(エスピナ城の中心に虹色の大きな柱がある)
ネージュ「とうとう……帰ってこれたのね。
私のエスピナ城に」
アクセル「いや、なんというか……
暮らしにくそうな城だな、これは」
沙夜「あん、なんか悪の総本山って感じで
ステキじゃない?」
ネージュ「最初からこういう悪者っぽい
デザインだったわけじゃありません」
神夜「ネージュさん、
この紅いトゲトゲって、もしかして……」
ネージュ「お察しの通りよ、カグヤさん」
エスピナ城
ネージュ「エスピナ城は、
私たちがシュラの国に転移するド直前に、
紅いミルトカイル石で覆われた……」
ネージュ「……あの時のままね」
アレディ「中央からそびえ立つ……
虹の柱のようなものはなんですか?」
ネージュ「さっきから、
私も気になってたんだけど……
なに? あれ」
錫華「知らぬのかえ?
てっきり、舞台装置の一つかと
思っておったが」
(アシェンはオルケストルアーミーの制服姿)
アシェン「私がオルケストル・アーミーに出向中、
ルートが塞がる前に一度調査に
来ましましたが……」
アシェン「その時には、こんな虹は出ていなかった
のであり申しました」
M.O.M.O.「もしかして虹の橋……なんですか?」
小牟「ふむ、もしそうなら
ロマンチックが止まらぬ感じじゃが……
これはちょい不気味な感じじゃの」
ハーケン「OK、ロマンティック・フォックス。
だが、おかしい点は
レインボーロード以外にまだあるぜ」
キュオン「え? どこどこ?」
カッツェ「この城を覆う……
ミルトカイルの“紅石”ね」
ヘンネ「このエンドレス・フロンティアが
融合してから、あちこち調査のために
飛び回ったけど……」
ヘンネ「「青」と「赤」の石は、
すべて消滅していたのさ。
……このエスピナ城を除いてね」
琥魔「たしかに、
まったく見かけなくなりましたねえ」
アルフィミィ「ここにもアインストが
関わっておりますのね」
滅魏城
零児「すぐ北の滅魏城での騒動を考えると、
ここで奴らの新種が動いていても
おかしくはない、か」
アン「せっかく帰ってきたのにねえ、姫さん」
ネージュ「全然気にしないから! ただいま~♪」
ネージュ「……という雰囲気じゃなさそうね」
アレディ「入ってみましょう、ネージュ姫殿」
アレディ「これでは、
あなたを送り届けたことにはなりません」
ネージュ「アレディ……」
ネージュ「…………」
ネージュ「べ、別にありがたくなんて……」
ドロシー「はいはい、入りますわよ」
(少し奥に進む)
【スヴァロギッチ、ペルーン、ストリボーグとの戦闘】
KOS-MOS「今の敵性体は……グノーシス。
どうしてこの場所に?」
アシェン「KOS-MOSがこの世界に来た時、
一緒にグノーシスも転移してきました。
その残党ではないかと」
ハーケン「てっきりアインストが出てくるかと
思ったら、異世界のゲストか」
アレディ「それにしても……」
ネージュ「すっかり荒れ放題ね……。
そりゃ二年も三年も放置すれば、
こんなものでしょうけど……」
M.O.M.O.「この無秩序に開けられた穴は……
なんでしょうか?」
小牟「ふむ、これがホントのアナーキー。
なんちて」
ネージュ「……アレディ、久しぶりに掌打」
アレディ「仕方ありません……!」
小牟「はひィ! き、厳しい!」
零児「アレディがいると、俺は楽ができるな」
零児「だが、本当にこの空洞はなんだ?」
カッツェ「……規模は違うけど、
この光景、見たことがあるわねェ」
アレディ「はい。
このエンドレス・フロンティアに
瞬転してしまった……」
アレディ「我が波国の大地と似ています」
ハーケン「だが、どうしてその痕跡が、
シュラワールド・ハコクと直接関係ない
この城にあるんだ?」
アン「地理的にも、
かなり離れてるんじゃないかい?」
ネージュ「何かが行われている……?
調べる必要がありそうね」
零児「なんだ? 置物にしては、
この城にはそぐわない感じだが」
ネージュ「これは……なに?
枯れた植物の芽(め)というか、
花のつぼみみたいだけど……」
アルフィミィ「ご存じないんですの?
ということは、これは……」
アレディ「外で見た虹の柱や、
まわりの床穴と同じく……
あとからここに置かれた物のようですね」
神夜「…………」
アクセル「カグヤちゃん、どうした?
こぼれちまうぜ?」
神夜「あっと、危ない!」
神夜「……じゃなくて、
この“芽”みたいなものなんですけど、
霊力を感じるんです」
錫華「霊力? そちが感じるのならば、
間違いないのであろうが……。
どういった力であるか?」
神夜「不死桜によく似ているような……。
でもまったく正反対のもののような……。
少しコクがあるような……」
キュオン「え? それなんのレビュー?」
KOS-MOS「魂を集積する樹……“ヴェルトバオム”」
沙夜「それって……」
ミラビリス城のゲート
KOS-MOS「ミラビリス城の最奥部、
時計の形をしたゲートの前で
記録した固有名詞です」
ヒルド
ヘンネ「アグラッドヘイム……ヒルド・ブラン。
あの女が言ってたね」
琥魔「沙夜お姉様、
アグラッドヘイムにおられたと
いうことですが、何がご存知ないですか?」
沙夜「おそらくは、
アグラッドヘイムの中枢部……
くらいしかわからないのよね」
アシェン「役に立たん毒狐でありんす」
ネージュ「う~ん、情報が集まらないなら……
“訊いてみる”しかないかしらね」
ドロシー「ネージュさん?
もしかして、ハウゼン家に
代々伝わるという……アレですの?」
魔倣の鏡
ネージュ「そうよ、ドロシー。
『魔倣(まほう)の鏡』に、よ」
ハーケン「マホウノカガミ?
マジック・ミラーってことかい?」
ネージュ「『封印の間』に安置してある、
強い魔力を持った鏡のことなの」
ネージュ「詳しくはそこで話をするから、
先を急ぎましょう。場所は地下一階よ」
アレディ「わかりました。
この枯れた“芽”らしきものを
打ち砕き、進みましょう」
裏側からカギがかけられているようだ。
扉はかたく閉ざされている。
扉はかたく閉ざされている。
金属のプレートがはまっている。
プレートがひとつだけ傾いている。
まっすぐに直しますか?
→はい
いいえ
(中央の大扉が開く)
プレートの傾きはすでに直してある。
ネージュ「ここが『封印の間』よ」
ネージュ「フェイクライドも
ここに安置されていたんだけど……」
ネージュ「都合よく、戻って来てる……
なんてことはないみたいね」
アレディ「正面から、強い覇気のようなものを
感じるのですが……?」
ネージュ「それが目的の『鏡』よ。
行きましょう」
(大きな鏡がある)
ネージュ「これが『魔倣の鏡』。
ハウゼン家に先祖代々伝わる、
由緒ド正しいマジックアイテムよ」
神夜「すごく立派な鏡です!」
錫華「ふむ、振り付けの確認などは
しやすそうである♪」
沙夜「これでお化粧とか、
落ち着かない感じだけど……
実際はどうやって使うの? お姫様」
ネージュ「質問をすればいいのよ。
例えば……そうね」
フェイクライド
ネージュ「鏡よ鏡。
行方不明の妖精機フェイクライドが
どこにいるのか、居場所を教えて」
M.O.M.O.「そんなことがわかるんですか?」
(鏡の表面が波打つ)
魔倣の鏡「……お答えします、
ネージュ・ハウゼン姫」
アレディ「鏡がしゃべった……!?
なんと面妖な……」
ネージュ「せめて、今どの地方にあるのか
くらいはわからない?」
魔倣の鏡「フェイクライド……
ハウゼン家に伝わる王族用妖精機」
魔倣の鏡「………………」
零児「ん? おい、黙ったぞ?」
ネージュ「さすがに、簡単にはわからないかしら」
魔倣の鏡「……この城の中にいます」
神夜「えっ!?」
ネージュ「まさか……戻ってきているの!?」
エスメラルダ城塞
ドロシー「以前、私の城の宝物庫から逃げ出して……
そのあと、この城に?」
ネージュ「でも、戻っているなら……
この『封印の間』にいるはずよ?」
魔倣の鏡「………………」
魔倣の鏡「それはわかりません。
妖精機フェイクライドの魔力を
城内から感じ取ることができますが……」
魔倣の鏡「現在、城内には魔力を放出する物品が
多数存在しているため、特定することが
できません」
ヘンネ「魔力を持つもの?
ミルトカイル石とか、外から見えた
虹の柱みたいなやつのことかい?」
ネージュ「多分そうだと思うけど……
魔倣の鏡よ、教えて。
今、この城に起こっていることを」
ミルトカイル石、床に開いた穴、 そして天を貫く虹の柱……
ネージュは様々な問いを 『魔倣の鏡』に投げかけた。
しかし、それらの質問に対し…… 鏡の回答は、すべて「回答不能」だった。
キュオン「ちょっと!
魔倣の鏡、ダメダメじゃん!」
ネージュ「ちょっと鏡よ鏡!
全部が全部わからないっていうのは
どういうこと?」
魔倣の鏡「城内に強い魔力が集中しすぎています」
魔倣の鏡「それが干渉し、
私の能力を制限しているのです」
アン「それを何とかしない限り、
フルパワーは出せないってわけかい?」
魔倣の鏡「そうです。
しかし先ほど、エントランスホールから
大きな反応がひとつ消えました」
魔倣の鏡「ネージュ様たちが、
その存在を破壊したためと思われます」
魔倣の鏡「それにより、私への干渉が弱まったのは
確認しています」
エントランスホールの枯れたヴェルトバオムの芽
アクセル「エントランス……
入口にあった“芽”みたいなやつか」
ネージュ「ああいうのを潰していけば、
あなたの力もド回復するというわけね」
ネージュ「鏡よ鏡、あれと同じようなのは、
城内にあるのかしら?」
魔倣の鏡「…………」
謁見の間
魔倣の鏡「……『謁見の間』に、
非常に大きな力が存在しています」
カッツェ「謁見の間……ってことは、
城の中枢じゃない」
琥魔「宝物庫とかでしたら、
大歓迎でございましたのに……。
気の利かない鏡でございます」
ハーケン「なんでも知っているというより、
分析した結果を教えてくれる装置……
ってところか」
アシェン「身動きが取れない、
でかいKOS-MOSということで
ござりましょう」
KOS-MOS「アシェン、
分析ならば、あなたもできるはずですが」
ネージュ「それだけじゃないのよ?
この鏡には、他にはマネできない、
トンデモ能力があるのよ」
アルフィミィ「とんでもない能力……ですの?」
小牟「トンデモな戦士でも召喚するのかの?
のう、零児」
零児「俺に訊かれてもわからん」
ネージュ「あ、シャオムゥおしい! それはね……」
???(ゲルダ)「その『魔倣の鏡』……渡してもらうわ。
妖精族の姫よ」
(アレディ達が振り向くと、入口からゲルダが歩いてくる)
???(ゲルダ)「…………」
ネージュ「ちょっと! あなた誰なのかしら!?」
アレディ「…………」
アレディ「……とうとう、出陣したというのですか」
アシェン「この勘違いセレブ、
知っておりますのでしょうですか?」
シンディ
アレディ「はい、彼女は……修羅。
我が師、シンディ・バードの剛敵です」
KOS-MOS「つまり、
敵対する勢力ということですか?」
ゲルダ「私はゲルダ・ミロワール。
アイスベルク監獄の獄主を務める……
凍鏡(とうきょう)のゲルダ」
ゲルダ「ヘイムレンから報告は受けているわ。
剛錬のアレディ」
ゲルダ「……修羅の面汚しが。
師弟そろって、我らの邪魔を
しようというのか」
アレディ「己の争覇も成し遂げず、
異邦の地に闘争を広げる……」
アレディ「それこそ修羅の恥ではないのですか?」
ゲルダ「ほざくな、剛錬の。
闘いに種類などはない」
ゲルダ「剛力を持ち、敵を殺め、
戦(いくさ)の中に生きる……
それが修羅の生きる道だ」
シンディ
ゲルダ「影業(えいごう)のシンディ……
その一派こそが恥さらしなのだ」
アレディ「凍鏡のゲルダよ。
私のことならば何とでも言えばいい」
アレディ「……だが、
我が師を愚弄することは許さん……!」
カッツェ「熱くなっちゃダメよ? アレディ」
神夜「話からして、この女性が
修羅の親玉の人みたいですね」
アルフィミィ「前、開けすぎですの」
ハーケン「OK、コールドミラー・ゲルダ。
あんたら一派の悪名は聞いてるぜ?」
シュラーフェン・セレスト南側の雪原
ハーケン「新ロストエレンシアで
暴れるだけじゃなく、凍りつかせてるのも
あんたの仕業らしいな」
龍寓島
琥魔「おかげで、龍寓島が寒くて
コタツがしまえないのでございます!」
ゲルダ「…………」
ヘイムレン
ゲルダ「おまえたちのことは
ヘイムレンから聞いている」
ゲルダ「そして、異邦の地からやって来た
者たちのこともだ」
アクセル「あんたらの戦いに関わりたいとは
思わないけど……成り行き上、
仕方がないんだな、これが」
ドロシー「自分の城を持ってる親分が、
どうしてワタクシたちを
直接狙うんですの?」
ゲルダ「おまえたちと、ここで見(まみ)える
つもりはなかった」
ゲルダ「本来なら、先んじて使命を果たし……
ここを去るつもりだったわ」
オズマゴス
ゲルダ「しかし、異邦の業(わざ)により……
黒い鉱石を撃砕する術を奪われたと
いうのでは仕方がない」
M.O.M.O.「ご、ごめんなさい」
アレディ「謝る必要はありません、モモ殿」
アレディ「凍鏡のゲルダ、どうしてここに?」
ゲルダ「……その鏡をいただく。
我が軍の戦力を強化するために」
ネージュ「なんですって!?
どうしてシュラのあなたが、
この鏡のことを知っているの!?」
ゲルダ「波国がこの世界に瞬転する前……
妖精族たちと接触を持っていたのは、
シンディの一派だけではないわ」
ゲルダ「その中で、この城の『鏡』についての
情報は得ていた」
ゲルダ「その能力は、非常に興味深い。
……この世界で、新たな争覇を
始めるためにもね」
錫華「修羅とは、
なんともハタ迷惑な者たちであるな」
ゲルダ「それが我らの生き様だ」
ゲルダ「さて……では、用を片付けるとしよう。
おまえたち、鏡を運び出すのよ」
アレディ「護衛の修羅たちか……!」
(毒牛頭と毒馬頭が入口から歩いてくる)
零児「むっ!?」
沙夜「……あん」
神夜「あっ……!」
毒馬頭「俺は毒馬頭(どくめず)。
ゲルダ様の忠実なる部下だ」
毒牛頭「オレは毒牛頭(どくごず)!
ゲルダ様の忠実なる部下だぜ!」
毒馬頭「毒牛頭よ、
我らは自分の使命を果たすのだ」
毒牛頭「そこの女!
オレのために味噌汁を作ってくれ!」
キュオン「きゅ、求婚した!」
神夜「わ、私、お料理はちょっと苦手なこと
極まりないですけど……」
アレディ「これは、新手の獣羅……!?
猛牛と……荒馬か!」
ゲルダ「フフフ……」
アレディ「……それも上級獣羅と見ました。
このような者たちを育成していたとは……」
ハーケン「いや、このプロポーズ・ブルと
ピンク・ホースは……」
小牟「…………」
零児「………おい、沙夜」
沙夜「…………」
アレディ「……む? どうしたのですか?」
零児「あの牛と馬……沙夜の部下だ」
ネージュ「え? そうなの!?」
小牟「こりゃ、説明せい、沙夜!
……つーか、黙っとったな!」
沙夜「あん、聞かれなかったし、ね」
零児「修羅を探るためか?」
沙夜「ぶっちゃけちゃうと、そんなところよ」
沙夜「私がこっちに召喚された後、
アグラッドヘイムの戦力として……」
片那
沙夜「片那ちゃんたちと一緒に
喚ばれたのよ、ね」
ヘンネ「あんたがアグラッドヘイムに
潜り込んでる間に、シュラの所に
行かせたのかい?」
ゲルダ「我が居城、アイスベルク監獄を
かぎまわっていたのよ」
ゲルダ「始末してもよかったが……
我が軍の獣羅どもを上回る力量を
持っていたのでな」
ヘイムレン
アレディ「……ヘイムレンの業(わざ)を使ったか」
アン「あの笛か。
男にも効くんだねえ」
沙夜「そのコたち、私のかわいい部下なの。
返してくださらない?」
ゲルダ「私はかまわないわ。
……ただ、本人たちがどう言うか」
毒馬頭「我が主(あるじ)はゲルダ様のみ!
下品な毒狐はこの場から去るがいい!」
毒牛頭「いつもコキ使いやがって!
若作りしてんじゃねェぞ! ババァ!」
沙夜「…………」
沙夜「……ぼうや。
二、三百発ひっぱたいてやりなさい」
零児「気が乗らん。
それに、自分の部下の落とし前は
自分でつけろ」
ヘイムレン
ゲルダ「その通りだ。
私も操音のヘイムレンが手間取って
いるからこそ、自分で出向いたのだ」
アレディ「あの男は、今どこに?」
ゲルダ「……わざわざ語ることもあるまいが。
ずいぶんとおしゃべりになったものだな、
剛錬のアレディ」
ゲルダ「すぐに飛びかかってくるものと
思っていたわ」
アレディ「…………」
ゲルダ「気の抜けた修羅と、
これ以上遊ぶつもりはない。
来ないのなら、こちらから行くまで」
ゲルダ「剛錬のアレディ、
この場でおまえを撃砕する……!
毒馬頭、毒牛頭よ。わかっているな?」
毒馬頭「ゲルダ様、仰(おお)せのままに!」
毒牛頭「ヒャッハァー!」
アレディ「凍鏡のゲルダ、そして異邦の獣羅たちよ。
受けて立とう……!」
【ゲルダ・ミロワール、毒馬頭、毒牛頭との戦闘】
ゲルダ「なるほど、ヘイムレンの言う通り……
よい闘士を集めたものだな、剛錬の」
ゲルダ「機兵も含め……
新たな争覇でも始めるつもりか?」
アレディ「………………」
ゲルダ「まあいい、今回は挨拶代わり。
その『鏡』だけはもらっていくわ」
ネージュ「そうはさせなくてよ!」
ゲルダ「やれ……!」
毒牛頭「よっしゃあ!」
毒馬頭「おまかせを!」
(毒牛頭と毒馬頭が前に進み、毒霧を吐くと、辺りが見えなくなる。
視界が晴れると、ゲルダ、毒牛頭、毒馬頭がいなくなっている)
ネージュ「ゴホッ! ゴホッ!
何これ! 何が起こったの!?」
アレディ「うっ! ネージュ姫殿! 『鏡』がッ!」
(アレディ達が振り返る。『魔倣の鏡』が台座を残してなくなっている)
ネージュ「な、なくなってる!」
アン「盗むにしても、鮮やかすぎないかい!?」
琥魔「担いで逃げたようでございます!」
沙夜「なるほど、そのために力持ちの
あのコたちを連れてきたわけ、ね」
ハーケン「あのブル&ホースにパワーが
あるからって、限度はあるだろ」
アシェン「あの巨大な鏡を運搬しているのなら、
追いかければ間に合うのでは?」
KOS-MOS「……いえ、追跡は不可能だと思われます」
錫華「そんなに足が速いのであるか!?」
アルフィミィ「もしかして……転移ではございませんの?」
M.O.M.O.「そうだと思います。
『鏡』の反応が、ここを出てすぐの所で
ロストしたんです」
アレディ「そんな馬鹿な……!
修羅に瞬転の技術はありません!」
沙夜「頭が固いわよ? アレディちゃん。
……手に入れていたとしたら?」
沙夜「ちなみに私たち『逢魔』は、
空間転移とか、その辺の技術には
自信があってよ?」
零児「したり顔で語るな、沙夜。
異世界に自分たちの技術が
流出してるんだぞ」
毒牛頭と毒馬頭
小牟「……ま、はぐれ逢魔コンビが
操られている以上、間違いないじゃろな」
神夜「困った牛の人たちです……」
ゲルダ
キュオン「それが、あの前開きフサフサ女が
言っていた“戦力の増強”なのかな?」
アレディ「異世界の技術、妖精族の魔具」
アルクオン
アレディ「あとは羅刹機アルクオンが手に入れば……」
アレディ「凍鏡のゲルダの一派は、
大きな力を持つことになります」
カッツェ「何とか取り戻してあげたいけど……
ここをほっぽって行くわけにも
いかないわよ?」
ヘンネ「アグラッドヘイムがここで
何かやってるのは確実だからね」
魔倣の鏡
ネージュ「……『魔倣の鏡』には、
こちらの質問に答えてくれる以外に、
ドとっておきの“力”があるんだけど……」
ネージュ「シロウトにはわかるものじゃないし、
今は目先の問題を優先しましょう」
フェイクライド
ネージュ「この城に起きていること……
そして妖精機フェイクライドの所在を
確かめるの」
謁見の間
ドロシー「そうなると、真っ先に見に行くべきは、
一階の先……『謁見の間』ですわね」
アクセル「あれ? 一階の奥の扉って閉まってたと
思ったけどカギはあるのかい?」
ネージュ「よく覚えてましたわね、アクセル」
ネージュ「この『封印の間』には、
非常用のロック解除スイッチが
隠してあったはずよ」
アレディ「わかりました。
調べてみましょう」
妖精族の至宝である魔倣の鏡は ゲルダに持ち去られてしまった。
床にスイッチがある。
踏んでみますか?
→はい
いいえ
(一階奥の扉が開く)
扉のカギを外した。
(バリアがある)
謁見の間
ネージュ「この先が『謁見の間』なんだけど……
あら!?」
ヘンネ「これは……電磁バリアみたいなものかい?
さすがは城の中枢……ガードが固いね」
ネージュ「いえ、こんな魔法壁……
この城にはなくてよ?」
沙夜「え? じゃあこれは誰が?」
アレディ「それに……まわりの床を見てください」
(周りには無秩序に空いた穴がある)
M.O.M.O.「このお城のエントランスにあった
“穴”がたくさん開いてます!」
アシェン「KOS-MOS、
エネルギー反応を探知し、
今までのものと照合するのだ」
KOS-MOS「了解です。データ検索を開始します」
神夜「待ってください、こすもすさん。
……私、わかります」
琥魔「どういうことでございましょう?
乱乳姫様」
エントランスホールの枯れたヴェルトバオムの芽
神夜「この先から感じる霊力……
入口にあった、枯れた球根みたいなものと
そっくり極まりないんです」
アクセル「神夜ちゃん、じゃあアレと同じ物が、
この奥にあるってのかい?」
神夜「もっと強い力を感じます。
入口のものよりも、さらに大きい力を」
カッツェ「この電磁バリアみたいなものは、
そこから発せられているのかしら?」
神夜「……多分、そうです」
アン「歯がゆいねえ。
明らかにこの奥で何かやってるってのに、
調べに行けないなんてさ」
ネージュ「…………」
フェイクライド
ネージュ「……妖精機フェイクライドを
見つけましょう」
ドロシー「どうしてですの?
確かにこの城に戻ってきている……
という話は聞きましたけど」
ネージュ「フェイクライドが両腕に装着している
リファインド・スウェイヤー……」
ネージュ「あれには、
こういった障壁を破る力があるの」
小牟「なるほど、
バリア貫通……っちゅうやつじゃな?」
アレディ「その力を持つ妖精機……
捜してみましょう。
ネージュ姫殿、この先は?」
ネージュ「大きな蔵書庫よ。
そしてその先に、私の私室があるの」
キュオン「ゾウショコ……図書館みたいなとこ?」
アルフィミィ「あとは王族の私室……興味深いですの」
ネージュ「べ、別に珍しいものなんて
ありませんからね!」
ハーケン「OK、シークレット・プリンセス。
とりあえず、そこもくまなく
調べさせてもらうとするぜ」
ハーケン「レッドボーイ、あんたも興味あるだろ?」
アレディ「いえ、私は……そんな……」
零児「何を見つけようとしてるんだ」
錫華「……こんな連中、
部屋に入れぬ方がよいのではないかえ?」
ネージュ「……まったくね。
フェイクライド、早いところ
見つけてしまわないと」
強力なエネルギーフィールドが 張り巡らされており、進むことができない。
本の隙間から
賞金首の手配書が出てきた!
貴重品
“手配書Nの一部3/3”を手に入れた
様々な分野に渡る貴重な蔵書が 本棚に整然と並べられている。
この一角だけ、本が少ないようだ。
(部屋に入るとネージュが振り向く)
ネージュ「ようこそ皆様!
ここが私の部屋よ♪」
ドロシー「くっ! さすがハウゼン家の姫ですわね。
いいお部屋を持ってるじゃないの」
沙夜「あん、素敵なリビングじゃない。
パーティくらいできそうね」
アン「そうだねえ、この戦いが終わったら……
ここでパーティをしようじゃないさ」
小牟「わし、この戦いが終わったら……
絶対にパーティに参加するんじゃ……」
零児「おまえら、いい加減にしろ」
琥魔「でも、本当にいい部屋でございます!」
琥魔「お宝も山盛りという感じですニャア」
ネージュ「元々は母様(ははさま)の部屋だから、
広いのは当然よ」
キュオン「お母さんの部屋をつかってるんだ。
あれ? じゃあ、お母さんはどこに?」
カッツェ「……キュオン」
ネージュ「…………」
ネージュ「いいのよ、カッツェ。
私の母様……ストゥーラ・ハウゼン」
ネージュ「……もういないのよ。
『10年戦争』で、ね」
キュオン「あ……」
ヘンネ「……すまなかったね、姫さん。
キュオンもあたしも知らなかったよ」
ネージュ「もういいのよ。
しょうがなかったじゃない……。
戦争……だものね」
アレディ「………………」
神夜「ネージュさん……」
ハーケン「フォローするわけじゃないが、
あの戦争はフォルミッドヘイムが
悪いんじゃない」
アインスト空間
アシェン「はい。
フォルミッドヘイムの王に化けた
アインストの差し金でありましたのです」
アルフィミィ「…………」
アクセル「……戦争は戦争さ。
誰が起こそうが、誰が維持しようが、
それによって混沌が生じる……」
M.O.M.O.「アクセルさん……?」
ネージュ「………………」
ネージュ「……はいはい、
ド湿っぽい話はここで終わり」
ネージュ「死んだ人は帰ってはこないし、
起きてしまったことを無くすことは
できないでしょ?」
ネージュ「母様の分まで、私が生きるの。
そして、行方のわからない
父様(ちちさま)も見つけないとね」
アレディ「強いのですね……ネージュ姫殿」
ネージュ「強くなきゃと思ってるだけよ、アレディ」
ネージュ「……って、あら?」
KOS-MOS「左前方からエネルギー反応です。
私のデータベースには、該当するものは
ありません」
フェイクライド
ネージュ「これは……フェイクライド!?」
錫華「まことかえ!?
まさか……この先に!?」
ネージュ「確かめましょう!
KOS-MOSが言ったとおり、
私の寝室は左の入口よ!」
フェイクライド「………………」
ネージュ「フェイクライド……こんな所に!」
ネージュ「どうして!? あなたが帰るべきは、
『封印の間』なはず……!」
フェイクライド『……立ち去りなさい』
琥魔「にゃ、にゃんと!
しゃべったんでございますが!?」
ハーケン「おいおい、フェアリーロボ……
高性能すぎるだろ」
ネージュ「違う……! これは……!」
フェイクライド『立ち去りなさい。
ここは我が娘……ネージュの部屋です』
フェイクライド『あの子が戻るまで……侵入者たちよ。
この部屋を荒らすことは許しません』
アレディ「この部屋を守っている……!?
それに、今……“我が娘”と?」
ネージュ「この声は……母様……!?」
カッツェ「なんですって!?
まさか、この機体には
ストゥーラ・ハウゼンの意思が!?」
フェイクライド『この場所は“絆”……』
フェイクライド『私と、あの子との』
フェイクライド『………………』
ネージュ「フェイクライド……いえ、母様!
私よ! ネージュ・ハウゼンよ!」
フェイクライド『………………』
フェイクライド『立ち去りなさい。
ここは我が娘……ネージュの部屋です』
フェイクライド『あの子が戻るまで……侵入者たちよ。
この部屋を荒らすことは許しません』
アシェン「む? 同じことを……?」
M.O.M.O.「あの、これは……
プログラミングされたものみたいです」
アン「え? 録音ってことかい?」
ヘンネ「侵入者って表現からすると……
録られたのは戦時中か」
エスメラルダ城塞
ドロシー「それが異世界に転移して……
私の城で再起動してから、ここへ!?」
キュオン「どうして、今になって!?」
零児「……器物にも魂が宿る」
アルフィミィ「え……?」
沙夜「長い年月を経た物や……
人の想いが込められた物には、ね」
錫華「この妖精のからくりにも、であるか?」
小牟「可能性はあるじゃろな。
万物には、八百万(やおよろず)の
神が宿るゆえにの」
(KOS-MOSの目が青い)
KOS-MOS「そう、それは……魂(こころ)」
アクセル「呼び起こされたマシン・ソウル、か」
フェイクライド『立ち去らぬならば、この妖精機が
お相手をします』
フェイクライド『……ハウゼン家の誇りにかけて』
ネージュ「母様……」
神夜「ネージュさん、妖精機と戦いましょう」
神夜「お母さんの想い……
ここに縛られた想いを、
解放してあげなくちゃ……!」
神夜「それは、とても大切なものだから……」
ネージュ「カグヤさん……」
ネージュ「…………」
ネージュ「証(あかし)を立てましょう、
私がネージュ・ハウゼンである証を」
ネージュ「私も……ハウゼン家の誇りをかけて」
ネージュ「フェイクライド……!
あなたの中にある、母様の想い……
その魂は、私が引き継ぎます……!」
ネージュ「そのマシン・ソウル、
私にド預けなさいっ!」
【フェイクライドとの戦闘】
フェイクライド「………………」
ネージュ「フェイクライド……」
フェイクライド『ネージュ……』
フェイクライド『私はあなたに
何もしてあげられなかったけれど、
この戦争が一日も早く終り……』
フェイクライド『あなたが幸せに過ごせる時が
来るのを祈っています……』
フェイクライド『………………』
ネージュ「母様……ありがとう……」
KOS-MOS「フェイクライドの出力低下。
安定しています」
零児「……ああ、役目を果たしたようだな」
小牟「……見事じゃったのう」
フェイクライド「………………」
ネージュ「フェイクライド……。
私の言うことを聞いてくれるのね?」
妖精機フェイクライドが支援に加わった!
ネージュ・ハウゼンが、必殺技 <ロイヤルハート・ブラスター> を使えるようになりました。
神夜「よかった……!
よかったですね、ネージュさん!」
ネージュ「ありがとう、カグヤさん」
ネージュ「あなたも、もしかして……」
神夜「死んだ人は帰ってはこないし、
起きてしまったことを無くすことは
できない……そうですよね」
ネージュ「そうよね。
……フェイクライドは戻ってきてくれた。
今は……それでいいの」
ハーケン「マザーの愛、か。悪くないもんだ」
錫華「戦(いくさ)を乗り越えるもの……。
必ずしも武力ではないのである」
アレディ「…………」
アレディ「ネージュ姫殿、
この妖精機を作った方は、もしや……」
ネージュ「設計は……母様よ」
アルフィミィ「だから、今回みたいなことが
起こったんですの……?」
アクセル「作った人の心というか、
想いが乗り移ってたってことさ」
アクセル「……なぜか、
わかるような気がするんだよな、これが」
アシェン「…………」
ネージュ「ド世話をかけてしまったようね、みんな。
……でも、もう大丈夫」
アレディ「この城を本当の意味で解放するために……
行きましょう、ネージュ姫殿」
謁見の間
ネージュ「そうね。目指すは『謁見の間』よ」
ネージュ「フェイクライドの力で、
障壁を破らないとね」
キングサイズのベッドがある。 手をのせると包み込まれそうな 柔らかさだ。
人の背丈よりも大きなアンプが 置かれている。
巨大なアンプが置かれている。 音質には期待できそうだ。
ドレッサーは綺麗に整頓されている。 大切に使われていたようだ。
不思議な紋章の描かれたスツールがある。 中には何が入っているのだろう。
チェストの上には 小さな宝石箱が置かれている。
曇りひとつない大きな鏡がある。 魔法の力が働いているのかもしれない。
棚の上に一冊の本が置かれている。
『若さを保つ秘訣』
……見なかった事にした方が良さそうだ。
入浴剤や液体石鹸が置かれている。 どれも高級そうだ。
浴槽は磨き上げられたように輝いている。 数年の間放置されていたとは 思えない美しさだ。
チェストの上には 美しい飾り皿が置かれている。
ここでパーティが開けそうなほど 大きなダイニングテーブルだ。
少し不気味な雰囲気を持つ風景画が 壁に飾られている。 じっと見ていると何かに見えてきそうだ。
前衛的なデザインのオブジェには 薄く埃が積もっている。
ネージュのクローゼットだ。 触らない方が身のためだ。
大きな鏡には 部屋の様子が映り込んでいる。
ネージュのクローゼットだ。 中を見るのはやめておいた方がよさそうだ。
ネージュ「じゃあフェイクライド、お願いね」
フェイクライド「………………」
ネージュ「リファインド・スウェイヤー、展開!」
ネージュ「ド派手にぶち破りなさい!」
(フェイクライドに紫色の光が集まり、電磁バリアが破れる)
アレディ「すごい……!
一撃で障壁を打ち砕くとは……!」
ネージュ「当~然よ♪
ハウゼン家の至宝をなめないで
いただけないかしら?」
ネージュ「さて……いよいよ『謁見の間』ね。
行きましょう」
(部屋の奥に大きな芽のようなものがある)
ネージュ「これは……何なの!?」
エントランスホールの枯れたヴェルトバオムの芽
アン「入口にあった“芽”の……親分かい!?」
ハーケン「もしかしたら、
そいつが成長した姿なんじゃないか?」
アレディ「考えられます。
しかし、ここまで大きくなるとは……」
神夜「う……うう……!」
小牟「ん? どうしたんじゃ? 神夜。
つわり?」
神夜「違いますよ!
すごい霊力を感じるんです……!」
神夜「ここを中心に、
巨大な霊力が渦巻いてます」
神夜「渦巻いているというか……
集まってきている……?」
神夜「精霊に邪霊……死霊……
いろいろなものが……!」
KOS-MOS「魂を呼び寄せる樹……
だとすれば、グノーシスがこの城に
いた理由も説明がつきます」
ヘンネ「前から訊こうと思ってたんだけど、
グノーシスってのは何なんだい?」
KOS-MOS「グノーシスとは、人の……」
???「……来たか」
(奥の大きな芽のようなものから光が立ち上り、リグと百夜が出現する)
リグ「……侵入者は貴公らだったか、
アレディ・ナアシュよ」
錫華「む? こやつ、どこから現れおったのか?」
アレディ「リグ・ザ・ガード……!
やはり、この樹はアグラッドヘイムの?」
リグ「これは霊樹ヴェルトバオム……
その“芽”のひとつだ」
エントランスホールの枯れたヴェルトバオムの芽
琥魔「入口にあった、
枯れた球根のようなもの……
それが成長したものでございますか?」
リグ「…………」
アレディ「周りに空いている真円……
その“樹”との関連は明白です」
波国
アレディ「削り分けられた、我が波国との関わりも」
リグ「……語ることはない」
沙夜「私たち『逢魔』から、
その百夜ちゃんを盗んだのも
関係があるのかしら、ね」
百夜「………………」
リグ「……この機械はよくできている」
リグ「次元に穴を開けることにより、
ヴェルトバオムの“樹”と“芽”の
同調を安定させる」
零児「同調……? 何のことだ?」
カッツェ「どこか別のところにある“樹”との
連結をスムーズにさせてる……
ってことかしらネ」
ヒルド
アルフィミィ「ヒルドという方は、
“魂をヴェルトバオムに送る”と
申しておりましたの」
ハーケン「よう、レッドヒーロー。
その結果、そのツリーはどうなるんだい?」
ハーケン「それを使って、
このエンドレス・フロンティアで
何をしようとしてる?」
リグ「………………」
ネージュ「しかも、よりにもよって私の城で!」
リグ「ここは、
かつて異界との接点となった場所」
リグ「そのような場所には、
様々な思念、霊体が集まる」
リグ「ヴェルトバオムの成長に欠かせぬ、
いわば“食物”が」
アレディ「餌場(えさば)ということですか」
リグ「貴公らがここまでたどり着いたのは
予想外だったが……」
リグ「逆に良き魂が手に入ると思えばいい」
リグ「……ヴェルトバオムの芽も、
それを望んでいるようだ」
ネージュ「え……!?」
リグ「ざわめきを感じる。
……若きヴェルトバオムよ、
貴公の望む“魂”はどこにある?」
(リグが百夜に寄ると、ヴェルトバオムの芽が輝き、KOS-MOSが青白く光る)
KOS-MOS「システムエラー。
制御系に異常が発生しました」
(KOS-MOSの目が青い)
KOS-MOS「この『樹』は……
魂を捕らえ……変換する……力を……」
キュオン「な、なんかKOS-MOSが
ビクンビクンしてるけど!?」
アシェン「我々アンドロイドに“魂”の概念はない。
どうして、KOS-MOSが……!?」
リグ「ぬう……? この者の中には……
いや、この者自身が……器(うつわ)?」
(KOS-MOSがリグの側へ移動し、振り向く。KOS-MOSの目が青いまま)
M.O.M.O.「KOS-MOSさん!?」
KOS-MOS「……私は……」
リグ「……捕えたか」
アレディ「どういうことです! リグ殿!」
リグ「この者の中に眠る……“魂”。
ヴェルトバオムはいたく気に
入ったようだ」
アクセル「KOS-MOSにも
宿っているというのか……!?
マシン……ソウルが!?」
フェイクライド
ドロシー「先ほどのフェイクライドと
同じとは思えませんわ!
KOS-MOS! ちょっと!」
KOS-MOS「………………」
ハーケン「どうした、マシンビューティ!
目を覚ますんだ!」
リグ「いや、この者は……目覚めている」
M.O.M.O.「…………!?」
KOS-MOS「私は………………」
???(T-elos)「だらしないぞ……KOS-MOSッ!」
(後ろからT-elosが歩いてくる)
T-elos「貴様の『意識』は……いや『魂』は、
そんなザコどもに好きにさせていい
代物ではないはずだッ!」
KOS-MOS「テ……T-elo……s……」
零児「T-elos!? どうしてここに!」
T-elos「ガタガタぬかすな、小僧が。
KOS-MOSを叩き起こす」
T-elos「協力してやらんこともない。
今すぐ決めろ」
M.O.M.O.「アリスさん、KOS-MOSさんを……!」
零児「くっ、しかし……!」
沙夜「いいんじゃない?
テロテロは強いし、ね」
T-elos「見下げ果てたものだな。
すっかり馴れ合いか、サヤ」
沙夜「あん、利用してるだけよ。
使うだけ使ったらポイ、ってね」
T-elos「なるほど。それならわかるわ」
小牟「わかるなわかるな。腹黒どもめが」
リグ「なるほど、これは興味深い。
面白くなったとは思わないか?
剛錬のアレディよ」
アレディ「そんなもの、戦いには必要ありません。
戦い、勝つ。それだけです」
アレディ「その上で、
コスモス殿を返していただく……!」
KOS-MOS「………………」
T-elos(……KOS-MOS、
あわよくば、ここで……!)
T-elosが支援に加わった!
【リグ・ザ・ガード、KOS-MOS(洗脳)、百夜との戦闘】
(百夜にスパークが走り爆発)
リグ「ぬう、ビャクヤが……!」
沙夜「まず、一機……」
リグ「まだ安定し切っていないというのに……
ぬかったか」
リグ「……アレディ・ナアシュよ。
勝負は預ける」
アレディ「なに……!?」
リグ「……忠告しておく。
ヴェルトバオムの芽は、周囲の魂を
喰らい続け、成長を続ける」
リグ「立ち去ることだ。
取り込まれたくなければ、この場をな」
アレディ「待て! リグ・ザ・ガード!」
(共鳴の後、リグが光に包まれヴェルトバオムの芽に吸い込まれる)
ネージュ「ド待ちなさい!
そこの樹、ちゃんと片付けて
いきなさいよね!」
アレディ「む? なぜ瞬転の際に、あの芽に
吸い込まれるようにして移動した……?」
ハーケン「ウェイトだ、シュラ&プリ。
こっちが先だぜ」
KOS-MOS「………………」
零児「KOS-MOS、大丈夫なのか?」
ドロシー「大丈夫だと思いますわ。
だいたい、ぶっ飛ばせば元に……」
(KOS-MOSの目が青いまま)
KOS-MOS「………………」
錫華「いやいや、戻っておらぬぞな!」
T-elos「…………」
KOS-MOS「……テ……ロ……T-elos……」
T-elos「いいザマだな、KOS-MOS。
この場で決着を付けてやろうか……!」
KOS-MOS「………………」
KOS-MOS「……ならば……早く……」
T-elos「…………ッ!」
ネージュ「な、何を言うの!? KOS-MOS!」
KOS-MOS「この……ままでは……“あの方”の……
“こころ”が……消えて……しまう……」
M.O.M.O.「テ、T-elosさん!
KOS-MOSさんが苦しそうです……!」
M.O.M.O.「助けてあげられないんですか!?
あなたと、KOS-MOSさんは……!」
ヘンネ「待ちなよ、モモ。
……T-elosにとっちゃ、
願ったりかなったりの状況じゃないかい?」
T-elos「…………」
KOS-MOS「T-elos……早く……
私を破壊……してください……」
カッツェ「破壊ですって!?
ちょっと、KOS-MOSちゃん!?」
KOS-MOS「そうすれば、私と……あなたは……」
アクセル「くそっ……!
アシェンの時みたいに、助ける方法が
パッと思いついてくれれば……!」
M.O.M.O.「T-elosさんっ!
T-elosさん……っ!」
T-elos「…………」
T-elos「……ちッ!」
(T-elosが黄色く光り、続いてKOS-MOSも黄色く光るがすぐに光が消える)
KOS-MOS「…………」
神夜「この光……!
こすもすさんの魂のゆらめきが……
消えました!」
アレディ「コスモス殿! 大丈夫ですか!」
KOS-MOS「…………」
(KOS-MOSの目が戻っている)
KOS-MOS「……T-elos」
T-elos「……ふん」
T-elos「……やはり、完全にシステムダウン
させなければ“統合”は成らないか」
KOS-MOS「なぜです、T-elos。
あなたは私を……」
T-elos「…………」
T-elos「貴様には前回の戦いでの借りがある。
これですべて返したわ」
M.O.M.O.「T-elosさん……
ありがとうございます……!
本当に……!」
T-elos「…………」
KOS-MOS「T-elos、
あなたが“招いた”と言っていたのは、
このことだったのですか?」
T-elos「グノーシス、そして我々。
エンドレス・フロンティアが、
我々の世界に干渉している」
T-elos「……それは断たねばならない。
不確定要素を排除するために」
T-elos「永劫への回帰のためにだ、
KOS-MOS」
(KOS-MOSの目が青い)
KOS-MOS「私たちは、その時こそ……
“統合”を果たさねばならないのですね」
ハーケン「OK。ミステリアスロボッツ。
難しい話の最中に悪いが、
そこまでにしてくれよ」
アルフィミィ「投合とか怪奇とか……
頭がこんがら状態ですの」
キュオン「KOS-MOSとT-elosが
統合したら……『コスロス』とかに
なるのかな?」
小牟「あんまし変わってる感じがせんのう。
『モコロス』とかがいいんとちゃう?」
零児「どうでもいい」
零児「T-elos、一緒に来ないか?
この戦い……俺たちの世界と
無関係じゃない」
アレディ「アグラッドヘイムと関係があるならば……
雌雄を決せねばなりません」
アクセル「それで、一緒に元の世界に帰る方法も
サクっと見つけようぜ」
T-elos「…………」
T-elos「……勘違いするな。
KOS-MOSが二度とこんなザマに
ならぬよう、監視をするためだ」
T-elos「貴様らを助けるためだなどと思うなよ?
ザコどもが」
(KOS-MOSの目が戻っている)
KOS-MOS「T-elos、感謝します」
T-elos「……ふん」
KOS-MOSが復帰した!
アン「ひとまずメデタシだけど……
この樹、まずいんじゃなかったかい?」
リグ
琥魔「リグという勘違い鎧男、
魂を食べて成長を続けるとか
おっしゃってましたねえ」
ハーケン「ちっ、ここは引き下がるしかないか」
ネージュ「せっかく帰ってこれたのに……
ド歯がゆい話ね……」
神夜「…………」
神夜「……あの、ちょっとお時間を
もらってもいいですか?
私にできることがあるかもしれません」
アレディ「神夜姫殿……?」
(ヴェルトバオムの芽の前に神夜がいて、後ろにアレディ達がいる)
ハーケン「おい、プリンプリンセス。
そんなに近づいたら危ないぜ?」
アクセル「油断してると、魂を吸い取られたり
するんじゃないのかい?」
不死桜
神夜「この樹が、不死桜と同じ霊樹なら、
もしかしたら……」
神夜「私の力で、何とかできるかもしれません」
錫華「……なるほど、あの手であるな?」
錫華「よいよい、やってみるがよい」
ネージュ「危険なアクションじゃないでしょうね?
大丈夫なの?」
神夜「大丈夫です。じゃ、いきますね」
神夜「………………」
神夜「霊樹よ……。
その身を鎮め、永久(とこしえ)の
眠りの中にまどろみたまえ」
神夜「………………」
(神夜から黄色の光が放たれ、ヴェルトバオムの芽が枯れる。
神夜が振り向く)
神夜「ふう……」
ネージュ「いったい、何をしでかしたの!?」
アルフィミィ「見事な乙女パワーですの……!」
小牟「やったのう! カッコイイー♪」
不死桜
神夜「この樹は、不死桜と“逆”の力を
持っているんです」
ハーケン「逆? どういうことだい?」
神夜「不死桜は、異界の門を
“閉じる”ことができます」
神夜「この樹は……
“開ける”ためのものなんです」
神夜「私の霊力と同調させて、
封印を施しました」
神夜「これで、この樹が成長することは
もうないですよ♪」
アシェン「さすがカグラアマハラの姫。
無駄肉をぶら下げてるだけでは
なかったのでありましたのですね」
ネージュ「ありがとう、カグヤさん」
神夜「いえいえ、これで妖精族の人たちも
戻ってこれますね」
フェイクライド
ネージュ「そうね、
フェイクライドも帰ってきてくれたし、
万事ド丸く収まった……という感じね」
アレディ「ネージュ姫殿。
これであなたの戦いは終わりを迎えた
のではないですか?」
ネージュ「……ここからは新しい戦いよ。
アグラッドヘイムにシュラ、そして
アインスト……全然片付いてないでしょ?」
ピート
ハーケン「ここしばらくおとなしい、
Wシリーズもいるしな」
零児「あとは俺や小牟、KOS-MOSに
アクセル……異世界から来たメンツが
帰る方法も見つけなければならん」
沙夜「百夜もやっと一体を
破棄できただけだし、ね」
魔倣の鏡
ネージュ「それから『魔倣の鏡』よ。
シュラに差し上げるわけには
いかなくてよ?」
M.O.M.O.「ま、まだまだたくさんありますね……」
ネージュ「……というわけで、アレディ・ナアシュ。
私の行く手には、危険がド一杯なの」
ネージュ「仕方ないから、あなたに……
私の護衛をさせてあげてもよろしくてよ?」
アレディ「…………」
アレディ「……喜んで。
お供させていただきます、ネージュ姫殿」
琥魔(このガキ、真性の犬属性だニャア)
新フォルミッドヘイム
カッツェ「じゃ、ちょっと遅くなっちゃったけど……
フォルミッドヘイムへ向かいましょうか」
エイゼル
アン「それはいいけどさ、猫大将。
エイゼル王と連絡つかないんじゃ、
動きようがないよ?」
ヘンネ「そうだよ、副長。
電磁バリアもあるしさ」
カッツェ「アラ、バリアなら破れるじゃない?」
フェイクライド
ドロシー「あ、そうか……!
フェイクライドですわね?」
KOS-MOS「リファインド・スウェイヤーの効果は
実証されています」
T-elos「…………」
T-elos「……で? 誰を殺せばいいんだい?」
キュオン「いや、早いよ!
それは追って指示するから!」
アレディ「テロス殿、倒すべき相手はこれから
追い詰めます」
アレディ「行きましょう、新フォルミッドヘイムへ」