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ロストエレンシア

《ツァイト・クロコディール》

リィ「本気なんですかい? 艦長!」
ハーケン「副長、 俺がジョークを言う男に見えるかい?」
リィ「ハッキリ言って、 艦長の言動は7割方テキトーですからな」
ハーケン「ちっ……傷つくぜ」
ハーケン「Dr.マリオン、 ツァイトのエンジンの調子はどうだい?」
鞠音「少し咳き込む感じですが、 問題はありませんわよ?」
ハーケン「わかった。 ……じゃあ副長、出発の用意を頼むぜ?」
リィ「…………」
リィ「アイアイサー。 どうなっても知りませんぜ…?」
リィ「準備ができたら、 『砂漠の大門へ』と指示してください」

[砂漠の大門へ]

(ツァイトがクロスゲートへ向かい、クロスゲートが開く)
神夜「これはラクチンですね♪ 快適極まりないです!」
小牟「ちと揺れるがのう、この戦艦。 ……え~と、バゾルダーじゃったか?」
アシェン「ツァイト・クロコディールです」
零児「しかし、急に戦艦で移動とは、 ハーケンは何をするつもりなんだ?」
錫華「よいよい、人生楽あれば、苦はいらぬ」
KOS-MOS「これがフォルミッドヘイムに 行く方法だと言っていましたが」
神夜「あ、交鬼門に入るみたいですよ?」

《ツァイト・クロコディール》

リィ「エルフェテイル南部…… 無事到着しました、艦長」
ハーケン「ああ、気まぐれなクロスゲートも、 今回はもってくれたな」
リィ「エルフェテイル南部…… フッ、懐かしいですなあ」
リィ「艦長がこの艦に来る少し前ですから… かれこれ25年も前になりますか」
ハーケン「たしか、副長はオヤジと会う前から、 バウンティーハンターだったんだよな?」
リィ「……まあ、名ばかりですがね。 あの頃は、ただの山賊と同じでしたよ」
リィ「すぐそこのアブリエータ城… 今は王サマになっちまったルボールと 組んで、バカをやってました」
ハーケン「ルボール・ククルス。 戦争で名を上げて、一国一城のキングか。 サクセスストーリーだな」
リィ「あいつは戦いが好きでしたからな。 野心もあった。当然の結果でしょう」
ハーケン「一度会ってみたいもんだがな」
ハーケン「ドロシーの城に入る前に寄ってみたが… 残念ながら謁見はかなわなかった」
ハーケン「……そうだ、副長」
リィ「何か?」
ハーケン「デューネポリス出身で、 バイセクシャルなしゃべりをする キャットガイ……知らないか?」
リィ「猫の獣人ですかい?  ……記憶にないですな。そいつが何か?」
ハーケン「そのルボールに会いに来てたのさ。 ドロシーがミルトカイル石を壊せる弾丸を 作ってることや…」
ハーケン「この件にオルケストルが絡んでることを レクチャーしてくれた。 ……そして、それは正しかった」
ハーケン「……そいつの存在が、“今回のこと”を やろうとしたきっかけのひとつでもある」
リィ「デューネポリス……ですか」
ハーケン「ああ。…前大戦で砂漠化した土地。 フォルミッドヘイムの前線基地として 使われた『ドゥルセウス封墓』…」
鞠音「……そして“ナハト”に“アーベント”。 その同型機らしき“ゲシュペンスト”」
ハーケン「ドクター……」
鞠音「いいんじゃありませんこと?  私もリィも……艦長がする無茶には、 もう慣れておりますわ」
鞠音「先代のダディ・ジョーンの頃から」
ハーケン「アシェンも、俺がベイビーの時からの オヤジの部下だ」
ハーケン「一番ガキだった俺を… なんで二代目に選ぶかね、オヤジは」
リィ「あの方がそう決めたのなら、 意味があるのでしょう」
リィ「ちなみに今回の件、ダディには 一応報告しておきました」
ハーケン「……何と言ってた?」
リィ「「好きにしろ」…とのことです」
ハーケン「まったく、たいした放任主義だ。 ……行ってくれ、副長」
リィ「アイアイサー」
(大門の前まで移動)

〔大門前〕

神夜「あら? ここは……」
アシェン「デューネポリスへつながる大門ですね」
零児「休憩室でくつろいでいてくれと 言われたが……」
零児「ハーケンの奴、 まさか突っ込むんじゃないだろうな?」
アシェン「…ここからしか、デューネポリスへは 行けません」
アシェン「ですが、人の力では開けることが できません」
錫華「そうなると、諦める以外の選択肢は、 それ以上の力で押し開く……であるか?」
小牟「何を冷静に言っておるんじゃ!  そんな単純な話が……」
KOS-MOS「エンジンの駆動音を確認。 出力、上昇中です」
(ツァイト・クロコディールが大門を突き破り、砂漠前で停止。 ツァイト・クロコディールは煙を吐き、少しスパークしている)

《ツァイト・クロコディール》

錫華「こらっ! チャラスキー!  どういうことか説明せいっ!」
小牟「無残に飛び散るとこじゃったぞ!」
ハーケン「いや、先に伝えたら反対されるかと 思ったんでな」
神夜「こ、子供……」
零児「これが、フォルミッドヘイムという 世界に行く方法なのか?」
ハーケン「最終的にはな。 目指すは砂漠の果てにあるセメタリー… 『ドゥルセウス封墓』さ」
神夜「それって、フォルミッドヘイムへの 交鬼門があるっていう……」
アシェン「シュラーフェン・セレストから、 KOS-MOSに似た黒いアンドロイドが 転移したと思われる場所です」
KOS-MOS「………!」
KOS-MOS「アシェン、そのアンドロイドは… 紅いレンズが入ったフェイスガードに、 薄緑の長髪ではありませんでしたか?」
アシェン「その通りなのだ。 KOS-MOS…やはり関係が?」
KOS-MOS「…………」
KOS-MOS「……T-elos(テロス)」
KOS-MOS「私を一度破壊したアンドロイドです。 性能的には…私を上回ります」
KOS-MOS「……人に最も近く、 それでいて……最もかけ離れた存在」
神夜(やっぱり…… すごく危険な相手だったんだ…)
小牟「…つまりは、 ぬしの上位機種っちゅうことかの?」
KOS-MOS「そうです」
KOS-MOS「……ハーケン」
ハーケン「ん?」
KOS-MOS「『ドゥルセウス封墓』へ行きましょう。 ……それが本当にT-elosならば、 彼女は強い力を持った存在です」
KOS-MOS「この世界にふわさしい者ではありません」
零児「KOS-MOS、おまえ達だけじゃない。 俺たちもまた、異邦人に過ぎない」
ハーケン「俺は別に気にしないがね」
ハーケン「さて…… ドクター、マイホームの具合はどうだい?」
鞠音「通常走行は問題ありませんが、 砂漠を渡るのは無理ですわよ?」
ハーケン「さすがに一足飛びにはいけないか」
神夜「降りて調べてみましょうよ♪」
小牟「楽しそうじゃのう。 どこまで前向きなんじゃ…」
神夜「いろいろな世界を回るのは楽しいですよ。 それが、世界平和につながるなら なおさらです!」
ハーケン「OK、前向きプリンセス。 迂回ルートとかないか、見てみようか」

〔砂漠の西の艦の傍〕

ハーケン「それにしても暑いな……」
(コードDTDが発動している)
アシェン「ハーきゅん、 ここでその格好は、マジ死ぬよ?」
KOS-MOS「放熱のためのモード、役立っていますね」
アシェン「でもこれ、熱暴走させてるから、 実は全然意味ないんだよね!」
零児「じゃあ逆に壊れるだろ」
神夜「暑いです……。 のどが渇きました……」
神夜「もう世界平和はいいです……」
ハーケン「……諦めるの早いな」
小牟「犬歯のところを軽く舐めるんじゃ。 そうすると、唾液が分泌されるぞ?」
神夜「…………」
神夜「ほんとだ……!」
神夜「小牟ちゃん、すごいです!」
小牟「ふふん、わしの蔵書からの引用じゃ。 何事も勉強して、知識を身につけねば ならんぞ?」
錫華「その場しのぎにもほどがあるぞな」
ハーケン「しかし、 水辺なのに、これほどホットってのは おかしくないか?」
アン「そいつは過去の大戦のせいさね」
アン「大量に使われた魔法兵器のせいで、 気候というか、大気成分がおかしなことに なっちまってるのさ」
神夜「あら!? アン……船長さん!?」
アン「元気そうだねえ」
小牟「元気なわけないじゃろ!  みんな折れかかっとるっちゅうの!」
KOS-MOS「どうしてここに?」
ボニー「ここは我々の拠点だ。 南に、我々の世界『ヴァルナカナイ』への クロスゲートがある」
神夜「じゃあこのエルフェテイル西部には、 二つの世界に通じる交鬼門が?」
アン「そういうこと。 ……まあ、立ち話もなんだし、入りなよ」
アン「あたしの船…… “サイレント・ウォークス号”にさ」

《サイレント・ウォークス号》

[船室]

アン「はぁ? ドゥルセウス封墓に!?  本気かい?」
ハーケン「本気も本気さ、グラマーフィッシュ。 砂漠を越える方法がないかと思ってな」
ボニー「『ジャイアント・マーカス』くらいしか ないでしょうな」
神夜「それって街の名前ですよね?」
アン「何を言ってるんだい。 ジャイアント・マーカスは戦車の名前さ」
零児「戦車? おい、話が違うぞ、ハーケン」
ハーケン「そりゃおかしいぜ?  アシェン、データでは“街”なんだよな?」
アシェン「はい、戦後造られた街とのことです。 すぐに『大門』で閉ざされたため、 詳細はわかりゃしませんのですが」
ボニー「……なるほど、そういうことか」
アン「話は簡単。 “巨大な猫型戦車の上に街がある”のさ」
錫華「街が上に乗るほどの大きさ…?  さすがにそれはあり得ぬであろうに」
アン「なんでも、 前大戦の遺物を再利用しているって話さ」
零児「それを使えば、 砂漠の踏破も可能になるということか。 そいつは重畳だな」
小牟「じゃが、そんなんどうやって 捕まえるんじゃ?」
KOS-MOS「かなりの大きさであると 考えられますが」
ハーケン「……方法はあるさ」
ボニー「マーカス号を探すなら、 ここから真北にある地上絵あたりに 行くといい」
ボニー「あのあたりが、砂漠を見渡すには 一番いいポイントだ」
アン「案内してやりたいんだけどねぇ……」
神夜「大丈夫です。 北に向かえばいいんですよね?」
神夜「それに、船長さんたち…… この暑さじゃ、間違いなくカサカサ 極まりない状態になっちゃいますから」

〔地上絵と船の中間あたり〕

(大きな猫型のものが砂漠を移動していった)
小牟「なんか、空前の大きさじゃったぞ……」
零児「ああ、すごいのが見えたな」
神夜「今のが…… ジャイアント・マーカス号ですよね?」
ハーケン「キャットボディでタンクで、背中に街…… そんなものがゴロゴロしてるはずが ないからな」
KOS-MOS「先ほど、あれに乗り込む方法はある… と言っていましたが?」
錫華「あの図体で、結構な速さであった。 どうするのであるか?」
ハーケン「どうするも何も、イージーな方法さ。 ……追いかけて、乗り込むのさ」
アシェン「…………」
アシェン「今度こそ副長にかじられますよ、艦長」
神夜「あ! まさか…!?」
ハーケン「察しがいいな、プリンセス。 タンクにはタンク……ってことさ」
ハーケン「ツァイトに戻るぜ、みんな」

《ツァイト・クロコディール》

リィ「本気なんですかい? 艦長!」
ハーケン「副長、 俺がジョークを言う男に見えるかい?」
リィ「ハッキリ言って、 艦長の言動は8割方テキトーですからな」
ハーケン「この前よりも信用が下がってるな…」
小牟「そりゃそうじゃろ。 あの超巨大戦車に、急にビッグバトルを 挑めと言われたらのう」
アシェン「併走しつつ、側面から乗り込む…… 相変わらず、無茶なことを考えまくるの ことですね」
KOS-MOS「本艦の耐久力、走行速度などに問題は ないのですか?」
鞠音「馬鹿にしていただいては困ります」
鞠音「このツァイト・クロコディール、 年式的には古いですが、まだまだ 現役ですわ」
神夜「え……行っちゃうんですか?」
鞠音「行っちゃっても問題ないということです。 ……砂によって、エンジンの寿命が 縮むのは確実ですが」
零児「いろいろと問題がありそうだな」
零児「ハーケン、焦りすぎじゃないのか?  もっと確実な方法を探した方が…」
ハーケン「どうも、な。嫌な予感がするのさ。 早いうちに手を打った方がいい」
ハーケン「それに、そう考えてなきゃ、 門をパワープレイでぶち破るなんて ことはしないさ」
錫華「ま、そうであろうな」
リィ「……わかりました、艦長。 あの超ド級巨大猫型戦車に挑みましょう」
リィ「行くとしたら、 しばらくは戻れないと思います」
リィ「アブリエータ城あたりで準備を整えては?」
リィ「ツァイトはこの場で待機しますぜ。 行くと決めたら『巨大猫型戦車を追う』と 指示をしてください」
ハーケン「すまないな、副長」

[巨大猫型戦車を追う]

(ツァイト・クロコディールが動き出す)
神夜「い、いよいよですね……!  なんか興奮してきました♪」
錫華「ふむ、今回の全国行脚は、 神夜の色々なものを開花させて おるようであるな」
零児「……それによって、神楽天原が どの方向に進むのかは疑問だがな」
アシェン「ヨソの世界の心配をしている場合では ないと思いますが。……来ます」
KOS-MOS「ターゲット、捕捉しました」
小牟「小牟より緊急連絡!  目標のネコタンクは、砂漠を一直線に 北上中じゃ! どうぞ!」
ハーケン「OK! 一気に詰めて、乗り込むぞ!  副長、ガッツだ!」
リィ「アイアイサーッ!  ツァイト・クロコディール… フルドライブ!」
(ツァイト・クロコディールが体当たりして、猫型戦車を止める)

(コードDTDが発動している)
アシェン「ドヤッホゥ! 止めた止めた!」
KOS-MOS「……興奮しすぎです、アシェン」
錫華「ほ~っほっほっほ!  よいよい! 血がたぎってきたぞよ!」
神夜「こっちも興奮してます…」
小牟「わしも最初は調子に乗っとったが… 意外とヒヤヒヤもんじゃったのう」
零児「笑えない状況になってたからな。 よく押し潰されなかったもんだ…」
リィ「艦長! 敵艦の側面部に亀裂を確認!  行けます!」
ハーケン「OK、ナイスファイトだったぜ、副長。 よし、乗り込むぞ……!」
鞠音「ツァイトはもう限界ですわよ、艦長」
ハーケン「ツァイトは後方で待機だ。連絡はする。 2時間して何の連絡もなければ……」
ハーケン「ロストエレンシアに帰還し、 オヤジに報告してくれ」
リィ「……わかりました。 お気をつけて」


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