カードキーLV3を使いました。
ゲートは閉じている。
ゲートスイッチを押しますか?
はい
いいえ
既にゲートは開いています。
(カプセルの奥へ行こうとする)
中央の調整カプセルが気にかかる。
壊れた調整カプセルがある。
カプセルの下にプレートが付いている。
所々かすれていて読みにくいが、
何とか読み取れそうだ……。
<W00 ハーケン・ブロウニング>
(ハーケンがカプセルに寄ってから、振り向く)
ハーケン「…………」
ハーケン「こいつは……どういうことだ?
アシェン」
アシェン「…………」
アシェン「一部データのサルベージに成功しました」
アシェン「この調整カプセルに入っていたのは、
W00(ダブリュー・ゼロゼロ)……。
Wシリーズの試験タイプです」
ハーケン「…………」
神夜「だぶりゅーしりーず……!
アシェンさん……!?」
アシェン「W00はアンドロイドではなく……
生身の人間のようです」
アシェン「人工授精により、優れた人間を造り出す
プロジェクト」
アシェン「肉体的、精神的にだけでなく、
“刷り込み”により、高い操縦技術を
身に付けさせることができちゃう、と」
零児「……人工的に優れた人間を創る、
ということか」
ハーケン「…………」
ハーケン「操縦技術っていうのはなんだ?」
アシェン「専用パーソナルトルーパーの、です」
アシェン「このプロジェクトは、
造り出した人間専用の機動兵器も同時に
開発するものだったようです」
KOS-MOS「カルディアが言っていました。
ファントムは……W00の専用機の
レプリカであると」
アシェン「はい。これもデータが残っています。
コードネーム、ファントム」
アシェン「……正式名称を
ゲシュペンスト・ハーケン」
ハーケン「…………!」
ゲシュペンスト「…………」
ハーケン「そうか、カルディアの命令を
無視したことや、ナハトやアーベントに
ハッキングをかけたこと……」
ハーケン「俺の言うことを
聞いてくれてたってわけだ」
ハーケン「イイ奴だな、ミスター」
ゲシュペンスト「…………」
ハーケン「じゃあ、俺みたいな境遇のナイスガイが、
他にもいるってことか?」
アシェン「いえ、艦長はただ一人のようなので
ありましたりするようです」
小牟「どういうことじゃ?
ハーケンのようなバイオ戦士は、
他にはおらんっちゅうことかの?」
アシェン「はい。試作の一体のみで、
プロジェクトは凍結されているようです」
KOS-MOS「何か、欠陥でも?」
アシェン「理由は…“素体”は限りなく人間であり、
成人するまで兵器として運用できない
ため、とあります」
錫華「ふむ、なるほど。
……すぐに戦えない、ということか。
たしかに気長な話であるぞよ?」
神夜「普通に子育てですよね、それって……」
アシェン「凍結後、完全な戦闘用アンドロイドを
造るプロジェクトに移行したようです」
ハーケン「それがおまえやカルディアか?」
アシェン「はい。
W01(ゼロワン)から10(ワンゼロ)
までの戦闘用アンドロイドの開発です」
アシェン「プロジェクトの責任者の名前は、
レモン・ブロウニング」
ハーケン「ブロウニング……」
ハーケン「…………」
ハーケン「そうか……
俺は“造られた人間”だったってのか」
零児「ハーケン……」
KOS-MOS「ハーケン、“存在するまでの過程”には、
あまり意味がありません。つまり……」
ハーケン「ん? どうしたんだ、みんな?」
ハーケン「ここにあるのは、寝心地の悪そうな
俺の“ゆりかご”だけだ」
ハーケン「……アークゲインがW00でないなら、
手がかりは途切れちまったことになるな」
神夜「あの……ハーケンさん?
凄まじい切り替えなんですけど」
錫華「ハーケン、そちは気にならぬのかえ?
自分がどういう“人間”なのか……
それがわかったのであるぞ?」
ハーケン「……くびれプリンセス。
あんたは自分がシキオニってことを
どう思っているんだ?」
錫華「……む?
どうもなにも、わらわは由緒正しき
式鬼一族の姫であるぞよ?」
ハーケン「ダ・フォックスはどうだい?」
小牟「ダ・フォックスっちゅうな!」
小牟「どうもこうもないじゃろ。
わしはプリチー仙狐。それだけじゃ」
アシェン「自分で言うのは若干寒いですが」
ハーケン「アシェンは?
自分がアンドロイドであることを
どう思っている?」
アシェン「特に何も。
私は自分以外の何かになれるわけでは
ありません」
アシェン「アシェン・ブレイデルに過ぎない」
(コードDTDが発動)
アシェン「ま、そういうことなんだよね~」
神夜「アシェンさんは、
やや複雑な感じがしますけど」
神夜「私はちょっとびっくりしました」
神夜「でも……ハーケンさんもまた、
ハーケンさんなんですものね」
ハーケン「OK、よくわかってるじゃないか。
プリンセスがグラマラスなのと同じさ。
急にしぼみはしないさ」
ハーケン「俺はロストエレンシアの賞金稼ぎ、
ハーケン・ブロウニング」
ハーケン「ジョーン・モーゼスのあとを継いだ、
ツァイト・クロコディールの二代目艦長」
ハーケン「この20何年かの“俺のヒストリー”が
ウソじゃないなら……それでいいのさ」
小牟「なんじゃ、サバサバしとるのう。
仲間のはげましで立ち直る……とかいう
ドラマはないんかい」
零児「……自分の生き様に対する誇り、か」
ハーケン「フッ……
そんなカッコいいもんじゃないさ」
ハーケン「まあ、これが“植えつけられた記憶”…
とかなら、ちょっとはヘコむかも
しれないけどな」
(アシェンが通常モードに戻る)
アシェン「それは大丈夫です。
映像記録なども残っています」
アシェン「私もオシメを何度も取り替え、
その度に成長記録も撮ってあります」
アシェン「ご覧になられちゃいまっか?」
神夜「え……?
う~ん、み、見ちゃいます……?」
ハーケン「そういう記録は残しておくな、アシェン。
即刻削除しろ。あと、今見ようとするな」
アシェン「“私のヒストリー”なので、
削除は拒否します。ゼロゼロお兄様」
ハーケン「OK、マイシスターセブン。
……ドクターに頼んで、その記録は
消してもらうからな」
ハーケン「結局、ここでは俺の衝撃的な
出生の秘密がわかっただけか」
零児「まわりが衝撃を受けただけになったがな」
ハーケン「そいつは失礼。
軽くへたりこむくらいした方が
よかったかな?」
ハーケン「……そんな姿を見せたら、
カグヤとかは心配しちまうだろ?」
零児「…………」
零児「……男の見栄っていうのも大変だな」
ハーケン「まったくだ」
(KOS-MOSの目が青い)
KOS-MOS「…………」
(KOS-MOSの目が元に戻る)
KOS-MOS「………!」
KOS-MOS「ハーケン、前方に転移反応……!」
ハーケン「なに……!?」
(アークゲインとアインストハーケンが転移してくる)
アークゲイン「…………」
零児「こいつは……アークゲイン!?
なぜこんな所に!?」
ハーケン「まさか、本当に現れるとはな。
……W00は、残念ながらあんたじゃ
なかったが」
ハーケン「……というか、
それどころじゃないな、こいつは」
???(アインストハーケン)「…………」
???(アインストハーケン)「…………」
ハーケン「OK、ハンサムガイズ。
どういった用件だい?」
神夜「ハーケンさんが……2人!?
え? あ、3人!?」
小牟「古来より2人より3人がいいとはいうが、
どうなっとるんじゃ!?」
ハーケン「アシェン、
試験体とやらは、俺一人だと言ったな?」
アシェン「はい、そのはずです」
錫華「どう見ても、このカッコつけ加減……
ハーケン以外の何者でもないぞよ?」
零児「判断基準があいまいな気もするが…」
零児「完全に同一の存在としか思えない、
全く異なった存在……どこかで聞いたな」
KOS-MOS「はい、フォルミッドヘイムで得た
情報と一致します」
ハーケン「アインスト、か……!」
ハーケン「まさか、自分のイミテーションを
持ち出されるとは思わなかったぜ」
アインストハーケン「……修正……する。
世界を……静寂に……戻すために……」
アインストハーケン「…………再び……舞い戻る……ために」
神夜「舞い戻る……? 何のことでしょう」
ハーケン「わかっていることは一つだけさ」
ハーケン「……俺たちを始末したいらしい」
アークゲイン「…………」
ハーケン「何のために、俺のイミテーションを
連れてきたのか知らないが……」
ハーケン「タイミングが悪いな。
……俺だって、自分の正体を知って、
それなりにショックは受けてるんだぜ?」
アークゲイン「…………」
ハーケン「ショウ・ダウンだ、Mr.アーク。
……フォルミッドヘイムのキングが
連れて歩いた最後の機動兵器……」
ハーケン「ここで決着を付ける……ッ!」
(ハーケン・ブロウニングが前衛に固定)
【アークゲイン、アインストハーケン×2との戦闘】
(アークゲインが爆発する)
ハーケン「うっ! 爆発した……?」
神夜「ハーケンさんのニセモノの人も……
やっつけたら、粉みたいに崩れて
しまいましたね」
アシェン「……艦長、今までメギ・キャッスルや
ヴィルキュアキントで戦った、
“アインスト”と同じ成分のようです」
零児「それにしても、
気味が悪いくらい似ていたな」
ハーケン「ああ、あいつらが平然として、
俺と同じようにしゃべったら……
普通に騙されるだろうな」
小牟「それにしてもわからんのう。
どうして、ハーケンのニセモノなんてのを
繰り出してきたんじゃ?」
錫華「そうであるな。
こんなのを増やしたところで、
ただウザったいだけであるぞな」
ハーケン「……もう少し言葉を選んでほしいね」
KOS-MOS「何かを調査するために来た
可能性があります」
KOS-MOS「アークゲインの爆散は、おそらく
自爆と考えられます」
KOS-MOS「“自身の情報を残さないため”に」
神夜「何を調べに来たんでしょう?」
アシェン「この場所でわかることは、
艦長がエンドレス・フロンティアに
来た時にここにいたことと……」
アシェン「……転移座標データの一部です」
KOS-MOS「座標データ……?」
零児「もしや、T-elosが
フォルミッドヘイム側のネバーランドで
言っていたものか?」
アシェン「はい。このレベル3の設備は、
メインコンピュータ『ティンク・アベル』
とリンクしていたようです」
アシェン「試験体が転移時にどのような影響を
受けるか検査するため、座標データの
一部が端末に残っていました」
ハーケン「アインストは、そのデータを使って
何かをしようとしてるのか?」
ハーケン「……オルケストルが、ゲートを不安定に
させるなんていうアクロバットを
やろうとした理由もわかるな」
ハーケン「アインストが急に動き出した。
こんなことをやってくる連中が相手じゃ、
焦りもするか」
ハーケン「また襲われても面倒だ。
一度ツァイトに戻ろう。そして……」
神夜「ハーケンさん、
すぐに武酉城に行きましょう」
神夜「交鬼門について、
できることがあるかもしれません」
錫華「…………神夜よ」
神夜「わかってるって、錫華ちゃん。
お父様に相談してみるだけだから」
錫華「…………」
小牟「なんじゃ?
ナイショ話とはどういうつもりじゃ?」
零児「そういえば、何か方法がある……
というようなことを言っていたな」
神夜「まあまあ、行きましょう!」
ハーケン「…………」
ハーケン(……俺の生まれ故郷、か)
ハーケン(興味もショックもそんなにないが……
気持ち的にはクールにはなり切れんか)
ハーケン「…………」
壊れた調整カプセルがある。
プレートに、
『W00 ハーケン・ブロウニング』
と書かれている。
ハーケン「戻ったぜ、副長」
リィ「お帰りなさい、艦長。
……色々やらかしてるようですな」
ハーケン「ああ、楽しませてもらってるぜ」
ハーケン「……まあ、そのおかげで、
知りたくもないものを知っちまったりは
したがな」
リィ「……? 艦長?」
ハーケン「いや、なんでもない。
……ツァイトの調子は?」
鞠音「一通りの修理は完了しておりますわ。
……また、門をぶち破れなどと
言われない限り、問題はございません」
ハーケン「あんな無茶は、俺もコリゴリさ。
安心してくれよ、ドクター」
ハーケン「……そうだ、ちょっと分析しておいて
ほしいものがあるんだが、いいかい?」
鞠音「なんですの?」
ハーケン「……破片さ。
アークゲインっていう、戦闘ロボに
ケンカを吹っかけられてね」
ハーケン「軽くなでてやったら、
ドカンといっちまったんだが……
正体が気になってな」
鞠音「どうせなら、完全な形で
持ってきていただきたかったですわね。
……わかりましたわ」
リィ「ああ、艦長。客人が来てます」
ハーケン「ゲストが? 誰だ?」
リィ「まあ……ハッキリ言うと“初代”です」
ハーケン「おいおい、そいつは……」
ジョーン「調子はどうだ? ハーケン」
ハーケン「よう、初代キャプテン」
ハーケン「珍しいな、オヤジ。
オフィスを離れて現場に来るなんて」
ジョーン「俺のツァイトで
無茶をやってると聞いてな。
近くへ来たついでに寄っただけだ」
ハーケン「……そんな理由で、わざわざここへ?
通信だとまずい話でもあるんじゃないか?」
ジョーン「…………」
ジョーン「オーライ、隠しても仕方がない」
ジョーン「……カグラアマハラから、
大至急プリンセスの身柄を保護し……
本国へ帰してくれという連絡が入った」
ジョーン「ナンブ・サヌキ本人からだ」
神夜「え!? お父様が……?」
錫華「目付け役のわらわがおるというのに、
戻れとは……何かあったのやもしれぬ」
ジョーン「おそらくはな」
アシェン「ダディ、ナンブキングは、
理由は教えてくれちゃわなかったり
したんでしょうか?」
ジョーン「訊いてはみたが、どうもはっきりせん。
……こちらに言えない事情だろうな」
神夜「神楽天原に、そのようなやましいことは
ないとは思うんですけど……」
KOS-MOS「ならば、
急遽そのように対応せねばならない
問題が発生した可能性があります」
ジョーン「オーライ、マイサン。
……カグラアマハラまで行ってこい」
ジョーン「場合によっては……
プリンセスを助けるナイト役もアリだ」
ハーケン「OK、ダディ・ジョーン。
……カグラアマハラには、この後
向かうつもりだったのさ」
ハーケン「タイミングがいいのか、
はたまた悪いのかはわからないが、
とにかく行ってみるさ」
小牟「なんともイキなオヤジじゃな」
零児「国をまたいでいることを考えると、
若干ノリが軽すぎる気はするがな」
ハーケン「よし、カグラアマハラの、
タケトリ・キャッスルへ向かうぜ?」
ハーケン「ああ、そうだ。……オヤジ」
ジョーン「……ん? どうした?」
ハーケン「…………」
ハーケン「……いや、なんでもない」
ハーケン「じゃあ、行ってくるぜ」