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ゼロ・ナンバーズ ~ Chapter 03 ~

《サイレント・ウォークス号》

〈船長室〉

???(ボニー)「船長、遅いお帰りで。 すぐに戻ると聞いていたので、 何かあったのかと心配しました」
アレディ「獣羅……!? いや、魚羅か!?」
アン「慌てなさんな。 この男はボニー・マクシマド。 ウチの副長だよ」
ボニー「いきなり殴られてはかなわん。 船長の客人のようだが…… 見知った顔も結構いますな」
アン「まあ、おかげで助かったんだけどさ」

カッツェ「ひとつ訊きたいんだけど…… いいかしら?」
アン「なんだい、大将」
 新フォルミッドヘイム
カッツェ「アナタ、普段はフォルミッドヘイムに いるわよねェ?」
キュオン「そうそう、今はどうなってるの?」
アン「それが……わからないのさ。 締め出されちまったからねえ」
ネージュ「締め出されたって……どういうこと?」
アン「最近、フォルミッドヘイムに 正体不明の敵が現れてさ」
 エイゼル
アン「ちょっと物騒になってきたと思ったら、 エイゼル王に「国を出ろ」って 言われたのさ」
アレディ「どういった理由なのです?」
アン「ん~、面倒になってきたから、 すぐにこっちに来ちまったよ」
神夜「それくらいは訊きましょうよ……」
ハーケン「何か起こってるっていうのか?  ……ん?」
(着信)
 通信機
ハーケン「通信? 今は黒石のせいで、 ほとんど通信機は使えないはずだが……」
ハーケン「OK、ハーケン・ブロウニングだ。 一体誰だい?」
アシェン「艦……艦……長……。 ア……シェ……です……」
ハーケン「アシェン? アシェンか!?」
ネージュ「誰から? 知り合いなのかしら?」
カッツェ「ハーケンちゃんの部下で、 今はフォルミッドヘイム復興に 協力してくれてるアンドロイドちゃんよ」
キュオン「あれ!? じゃあ通信つながるの?  アシェン、今どこ?」
アシェン「……ネ……ラ……ネバー……ランドの…… 前……部に……いま……」
ハーケン「ネバーランド……!?  おい、よく聞こえないぞ、アシェン!?」
アシェン「……………………」
(通信が切れる)
ハーケン「ちっ、切れたか。 黒ミルトカイル石の影響らしいな」
アレディ「ハーケン殿、ネバーランドとは?」
ハーケン「以前は『マイティエーラ』と呼ばれた、 異世界から来た戦艦の……残骸さ」

〈ネバーランドの落下〉

ハーケン「23年前、空から落ちてきた。 空中で真っ二つに折れて、な」

〈船長室〉

 ネバーランド・後部
カッツェ「後ろ半分が、北西の大陸…… 新ロストエレンシアにあるのよネ」
神夜「じゃあ、アシェンさんが言ってた “前部”は?」
 ネバーランド・前部
アン「ここから真南の所にあるよ」
 鞠音
ハーケン「あそこには今、 うちのドクターも行ってるはずだ。 ……ヤバいな」
キュオン「でも、アシェンって フォルミッドヘイムに出向中じゃ なかったっけ?」
ハーケン「……それも気になる。 どの道、行かなきゃならないってことさ」
ハーケン「すまないな、バトルボーイ。 ちょっと付き合ってくれないか?」
アレディ「かまいません。 これも修練となります」
 ドロシー
ネージュ「仕方ありませんこと。 ドロシーの方は後回しね」
ボニー「そのドロシーについて、ひとつ情報が。 船長が外出中のことなのですが……」
アン「何かあったのかい?」
 エスメラルダ城塞
ボニー「エスメラルダ城塞…… 今は門が閉じられています」
神夜「あらら、留守ってことでしょうか?」
 ネバーランド・前部
カッツェ「逆にタイミングがいいんじゃない?  先にネバーランドを片付けましょ」

アン「なんかお宝の匂いがするし、 あたしも付き合うかねえ」
アレディ「いいのですか? アン船長殿」
アン「乗りかかった船さね」
ネージュ「それだけじゃないんじゃないの?」
アン「まあ、買い物でもしていってもらえると うれしいけどねえ」
アン「この船長室で取引をやってるから、 よかったら商品を見ていっておくれよ」
 波国 南東部の港
ボニー「それから、一度行った港であれば、 自由に行き来することができます」
ボニー「『行き先』を選んで指示してもらえれば、 すぐにそこまで運びましょう」
ハーケン「至れり尽くせりで、 かえって高くつきそうだぜ」
神夜「じゃあ、お買い物したら出発ですね。 目指すは南です!」

〔新フォルミッドヘイムへの道〕

[バリアに触る]

電磁バリアによって、 新フォルミッドヘイムへ行くことは できない。

〔エスメラルダ城塞の門〕

ドロシーの居城、 『エスメラルダ城塞』への門は、 かたく閉ざされている。

〔ネバーランド・前部付近〕

ハーケン「ここがネバーランド……その前半分だ」
ネージュ「あら、ドきれいな形で残ってるのね。 もっとボロボロだと思ってたのに」
アレディ「横の扉から入れそうですね」
ハーケン「ああ、急ごう」

〔ネバーランド・前部 内部〕

(内部に入るとWR・レッドが3体待ち受けている)
???(WR・レッド)「………………」

神夜「ハーケンさん、 この“からくり”の人たちって……!」
 アシェン
ハーケン「ああ、 アシェンのエマージェンシーコールの 意味が、なんとなくわかったぜ」
ハーケン「機能停止したはずのWシリーズが、 再起動しているとはな」
アレディ「覇気は感じない……。 この者たちは、命を持たぬ機兵ですか?」
ハーケン「ビンゴ。こいつらは20年以上前に、 エンドレス・フロンティアの外の世界から やってきた連中さ」
ハーケン(……ま、俺やアシェンもだけどな)

WR・レッド「………………」
キュオン「このままずっと、 にらみ合ってるわけにはいかないよね?」
カッツェ「遠慮なくやっつけちゃって いいんじゃない?」
ネージュ「そういうことね。 邪魔ですし、どいていただきましょうか♪」
アン「あ~、なんかもう面倒くさいし、 いいんじゃないかい?」
ハーケン「OK、やる気メンバーズ。 手早くいこうぜ」

【WR・レッド×3との戦闘】

(WR・レッドがショートしてから次々に爆発)
ハーケン「ふう……。メンテナンスもなしで、 よく動くもんだ」
カッツェ「問題は、誰が動かしたか……よねェ」
 ヘイムレン
アン「あたしを誘惑してくれた、 アレディのライバルのボウヤとか?」
ネージュ「まんざらでもない顔はやめなさい。 ……アレディ、可能性は?」
アレディ「低いと思います。 我々修羅は、機械技術には明るく ないのです」
キュオン「あれ? ラセツキもロボットじゃない?」
アレディ「羅刹機は、古代の技術によって 作られたもの……」
アレディ「我々は、先人たちが残したそれを、 使役しているに過ぎません」
 WR・レッド
神夜「じゃあ、「だぶりゅうしりいず」を 動かしたのは誰なんでしょう?」
アン「アインストの遺産に、アグラッドヘイム、 シュラ同士のトラブル。 これ以上の面倒はごめんだよ?」
ハーケン「まあそう言うなよ、キャプテン。 中にファミリーがいるんじゃ、 助けに行かないわけにもな」
 鞠音
ネージュ「今みたいな連中がうろついてるんじゃ、 マリオン博士とか、危ないんじゃなくて?」
ハーケン「博士はこのネバーランドに、 すでにパーソナルトルーパーを2機……」
 ファントム
ハーケン「さらに、俺のサポートとして使ってた ファントムも連れてきてるからな。 ……ま、大丈夫じゃないか?」
キュオン「あのオバちゃん、 またそんな反則技使ってるの!?」
カッツェ「なかなか抜け目がないわねェ。 実際、ここでは問題が起きてるんだし」
神夜「急いで助けに行きましょう。 鞠音さんも、アシェンさんも、 きっと待ってますよ」

[level4の扉の前]

ドアロックがかかっている。 どこかのコンソールで、ロックを 解除しなければならないようだ。

[コンソールの前]

(コンソールの前に鞠音がいる)
ハーケン「よう、ドクター。無事かい?」
鞠音「お待ちしておりました、艦長。 アシェンによると、通信は途中で 切れてしまったということでしたが?」
 ネバーランド・前部
ハーケン「なんとか、この艦の名前だけは 聞き取れたんでね」
鞠音「しかし……神夜姫様と一緒なのは 予測しておりましたが…… なんですの? この面々は」
 波国
ハーケン「結構サプライズのあるメンバーだぜ?  新大陸、ハコクのシュラ……」
アレディ「アレディ・ナアシュです。 以後、お見知りおきを」
ハーケン「それに、まさかのご帰還を 果たした彼女とかな」
ネージュ「マリオン博士、私をド忘れかしら?」
鞠音「…………」
鞠音「まったく、艦長の悪趣味に つきあっている場合ではありません」
ハーケン「……は?」
鞠音「神夜姫様とご一緒なのにも関わらず…… こんなの、一体どこの店から 連れてきたんですの?」
ネージュ「ちょっとお待ちなさい!  私のことくらい、見たことあるでしょ!」
鞠音「は? こんな恥ずかしい格好をした 娘に知り合いなど……」
鞠音「…………」
鞠音「これはこれはネージュ姫様。 まさかご無事だったとは……。 喜ばしい限りでございますわ」
キュオン「やっぱこのオバちゃん、ひどいね」
神夜「鞠音さん、どうしてネージュさんを 知っているんですか?」
鞠音「ブロウニング・ファミリーに加わる前は、 エルフェテイルで『妖精機』の研究・開発 などをしておりましたから」
ハーケン「ヨーセーキ?」
ネージュ「魔力で動く、3メートルほどの 機械鎧(きかいよろい)よ」
ハーケン「へえ、エルフェテイル版の パーソナルトルーパーみたいなもんか」
 ファントム
ハーケン「ん? パーソナルトルーパーといえば、 近くに置いてないのか? ドクター。 3機も連れて行ったのに」
鞠音「アシェンの援護に回らせているのですわ」
ハーケン「……援護?」
 オルケストルアーミー制服姿のアシェン
カッツェ「あのコはオルケストル・アーミーに スカウトされて、フォルミッドヘイムに いるはずよねェ?」
アン「あたしも向こうでは何度か会ったよ。 それが、どうしてこんな所にいるのさ?」
 不安定なクロスゲート
鞠音「上からの指示で、残ったクロスゲートを 調べに来たようですわ」
 ドゥルセウス封墓
ハーケン「こっちに残ったゲート…… そうか、『ドゥルセウス封墓』か」
鞠音「黒ミルトカイル石に阻まれて、 そこまでは行けなかったようですが」
カッツェ「それで、こっちに来たってワケね。 アラ? そのアシェンちゃんは、 今はどこにいるの?」
鞠音「トラブルが起こったので、 この先に進んでおりますわ」
ハーケン「そいつは、この艦のWシリーズが 動き出したことだろ? ドクター」
 WR・レッド
アレディ「人の姿をした機兵となら、ここまで 何度か手合わせをしてきています」
鞠音「その通りですわ。 ……文字通り、“停止していたもの”が すべて動き出したのです」
ハーケン「なんだよ、意味深な言い方だな」
鞠音「覚えていらっしゃいます?  この艦にアシェンと同じ…… 『Wナンバー』がいたことを」
 カルディア
ハーケン「W06(ゼロシックス)…… カルディア・バシリッサ」
ハーケン「以前の戦いで、あのピンクギャルと 決着をつけたのが……ここだ」
神夜「あのあと、カルディアさんは どうしたんでしょう?」
鞠音「大破し、機能停止した彼女を…… 私がメンテナンスしておりました」
ハーケン「おい、まさか…… 停止していたものが動いたってのは……!」
鞠音「そうです、彼女は再起動し…… この場を立ち去りました」
ネージュ「簡単にまとめると、 以前倒した敵が急に起き上がって、 先に行ってしまった……ということ?」
鞠音「ぶっちゃけて言うとそうです」
アン「助けに行ってやった方がいいんじゃ ないのかい?」
キュオン「パーソナルトルーパーが3機もいるなら、 そうそう負けないと思うけどね」
アレディ「楽観はよくありません。 お話を聞く限り……どうして敵が、 再び息を吹き返したのか不明のままです」
鞠音「よくわかっておりますわね。 この艦で何が起こっているのか、 究明するのが先決です」
ハーケン「OK、マッドサイエンティスト。 アシェンの様子を見てくるぜ。 場所を教えてくれ」
鞠音「わかりました。 今、ドアロックを開けますわ」
(鞠音が後ろのコンソールを操作してLevel4の扉のロックを解除する)
鞠音「ロックを解除しましたわ。 艦長、お気をつけて」
ハーケン「サンクス、ドクター。 あとは俺たちに任せて、避難してくれ」
鞠音「わかりました。 先に出ますわ、艦長」
 ドロシー
鞠音「黒いミルトカイル石について、 ドロシー・ミストラルと相談しなければ ならないこともありますし」
カッツェ「ああ、そのドロシーちゃんだけど、 今は留守にしてるみたいよ?  連絡も取れないしねェ」
神夜「私たちも、黒石を壊す方法がないか お聞きしようと思ってたんですけど……」
ネージュ「ドロシーったら、 まったく何をしているのやら」
鞠音「……それは困りましたわね」
 サイレント・ウォークス号
アン「ドロシー嬢ちゃんの城塞の近くに あたしの船があるよ。 そこで待ってみちゃどうだい?」
鞠音「なるほど……それは名案ですわね。 お言葉に甘えさせていただきますわ」
鞠音「では、艦長。お先に失礼」
ハーケン「OK、気をつけてな、Dr.マリオン」
(鞠音が歩き去る)
ハーケン「よし、ドクターが開けてくれた ドアの先へ進もうぜ」
アレディ「はい、行きましょう」
 オルケストルアーミー制服姿のアシェン
キュオン「しょうがない、 見習いクンを助けてあげちゃおっかな」

[Level4の扉の奥の部屋]

(アシェンとカルディアがいる)
カルディア「私はカルディア・バシリッサ。 コードナンバー、W06」
カルディア「貴様は何者だ? なぜ私を知っている」
アシェン「……アシェン・ブレイデル。 コードナンバー、W07」
アシェン「私がわからないのか?  そんな状態で、なぜ再起動した?  ……W06」


Chapter 03
ゼロ・ナンバーズ

(アシェンが振り返る)
ハーケン「アシェン、無事か!」
アシェン「艦長、お早いお着きで ござりましたりしましたね」
神夜「アシェンさん!  お久しぶりなこと極まりないです♪」
アシェン「暴乳姫も一緒ですか」
アシェン「他にも無乳、猫男、魚乳、小僧…… そしてツンデレ気取りですか。 あれこれ居やがりますね」
ハーケン「フッ。まあ、色々あってな」
アレディ「この世界の機兵には驚きです。 ……ここまで人間と同じように 振る舞えるとは」
ネージュ「初対面の相手にかける言葉は 明らかに人間離れしてますけどね。 ……誰がツンデレ気取りか」
キュオン「この毒舌ロボット、やっぱりムカつく!」
ハーケン「OK、軽く挨拶も済んだな」
 ファントム
ハーケン「……ん?  アシェン、ファントムたちはどうした?  一緒にいるんじゃないのか?」
アシェン「艦長、そのことですが……」
カルディア「そこまでにしてもらおう、侵入者ども」
カルディア「データ検索……該当なし。 貴様らは何者だ?」
ハーケン「おいおい、以前あんたを機能停止に 追い込んだのは俺たちだぜ?  お忘れかい?」
カルディア「……データにはない。 指令により、関係者以外は抹殺する」
ハーケン「なんだって……?  こいつ、メモリーが飛んでいるのか?」
アシェン「おそらくは。 先ほどから、私に対してもそんな感じ なんですたい」
カッツェ「あとは“指令により”……っていうのも 気になるわねェ」
アン「どういうことだい? 大将」
カッツェ「つまり、誰か指令を与えた者が いるってコトでしょ?」
アレディ「なるほど。 ……さすがですね、カッツェ殿」
カッツェ「もっとホメていいのよ? アレディ」
アレディ「い、いえ…… そんなに間合いに入らないでください」
神夜「仲がいいですね、お二人さんは」
ネージュ「何をしてるんだか……」

アシェン「……なんだか、 異常に脱線しますね、艦長」
ハーケン「マトモな突っ込み役がいないからな」
ハーケン「だが、戦力的には十分だ。 あのブレードガールをおとなしく させるとしようぜ?」
ハーケン「このままじゃ、状況をゆっくり聞くことも できないからな」
アシェン「了解でやんすのことです」

アシェン・ブレイデルが仲間になった!

【カルディア・バシリッサ、WR・レッド重装型との戦闘】 (支援:WR・レッド重装型)

カルディア「損傷率、想定値オーバー……。 指令に従い、所定位置にて待機」
アシェン「カルディア、どこへ行く!」
(カルディアが消える)
ハーケン「逃がしたか……。 だが、また“指令”とか言ってたな」
キュオン「う~ん、 裏に親玉がいるってことだよね?」
ハーケン「ああ、気にはなるな」
 ファントム
ハーケン「そうだ、アシェン。 さっき言いかけた、パーソナルトルーパー の話だが……」
アシェン「…………」
アシェン「3機とも、制御プログラムを無視し…… 姿を消しました」
ハーケン「なに……? おい、ちょっと待てよ」
アシェン「このブロックに入ってすぐのことです。 突然、こちらのコマンドを受け付け なくなり……」
アシェン「この先に開いていたエレベーターシャフト から、階下に行っちゃられましたのです」
アシェン「直後に、カルディアが そのエレベーターで上がってきました」
アン「あたしらがここに踏み込む、 ほんのちょい前ってことみたいだねえ」
アレディ「すぐに追えば間に合うのでは?」
 アルクオン
ネージュ「まったく……アルクオンといい、 パーソナルトルーパーってロボといい、 失踪がド流行ってるのかしらね」
神夜「今回は、その原因がすぐ下の階に あるっぽいですね」
ハーケン「そうだな。 アシェン、下のブロックには何がある?」
 ティンク・アベル
アシェン「この艦の中枢コンピュータ…… 『ティンク・アベル』が設置されている、 レベル5ブロックがあり申す」
カッツェ「中枢コンピュータ…… あからさまに何かありそうな響きねェ」
ハーケン「OK、エブリバディ。 このまま帰るわけにもいかないんだ。 下に降りるとしようぜ」
(エレベーターを指す)
アシェン「エレベーターはすぐ正面の、 グリーンのランプが点灯している 床でありまする」

[エレベーター]

エレベーターを動かしますか?
→はい
 いいえ

[Level5扉の前]

ドアロックがかかっている。 どこかのコンソールで、ロックを 解除しなければならないようだ。

[奥の部屋の赤いパネル前]

スイッチを押しますか?
→はい
 いいえ
(パネルが青くなり、Level5の扉が開く)

[青くなったパネルに触る]

スイッチはすでに押されている。

[Level5扉の奥の部屋]

(中央の装置がスパークしながら煙を吐いている)
神夜「か、火事が起こってますけど!」
ネージュ「これがピンク・バベルとかいうやつなの?  ちょっと、壊されてない!?」
 ファントム
アレディ「たしか『ティンク・アベル』です。 これは……逃げた機兵たちの仕業ですか?」
カッツェ「誰がやったかはわからないけど…… そんなに時間は経ってないようよ」
ハーケン「動き出したWシリーズ、 いなくなったトルーパーたち、 そして壊された中枢コンピュータか」
アン「面倒くさくなってきたねえ……。 黒幕はどこのどいつなんだい?」
キュオン「わかんないことはまだあるよん。 ……こっちに来てるはずの パーソナルトルーパーはどこ?」
アシェン「ここに来るまでのルートはひとつだけ。 いるとしたら、ここしかないはずナリ」
ハーケン「ちっ、消火システムは作動してないか。 何がどうなって……」

アレディ「……む!? 誰だッ!」
ハーケン「アレディ、どうした?」
(ティンク・アベルの後ろからピートが出てくる)
???(ピート)「…………」
アシェン「……こいつは……!」
キュオン「誰この人? ……っていうか、 ちょっとカッコよくない?」
アレディ「キュオン殿、姿に惑わされてはいけない。 ……この者、おそらく機兵です」
キュオン「え!? イケメンロボ!?」
アシェン「鋭いですね、赤シュラ。 この男……間違いなく……」
ハーケン「なんとなく想像はつくがな」
???(ピート)「そこまでにしてもらおうか。 この『ネバーランド』…… 関係者以外は立ち入り禁止だ」
ピート「自分はコードナンバー、W03。 ……ピート・ペイン」
ネージュ「ゼロスリー……?  アシェン、あなたが確か……」
 カルディア
アシェン「私はW07。 そして、さっきの桃色娘が06ナリ」
アシェン「そして艦……」
ハーケン「……アシェン。そこまででいい」
ハーケン(ゼロ・ナンバーズ……。 俺とアシェン以外にも、動き出したか)
ピート「…………」
神夜「このからくりの人が、 今回の下手人なんでしょうか?」
アン「間違いないだろうねえ。 ほらアンタ、素直にゲロっちまいなよ?」
ピート「部外者に語る必要はない」
カッツェ「アラ? 自分の名前とかはさっさと しゃべったのにねェ?」
ピート「“認識させる”必要があったからだ」
ピート「W07……アシェン・ブレイデル。 貴様に、自分のコードナンバーを、だ」
アシェン「なに……?」
ピート「W03より、W07に命じる。 ……自分の指揮下に入れ」
アシェン「…………」
(コードDTDを発動)
アシェン「ちょっとキミ!  急に何を言いだしてるわけ!?」
ネージュ「え? 何なの? このやりとり」
アレディ「アシェン殿、昂(たかぶ)るお気持ちは わかりますが、落ち着いてください」
ピート「…………」
(アシェンが通常モードに戻る)
アシェン「大丈夫でごんす。 ここはシリアスに行かせてもらう」
ピート「もう一度命じる。 ……W07、自分の指揮下に入れ」
(コードDTDを発動)
アシェン「や~だよ~んだ~!」

ハーケン「さっきからなんだよ、アシェン」
アシェン「う~ん、なんだかボクにもさっぱり!  さっきから勝手に発動するんだよね~」

ピート「…………」
ピート「なるほど、コードDTD…… ゼロ・ナンバーズ唯一の実装モデルか」
ピート「……やはり『コードPTP』の 使用解除をせねばなるまい」
ピート「……W06」
(ピートの左にカルディアが出現)
カルディア「……はっ、ここに」
(アシェンが通常モードに戻る)
アシェン「カルディア……?  その損傷で、まだこのあたりを ウロチョロしてやがりましたのか」
アレディ「去り際に、所定の場所で待機する…… そう言っていました」
アン「どこかに隠れてたってかい?  あのキズでよくやるねえ」

ピート「戦闘に入れるのか?」
カルディア「損傷率58%です。 戦闘能力は、通常時の40%に 低下しています」
ピート「……自分は戦闘行動が 可能かどうかを訊いたのだ、W06」
カルディア「問題ありません」

アシェン「カルディアは、先ほどの戦闘で 駆動系にダメージを負っている」
アシェン「無理をさせても意味はないぜよ、W03」
ピート「かばい立てするか、W06を」
アレディ「私はかまいません。 より確実な勝利を得られるのですから」
ピート「W07よりも、そこの人間の方が 闘争に対して純粋であるようだな」
ピート「ならば、こちらも手を打たねばなるまい」
カッツェ「まだお仲間でもいるってワケ?」
ピート「その通りだ」
ピート「コール・ゲシュペンストMk-III……!」
ハーケン「なにっ……!?」
(中央にナハトが出現する)
???(ナハト)「………………」
神夜「あれは、いなくなったはずの…… 鋼鉄の孤狼!?」
ネージュ「ナハトじゃない!  パーソナルトルーパーっていうのは…… ナハトのことだったの!?」
アン「姫さん、どうしたんだい?  そんなに驚いちゃってさ」
カッツェ「……船長は知らないのネ。 まあ、それもしょうがないわよねェ」
カッツェ「ナハト、もしてもう1機……アーベント」

〈フォルミッドヘイムとアーベント、ナハト〉

カッツェ「『10年戦争』の時…… アタシたちが戦力として使ったんだ。 妖精族には……悪いことをしたがな」

〔ティンク・アベルの前〕

ネージュ(これも……何かのド縁なのかしらね)
ハーケン「OK、泥棒ベレー。 他の2機も、あんたが持ってったのかい?」
ピート「この中枢コンピュータ、 『ティンク・アベル』から流出した データによって作られたレプリカだ」
ピート「窃盗(せっとう)者扱い される覚えはない」
キュオン「今はキュオンたちの物なんだから、 リッパなドロボーだよ、このモコモコ頭!」
アレディ「奪われた物は取り返すだけです。 ……残りの機兵はどこにいるのです?」
ピート「Mk-III以外はもうここにはいない。 取り戻そうとしても無駄なことだ」
ハーケン「おっと……そいつはわからないぜ?」
ピート「……む?」
(ハーケンが少し下がる)
ハーケン「コール・ゲシュペンストッ!」
ピート「…………!」
ハーケン「…………」
ピート「…………」
ハーケン「…………」

ネージュ「……で?」
神夜「こ、この空気……どうしましょう……?」

(ファントムが出現する)
ファントム「…………」
ピート「……なに……ッ!?」
ハーケン「Mr.ファントム、待ってたぜ。 ……やってみるもんだな」

ピート「…………」
ピート(あり得ん……。 制御プログラムは書き換えたはず。 自分の命令を最優先するように、と)

ファントム「…………」
神夜「黒き亡霊は、こちらの味方みたいですね。 感謝感激、極まりないです♪」
ネージュ「こっちのロボは、見慣れませんことね」
カッツェ「『10年戦争』後に作られたものよ。 終戦後に行方不明になった、ナハトと アーベントを追跡するためにネ」
キュオン「味方に戻ってきたのは、 そのせいかもしれないよん♪」
ピート(……違うな。 書き換えた命令よりも優先するコードが 存在するということだ)
ピート「……ファントムはこの場で破棄する」
アン「ありゃ、捨てていくってのかい?  もったいないから、いただいとくよ」
アシェン「破棄するの意味は…… そういうことではないな? W03」
ピート「その通りだ。 ……破壊しろ、ゲシュペンストMk-III」
ナハト「…………」
ハーケン「OK、ブルーゴースト。 ブラックゴーストは守らせてもらうぜ」
アレディ「これも来るべきアルクオンとの 闘いの修練になりましょう。 ……勝負!」

パーソナルトルーパー・ファントムが 支援に加わった!

【ナハトとの戦闘】

ピート「制御プログラムを書き換えただけでは、 この程度か」
ピート「Mk-III、所定のポイントで待機しろ」
ナハト「…………」
(ナハトが転移する)
カッツェ「アラ、手を打つのが早いわねェ。 かなりヤリ手じゃない? アナタ」
ピート「戦闘データは取れた。 ……調整前に奪還されたくはない」
ハーケン「やれやれ、ファントムのように 調子よくはいかないか」
キュオン「じゃあ、そこの2人くらいは やっつけちゃおうよ!」
ピート「そうはいかない」

ピート「……W06。 即時撤退し、次のポイントへ先行しろ」
カルディア「了解」
(カルディアが消える)
アレディ「今を退き時と見たか」
アン「お宝は手に入ったみたいだからねえ。 あとは一目散……略奪の基本さね」
ピート「…………」
ピート「W06、及び流出データによって 制作されたパーソナルトルーパーの レプリカ……2機の回収は完了した」
 ティンク・アベル
ピート「……『ティンク・アベル』の データサルベージ及び抹消も完了」
ネージュ「抹消って、ぶっ壊したってことよね?」
ピート「残るはゲシュペンストの再回収…… そしてW07……貴様だ」
(コードDTDが発動している)
アシェン「ヘイヘイ、ボクを口説こうなんて 2~3日早いって!」
神夜「い、意外とすぐじゃないですか……」
ピート「…………」
ピート「そうだ。48時間もあれば十分だ」
(アシェンが通常モードに戻る)
アシェン「なに? どういうことだ?」
ピート「……撤退する」
ハーケン「おい、待てよ!」
(ピートが消える)
アン「逃げるルートも確保してたみたいだねえ。 どこまでも海賊向きだよ」
ハーケン「感心してる場合かよ、デカフィッシュ。 完全にやられたな」
ハーケン「中枢コンピュータはクラッシュさせられ、 ナハトも持ってかれちまった」
ネージュ「もっと強くド突けばよかったかしら?  ショックで、こっちの味方に戻ったかも」
神夜「なるほど、 カラクリを直す時の基本ですね」
キュオン「カルディアって人も、いい角度で ぶっ飛ばしたら、キュオンたちのこと 思い出したかもね」
アシェン「我々ゼロ・ナンバーズや パーソナルトルーパーを、古いテレビ とかと同列に扱わんといてください」
アレディ「しかし、 ファントムという機兵が残っただけでも、 幸運だったと思うべきでしょう」
カッツェ「あと、アシェンちゃんが 連れ去られなかったこともネ」
ハーケン「ここに来た問題が何も片付かないうちに、 新しいエネミーの出現か」
ネージュ「これからどうしますの? ハーケン」
 サイレント・ウォークス号
ハーケン「一度、サイレント・ウォークス号に 戻ろうぜ。予定の立て直しだ」

ハーケン(W03……ピート・ペインか。 ネバーランドに関するものを回収するのが 仕事らしいが……)
ハーケン(W00(ゼロゼロ)については どうなんだ……?)

[Level5の扉を潜ろうとする]

アシェン「そうでした、艦長。 ご報告しなければならないことが、 ありまくりでございまする」
ハーケン「OK、報告ロボ。 寄り道せずに海賊船に戻るとするか」
 鞠音
ハーケン「Dr.マリオンも行ってるはずだしな」
(アレディ達が扉をくぐる)


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