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フォルミッドヘイム

〔真北にあるもの『ネバーランド艦首部分』〕

ハーケン「こいつは……なんだ?  ……いや、どこかで……?」
KOS-MOS「この残骸が、ロストエレンシアの “墜落した戦艦”と同じ反応を 示していたものです」
アシェン「……マイティエーラ」
錫華「これがであるか?  形が全然違っているぞよ?」
零児「これは、戦艦の艦首部分か?」
小牟「これは埋まっとるんじゃなく、 真ん中からバッキリ折れとるようじゃな」
神夜「じゃあ、 前半分がここにあって、後ろ半分が……」
ハーケン「ああ、俺たちの世界…… ロストエレンシアにあるってことだ」
ハーケン「……フォルミッドヘイムの連中が、 ナハトやアーベントを使っていた理由は、 間違いなくこいつだな」
零児「そして沙夜が言っていた “異世界から来たもの”の正体か」
アシェン「艦長、側面の非常用ハッチから、 中に入れちゃったりできそうでごわす」
神夜「お、お邪魔していいんでしょうかね?」
KOS-MOS「……おそらく、 先に入り込んでいる者がいるはずです。 私たちも行くべきでしょう」

《艦首部分内部》

神夜「あらあら?  どこかで見たことがあるような……」
アシェン「この通路の作りや材質…… 間違いなく、マイティエーラと 同じものです」
カルディア「その通りだ。……W07」
アシェン「カルディア……!?  なぜおまえがここにいる…!」
カルディア「以前言ったはずだ。 ……我々の機密を利用している者たちを 処断すると」
カルディア「ようやく、その場所がわかった」
錫華「ふむ、仕事熱心なからくりであるな。 どうやってここに参ったのであるか?」
カルディア「……そんなことを聞いてどうする?」
ハーケン「ここまで来るのに、 俺たちは散々苦労させられた」
ハーケン「だが、俺たち以外のお客さんが ちょっと多すぎる気がしてな」
ハーケン「面白くないのさ」
カルディア「…………」
カルディア「今、地上…… いや、このエンドレス・フロンティア という世界をつなぐクロスゲート……」
カルディア「そのすべてが突如として 不安定な状態になったのだ」
神夜「すべての……交鬼門が……!?  どうしてなんですか!?」
カルディア「原因は不明だ。 私が調査していた『ミラビリス』という 施設のゲートも作動した」
零児「ミラビリス城……!?  俺たちがこちらに転移した、 あの時計型のゲートが作動したのか!?」
アシェン「そうか…カルディア。 おまえはそこからここに……」
小牟「じゃ、じゃあ帰れるんとちゃうか!?  そうすればまたネットもできる!」
カルディア「そうはいかん。 ……全員処断せねばならない」
カルディア「……トライロバイト級万能戦闘母艦、 『ネバーランド』の存在を知った 部外者たち、全員だ」
ハーケン「ネバーランド……楽園、ね。 それが真っ二つになって、こんな場所で 朽ちているとは、皮肉だな」
神夜「虎色倍賭に、涅槃乱土……。 カルディアさん、前にお話しした時より、 詳しくなってますね?」
カルディア「……この艦のメインコンピュータ、 『ティンク・アベル』とのデータリンクに 成功したからだ」
アシェン「この艦の……!?  メインが生きているのか?」
カルディア「正確には“生きていた”だ。 損傷がひどく、大部分のデータは 失われていた」
カルディア「そして、データのサルベージ半ばで、 完全に機能停止した」
アシェン「……カルディア、教えてくれ。 失われた私のメモリーを」
カルディア「…………」
アシェン「頼む、W06」
カルディア「…………」
カルディア「23年前……『ネバーランド』は、 この世界、エンドレス・フロンティアに 転移してきた」
カルディア「原因は不明だが、艦は空中分解を起こし… 空中で二つに裂けた」
錫華「それが前と後ろで泣き別れになり、 フォルミッドヘイムと、ロストエレンシア に堕ちた……というわけであるな?」
カルディア「そうだ。 メインコンピュータ『ティンク・アベル』 がある、この“前部”と……」
カルディア「Wシリーズの調整エリア、格納庫などが ある“後部”に分断されて、だ」
ハーケン「それが、アシェンがロストエレンシアで 発見された真相ってやつか。 ……あんたもその奥にいたんだったな」
ハーケン「あんたら以外に…… 赤ん坊も乗っていなかったか?」
カルディア「赤子だと?  そんなものは記録にはない」
ハーケン「…………」
神夜「ハーケンさん……」
ハーケン「俺の出生の秘密ってやつが わかるんじゃないかと、ちょっと 期待したんだがな」
ハーケン「まったく…… アシェン、俺をどこから拾ってきたんだ?」
アシェン「……私のメモリーには、 残っておりませんのことなのです」
ハーケン(……俺がアシェンと一緒にいたのは たまたま、か? それとも……)
T-elos「フッ……人形のくせに、 ずいぶんとおしゃべりじゃないの」
KOS-MOS「……T-elos……!」
零児「沙夜が言っていた“友人”とは、 やはりおまえのことだったのか」
小牟「よりによってとんでもない奴を……。 友人選びは考えんかい」
T-elos「友人? くだらない。 人との交わりなど、役に立つか 立たないかだけさ」
T-elos「あのバケモノ女、元の世界に帰る方法を 知ってるみたいでねえ」
T-elos「それが確定するまでは、お互いに 使えるってわけさ」
T-elos「……方法がわかったら殺すけど」
小牟「とんでもない悪女2人… いや、1機と1匹が手を結びおったのう」
錫華「……カルディアとやら、 この“闇からくり”めも処断した方が よいのではないかえ?」
錫華「よいよい、始めるがよかろう。 見ていて進ぜるぞよ? 応援してもよい」
アシェン「策士ですね、悪腹姫」
カルディア「その必要はない。 ……このアンドロイドには、 まだ利用価値がある」
T-elos「…………」
KOS-MOS「T-elos、 あなたが黙っているのは、あなたもまた、 カルディアに対して……」
T-elos「利用価値があるってことさ。 ……こいつも、元の世界に戻りたいって 言ってることだしねえ」
カルディア「情報交換は、まだ終わっていない。 このアンドロイドを処断するのは、 貴様らを処断したあとでいい」
神夜「さ、殺伐としていること 極まりないです……」
アシェン「その後はどうする?  元の世界とやらにはどうやって戻る?」
カルディア「戻る前に、まだやることはある。 ……機密を守るためには、この世界の 存在を許容するわけにはいかん」
零児「大きく出たな。 ……一人でフォルミッドヘイムを 滅亡させるとでも言うのか?」
カルディア「必要ならば、だ。 ……記録では、過去に戦争があった」
カルディア「それをまた誘発してやればいい」
ハーケン「おまえ……!  そんな手前勝手な都合のために、 戦争を引き起こそうというのか!?」
小牟「とんだバトルマニアじゃ!  そんなことを許すわけないじゃろ!」
カルディア「戦乱の混沌こそが、世界の均衡を保つ 唯一の手段だ。問題はない」
アシェン(戦乱の……混沌……)
T-elos「いいじゃないか。 それで滅びるんなら、この世界が持つ “意志”はその程度だったってことさ」
T-elos「KOS-MOS。 始めようじゃないか」
T-elos「貴様から“あれ”を引きずり出し、 私は元の世界に帰還する……!」
T-elos「いや、回帰する……の方が ふさわしいのかもしれないわね。 ……我々にとっては」
(KOS-MOSの目が青い)
KOS-MOS「…………」

(アシェン・ブレイデルが前衛に固定)
【T-elos、カルディア・バシリッサ、WRラヴレス、WRイーサッキとの戦闘】

《艦首部分内部》

T-elos「……くっ……! KOS-MOS……!  一度ならず二度までも……!」
T-elos「だが、必要な情報は手に入った。 ……ここの転移座標とシステムソースは 役に立つ……!」
ハーケン(転移座標……?)
KOS-MOS「T-elos。 ……どこへ行こうというのですか?」
T-elos「すべてのものは、始まりへと回帰する。 ……それが答えだ、KOS-MOS」
T-elos「待っているぞ。始まりの場所で……!」
(T-elosが立ち去る)
KOS-MOS「…………」
錫華「逃がしはせぬ!  こういう輩は、あとあと面倒なことに……」
アシェン「……ペタ出し姫、こっちが先です」
カルディア「…………」
カルディア「損傷……率……92%。 ここまでの……ようだ。……W07」
アシェン「終わりだ、カルディア。 ……その損傷ではな」
アシェン「……機能停止する前に、教えてくれ。 私に与えられている指令は……なんだ?」
アシェン「『ティンク・アベル』とデータリンク したならば、わかるはずだ」
カルディア「…………W07…………」
カルディア「……貴様は………… W00を……守るために…………」
カルディア「そのために……“あの方”から……」
カルディア「………………」
(カルディアが機能停止)
アシェン「…………」
KOS-MOS「敵性体、機能停止を確認しました」
零児「W00……もしかしたら……」
ハーケン「海底のヴィルキュアキントで見た、 ヒゲ面ロボットの可能性が高いな」
ハーケン「武装やアーマーの一部が、 カルディアやアシェンに似ていた」
小牟「結局、何もわからんまま、 止まってしまいおったのう」
錫華「持ち帰れれば、鞠音あたりに 見てもらうこともできるのであろうが……」
神夜「さすがに、 おんぶして連れて行くわけにも いきませんからね……」
KOS-MOS「カルディアは機能停止しましたが、 T-elosは撤退したままです。 まだやるべきことは残っています」
ハーケン「OK、正論アンドロイド。 『ティンク・アベル』とやらの情報も、 T-elosが押さえていたな」
ハーケン「ともかく表に出よう。行くぜ」
(アシェン以外は外へ)
アシェン「…………」
アシェン「……さらばだ、私の姉妹。 私は、この世界で生きる」
アシェン「む……? これは……?」

《フォルミッドヘイム》

(赤の電磁ロックが切れる)
ハーケン「床の電磁ロックが外れた?  どうやらエネルギーの供給は、 この艦から行われていたらしいな」
小牟「あまりうれしくないのう。 どうせなら、クロスゲートが安定して くれたりする方が、わし好みじゃ」
アシェン「……艦長」
ハーケン「どうした? 遅いぞ、アシェン。 ん……?」
アシェン「これをカルディアの近くで 発見しちゃいましたのでする」
神夜「これは……カギ……ですか?」
錫華「ずいぶんと年季の入った…… 古風なカギであるな」
ハーケン「……こいつは、もしかして…… センタータワーの?」
零児「ここで情報を得たカルディアの 次の行動を考えれば、可能性は高いな。 こいつは重畳だ」
ハーケン「ああ、チョージョー&OKだぜ。 ……いよいよフォルミッドヘイムでの アドベンチャーも大詰め、だな」
[貴重品“古風なカギ”を手に入れた]


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