〕

(601の穴が光りを放っていて、その前に、緋花、ナツ、飛竜、影丸、秀真、アキラがいる)

飛竜「……俺はソロを追う」
秀真「確かに、今ならおまえのいた時代に 戻れるかもしれん」
緋花「いつ、この穴が使えなくなるかわからない……。 あたしも行くわ。忍務の途中なの」
アキラ「ナツ、おまえはどうするんだ?  たしか……おまえだけ過去から来ているんだよな?」
ナツ「まあ、よくわかんないけど。 とりあえず、なるようになるっしょ」
影丸「流れに身を任せるもまた、真理なり」

飛竜「……俺から行く」
秀真「わかった。……さらばだ、飛竜」
飛竜「ああ」

(飛竜が穴に飛び込む)

ナツ「あっ、そうだ! アタシ、飛竜に訊かなきゃ いけないことがあるんだった!」
影丸「……なに?」
ナツ「飛竜が会ったっていう、 封魔の里のシノビについて!」
ナツ「ほいじゃ、アタシもドロンするから!  じゃーね!」
ナツ「飛竜! 待ってよー!」

(ナツが穴に飛び込む)

緋花「ふう……騒がしい娘ね。 それじゃ、あたしも行くわ」
秀真「お互い、今回の件は、機関には 報告しない方がいいかもしれんな」
緋花「そうかもしれないわね」
緋花「………………」
緋花「ひとつ言っておこうかしら。その妖刀・悪食…… できたら、手放さない方がいいと思うわ」
秀真「そんなつもりは元からない。 ……何が言いたい? 緋花」
緋花「……なんでも。 じゃあ、さよなら……」

(緋花が穴に飛び込む)

影丸「あのシノビ…… おぬしに何を伝えようとしたのだ? 秀真」
秀真「……わからない」
秀真(未来の俺、そして悪食か……)
アキラ「ん!? おいっ、見ろ!」

(穴の光が消え、地響きとともに穴が埋まる)

影丸「過去と未来に通じる道が……閉じたか」
秀真「これでいい」
アキラ「ふう、まさかこんな騒ぎになっているとはな。 ……だが、これでやっと本来のかたちに戻ったか」
 デュラル
影丸「いかにも。 ……秀真、デュラルのことについてだ」
秀真「………………」
秀真「かつて、秘密結社シャドルーの関連組織…… S.I.N(エスアイエヌ)が使用したサイボーグ」
秀真「企業連合J6(ジャッジメントシックス)から 提供されたとされている……ここまではいいな?」
アキラ「ああ、量産も進んでるみたいだったな。 結構な数と戦ったぜ」
影丸「S.I.Nの首領は行方不明となり…… デュラルもすべて何者かに回収されたと聞く」
秀真「それらが、ある船に積み込まれ…… 出港したという情報がある」
 クイーン・ゼノビア号
秀真「クイーン・ゼノビア号…… 記録ではすでに沈没しているはずの船にだ」
影丸「………………」
秀真「……俺が話せるのはここまでだ」
影丸「かたじけない、秀真」
秀真「葉隠の一族には借りがある。 ……だが、命を粗末にはするな」
秀真「結城晶、おまえもただの格闘家で いたいのなら、関わらないことだ」
アキラ「デュラルのことは、俺も気になってる。 前にやりあってるからな」
アキラ「ゼノビア号か。これが本当の乗りかかった船だ。 最後まで付き合うつもりさ」
秀真「……わかった。 ならば、何も言うまい」
影丸「秀真、感謝する。 アキラ……すぐに発つぞ」
アキラ「ああ。……じゃあな、秀真」
秀真「……幸運を祈る」

(アキラと影丸が西へ立ち去る)

秀真「今回の渋谷の件、もう少し調べる必要があるな」
秀真「アキラの言っていた通り…… 特務機関『森羅』の力を借りるべき、か」

(秀真の周りで何かが3回ほど輝く)

秀真「うっ……!」
秀真「な、なんだ……!? この力は……!」
秀真「まさか、これが……「ゆらぎ」……!?  やはり、今回の事件は……!」
秀真「……くっ!」

(秀真が光の球のようになり、消える)


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