[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
ボニー「船長、またすごいところから
お戻りですな」
アン「冷凍マグロになりかかったよ。
だけど、休んでるヒマはそんなに
なくてねえ」
零児「そういうことだな。
アレディ、敵の本拠地までのルートは?」
アイスベルク監獄
アレディ「ここから海を越えて南に行けば、
波国の北部……
ゲルダのアイスベルク監獄です」
ネージュ「じゃ、装備を整えて行きましょうか」
猫騒堂
琥魔「そんな時には琥魔におまかせ!
龍寓島にどうぞお越しくださいませ!」
サイレント・ウォークス号の船長室
アン「おっと、あたしの店もね」
エスメラルダ城塞
ドロシー「ワタクシのお店もですわ!」
マーカス・タウン
カッツェ「アラ、アタシもお忘れなく」
アルフィミィ「すごい売り込みですの」
ハーケン「OK、大量マーチャント。
準備ができたら……ハコクの北部だな」
ボニー「こちらはいつでも行けます。
「波国 北部へ」と指示してくれれば、
すぐにお連れしますよ、船長」
アン「手間かけるねえ。
了解したよ」
(行き先選択で「波国 北部へ」を選択)
ヘイムレン「ゲルダ様。
まもなく、アレディ・ナアシュたちが
こちらに到着するようです」
ゲルダ「……そうか」
ヘイムレン「よろしいのですか?
監獄内に招き入れるのは危険かと」
ゲルダ「刻が満ちたということだ、ヘイムレン。
……あとはアルクオン、そして
奴らの力が手に入れば……」
ゲルダ「我々は、アグラッドヘイムと
戦うことができよう」
ヘイムレン「…………」
ヘイムレン「かしこまりました。
すべては、我らの争覇が導くままに……」
コウタ「かあ~、雪だぜ。
異世界でも雪ってあるんだな」
沙夜「あん、なかなか幻想的じゃない?」
神夜「はひィ! さ、寒いいっ!」
アシェン「そればっかですね、寒乳姫」
エイゼル「ここはシュラの本拠地。
……もっと緊張感を持つがよい」
M.O.M.O.「でも……
まわりには特に何もないですよね?」
小牟「そうじゃのう。
修羅の城はどこにも見当たらんぞ?」
小牟「ここにあるのは地面の大穴と、
ペンギンだけじゃ」
根付いたヴェルトバオムの芽
ヘンネ「この地面の穴……
アグラッドヘイムの例の力かい?」
アレディ「波国の大地が削り分けられ、
この異邦の地に瞬転した時のなごりです」
T-elos「ふん、ここの連中も、
そいつらにやられたってわけかい」
アレディ「そうです。
凍鏡のゲルダ……その目的は、
世界との融合により中断された……」
アレディ「アグラッドヘイムとの
争覇に決着を付けることでしょう」
KOS-MOS「そのために、戦力を集めている、と?」
アクセル「実際、新型の羅刹機とかも
出てきたわけだからな、これが」
アレディ「…………」
アレディ(……ゲルダ、そしてヘイムレンよ)
アレディ(我々の争覇……これでいいのか?
この世界で、我々修羅が生きるために
せねばならないことは……)
ネージュ「……ちょっとアレディ?
何か感慨にふけるのは
かまわないんだけど……」
アレディ「は……? 何か?」
錫華「むふふふ……なんだか逆に、
体がぽかぽかしてきた気がするぞよ……」
神夜「お母さん……」
キュオン「なんか、寒さでダメになってきてる
人たちもいるから、早く行かない?」
アイスベルク監獄
アレディ「そうですね。行きましょう。
ゲルダの居城……アイスベルク監獄は
ここから真南の方向です」
ハーケン「回り込まなきゃならないらしいな。
よし、行こうか」
アレディ(凍鏡のゲルダ、
そして操音のヘイムレン……)
アレディ(今こそ、私の答えを見せよう……!)
カッツェ「ここがアイスベルク監獄……
中もコテコテの氷のカタマリねェ」
神夜「温度が外とあんまり
変わらないんですけど……」
琥魔「いい加減、慣れてくださいませ。
背中をこする布、お売りしましょうか?」
KOS-MOS「震えている場合ではありません。
ここは敵性シュラの本拠地です」
T-elos「気に入らんな。
その本拠地……こうも簡単に
入り込めるものか?」
錫華「ふむ、闇こすもすの申すとおりである。
……城門の守り的な者たちもおらぬな」
エイゼル「我らを招き入れたのか?
アレディよ、ここまで来たことは?」
アレディ「一度だけあります。
ネージュ姫殿たちが、波国に瞬転される
以前のことです」
アレディ「…………」
コウタ「ん? どうしたんだ? アレディ」
アレディ「もし今回の瞬転が行われなかったら、
機会は巡ってこなかったでしょう」
アレディ「そしてここまでの行軍……
争覇の中にありながら、心身の消耗を
感じない……こんなことは初めてです」
ネージュ「そりゃ、これだけの戦力があって、
街やら海賊船やらで休み放題……
ラクに決まってるじゃない?」
アレディ「そのような意味ではありません。
……うまく表現できませんが」
アクセル「ストレスが少ないってことじゃないか?」
小牟「明るく、楽しく、激しくが
わしらのモットーじゃからの」
零児「勝手に総意にするな」
ハーケン「感慨にふけるのは早いぜ? アレディ」
アレディ「そうですね。行きましょう。
中枢に続く昇降機は動いて
いないでしょう」
アレディ「正面に階段があるはずです」
ドロシー「なるほど、たしかに監獄……。
部屋が仕切られているようですわね」
ハーケン「このプリズンには、
誰が捕まっているんだ?」
アレディ「ここは監獄というより……兵舎です。
捕らえた敵や、凶暴な獣羅などが
収監されています」
ヘイムレン
アン「あ、わかった。
それをあの笛のボウヤが操って、
兵隊にしてるんじゃないのかい?」
アレディ「その通りです」
ヘンネ「本当に働くね。
オルケストル・アーミーに
ほしいくらいだよ」
アレディ「他にも制御不能になった下級羅刹機なども
おり、その力は侮れません」
アレディ「過去、ここまでは来たことがあります。
ですが、牢の中にいる者たちに阻まれ……
退かざるを得ませんでした」
アレディ「あの頃の私は、
まだまだ修練が足りなかったのです」
魔倣の鏡
ネージュ「そんな連中を『魔倣の鏡』で
増やされたりしたら、
ますますド強くなっちゃうじゃない」
アシェン「まさに戦力増強にはうってつけです。
厄介な物を盗まれたもんでござんする」
アレディ「どこかに抜け道があるはずです。
牢も見ていきましょう」
コウタ「牢屋かよ……。
とんでもねえのが閉じ込められてる
ってパターンは勘弁だぜ?」
沙夜「あん、鍵がかかっちゃって
出られなくなった教師と生徒とか、ね」
アルフィミィ「興味深いですの」
キュオン「そういうとんでもなさなの!?」
零児「ワイ談はいい。行くぞ」
(毒牛頭、毒馬頭、百夜がいる)
毒牛頭「おっと、そこまでだゼェッ!」
ネージュ「あっ! この牛男は!」
毒馬頭「ここから先には行かせはせんぞォ!」
毒牛頭「ヒャーハァー!」
アレディ「沙夜殿の獣羅か……!」
沙夜「獣羅ってのじゃないんだけど……
もう、すっかり修羅が板に
ついてきちゃってるじゃないの」
沙夜「だけど……あなたたちよりも、
もっと驚いたものがあるのよね」
百夜「………………」
沙夜「まさか、百夜ちゃんもいるとは、ね」
ハーケン「こいつは、アグラッドヘイムに
持ってかれた三機のうちの……一機か?」
ヘンネ「それが、どうしてこんな所に?」
T-elos「ハッ、奪い取ったんだろ。
その連中からさ」
ドロシー「こらっ! あなたたち!
それをどこからどうやって
持ってきたんですの!?」
毒馬頭「我ら修羅の所業、
言葉などでは紡げはせんッ!」
神夜「あ、あのう……そこをなんとか、
教えていただけないかと……」
不死桜
毒牛頭「これはデカい桜の木のあたりで
敵から奪ってやったんだぜェ!
ヒィーハァー!」
キュオン「話しちゃった!」
神夜「巨大な……桜の木!?
もしかして、不死桜ですか!?」
毒牛頭「ここから先の情報は、
二人っきりの時のお楽しみだァ~ッ!」
毒馬頭「ぬううん! 我らの情報を知った以上、
生かしては帰さんのだッ!」
コウタ「てやんでえ!
てめえらから話したんだろうが!」
アクセル「なんかもう戦う流れなんだな、これが」
アルフィミィ「そもそも、ぐだぐだですの」
百夜「………………」
沙夜「百夜ちゃんは、
残念ながら破壊しなきゃならないけど……」
沙夜「できればゴズィとメズィは生け捕りでね。
こんなだけど、私のかわいい部下なの」
零児「……一気に滅ぼしたいところだが、
百夜のことを訊かなければならんか」
小牟「仕方あるまい! さあ、牛じゃ!」
【毒牛頭、毒馬頭、百夜との戦闘】
(百夜が爆発する)
沙夜「これで二機目……。
残った百夜はあと一機ね」
毒牛頭「うう、ここは?
……ア、アネゴ!?」
毒馬頭「沙夜様!? では我々は……」
沙夜「もう、二人とも。
あとでぼうやにオシオキしてもらうから」
零児「俺はやらんぞ。
それに、その前に訊くべきことがあるだろ」
不死桜
錫華「そうである。青牛に赤馬よ。
今の百夜……不死桜から運び込んだと
申しておったな?」
毒馬頭「記憶が定かではないが……
あの巨大な桜の木の近くで、
アグラッドヘイム軍と戦ったのだ」
KOS-MOS「その時に、ビャクヤの奪取を?」
毒牛頭「オレたちは制御コードを知ってたからな」
ヘイムレン
毒馬頭「あの笛吹き男に何とかできないかと
命令され……外部から入力したのだ」
アレディ「アグラッドヘイム……
たしか一度、不死桜を狙ったことが
ありました」
ヘラ
カッツェ「ガンド三兄弟のヘラ・ガンドちゃんと
戦った時ねェ」
エイゼル「かの者たちが本格的に動き出す前に、
シュラを押さえねばならぬな」
毒馬頭「沙夜様、我々も一緒に?」
沙夜「あなたたちには、
やってもらうことがあるのよ」
沙夜「残った百夜はあと一機。
……そろそろ帰りのルートを
確保しないと、ね」
ミラビリス城のゲート
毒牛頭「わかったぜ、アネゴ!
あたりはつけてあるんでさあ!」
沙夜「あん、さすがはデキるコね。
オシオキは私の方からして
あげようかしら」
毒牛頭「ぶもっ! そいつは……!」
毒馬頭「諦めろ、毒牛頭よ。
今回は俺たちの落ち度だ」
毒馬頭「では、沙夜様。
ここから先は、後ろのブロックを壊して
進んでください」
魔倣の鏡
毒牛頭「オレたちが盗んだ『鏡』を
運び込んだ時に使った搬入ルートが
あるんでさあ」
沙夜「了解よ。じゃあね」
(毒馬頭と毒牛頭が消える。アレディ達が向かい合う)
零児「沙夜、何を話していた?」
沙夜「あん、オシオキの話よ」
沙夜「あとは……この牢屋の奥に、
『鏡』を運んだ搬入路があるって話」
零児「…………」
魔倣の鏡
ネージュ「じゃあ、
『魔倣の鏡』はこの先ってことね」
コウタ「あいつらが
ウソを言ってなければだけどな」
アレディ「沙夜殿がいる以上、
虚言を弄する理由はないはずです」
アレディ「それに、かすかな覇気の流れを感じます。
……牢の奥を調べてみましょう」
琥魔「搬入路というか、裏口でございますね」
神夜「お風呂みたいな桶(おけ)がありますけど
もしかして……!」
アシェン「落ち着いてください、凍乳姫」
アン「あそこに水入れられたら、
あたしでもキツいよ」
小牟「絶対にカッチカチじゃぞ?」
M.O.M.O.「でも、そうやって先に進むための
仕掛けみたいですよ」
ハーケン「OK、アイス風呂を入れてみようぜ。
注入するためのバルブがあるはずだ」
パイプにハンドルがついている。
ハンドルを回してみますか?
→はい
いいえ
(桶に水が入る)
ハンドルはすでに回されている。
(部屋の奥に魔倣の鏡が置いてある)
ネージュ「あった……! 『魔倣の鏡』が!」
ネージュ「よかった、まわりに敵もいないようだし、
さっさとド取り返してしまいましょ♪」
アレディ「お待ちを、ネージュ姫殿。
……様子がおかしい。強い力を感じます」
M.O.M.O.「エネルギー反応が
すごく不安定みたいです」
錫華「どういうことぞよ?
それにまわりにある機材……
修羅っぽくない感じであるな」
シュラーフェン・セレスト
ハーケン「シュラーフェン・セレストあたりから
持ち出された臭いな。
……何かを調整しているのか?」
アシェン「機械によって制御しようとして
いるんじゃなかろうなのではないかと」
エイゼル「我(われ)が見よう」
アルフィミィ「危なくないんですの?」
エイゼル「我が身体ならば、
何が起きようとも耐えることができよう」
エイゼル「場合によっては爆散せしめん……!」
ネージュ「ちょっと! 爆散はダメよ!?」
(エイゼルが鏡に寄るとカッツェ、キュオン、ヘンネが現れ、エイゼルが振り返る)
キュオン(?)「…………」
カッツェ(?)「…………」
ヘンネ(?)「…………」
エイゼル「カッツェ、ヘンネ、キュオン……!?」
琥魔「にゃんと!
どういうことでございますか!?」
ドロシー「ワタクシたちと同じですわね。
地下街トレイデル・ボーデンで戦った、
美しきコピーと」
アン「でも、
どうして今回はこの三人なんだい?」
ネージュ「今、『鏡』は暴走状態にあるようね。
そのせいでしょう」
ネージュ「エイゼル王の意識の深層にある人物が
コピーされたみたい」
ヘンネ「それだけウチの王サマが、
あたしらのことを気にかけてくれてるって
ことだね」
キュオン「イイハナシだな~!」
カッツェ「違うオトコが出てきたら、
どうしてやろうかと思ったケドねェ」
零児「なごんでる場合か。来るぞ!」
エイゼル「仕方あるまい。
写し身の虚像……討ち果たす!」
【ヘンネ(コピー)、カッツェ(コピー)、キュオン(コピー)との戦闘】
(コピーがそれぞれ壊れる)
カッツェ「終わったわネェ。
アタシ、そこそこやるじゃないの」
アクセル「どんな自画自賛なんだよ」
KOS-MOS「今回の件は処理できましたが、
これからどうするのですか?」
ネージュ「『魔倣の鏡』は封印することができるの。
今はそうするしかないかしらね」
不死桜
神夜「アグラッドヘイムの人たちが
不死桜で何をしていたのかとか、
訊きたいことはあるんですけど……」
コウタ「ま、その度に誰かコピーされて
襲いかかってくるんじゃ
たまんねえからな」
アレディ「その通りです。
では、ネージュ姫殿、お願いします」
ネージュ「ネージュにドまかせ!」
(ネージュが鏡に近づく)
ネージュ「鏡よ鏡……しばしの眠りにつきなさい」
ネージュ「いつかあなたを揺り起こす、
優しい声が響くまで」
ネージュ「ハウゼン家の姫、
ネージュ・ハウゼンの名において……」
ネージュ「魔倣の鏡……封印っ!」
(ネージュから魔力が発せられ、魔倣の鏡が曇る)
ハーケン「ミラーの輝きが消えたな」
ネージュ「これで悪用されることはないはずよ。
回収は後回しになってしまうけど」
毒牛頭と毒馬頭
沙夜「じゃあこれは、
あとで毒牛頭ちゃんと毒馬頭ちゃんに
責任を持って戻させましょうか」
アレディ「…………」
エイゼル「どうしたのだ? シュラよ」
アレディ「この『鏡』の守りが手薄なのが
気になったのです」
ヘイムレン
アレディ「操音のヘイムレン……
あの男くらいは出てくると
思っていたのですが」
T-elos「この『鏡』の“役割”は
もう終わっている……ということさ」
小牟「ふむ、それが何なのか……
修羅の親分に訊くしかないようじゃの」
アレディ「はい、行きましょう。
北から覇気の流れを感じます」
魔倣の鏡には封印が施されている。 簡単に破られる事はないだろう。
パイプにハンドルがついている。
ハンドルを回してみますか?
→はい
いいえ
ハンドルは回らない。 パイプの放出口が 何かでふさがれているようだ。
巨大な氷塊によって進めない。 他に進めるルートはないだろうか。
(玉座にゲルダ、横にヘイムレンがいる)
アレディ「操音のヘイムレン。
そして凍鏡のゲルダ……」
アレディ「ついに、ここまでたどり着いた」
ゲルダ「よく来たわね……剛錬のアレディ」
ヘイムレン「待っていたよ、アレディ君」
アレディ「待っていた……?」
アルクオン「………………」
ゲルダ「やはり、アルクオンも連れてきているか。
ならば好都合……これで必要なもの
すべてがそろったわ」
アレディ「なに……?」
ハーケン「ヘイ、全開クイーン。
どういうことだい?」
アシェン「すべてがそろった……とは?」
ゲルダ「ヘイムレン、“あれ”を呼び出せ」
ヘイムレン「はい、ゲルダ様」
ヘイムレン「出でよ、羅刹機アルコンテスよ!」
M.O.M.O.「あ……熱源接近!
この反応は……!」
(羅刹機が2機出現する)
アルコンテス「………………」
錫華「何かと思えば……
ただの羅刹機ではないか」
アレディ「…………ッ!」
アクセル「ん? 確かに何度かやりあったけど……
水色じゃなかったか?
でも、こいつは……」
小牟「黒じゃよ、真っ黒!」
琥魔「成型色を変えて、もう一丁……
っちゅうだけニャ」
アレディ「そんなことはありません、琥魔殿。
この羅刹機から放たれる覇気……」
ヘイムレン「気付いたようだねえ、アレディ君」
アレディ「これは……アルクオンに近い……!」
アルコンテス「………………」
アルクオン「………………」
アン「何を言ってるんだい。
そんなに似てないじゃないさ」
沙夜「見た目が……ってことじゃ
ないんじゃない?」
アルフィミィ「……“本質的な部分”ということですの」
ゲルダ「我々もまた、羅刹機の研究を進めていた。
アルクオンが手に入ってさえいれば、
もう少し早く完成したのだがな」
魔倣の鏡
KOS-MOS「あの『鏡』を使って
複製を行ったのですか?」
ヘイムレン「これは例の鏡に映したものではないよ。
ようやく完成した……我々の羅刹機さ」
ヘイムレン「あとはアルクオンと闘い、学習……
いや、修練を積んでもらうだけさ」
ヘイムレン「そして、完全となったアルコンテスを
『魔倣の鏡』で複製するとしたら……
どうだい?」
零児「そのために、
俺たちをここまで招き入れたのか……!」
ドロシー「アルクオンと同等のラセツキを
量産するですって!?」
ネージュ「ああら、ド残念ね!
あれならもう封印させてもらったから」
ヘイムレン「そうなのかい?
でも、お姫様。僕がキミを操って、
解いてもらえばいいだけの話だよねえ」
キュオン「う、ずるい!」
ゲルダ「あとは必要な者だけ複製をし、
我が軍に加えれば……
アグラッドヘイムに勝てる」
T-elos「ハッ! 馬鹿が。
ここまで招き入れ、自分たちが
バラバラにされたらどうするつもりだ」
アクセル「表現が悪役丸出しだけど、
言いたいことはわかるんだな、これが」
コウタ「ああ、ここで俺たちに負けたら、
どうするつもりなんでえ!」
ゲルダ「……もとより覚悟の上だ……!」
アレディ「…………」
ヘイムレン「アレディ君、
我々は君のように、遊びまわっていた
わけじゃないんだよ」
ゲルダ「すべては、この争覇に勝ち残るためだ」
エイゼル「アグラッドヘイムは、
この世界で何か事を成そうとしている」
ヘンネ「それは、あんたらにとっても
無関係じゃないだろ?」
神夜「もっともっと、
恐ろしいことが起ころうとしている……
そんな気がするんです。だから……」
カッツェ「アタシたちが、
ここで争う必要はないんじゃない?」
ゲルダ「…………」
アレディ「……協力してアグラッドヘイムと戦う。
それはできないのか?」
ヘイムレン「ハッ! 甘いねえ。
甘くなったものだよ、アレディ君」
ヘイムレン「仲良しごっこで、
修羅としての牙を失ったのかい?」
ヘイムレン「欲しいものは、己の力で手に入れる。
それが修羅さ」
ヘイムレン「そのために、
僕は操音の業(わざ)を習得した。
それこそ、必死にねえ」
ヘイムレン「…………」
ヘイムレン「……貴様の言葉は、
その修練を愚弄するものだ。
アレディ・ナアシュ」
アレディ「…………」
アレディ「ならば、もう言うまい。
ヘイムレン・シルバート」
ゲルダ「おしゃべりは終わりだ。
アレディよ、我々の遺恨……
ここで終わらせるとしよう」
シンディ
ゲルダ「おまえさえ倒せば、
あとは影業のシンディのみだ……!」
アレディ「……いいや。
我が師、シンディ・バードのもとへ、
おまえたちはたどり着けない」
アレディ「私がいるからだ。
……剛錬のアレディ、参る……!」
【ゲルダ・ミロワール、ヘイムレン・シルバート、羅刹機アルコンテス×2との戦闘】
(羅刹機が爆発する)
ゲルダ「……見事だ。剛錬のアレディ……
アレディ・ナアシュよ」
ゲルダ「さあ……トドメを刺すがいい。
勝者にすべてを、敗者には死を……」
ゲルダ「すまぬ、ヘイムレン……先に逝(ゆ)く。
おまえは使命を果たせ」
ヘイムレン「ゲルダ様……
死すならば、僕もともに参ります……」
ヘイムレン「アレディ……君……。
キミの……当然の権利だ……。
僕たちに、恥をかかせないでくれ……」
アレディ「…………」
アレディ「それはできない」
ゲルダ「……なに……! アレディ……!
この期に及んで、敗者を……
愚弄するか……!」
ヘイムレン「キミはそこまで……修羅の掟に
背を向けると言うのか!?」
アレディ「ネージュ姫殿と出会うまでの私は、
己の力だけで、己のためだけに生きた」
ネージュ「…………」
アレディ「そして、力及ばねば……
ただ死せばいいと思っていた」
アレディ「修羅とは、そういうものだと」
ヘイムレン「そうだよ、アレディ君。
……そこに疑いを挟む余地などない」
アレディ「……だが、それでは無責任なのだ」
ヘイムレン「無責任……?」
アレディ「そうだ。
己の命に、魂に責任を持てぬ者が、
どうして高みに至ることができよう」
アレディ「人は争覇の中で進化してきた。
やがては“神化”へと至るために」
アレディ「だが、ヘイムレン……
己の拳と業(わざ)、そして命だけで、
一体どれほどのものが掴める?」
アレディ「物理的な強さだけでなく、
心にも強さを持つためには……
己の修練のみでは限界がある」
アレディ「流浪の民となった、今こそ……
我々はそれを理解すべきなのだ」
アレディ「これまでの旅を通じて、
私は……漠然とだが、そう感じている」
ネージュ「アレディ……」
ゲルダ「今まで歩んできた道を捨てろと……!?
争覇の中で生き、力及ばなければ死す……
修羅の道を……!」
アレディ「捨てるのではなく、変えるのです。
ここはエンドレス・フロンティア」
アレディ「あらゆる人も、あらゆる生き方をも
許容してくれる……無限の開拓地です」
ヘイムレン「アレディ君、キミは修羅の歴史をも
覆そうというのかい?」
ヘイムレン「それができるとしたら、それは……」
ヘイムレン「“王”の器を持つ者だけだ。
キミは、まさか……」
アレディ「…………」
ヘイムレン「………ゲルダ様、
ここは退きましょう」
ゲルダ「ヘイムレン……!
おまえまで……何を言うのだ……」
ゲルダ「修羅の掟を破り……
このような屈辱を……
受け入れようというのか……!」
ヘイムレン「その傷で無理をなさってはいけません。
次なる刻を待ちましょう」
アレディ「…………」
ヘイムレン「アレディ君、お言葉に甘えて……
命を永らえさせてもらうよ」
ヘイムレン「キミの言うとおり……
己の責任を放棄するのは逃げるのと同じ」
ヘイムレン「修羅は……
決して逃げてはならないのだからね」
アレディ「……ヘイムレン」
ヘイムレン「フフ……
だけど、もうキミは修羅では
ないのかもしれない」
ヘイムレン「そんなキミのことが少し……」
ヘイムレン「…………」
ヘイムレン「いや、よそう。
……さらばだ、剛錬のアレディ」
ゲルダ「……ぐ……っ!」
(ゲルダとヘイムレンが消える)
KOS-MOS「ターゲットをロストしました。
……いいのですか? アレディ」
錫華「また、何かやらかすやもしれぬぞよ?」
T-elos「後腐れなく、
始末しておくべきじゃないのかい?」
アレディ「かまいません。
……何度でも止めればいいのです」
エイゼル「いずれにせよ、シュラとの戦いも
一応の決着を見たようだな」
アルフィミィ「よかったですの」
アレディ「…………」
アレディ「皆さんには、お礼を言わねばなりません」
アレディ「ゲルダ一派との戦い……
このようなかたちで終わらせることが
できたのは、皆さんのおかげです」
アルクオン
零児「結果は重畳だ。
アルクオンを取り戻した時もそうだが、
あまり気にするな」
キュオン「キュオンたち、もうトモダチじゃん?」
アレディ「……友」
アレディ「己の力ではなく、
他者の力を借りて事を成す……」
アレディ「……修羅としては恥ずべきことです。
ですが、私はこれでよかったと
思っています」
アレディ「ヘイムレンが言っていたように、
私はもう修羅ではないのかもしれません」
アクセル「自分のいるべき場所、生きる道が、
このエンドレス・フロンティアに
あったんだろうさ」
アクセル「自分の居場所を見失うなよ、アレディ。
……ロクなことにならないぜ。
なぜか……そう思うんだな、これが」
コウタ「アレディ、俺の知ってる……
いや、ダチの修羅も、生き方ってやつを
いつも考えてたよ」
コウタ「……いいんじゃねえか? それで。
俺は、そう思うぜ」
アレディ「アクセル殿、コウタ殿……」
ネージュ「…………」
ネージュ「そうね。それに……」
ネージュ「ちょっと……
ドかっこよかったんじゃない?」
ヘイムレン
アレディ「え? ヘイムレンのことですか?」
ネージュ「……じゃなくて。もう、いいです」
アレディ「……?」
小牟「ほれほれ、軽く甘酸っぱいこと
やっとる場合ちゃうぞ?」
アシェン「さっさと脱出しませう。
確か、入口につながるエレベーターが
あっちゃったりなかったりするとか?」
アレディ「あったはずです。
北側を探してみましょう」
エレベーターを呼ぶスイッチがある。 今はすでに呼ばれている。
エレベーターを動かしますか?
→はい
いいえ
(あちこちの氷が溶ける)
アン「おっと、
急に天気が回復してるじゃないさ」
M.O.M.O.「氷が溶けている所も
たくさんあるみたいです!」
アレディ「凍鏡のゲルダが、
この監獄を去ったためでしょう」
アレディ「彼女の覇気により高められていた
冷気が弱まったのです」
ヘンネ「やれやれ、これで震える必要も
なくなったってことだね」
トレイデル・シュタット
ハーケン「……ってことは、
トレイデル・シュタット南部の
アイスフィールドも?」
アレディ「溶けているのではないかと思います」
ネージュ「ふう、一息ついた感じね。
次はどうするの?」
毒牛頭と毒馬頭
神夜「気になること極まりないのが、
牛の人たちが言っていた……」
神夜「不死桜の近所で見つかった、
あのからくりですね」
百夜
沙夜「そそ。百夜、ね。
だけど、問題は……」
カッツェ「そこでアグラッドヘイムが
“何をしていたのか”というコトねェ」
ドロシー「地下街から、この監獄……
しばらく情報がありませんでしたものね」
新フォルミッドヘイムに浮上したヴィルキュアキント
ハーケン「ヴィルキュアキントでガンド三兄弟の
一人と戦ってから動きがなかったが……
やることはやってたってことか」
琥魔「では、情報収集も込みで、
不死桜に向かいましょう!」
アレディ「…………」
シンディ
アレディ「その前に……
師匠に報告したいのですが、いいですか?」
アレディ「氷が溶けた今、
ここを南に抜ければ、すぐに覇龍の塔に
着くはずです」
リグ「ロック様。
……では、行ってまいります」
ロック「うむ、気を付けたまえ」
ロック「ガンド三兄弟よ、
おまえたちの役目も……わかっているな?」
ジョーム「……問題なく」
ヘラ「了解してるよ、ロック様」
ヴァナー「では、我々も参ります」
ガグン「…………」
ヴァナー「ガグン様、ひとまずお別れを」
ガグン「これがそうならぬよう……気を付けよ」
ヴァナー「……はっ」
(中央にシンディがいる。アレディ達がシンディの前まで歩いてくる)
アレディ「師匠。
剛錬のアレディ……ただ今戻りました」
シンディ「よく戻りました。
アレディ、ネージュ姫殿」
ネージュ「シンディ様、
アレディが朗報を持って来ましたから!」
シンディ「それはなによりです」
アレディ「…………」
ネージュ「アレディ……?」
シンディ「朗報ではないのですか? アレディ」
アレディ「……羅刹機アルクオンを取り戻しました」
アルクオン「………………」
シンディ「アルクオン……
アレディを受け入れてくれたのですね」
シンディ「よくやりましたね、アレディ」
アレディ「私一人の力ではありません。
ネージュ姫殿をはじめ、ここにいる方々の
おかげです」
アレディ「私一人であったなら……
志(こころざし)半ばで果てていた
ことでしょう」
シンディ「…………」
ハーケン「志ボーイ、まだ気にしてたのか」
アクセル「若いのに苦労性だな、これが」
ゲルダとヘイムレン
アレディ「そして、
凍鏡のゲルダ、操音のヘイムレン……
共に討ち果たしました」
シンディ「なんと……!
あの者たちをも退けたのですか?」
シンディ「凍鏡のゲルダ……
私が雌雄を決するべき相手でした」
シンディ「弟子のあなたに、
先を越されてしまったようですね」
アレディ「…………」
アレディ「そのことで、
お話しせねばならないことがあります」
アレディ「私は…………」
ゲルダとヘイムレン
シンディ「……アレディ。
ゲルダとヘイムレン……」
シンディ「……殺したのですか?」
アレディ「…………!」
シンディ「どうなのですか? 剛錬のアレディ。
あなたが話そうとしていること……
そのことではないのですか?」
アレディ「…………」
シンディ「わかりました。
沈黙もまた答え……
それが、あなたの出した結論なのですね」
錫華「相手に逃げられた、
という考え方もあるぞよ?」
シンディ「アレディは
“討ち果たした”と言いました。
つまり、決着はついたということです」
小牟「う……シンディ姉、鋭いのう」
アレディ「剛力を持ち、命を奪う。
弱者は死し、強者が残る……」
アレディ「ですが、それを繰り返した先に
たどり着くのは、どこなのですか?」
アレディ「永劫に同じことを繰り返し……
やがては己も死すのでしょう」
シンディ「…………」
アレディ「そういうものだと思っていました。
……ですが、敵を許し……
新たな争覇を目指す……」
アレディ「そこには意味があるのではないかと……
ここまでの旅を通して、そう思うのです」
シンディ「…………」
アレディ「私は、修羅として……」
シンディ「……弱くなった」
アレディ「師匠……。
そうです、私は……」
シンディ「アレディ、
あなたは“修羅”として……
確かに甘く、そして弱くなった」
アレディ「…………」
シンディ「ですが、
あなたは他のどんな“修羅”よりも……」
シンディ「強い“男”に……なりましたね」
アレディ「師匠……」
シンディ「この異邦の地で……
修羅でありながら、その生き方を否定し、
己の往くべき道を見つけた」
シンディ「私はアレディ・ナアシュという
“男”を弟子に持ったことを……
誇りに思います」
シンディ「強いだけの修羅でなく、強さも弱さも……
どちらも抱えた男でいなさい」
シンディ「あなたはまだ若い。
あとは、刻があなたの味方を
してくれるでしょう」
アレディ「師匠……」
アレディ「はい……! 師匠!」
ネージュ「アレディ、よかったじゃない。
……気持ちがラクになったんじゃ
ないかしら?」
アレディ「はい……!
自分の信じる争覇に生きる……
その決心がつきました」
シンディ「そう、あなたの争覇は
まだ終わっていません。
……わかっていますね、アレディ」
アレディ「アグラッドヘイムとの戦いに向かいます」
シンディ「気を付けなさい。
あなた方がここに来る少し前から……
奇妙な感覚があります」
神夜「え? ど、どんな感じですか?」
シンディ「波国が“削り分けられた”あの日……
その時の空気と似ているのです」
アレディ「私もそれは感じていました。
まさか……あの時と同じことが?」
アシェン「KOS-MOS、何か感知できるか?」
KOS-MOS「現時点ではありません」
(零児が傷を押さえる)
零児「……うっ!」
アクセル「おいおい、どうした? 零児。
傷が痛むのか?」
零児「どこかで“ゆらぎ”が起きた感じがした。
いや、少し違う……なんだ?」
アルフィミィ「ゆらぎ……
たしか、次元のほころびのことですの」
ネージュ「シンディ様が言ったとおり……
何かが起こっているの!?」
アレディ「師匠、行ってまいります……!」
シンディ「剛錬のアレディ」
シンディ「あなたの新たなる争覇に、
死凶星が落ちぬことを」
アレディ「……はい!」