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無限の国のアリス ~ Chapter 09 ~

《アブリエータ城》

〈城下町〉

鞠音「艦長、遅いですわね。 待ちくたびれましたわ」
ハーケン「そう言うなよ、ドクター。 あのあと、こっちは大変だったんだぜ?」
アシェン「色々あって、メンテをお願いしたいので ありますのでする」
 ツァイト・クロコディール
鞠音「こちらも色々あるのですわ。 それを確認しないことには、 ツァイトには戻れません」
 アブリエータ城の南西にある壊れた橋
アン「ここに来る途中、 西側へつながる橋が壊れてたけど…… もしかしてそれかい?」
ハーケン「そういえば……そうだったな。 あれは誰の仕業なんだ? ドクター」
鞠音「詳しいことはわかりませんが、 渡って来た者たちがやったようですわね」
アクセル「ヘンな話だな。 そっちから来た連中が、自分で橋を 落としたってことかい?」
アレディ「なぜ退路を断つようなことを……?  あの橋の向こうには、どのような国が?」

〈トレイデル・シュタットとジョーン〉

ハーケン「新ロストエレンシア…… 俺のオヤジが代表をやってる街、 トレイデル・シュタットがある地方さ」

〈アブリエータ城・城下町〉

ハーケン「最近は、街の南側が凍ってきてるとかで 頭を悩ませてるようだがな」
 シュラーフェン・セレスト南側の雪原
琥魔「龍寓島の西側に広がる雪原で ございますね」
アレディ「……あの場所ですか」
アレディ(やはり、こちらに来た者とは……)

 アブリエータ城の東側の門
KOS-MOS「東側の門が閉鎖されているのは、 侵入者をこの区域に封じ込める ためなのですか?」
鞠音「すでに門を越えていったようですわ。 閉じたのは、戻ってこれないように するためかと」
キュオン「でも、開けてもらわないとね。 ここを通らないと、フォルミッドヘイムに 戻れないし……」
M.O.M.O.「どなたに言えば、 開けてもらえるんでしょう?」
 ルボール
ハーケン「そりゃ、この城のウルフキング…… ルボール・ククルスだろうな」
アルフィミィ「ウルフ……。 狼さんなのですの?」
アクセル「ウルフ……ウルフねえ。 な~んか、イヤな感じだな、これが」
小牟「ま、血の気の多い、 ブラッディなウルフなのは確かじゃが」

ネージュ「ルボール王……久しぶりね」
アレディ「一国の王に、 簡単に会えるものなのですか?」
ネージュ「お子様ねえ、アレディ。 こっちにはドセクシャルな姫が 三人もいるのよ?」
アレディ「……は?」
錫華「よいよい、せくしゃるであるぞよ?」
神夜「よくわからないけどそうで~す♪」
ネージュ「ムサい王一人と姫三人…… 比べてごらんなさい?  これで謁見ができないわけがないでしょ!」

アレディ「……意味がわからないのですが」
ドロシー「アホポンたちの相手はしなくても 結構ですわよ、アレディ」
カッツェ「そうよ? ルボちゃんとアタシたち、 結構親しいんだから」

〈アブリエータ城の謁見室〉

ルボール「戻ってきたハウゼン家の小娘と…… ハコクのシュラだと?」
ルボール「そんな話をいきなり信用しろってのか?  あ? オルケストルの猫野郎」
カッツェ「少なくとも、ハウゼン家のお姫サマに ついては真実を証明できてよ?」
ネージュ「お久しぶりね。 成り上がりの獣人王…… ルボール・ククルス」
ルボール「ハウゼン家の連中は『10年戦争』で 全滅したと思ってたんだがな。 ネージュ姫さんよォ」
ルボール「いいトシして、 ガキとつるんで何やってやがる」
ネージュ「レディに向かって!  ド失礼なケダモノね!」

アクセル「へ?  ネージュちゃん、いくつなんだい?」
ネージュ「花も恥らう117歳よ♪」
M.O.M.O.「……あの、アレディさんは?」
アレディ「齢(よわい)17になります」
アルフィミィ「ず、ずいぶん……年上ですの」
アレディ「ネージュ姫殿、妖精族の方々は 長命であると聞いています」
アレディ「師匠からはご老人は労(いた)わるもの、 と教えられています。大丈夫です」
ネージュ「大丈夫って何がよ!  言葉からして、全然労われてなくない!?」
小牟「歳の差コントはあとにせい。 他にやることがあるじゃろ」

 アブリエータ城の東側の門
ドロシー「単刀直入に言うと、 東の通用門を開けてほしいのですわ」
ルボール「チッ、どいつもこいつも 人のナワバリをチョロチョロしやがって」
ルボール「しかも、素性がよくわからねェ奴らも 混じってるそうじゃねェか」
アクセル「いや、こりゃお恥ずかしいやね」
アルフィミィ「お恥ずかしいですの」
ルボール「テメえらのことじゃねえ。 ついさっき、謁見させろと飛び込んできた 奴から聞いた話だ」
ルボール「猫野郎にしろ、こいつにしろ…… ブンブンとたかってきやがって」

ヘンネ「ブンブンとは印象が悪いんじゃないかい?  他に言い方があるだろうに」
キュオン「あれ!? ヘンネ?」
アレディ「黒い翼……?  その服装を見る限り……カッツェ殿?」
カッツェ「アタシたちのお仲間よ。 ヘンネ・ヴァルキュリア。 見た目はイジワルそうだけど、イイコよ?」
ヘンネ「大きなお世話だよ、副長」
アシェン「アネさんは、フォルミッドヘイム内の クロスゲートの調査に回っていたはずで ございましただったのでは?」
ヘンネ「アネさんとも呼ぶんじゃないよ」
ハーケン「どうしたんだ? ダークウイング。 伝書バトのアルバイトでも始めたかい?」
ヘンネ「腹立たしいけど、近いことさ。 エイゼルから、ここの王サマに 伝言があってね」
アン「黒ミルトカイル石の影響か。 相変わらず長距離の通信手段は 使えないみたいだねえ」
ヘンネ「そういうこと。 さっきルボール王には伝えたけど……」

ヘンネ「フォルミッドヘイムが……封鎖されたよ」
カッツェ「封鎖ですって!? どういうこと?」
ヘンネ「……敵の襲撃を受けてるらしいのさ」
KOS-MOS「らしい……?  不確定情報なのですか?」
 エイゼル
ヘンネ「あたしにもよくわからなくてね。 エイゼルから、すぐに脱出しろと 指示されてさ」
ヘンネ「あたしが外に出てすぐに、 電磁バリアで国を覆っちまったよ」
神夜「国を電磁障壁で……!?  それで、ルボールさんへの伝言って 何ですか?」
ルボール「“敵”に警戒しろって話だ。 ……あのガイコツ野郎、ナメやがって。 オレが遅れを取るとでも思ってるのか」
琥魔「敵……心当たりが多すぎますが、 なんという名前の方ですか?」
ルボール「アグラ……なんとかと言ってたか?」
アレディ「…………!」
ヘンネ「『アグラッドヘイム』だよ」
アレディ「やはり、彼らの目的は、 我々の波国ではなくなっている……!」
ルボール「なんだ? 知ってるのか? テメェら」

〈シュラーフェン・セレストとフォルミッドヘイム〉

カッツェは、ここに至るまでの アグラッドヘイムとの戦いについて ルボールに話した。

〈波国〉

修羅とアグラッドヘイムの関係、 そして修羅たちとともに転移してきた 妖精族の帰還についても。

〈アブリエータ城の謁見室〉

ルボール「………………」
ネージュ「私たち妖精族が飛ばされたハコク…… そこで戦いを繰り広げていたのが、 アグラッドヘイムよ」
ルボール「ヨソモンが幅を利かせてるってことか。 面白くもねえ」
 アブリエータ城の南西にある壊れた橋
ルボール「西の橋を落とし、 勝手に通用門を抜けて行ったのも そいつらか?」
アレディ「それはアグラッドヘイムではなく、 間違いなく……修羅」
 ゲルダ
アレディ「“凍鏡のゲルダ”の手の者たちでしょう」
 ヘイムレン
アレディ「あの巨大な戦艦で、 アルクオンを前にしてヘイムレンが 退いたことも、納得ができます」
錫華「そやつらと合流するためであるな?」
 滅魏城
錫華「……こうしてはおられぬ。 滅魏城が心配であるぞよ?」

 ツァイト・クロコディール
ハーケン「今、メギ・キャッスルの方面には、 俺の戦艦ツァイト・クロコディールも 行ってる。……ヤバいかもな」
キュオン「フォルミッドヘイムが心配だよ!  早く行こう!」
ヘンネ「とはいっても、 今はフォルミッドヘイムには 入れないけどねえ」
カッツェ「アタシたちなら、 エイゼルも電磁バリアを解いてくれるかも しれないし、行くしかないでしょ?」

ネージュ「そういうわけよ、ルボール王。 東の通用門を開けていただけないかしら?」
ルボール「…………」
ルボール「フォルミッドヘイムは、 そのうちにぶん捕ってやらなきゃ ならねェ国だ」
ルボール「アグラッドなんちゃらとかいう ヨソモンに好きにやらせるんじゃねェ」
 アブリエータ城の東側の門
ルボール「門は開けてやる。 オレのためにちゃんと掃除しとけ!」
ルボール「あとはシュラとかいう連中もだ。 小僧、テメェの同類なら、始末はつけろ」
アレディ「わかりました」
カッツェ「……すまん、ルボール。恩に着る」
ルボール「……ケッ」

〈アブリエータ城〉

ハーケン「そういうわけだ、Dr.マリオン。 俺たちは、東の通用門を抜けて、 メギ・エルフェテイル地方に向かう」
 シュラーフェン・セレスト
鞠音「わかりましたわ。 では、私はシュラーフェン・セレストの 転移装置を確認しましょう」
M.O.M.O.「すいません、お願いします……」
鞠音「あなたのせいではありません」
鞠音「……少ぉ~し、 調べさせていただければいいのですわ。 レアリエン……とかでしたわよね?」
M.O.M.O.「はい……? あ、あの……ちょっと……」
アレディ「鞠音殿は、かなり危険な方です。 気を付けてください、モモ殿」
M.O.M.O.「ええっ!?」
 シュラーフェン・セレストの大型転移装置
ハーケン「身体検査は楽しそうではあるが、 今は転移装置の方を頼むぜ? ドクター」
鞠音「仕方ありませんわね。 ……では」
(鞠音が立ち去る)

神夜「あの人、 どこまで本気かわかりませんよね……」
ネージュ「完全に全部本気だと思うけど。 ド本気ってやつじゃないかしら?」
アシェン「マッドですが、腕は確かです。 少なくとも転移装置の方は大丈夫では なかろうかと思われちゃいます」
小牟「そっちは鞠音博士の異常な愛情に 任せておけばいいじゃろ」
KOS-MOS「はい、我々は事態収束のために 行動をするべきです」
アクセル「ふう……。 ただでさえ記憶がないってのに、 色々起こりすぎてこんがらがるぜ」
アルフィミィ「お仲間さんも増えすぎですの」

錫華「お仲間といえば…… そこなツリ目のカラス女よ、 そちはこれからどうするのであるか?」
ヘンネ「しょうがないね。 オルケストル・アーミー…… ヘンネ・ヴアルキュリア」
ヘンネ「あんたたちに協力してやるよ」
 アブリエータ城の東側の門
カッツェ「悪いわねェ、ヘンネちゃん。 ……じゃ、先を急ぎましょ。 東の通用門を抜けて、ネ」

ヘンネ・ヴァルキュリアが支援に加わった!

(アブリエータ城を出ると東側の門が開く)

〔メギ・エルフェテイル北西部〕

(西側の島にツァイト・クロコディールが止まっている)
アレディ「これが、ハーケン殿の地上戦艦……」
ハーケン「とりあえず、 敵に襲われたりはしてないみたいだな」
ハーケン「副長に話を聞いてみようぜ」
(アレディ達がツァイト・クロコディールに入る)

《ツァイト・クロコディール》

〈ツァイト・クロコディール内部〉

リィ「お帰りなさい、艦長」
ハーケン「ああ、今戻ったぜ、副長」

アン「へえ、いい艦じゃないさ。 水中も行けるのかい?」
アクセル「よっ、副長さん。 勝手に抜け出して悪かったな!」
アレディ「ハーケン殿、これほどの艦をお持ちとは」
ネージュ「何言ってるの。 これってお古でしょ?  初代“さすらいの賞金稼ぎ”の」

リィ「ハッキリ言って……困りますな、艦長」
ハーケン「ああ、ちょっとゲストが多すぎるか。 ゾロゾロと連れてきちまったからな」
リィ「違いますよ。 ……やわらかいのと硬いのは、 ちゃんと分別してもらわなければ」
キュオン「肉なの!? それは肉として!?」
小牟「リィだけはガチじゃ。 全然本気じゃから気をつけい」
アレディ「虎の獣羅……?  ……かなりの使い手とお見受けしますが」
リィ「いえ、そんなことは。 まあ……若い頃は暴れてましたがね」
ハーケン「ウチの副長、リィ・リーだ。 仕事のできるタイガーマンさ」
ジョーン「俺の紹介はしてくれないのか?  ハーケン」
ハーケン「オヤジ……!?  どうしてあんたがツァイトにいるんだ?」
アルフィミィ「お父さんですの?」
ドロシー「ジョーン・モーゼス!?  あなた、“さすらいの賞金稼ぎ”…… ジョーン・モーゼスですの!?」
ジョーン「オーライ、ボンバーガール…… 久しぶりだな、ドロシー・ミストラル」
ジョーン「『10年戦争』が始まる前だから…… 13、4年ぶりか?」
ドロシー「…………」
ドロシー「……また老いましたわね、あなた」
ジョーン「それはそうだ。妖精族と違って、 俺たちは生き急いでいるからな」
ジョーン「がっかりしたかな? マドモアゼル」
ドロシー「……いいえ。 前よりも、少し素敵になりましたわ」
ネージュ(ふう……これも愛ね)

アレディ「ハーケン殿の父上が、どうしてここに?」
ジョーン「それなんだが……と、その前に。 プリンセス・カグヤ、私の右に」
(神夜がジョーンの右側に移動)
神夜「はい? これでいいですか?」
ジョーン「プリンセス・ネージュ。 戻ってこられて何よりだ。 ……私の左に」
(ネージュがジョーンの左側に移動)
ネージュ「別にいいけど、何かしら?」
ジョーン「……うむ。 で、俺がここに来た理由だが……」
ハーケン「何やってるんだ、ジジイ」
アクセル「す、すげえ……!」
琥魔「カネ取った方がいいんとちゃうか?」
ドロシー「……はあ、前言撤回ですわね」
 トレイデル・シュタット
ジョーン「ここ最近、トレイデル・シュタット周辺に 出没するアウトローたち…… こちらの方に流れてきているようでな」
錫華「荒くれ者たちとな?  ジョーンよ、どのような輩(やから)で あるか?」
アレディ「もしや……」
ジョーン「人間と獣人が入り混じった、 見慣れぬ格闘集団だ。山賊に近いがな」
アレディ「……やはり修羅。 私たちと同じく、動き始めたようですね」
ハーケン「やれやれ、次から次へと」
ジョーン「おまえたちが追っている連中らしいな」
 アブリエータ城の南西にある壊れた橋
ジョーン「落とされた橋の修理が完了次第、 トレイデル・シュタットに戻り、 対策をするつもりだ」
ジョーン「……だが、まずはどうするべきか。 ナイスなアイディアはあるかね?  プリンセス・カグヤ」
神夜「ええと、用心棒さんを雇うとかは いかがでしょう?」
ジョーン「なるほど、いい考えだ。 ……俺の用心棒も反応しそうになった」
ハーケン「うるせえぞ、クソジジイ」
ドロシー「さすがは、元祖さすらいの賞金稼ぎ…… うまいこと言いますわね」
ネージュ「いや、ドロシー…… 完璧なまでのドセクハラだし、 うまくも何ともないから」

カッツェ「シュラがこっちにねェ。 でも、このあたりにそんな気配は ないけど?」
 ミラビリス城
リィ「関係あるのかはわからないんですが…… すぐ東のミラビリス城に、 エネルギー反応があるんです」
 鞠音
リィ「ドクターが戻られたら、 調査をお願いしようと思ってたんですが」
ハーケン「エネルギー反応、か。 “ゲート”だな、おそらく」
アルフィミィ「ゲートって…… 転移装置みたいなものですの?」
 ミラビリス城のゲート
小牟「うむ。ミラビリスっちゅう城には、 異界とつながる扉があってのう」
小牟「以前、わしらはその“ゲート”を通って、 この世界にやってきたんじゃ」
小牟「それがうまく使えれば、 元の世界に戻れるかもしれんのう。 ……KOS-MOS、ぬしらもじゃ」
KOS-MOS「確かにその通りです。 時間軸は異なっていますが、 同じ物質界です。可能かもしれません」
M.O.M.O.「でも、こんな大変な時に モモたちだけ帰っていいんでしょうか?」
アレディ「退ける時には退いた方がいいと思います。 次にその機会が来るかどうかは わからないのですから」
アレディ「しかし、異邦への扉……。 少し気になります」
 リグ
ハーケン「シュラーフェン・セレストで、 リグとかいうアーマーファイターが 調べてたな」
ハーケン「……異世界へつながるゲートを」
ヘンネ「ゲートか……怪しいね。 エイゼルもクロスゲートをかなり 気にしていたしさ」
アクセル「行ってみないか?  ゲートってのにも興味があるし」

ジョーン「オーライ、状況はわかった。 俺は橋が修理されるまで、ここで待つ」
ジョーン「調査を頼むぞ、ハーケン」
(神夜とネージュはジョーンの側にいる)
神夜「がんばってくださいね♪」
ネージュ「オジサマぁ。 私、ハンドバッグが欲し~い♪」
アレディ「なんと不健全な……」
アシェン「そこのノリノリのダブル駄乳、 悪い中年とヘンな遊びしてないで、 ちゃんと来やがりください」

リィ「では艦長、よい報告を待ってますよ」
ハーケン「まったく、相変わらず人使いが荒いぜ」
 ミラビリス城
ハーケン「OK、ダディ&サブキャプテン。 ミラビリス城を見てくるぜ」
ジョーン「…………」
ジョーン「……少し嫌な感じがする。 気を抜くなよ、ハーケン」
ハーケン「ああ、わかってるさ」
ジョーン「そしてシュラのボーイもな」
アレディ「はい、ジョーン・モーゼス殿。 ……では、行きます」

(ツァイト・クロコディールを出る)

???

???(ガグン)「ロックよ……時は近い。 “樹”も“乾いて”おる……」
???(ガグン)「首尾はどうなっている……?」
ロック「はっ……。 フォルミッドヘイムですが、特殊な 電磁バリアにより、封鎖されました」
???(ガグン)「………………」
ロック「……それにより、クロスゲートの調査を 打ち切らざるを得ませんでした」
 エイゼル
ロック「フォルミッドヘイムの王…… 名をエイゼル・グラナータ。 なかなか思い切った手を打つものです」

???(ヒルド)「うふふ…… こちらは手を打たないのかしら?  ロック・アイ様」
 リグ
ロック「……もう打ってあるのだよ。 古代の巨大戦艦から戻ったリグも、 もう次の行動に移っている」
ロック「私も、あの“異界の装置”について 研究を進めている。 じきに解明できるだろう」
???(ヒルド)「あらやだ、さすがはロック様」
ロック「……君には指令を与えていたはず。 いつまで油を売っているのかね?」
???(ヒルド)「それはごめんなさいね。 これから出ようと思っていたところなの」
ロック「あの“ゲート”は、 クロスゲートと異なった使い方が できるはず」
ロック「時は近い。 使えるように調整しておくのだ」
???(ヒルド)「そのゲートについてなんだけど、 そこで召喚された“彼女”を連れて 行ってもかまわない?」
ロック「……好きにしたまえ。 あの“異界の装置”のシステムの 解析が終われば……」
ロック「あの女には、もう用はない」
???(ヒルド)「あらあら、怖いお方。 ……では」
(ヒルドが立ち去る)
???(ガグン)「計画は進んでいるようだな。 我(われ)は、体をなじませるまで、 今しばらくかかる」
ロック「おまかせを」
ロック「……ですが、新しい機械のお体、 拒否反応などは起きていないようですが?」
???(ガグン)「“この樹の力”を我が物として 行使するには、まだ足りぬ」
???(ガグン)「失われた我が肉体……。 異界の機械技術に頼らねばならぬとは、 歯がゆいものだ」
ロック「そちらも研究を進めております。 お待ちください」
ロック「我がアグラッドヘイムの王…… ガグン・ラウズ様」
ガグン「………………」

〔メギ・エルフェテイル〕

[滅魏城への門]

滅魏城への門は、かたく閉ざされている。

〔ミラビリス城内部〕

(広間の真ん中辺りに黒ミルトカイル石の壁がある)
ハーケン「こいつは……しばらく見ないうちに、 ずいぶんミルトカイル石が増えたな」
アルフィミィ「なぜか……くらくらいたしますの……」
 滅魏城
錫華「このあたりはミルトカイル石が多いぞな。 わらわの城、滅魏城(めぎじょう)でも 苦労しておる」
アシェン「そういえば、撤去してるとか 言ってましたのですのことでしたね」
 守天
錫華「ふむ、守天めがサボっておらねば、 黒石以外はキレイに片付いておろう」
ヘンネ「何でも男まかせはどうなんだい?」
 ボニー
アン「男は女に使われて磨かれるのさ。 ウチの副長も、そりゃあよく働くよ?」
 シンディ
アレディ「私の師匠も厳しい方でした。 幼い頃の修練を思い出します」
キュオン「アレディだけ、意味が違くない?」
ネージュ「アレディのお師匠さん、 絶対にそういう意図で鍛えたんじゃ ないと思うけど」
アクセル「なんで黒石の話から、 こういう話になるんだか」
M.O.M.O.「黒ミルトカイル石もすごいですけど…… このお城はずいぶん奇妙な……というか、 独特の雰囲気がありますね」
ネージュ「そんな気を遣った言い方をしないでも、 悪趣味なだけでしょ」
ネージュ「自分の銅像をド堂々と玄関の正面に 置くなんてね」
 クレオ
琥魔「ドゥルセウス封墓のクレオ様も、 自分の銅像を置いておりましたねえ」
ドロシー「ワタクシはあまり気になりませんけど?」

アクセル「自分の銅像ねえ。 もしかして、この並んでるウサギみたい なのがそうかい?」
神夜「真ん中の、 タマゴ型極まりない人でしたよね?」
カッツェ「そうよ。城主……ハーム・ダーム。 なかなか食えないオジサンだったけどネ」
キュオン「副長、このヒト……っていうか このタマゴ、知ってるの?」
カッツェ「『10年戦争』末期…… 処断したのはアタシだもの」
ネージュ「え!? カッツェ、あなた……」
ヘンネ「そうか……こいつもアインスト だったんじゃないかい? 副長」
アン「こいつも……?  大将、どういうことだい?」

〈アインスト空間〉

カッツェ「アインストは、フォルミッドヘイムの 前王、シュタール・ディープに変身して、 『10年戦争』を起こしたのよ」

〈アインスト空間とエイゼル〉

カッツェ「今の王サマ、エイゼル・グラナータが 退治して……戦争は終わったのよネ」

〔ミラビリス城内部〕

ネージュ「ハウゼン家にド協力的だった、 ハーム・ダームが、あの戦争で突然 フォルミッド側に寝返ったのって……」
カッツェ「すでにカレもカレでなく…… アインストが化けたニセモノ だったってワケ」
アルフィミィ「アインスト……」
ネージュ「それが……あの戦争の真実なのね」
アレディ「ネージュ姫殿……」
ドロシー「とんだ歴史のお勉強に なってしまいましたわね」

ハーケン「思うところがあるのはわかるが、 スタディの時間はここまでだ」
 ミラビリス城のゲート
ハーケン「……目指すはこのキャッスルの 最奥部にあるゲートだろ?」
神夜「そうですね。 小牟ちゃんや、こすもすさんたちも 元の世界に戻れるかもしれませんし」

小牟「しかし…… モモも言っとったが、ちと心苦しいのう。 このまま、わしだけ帰宅っちゅうのは」
 沙夜
小牟「わしらの敵……沙夜めは、 まだこの世界におるわけじゃからの」
 T-elos
KOS-MOS「私も、T-elosを見つけていません」
(KOS-MOSの目が青い)
KOS-MOS「彼女を…… この世界に置き去りにはできません」
M.O.M.O.「KOS-MOSさん……」
アクセル「小牟ばあちゃんと、KOS-MOSたちは 責任感があるな。感心するぜ」
アルフィミィ「アクセル、私たちも異世界から やって来たことをお忘れなくですの」
 沙夜とT-elos
アシェン「あのエロス狐にしても、 T-エロスにしても、見つけたら 縛り上げて返品いたしまする」
 猫騒堂
琥魔「『猫騒堂』から、 送料込みの着払いで発送いたします!」
アレディ「琥魔殿、送料くらいは持つべきです」
アレディ「……テロス殿はわかりませんが、 沙夜殿はアグラッドヘイムと行動を 共にしています」
アレディ「彼らがこの城にあるという “異界への扉”を調べているのならば…… 沙夜殿も、あるいは」
小牟「ま、そんなに 調子よくはいかぬじゃろうが…… 期待するのはタダじゃからの」
 ミラビリス城のゲート
ハーケン「OK、ダブル・フォックスに期待しよう。 そのためにも、早いところゲートに たどり着かないとな」
錫華「黒石のせいで、正面の扉には入れぬ。 左のハシゴから下に降りるぞよ?」

小牟(帰るべきか、帰らざるべきか。 ……わしはどうするべきかの)
小牟(のう、零児……。 ぬしなら……何と言うのかの……?)


Chapter 09
無限の国のアリス

[入口左端の穴]

ハシゴを下りますか?
→はい
 いいえ

[ジョーカー像に触る]

怪しげなジョーカー像がある。

[チェスの間の南側の通路]

(南へ向かうと、南からT-elosが歩いてくる)
T-elos「…………」
M.O.M.O.「あ……っ!」
KOS-MOS「T-elos……!?」

ハーケン「ヒュウ。こいつは ウワサをすれば……ってやつだな」
アクセル「こりゃまた…… すごいのが出てきたな」
アクセル「ぜひとも紹介してほしいね、これは」
錫華「まったく、見境のないナンパ男であるな」
小牟「いやあ…… こやつはやめといた方がいいじゃろ。 “ツン殺”っちゅうやつじゃぞ」
アルフィミィ「“デレ”はないんですのね……」
アレディ「アクセル殿、この方が…… 先ほど話に出ていたテロス殿です」
アレディ「かなり手ごわい機兵です。 油断はなさらぬよう」
アクセル「機兵って……アシェンちゃんみたいな アンドロイドってことかい?」
アシェン「私の方が強さもキュートさも上です」
ヘンネ「無意味に張り合うんじゃないよ。 同じロボットってことだろ?」
KOS-MOS「アンドロイドとは少し違います。 彼女の身体は……」
T-elos「相変わらず無駄口が多い連中だな。 うっとうしい」
KOS-MOS「T-elos、 どうしてここにいるのですか?」
KOS-MOS「私よりも先に、アレディたちと 出会ったことは聞いています」
 シュラーフェン・セレスト
KOS-MOS「ですが、あなたは私がいた シュラーフェン・セレストには 現れませんでした」
アン「そうだったねえ。 てっきりやり合ってると思ってたのにさ」
T-elos「……邪魔な黒石に阻まれたのさ」
ドロシー「黒ミルトカイル石……今回ばかりは、 砕けないことが役立ちましたわね」
KOS-MOS「…………」
KOS-MOS「なぜ、その場に留まらなかったのですか?」
カッツェ「そうねェ。 そうすれば、アタシらと一緒に KOS-MOSに会いに行けたのに」
神夜「その前に、戦いになっちゃったと 思いますけど……」
M.O.M.O.「あの、KOS-MOSさん。 どうしてそんなことを?」
KOS-MOS「T-elosが追跡行動を 途中放棄するとは考えられません」
KOS-MOS「他に優先すべき事態が生じない限りは」
T-elos「…………」
T-elos「KOS-MOS、 では貴様はなぜここにいる?  しかも、仲間の小娘を連れて」
 シュラーフェン・セレストの大型転移装置
M.O.M.O.「モモのせいで、転移装置が……」
KOS-MOS「あなたのせいではありません、モモ。 あれは不可抗力です」
T-elos「……やはりな。 “この世界”が我々の回帰を阻むか」
ネージュ「ん? ちょっと、 何か今、ド意味深なこと言わなかった?」
KOS-MOS「T-elos、何を知っているのですか?」
T-elos「…………」
 ミラビリス城のゲート
KOS-MOS「この城の最奥部に、 次元転移を可能とするゲートが 確認されています」
KOS-MOS「我々の世界へ帰還できるかもしれません」
琥魔「ちゃんと送り届けますので、 ここは穏便に」
T-elos「貴様らと馴れ合うつもりなどない。 ……戻るならば、私ひとりだ!」
アレディ「これは、覇気……!?  来るか……!」
キュオン「人の好意を踏みにじるなんて!  この下ハミ出しロボ!」
M.O.M.O.「KOS-MOSさん!」
KOS-MOS「T-elos、あなたを連れ戻します。 どのような手段を使おうとも、です」

【T-elos、アスラ27式×2との戦闘】

T-elos「ちっ……KOS-MOS……!」
KOS-MOS「戦力差は明らかです、T-elos」
ネージュ「こちとら、あなたと出会った時よりも 子分が増えておりましてよ♪」
ヘンネ「いつからあたしたちゃ、 姫さんの子分になったんだよ」
 ミラビリス城のゲート
KOS-MOS「T-elos、 これから我々は、この城にあるゲートで 帰還が可能か否か、確認します」
M.O.M.O.「T-elosさん、 あの……一緒に帰りませんか?」
ハーケン「悪い申し出じゃないと思うがね、 イビルビューティ」
T-elos「…………」
T-elos「KOS-MOS、 貴様がどうしてこの世界に来たか…… わかっているのか?」
KOS-MOS「どういうことなのです? T-elos。 あなたは先ほども……」
T-elos「“その魂”を宿しながら、 なぜそれに気付かない……!」
アレディ「魂……?  コスモス殿、何のことなのですか?  あなたは……機兵では?」
(KOS-MOSの目が青い)
KOS-MOS「…………」
T-elos「我々は、この世界の“何か”に 呼び寄せられたのよ」
(KOS-MOSの目が戻る)
KOS-MOS「呼び寄せられた……?」
T-elos「それを確かめない限り…… 戻ることなどできまい」
アン「なんか難しいことを言ってるねえ……。 面倒だから、捕まえてムリヤリにでも 送り返した方がいいんじゃないかい?」
アシェン「了解でありましたのです。 ふん縛ってくれる」
琥魔「すごい恥ずかしい縛り方をしたるから 覚悟するがいいニャ」
神夜「じゃ、じゃあ捕まえちゃいましょうか」
アクセル「捕まえる流れになってるけど、 いいんだな? KOS-MOS」
KOS-MOS「……はい」
T-elos「そうはいかないわ。 我々を招いたもの……」
KOS-MOS「T-elos、あなたはそれを 確かめるつもりなのですか?」
T-elos「私の言ったこと……忘れるな、 KOS-MOS」
(T-elosが消える)
 エスメラルダ城塞
カッツェ「なんか、ちょっと感じが違ったわねェ。 前にドロシーちゃんの城で会った時は……」
キュオン「ブッ壊す! クォスムォス!」
キュオン「……って感じだったのにね」
ドロシー「あの方は、 言うことがイチイチ意味深すぎますわ。 呼び寄せられたとかなんとか……」
M.O.M.O.「モモは、KOS-MOSさんの反応を 追いかけて、この世界に来ました。 でも、KOS-MOSさんは……」
KOS-MOS「何かに……“呼び寄せられた”と」
小牟「わしも魔獣扱いで召喚された身じゃ。 何かの意志が働いておるのかもしれん」
アルフィミィ「私たちも、もしかしたら……」
アレディ「しかし、それを言えば……我々修羅も、 この世界に招かれたことになります」
ネージュ「私なんて、帰ってきたわけだけど?」
錫華「ふむ、キリがなくなってきたぞよ?  てろすを追うのかえ? それとも……」
小牟「KOS-MOS…… もし帰れるものなら、帰るんじゃ。 待っておる者がいるのじゃろう?」
KOS-MOS「シャオムゥ……」
小牟「わしもじゃ、KOS-MOS。 早う……会いたい。あやつに……」
KOS-MOS「……わかりました。 目的地に急ぎましょう」

[行き止まりの壁]

カギをはずし、扉を開きました。

[エントランスホール北側]

スイッチを押しますか?
→はい
 いいえ
(側の格子が開く)

[エントランスホール北側]

スイッチはすでに押されている。

[下の大部屋にある中央の石碑]

反応がない。
先に何かをする必要があるようだ。

(大部屋の上の部屋にある怪しいジョーカー像を調べてボックスを落とす)

[下の大部屋にある中央の石碑]

魔力でボックスの位置を戻せるようだ。 初期位置に戻しますか?
→はい
 いいえ

[正しい位置にすべてのボックスを配した後]

すでに全てのボックスを スイッチの上に載せ終わっている。

[ゲートのある場所への転移装置の前]

ハーケン「やっとここまで来たか。 手間取ったぜ」
錫華「前に来た時と、 仕掛けが全然変わっていて驚いたぞよ?」
ネージュ「城主ハーム・ダームは、 怪しげな仕掛けがド好きでしたから」
アシェン「それにしても怪しすぎまするのでした」
 ミラビリス城のゲート
アクセル「まあ、いいんじゃないの。 ……で、この先が目的地かい?」
小牟「これ以上おかしな仕掛けがなければ、 そのはずじゃ」
アレディ「…………」
アレディ「……気をつけた方がいいかもしれません」
アルフィミィ「何かあるんですの? アレディ」
アレディ「この階層に入ってから 手合わせした者たち…… アグラッドヘイムの兵たちでした」
KOS-MOS「では、もしやこの先には?」
アシェン「おそらくは」
ハーケン「先を越されたかもしれないってことか」
ハーケン「OK、エブリワン。 ここまで来たんだ。 腹をくくって進むとしようぜ」
(アレディ達が転移装置を使う)

[ミラビリス城のゲート前]

(ヒルドと沙夜がゲートを見ている)
???(ヒルド)「これがこの城の“ゲート”ね?  あらやだ、結構おしゃれじゃない?」
沙夜「あん、デザイン的に イケてるだけじゃなくて、 性能的にもなかなかのものよ」
沙夜「強い妖力に反応するから、 外部から操作しやすいのよ、ね」
???(ヒルド)「…………」
???(ヒルド)「なるほど、これは使えそうね」
沙夜「このゲートを使って、 どこかにお出かけでも?」
???(ヒルド)「ふふ…… ちょっと別の使い道をね」
???(ヒルド)「何に使うかはナイショよ?」
沙夜「んもう、イケズなこと」
沙夜「…………」
沙夜「話はちょっと変わるけど…… ひとつ訊きたいことがあるの」
???(ヒルド)「なんなりと。何かしら?」
沙夜「百夜(びゃくや)……って、 聞いたことあるかしら?」
 百夜
沙夜「私の部下、片那(かたな)ちゃんが 乗り込んでいるようなやつなんだけど」
片那「………………」
???(ヒルド)「ビャクヤ? さあ?」
???(ヒルド)「あの方に召喚されたとはいえ、 ここまで私たちに協力的なのは…… それが目的かしら? サヤ」
沙夜「さあ、ね。 協力しているのは、面白そうだからよ」
 ロック
沙夜「それに、私はロック様の 忠実なシモベですもの、ね」
???(ヒルド)「…………」
???(ヒルド)「そういうことに しておいてあげましょう」
沙夜「…………」
沙夜(百夜……あれはすべて破棄しなければ)
(アレディ達が転移してくる)

[ミラビリス城のゲート前]

(アレディ達がゲートに近づくと、ヒルドと沙夜が振り向く)
???(ヒルド)「あら、お客さん?  ……というか、もしかして、サヤ?」
沙夜「そういうことよ。 私たちの邪魔をしている一団に 間違いないってこと」
小牟「アレディの読みがドンピシャじゃの。 沙夜めとバッタリとは」
アシェン「T-elosは逃がしましたが、 この女狐はふん縛ってくれようぞ」
アレディ「沙夜殿の隣にいる翼が生えた女性…… お会いするのは初めてですが、 この装束は……!」
ハーケン「OK、グラマラスウイング。 フルネームを聞かせてくれないかい?」

ヒルド「私はヒルド。……ヒルド・ブラン」
ヒルド「アグラッドヘイムの 魂請負人(たましいうけおいにん)とでも 呼んでいただける?」
アレディ「やはり、アグラッドヘイムか……」
神夜「魂を……請け負う……?  どういう意味ですか?」
ヒルド「想像におまかせしようかしら」
アレディ(また“魂”の話……。 アグラッドヘイムの狙いとは……?)
カッツェ「ヒルドちゃんって言ったわねェ。 ……ちょっと気になってるんだけど、 質問してもいいかしら?」
ヒルド「なにかしら?  スリーサイズはヒミツよ?」
錫華「む……。その余裕、カチンと来るぞよ」
カッツェ「オンナのスリーサイズになんて 興味はないのよねェ。興味があるのは……」
カッツェ「アナタたちアグラッドヘイムと、 アタシたち……フォルミッドヘイムの カンケイってやつよ」
ネージュ「関係? ヘイムつながりってことかしら?」
カッツェ「国の名前が似てるだけじゃなくて…… 種族的にも似すぎてるのよ、アタシたち」
ヒルド「…………」
ヘンネ「あたしとこの女がってことかい? 副長」
カッツェ「それだけじゃないわ」

〈フォルミッドヘイムとロック、キュオン、エイゼル〉

カッツェ「……ロック・アイとエイゼルにキュオン」

〈フォルミッドヘイムとヴァナー、カッツェ〉

カッツェ「そしてヴァナー・ガンドとアタシ」

〔ミラビリス城のゲート前〕

キュオン「そういえば……兵隊さんたちも、 ウチのヒトたちと似てるのが多いよね」
ヒルド「…………」
ヒルド「偶然じゃないかしら?」
ドロシー「突き詰めれば、 アグラッドヘイムの正体やら目的を 探るカギになるかもしれませんわね」
小牟「それに、沙夜…… 世界の混沌を望む集団『逢魔』が 協力しておる理由もじゃ」
沙夜「…………」
アクセル「世界の混沌……? 混沌……ねえ」
 シュラーフェン・セレスト
沙夜「おチビちゃんが ここに来たってことは…… あの巨大戦艦からは帰れなかったようね」
小牟「色々あったんじゃ。ほっとけ!」
M.O.M.O.「そうです! い、色々です!」
沙夜「あら? あなた……モモちゃん?  イメージがずいぶん変わったんじゃない?」
M.O.M.O.「あの……い、色々です!」
沙夜「そのモモちゃんだけでなく…… コッスィーまでこっちに来てるとはね」
KOS-MOS「サヤ、あなたはどうしてこの世界に?」
 ロック
沙夜「そこのおチビちゃんと同じよ。 アグラッドヘイムのイケメン幹部…… ロック・アイ様に、ね」
小牟「そのロック様の妙技とやらで、 わしよりも先に召喚されたっちゅう ことじゃ」
琥魔「なるほど、ご主人様に服従…… というわけでございますね」
小牟(じゃが、わしは別に ロックの部下にはなっちょらん)
小牟(……それは沙夜も同じなはずじゃ。 なのに、なぜ協力しておるんじゃ?)
ヒルド「あの人は召喚術のエキスパートなの。 ちょっとした魔獣使いね」
 リグ
アレディ「そしてリグ殿は格闘の熟練者…… ということですか」
ヒルド「正確には、彼はその名の通り門番…… 守護のエキスパートだけどね」
ヒルド「そして私は魂をいただくエキスパート…… ってところよ」
アルフィミィ「“魂”……“まぶい”を……集める?」
 ヴァナー
アレディ「“魂を集める”…… かつてヴァナー殿からお聞きしました。 それはあなたが……?」
ヒルド「そういうこと。ここに来た理由も、 それに関係あるといえばあるの」
アン「面倒だし、 それもサクっと話してくれないかねえ」

ヒルド「そうね……」
ヒルド「……じゃ、さようなら」
アレディ「…………!?」
(ミラビリス城のゲートが作動し、アレディたちの身体が青白い光に包まれる)
アルフィミィ「す、吸い取られて……おりますの……!  私たちの……心と、体が……!」
アクセル「ううっ!? な、なんだ…… 身体の力が……抜ける……!?」
小牟「これは……奪氣の型とも……違う……!  な……なんじゃ……!?」
ヒルド「私は魂請負人……そう言ったでしょう?」
ヒルド「このゲートは転移だけじゃなく、 その魂だけを“送る”ことも可能なの」
ヘンネ「送る……だって!?  ふざけるんじゃ……ないよ……!  どこへだい……ッ!」
ヒルド「アグラッドヘイムにそびえる…… “ヴェルトバオムの樹”に」
カッツェ「ヴェルト……バオム……だと!?  うぐっ……!」
 不死桜
神夜(……魂を集める樹……?  霊力を集める……不死桜と……同じ?)
ハーケン「……ぐっ……アシェン……!  あのデンジャラスゲートを止めろ……!」
ハーケン「おまえやKOS-MOS…… そしてパーソナルトルーパーなら…… 動けるはずだ……!」

ファントム「………………」
アーベント「………………」

アシェン「それが……ダメダメっす……艦長……。 あのゲートからは……強力な電磁波も…… 発せられて……おりまし……」
錫華「こういう時に……限って…… 使えぬ……ポン……コツめが……!」

琥魔「た……魂が抜かれて……しまいますう!」
ドロシー「ワタクシの魂は……安くは…… ありませんわよ!」
キュオン「ううっ……やめてよっ!  この……サド乳……! キャラ被り!」
アン「こりゃ……ヤバいよ……!」

(KOS-MOSの目が青い)
KOS-MOS「……T-elos……“魂”を招く樹…… あなたが言っていたのは……このこと……」
M.O.M.O.「コ……KOS-MOSさん……!?」

ネージュ「うう……苦し……い……。 アレ……ディ……」
アレディ「ネ……ネージュ姫殿……!」

アレディ「ぬうううッ! 我が覇気よ……!」
ヒルド「あらやだ、まだ動けるの?」
 リグ
ヒルド「……かなり強い魂を宿しているようね。 さすが、リグが一目置くボウヤって ところかしら?」
沙夜「あん、鍛えれば…… 相当な使い手になったでしょうね」
ヒルド「……より強い魂を宿す器。 ならば、生かしておくのも……」
沙夜「いいえ、ここでおしまいにすべきよ」
沙夜「若い芽は確実に摘んでおかないと、 あとで痛い目を見ることになるから」
アレディ「くっ……なに……!」
ヒルド「うふふ…… 若いコ相手に火遊びでもしたの?」
沙夜「……10年ほど前に、ね。 おかげで、肝心なところで結構な ヤケドを負わされたことがあるのよ」
沙夜「だから、 もう甘さは出さないようにしているの」
小牟「……ぐ……。まだ……わしは……!」
沙夜「あなたも厄介だから、ここは確実に 仕留めさせてもらうわね」
沙夜「……あっけないものね、おチビちゃん。 こんな場所で、いきなり決着が ついてしまうなんて」
小牟「わしがおらんでも……“あやつ”がおる。 ぬしら……『逢魔』が何を……企んで…… いようと……必ず……あやつが……!」
沙夜「…………」
沙夜「さよなら。 あのぼうやも……同じ所へ送ってあげる。 いつか、会えるといいわね」
小牟「……零……児……」

???(零児)「待て……ッ!」
アレディ「……うっ!?」
ヒルド「だ、誰っ!?」
沙夜「…………」
沙夜「……ふう。 なんとなく、嫌な予感はしてたけど、ね」
(ヒルドと沙夜がゲートの方を向く)
???(零児)「木よ、火よ。土よ、金よ。そして水よ!  世を司るすべての事象よ、我に味方せよ!」
小牟「…………ッ!!」
沙夜「……やはり、ね。 ヒーローはいつだって、最後に現れる ものだから」
沙夜「そうでしょ? ……ぼうや」
ヒルド「あらやだ。 サヤ、これはどういうこと?  あなた、このことを知っていたの!?」
小牟「…………」
小牟「やっぱり、ぬしは…… わしのヒーローじゃな、零児」

???(零児)「……有栖流・鬼門開放ッ!」
(ゲートから零児が出てきて、ゲートが停止する)
零児「結果は重畳(ちょうじょう)だ。 ……小牟、待たせたな」
小牟「今の登場、ちいとばかしキュンとしたぞ?」
沙夜「ぼうや、どうやってここに?」
零児「『森羅』の諜報部をなめるなよ。 この世界へ通じる“ゆらぎ”の存在は すでに確認されている」
零児「あとは小牟の妖気を頼りに、 鬼門解放を成功させればいい」
小牟「できておる。できておるのう、零児は」
沙夜(異界への鬼門を通り抜けられる確率…… そんなに高くはないでしょうに。 無茶をするものね)

神夜「零児さん! 感謝感激、極まりないです!」
ハーケン「まったく、ナイスタイミングすぎるぜ。 ……無事でなによりだ、Mr.アリス」
アシェン「もしかして出待ちっすか」
零児「たまたまさ。 だが、危ないところだったようだな」
アレディ「この方が、小牟殿の……」
ネージュ「なんだ、思ったよりもマモトじゃない。 二色メッシュは、おしゃれとしては 若干勘違いっぽいけど」
零児「これは俺のせいじゃない。 ……昔、そこにいる女に付けられた、 傷のせいさ」

ヒルド「サヤ、10年前の“若い芽”って、 もしかして……」
沙夜「正解よ。 ……彼は有栖零児(ありす・れいじ)」
沙夜「私たち『逢魔』と対立する組織、 『森羅』のエージェント」
沙夜「いつもいいところで邪魔をする…… かわいいけど、かわいくないコよ」
零児「おまえの好きにはやらせん。 今度は何をしようとしているんだ?」
沙夜「あん、話すと長くなるからやめとくわね」
ヒルド「異世界からのお客さんのせいで、 ゲートは完全に停止してしまったようね」
ヒルド「上質な魂も送り損ねてしまったし…… 責任はとっていただこうかしら」
ヒルド「その魂……直接、請け負いましょう」

零児「来いッ! 相手になる……!」
錫華「よいよい、 用意はできているようであるな?」
小牟「よっしゃあ! やっちゃるぞ、零児!」
KOS-MOS「説明は後でします。 レイジ、迎撃行動を」
M.O.M.O.「アリスさん、お久しぶりです!  がんばりましょうね!」
零児「KOS-MOSに……まさか、モモか?」
アクセル「異世界から来たのか。 あんた、記憶は失ってないのかい?」
アルフィミィ「胸がもやもやするようなしないような…… ですの」
零児「エンドレス・フロンティアに来る以上、 多少の覚悟はしていたが……」
零児「フッ……また、大きな祭りになりそうだ」

有栖零児が仲間になった!

【ヒルド・ブラン、沙夜、片那×2との戦闘】

ヒルド「サヤ、あなたも大変ね。 いつもこんな人たちを相手に しているだなんて」
沙夜「いつもじゃなくてよ?  今回は人数が多すぎるのよね」

アレディ「形勢逆転です。 ……聞かせてください。 アグラッドヘイムの本当の目的を」
ヘンネ「あたしたちの魂を送る……とか言ってた、 “ヴェルトバオム”ってのは何なんだい?」
ヒルド「素直にしゃべると思って?」
ドロシー「まだ痛めつけられ足りないようですわね」
琥魔「ニャフフ……口を割らせる方法なんぞ、 いくらでもあるニャア」
アクセル「頼もしい仲間なんだな、これが」
零児「倫理的にはどうかと思うがな」
カッツェ「オンナのコをイジメたって、 面白くないものねェ」
沙夜「さんざん攻撃しておいて、今さらねえ」

小牟「ふふん、まだまだこれからじゃぞ?  わしらが束になれば!」
錫華「うむ、これ見よがしなそちら…… ぬっちりと責め立ててくれようぞ?」
キュオン「そうだね! 汚乳になんか負けないよん!  ね、アルフィミィ!」
アルフィミィ「まったくでございますの!」

ヒルド「あらやだ、みんな寄り集まっちゃって」

ヒルド「うふふ、でも甘いのよね。 私はこれでも…… フルパワーじゃないと言ったら?」
沙夜「……私の真の姿を見せる時が 来てしまったようね」
錫華「な……!? が……がはっ……!」
小牟「あ……? あ……?」
零児「……フルパワーの意味がわからん」

アン「あたしが一肌脱ぐしかなさそうだね……」
ネージュ「ド思い知らせて差し上げてよ!  カグヤさん、あなたも来なさい!」
神夜「あ、あの…… 巻き込まないでほしいんですけど……」
(コードDTDが発動している)
アシェン「おっしゃあ~!」

アクセル「こ、こいつはすごいことに なりそうだぜ……!」
アレディ「これも修練と思い、見守ることしか……」
ハーケン「くそっ、俺はどうしたらいいんだ……!?」
零児「どうもする必要ないだろ。 くだらん時間稼ぎに乗るな」
KOS-MOS「時間稼ぎ?」
ヒルド「…………」
零児「ああ、何かを待っている」
M.O.M.O.「あっ! く、空間歪曲反応……!?  何かが転移してきます!」
(ヒルドと沙夜の後ろにロックと百夜が2機転移してくる。ヒルドと沙夜が振り向く)
ロック「何をしているのかね? ヒルド」
ヒルド「これはロック様。 お待ちしておりましたわ」
百夜「………………」
沙夜「百夜……!」

零児「これは『逢魔』の……!?」
ロック「報告が遅いと思って来てみれば…… この者たちか。 よくよく縁があるものだ」
アレディ「アグラッドヘイム……ロック・アイ!  どうやってここまで?」

ロック「ゲートが停止しているようだが、 どうしたのかね?」
ヒルド「異界からのお客さんが無茶したせいで、 停止してしまったの」
沙夜「…………」
沙夜「ロック様……?  あなたの後ろの、その機械なんだけど……」
ロック「ああ、これかね。 『次元掘削機(じげんくっさくき)』と 言ったか」
ロック「解析が完了したのでね。 再起動のテストも含めて、 ここまで迎えに来たというわけだよ」
百夜「………………」

 ヴァルナ・ストリート 北西側の出入口
ネージュ「あの悪趣味なロボットみたいなの…… ヴァルナ・ストリートで見たやつよね?」
 ヴァナー
アレディ「間違いありません。 ヴァナー殿が連れていた機兵です」
沙夜「……ひとつ質問に答えてもらっていい?  それって、私と会う前のお話?」
神夜「え~と……沙夜さんや、小牟さんと お会いする前です」
沙夜(……私が知らないところで、 テストはされていたってこと、ね)

沙夜「ロック様、 それは私たち『逢魔』の物なんだけど…… 返していただけないかしら?」
ロック「何を言っているのかね?  これは我がアグラッドヘイムのものだよ」
ロック「私が異界より召喚したものなのだから。 ……サヤ、君と同じく、ね」
沙夜「…………」
ロック「ようやく、制御ができるようになった。 規模は小さいが、次元に穴を開ける…… すばらしい装置だ」
沙夜「ヒルド、あなたも知っていたのね?」
ヒルド「あらやだ、ごめんなさいね。 機密扱いだったし、返してくれと 言われたら厄介でしょう?」
沙夜(ふう……気付かれてた、か)
ロック「ククク……」

アクセル「次元に穴を開ける……だって?」
KOS-MOS「ワープホールを作り出すシステムと 考えられます」
零児「やはり『逢魔』の新兵器か。 ……だが、どういうことだ?」
小牟「零児、こやつがわしや沙夜を この世界に呼び込んだ張本人じゃ」
 物質界・渋谷
零児「……俺たちの世界に干渉する力だと?」
ロック「ようこそ、エトランゼ。 君が、その魔獣の主人なのかね?」
零児「こいつは組織の同僚で先輩だ。 ……しつけは時々しているが」
アルフィミィ「なるほど……ですの」
小牟「人聞きの悪い表現をすな!  たまに怒られたりするだけじゃろ!」
ハーケン「今はあんたらのプレイについて トークしてる場合じゃないぜ」
ハーケン「OK、角デーモン。 こっちの準備はできてる。 いつでもいいぜ?」

ロック「相手をして差し上げたいところだが、 少々忙しいのでね」
 リグ
ロック「ヒルド、この場を撤収したまえ。 ……リグが次の計画に移っている」
ヒルド「了解よ。 仕事ができなかったのは残念だけど」
ロック「サヤ、君はどうするのかね?  ビャクヤの制御が可能となった今、 君の役目は終わっているが……」
ロック「できれば、我が軍の戦力として 協力してほしいのだがね」
沙夜「…………」
沙夜「あん、百夜を返していただけるなら、 考えなくもないけど?」
ロック「言っただろう?  これは我が軍のものだとね」

アシェン「なんか、モメてるようですが」
錫華「よいよい、苦しゅうない。 内輪モメに乗じて、ぶちのめすぞよ?」
ロック「聞こえなかったのかね?  ……ここは退かせてもらう」
ロック「ビャクヤよ、起動せよ……!」
百夜「百夜、起動。……次元掘削、開始」
ヒルド「サヤ、どうするの?」

沙夜「……ここで、決着を付けていくつもりよ」
沙夜「その上で…… 百夜を返してもらいにいくから」
ヒルド「……そう。じゃあね、サヤ」
(ロック、ヒルド、百夜が転移する。沙夜がアレディ達の方を向く)
沙夜「さて……と」
零児「沙夜、どういうつもりだ?  ……百夜と言ったな。あれは何だ?」
沙夜「…………」
小牟「以前戦った時、去り際に 次回、『百夜計画』でまた会おう…… とか言うちょったやつじゃな?」
ハーケン「そのプロジェクト・ビャクヤのマシンが、 どうしてアグラッドヘイムにあるんだ?」
琥魔「技術提携……というわけでもないようで ございますが? 沙夜お姉さま」
沙夜「決着といく前に、私が知っていることを お話ししましょうか」

〈アグラッドヘイム〉

沙夜はアグラッドヘイムについて話した。

アグラッドヘイム…… エンドレス・フロンティアと異なる 次元の天空に浮かぶ、巨大な城塞国家。

中央には“ヴェルトバオム”と呼ばれる 巨大樹がそびえ、霊力に似た強大な力を 放ち続けているという。

〈新エンドレス・フロンティア シュラーフェン・セレスト周辺と百夜〉

百夜は『逢魔』の新兵器であり、 召喚術によってアグラッドヘイムに 運び去られてしまった。

???

沙夜は二度目の召喚で呼び出された時、 “百夜の制御が行える魔獣”と名乗り、 ロックに取り入ったということだった。

〔ミラビリス城のゲート前〕

アレディ「……異世界の空に浮かぶ城。 それがアグラッドヘイムの正体ですか」
沙夜「それ自体がひとつの世界と 言ってもいいかもしれないわね」
 不死桜
神夜「巨木と一緒になった国…… 神楽天原と似てるかもしれません」
ネージュ「ハコクで戦っていた頃、 どこから湧いて出てくるのかしらと 思ってたら、別の世界からだったのね」
沙夜「……まあ、 行き来する方法は不明だけど、ね」
零児「なに? おまえはそこを根城として 行動しているんじゃなかったのか?」
沙夜「私はつい最近、加わったばかりだもの。 監視も付いてたし、自由に動き回らせては もらえなかったのよ」
沙夜「もう少し組織に食い込めれば、 百夜に近づくこともできたでしょうけど、 私の目的はバレちゃってたし、ね」
沙夜「それに、中枢に通じる門は、 いつもリグっていう彼が守っていて、 近づけなかったし……」
 リグ
アレディ「……リグ・ザ・ガード。 “門を守る”あの男、か」
ヘンネ「連中が、自分の国の情報を知っている アンタをあっさりと手放した理由が それかい」
沙夜「ほんと、なめられたものよね。 どうせ来れないと思って」
沙夜「……今のところはその通りだけど、ね」
零児「その組織が奪った百夜とは、 何の目的で造られた?」
沙夜「あん、そっちはウチの機密だから、 教えてあげられないの。 ごめんしてね」
 ロック
錫華「あのロックとかいうガリガリ男めが、 重要なところしゃべっていかなかったかえ?」
アルフィミィ「え~と、次元に穴を開ける…… とか申しておりましたの」
沙夜「…………」
KOS-MOS「はい、次元掘削機(じげんくっさくき)と 呼称していました」
 ロック
キュオン「もうそのまんまのイミだね♪  あのロックって、おしゃべり過ぎ!」
アクセル「わかりやすいっちゃ、わかりやすい 名前だわな、こいつは」
アクセル(だけど、次元に穴を開ける……?  なんだ? 引っかかるな……)
アン「クロスゲートみたいなモンを 作り出す装置ってことかい?」
小牟「“ゆらぎ”を人為的に作り出すじゃと?  『逢魔』め、またロクでもないことを」
ハーケン「おいおい、ジョークじゃ済まないぜ?  そんなものが、得体の知れない組織の 手に渡ったら……」
沙夜「……三機よ」
零児「なに……?」
沙夜「アグラッドヘイムには、三機の “オリジナル百夜”が召喚されたはず」
アレディ「オリジナル……?」
ドロシー「量産前の原型モデルってことですわね」
沙夜「それを取り返したくて、 媚びへつらってはみたんだけど…… 結果はご覧の通りよ」
 片那
沙夜「私と一緒に召喚された片那ちゃんも、 兵隊として取られちゃったし、もう散々」
神夜「アグラッドヘイム…… 何をしようとしているんでしょう?」
ネージュ「エンドレス・フロンティアに来る前は、 ハコクのシュラたちにドちょっかいを かけてきてたけど……」
アシェン「今はクロスゲートに、ここのゲート、 シュラーフェン・セレストの主砲…… そしてビャクヤでありんすのです」
カッツェ「“異世界への扉”。 ……これがキーワードねェ」
M.O.M.O.「KOS-MOSさんや、 アクセルさんたちがこの世界に 転移したのも、もしかしたら……」
沙夜「他の人たちが、どうしてこの世界に 来たのかはわからないけど……」
沙夜「私の話はこれでおしまい。 持っている情報はこれくらいよ、ぼうや」

零児「……これからどうするつもりだ?  おまえの狙いは、向こうには 見破られているぞ」
沙夜「さあ、どうしましょうか」
零児「…………」
 百夜
零児「一緒に来い。 その百夜……破壊しなければならん」
小牟「どういうことじゃ、零児!  こやつは……!」
沙夜「…………」
アレディ「いいのですか? 零児殿。 彼女はあなたの敵だったはずでは?」
零児「…………」
零児「滅ぼすのは簡単だ。 奴も、このメンツを前にして 勝てるとは思っていないだろう」
零児「『森羅』と『逢魔』の戦い…… これは俺たちの世界の問題だ」
零児「そこで造られた兵器が、 この世界で使われようとしているならば、 俺たちが止めなければならない」
零児「……だからこそ、 沙夜もこの場に残ったのだろう」
沙夜「ふふ……寝首を掻(か)くつもりかも しれなくてよ、ぼうや」
零児「それなら重畳だ。 おまえを滅ぼす理由ができる」
沙夜「……ふう、私の負けよ」
沙夜「三機の“オリジナル百夜”の廃棄に 協力してもらえるかしら?」
ハーケン「OK、寝首フォックス。 俺はかまわないぜ?」
アクセル「いいんじゃないの?  記憶喪失やら、敵のエージェントやら、 もう滅茶苦茶だけどな、これが」
アレディ「私も……かまいません」
ネージュ「ん? アレディ……?」
神夜「沙夜さん、よろしくお願いしますね♪」
アルフィミィ「裏切りはいけませんのよ?」
沙夜「はいはい、大丈夫よ」
零児「沙夜、俺は馴れ合うつもりはない。 ……おかしなマネをしたら、 容赦なく百叩きだ」
小牟「フフフ……ぬしも思い知るがいい」
沙夜「ああん、気をつけなきゃ」

沙夜が支援に加わった!

アクセル「一見、メデタシメデタシ…… って感じだけど、そんなことないよな?」
ハーケン「結局このゲートは使えなくなったし、 送り返すつもりのエトランゼが、 逆に一人増えちまった」
零児「沙夜も合せれば、一気に二人だがな」
アレディ「……ひとまず、この城を出ましょう。 動きのなかった修羅が気になります」

[ミラビリス城のゲート]

壁に奇妙な時計が設置されている。 今は機能を失っているようだ。

[転移装置に近づく]

アレディ「………………」
ネージュ「アレディ?  ちょっと、さっきからヘンよ?」
アレディ「いえ、何でもありません…… ネージュ姫殿」
ネージュ「もう、しっかりしなさい?」
アレディ「…………」
アレディ(零児殿と沙夜殿……か)
アレディ(ヘイムレンが同じように協力を 求めてきたとしたら…… 私は手を差し伸べられるだろうか)
アレディ(だが、それは修羅として……)

(転移装置に乗ると、城の外まで移動)


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