(ナハトが扉の前にいる)
???(ナハト)「…………」
錫華「こ、こやつは何であるか!?
戦術からくり……!?」
神夜「すごくごっつい感じです……!
このからくりって、まさか……」
アシェン「該当データと一致しました。
パーソナルトルーパー……“ナハト”」
ナハト「…………」
小牟「なかなかイカス青カブトムシじゃな」
ハーケン「アーベントが出て来た時、
いつかこいつと会う時もあるだろうとは
思っていたが……こんなに早いとはな。」
ハーケン「OK、Mr.ナハト。
こんなへんぴな場所に、何か用でも
いるのかい?」
錫華「へんぴとは何事か!
おもむきがあると言うがよい!」
錫華(しかし、エスピナ城と同じく、
あちこちから生え出ておる楔石……
そしてこのからくり……)
錫華(いったい、
この城で何が起こっているというのか…)
ナハト「…………」
ゲシュペンスト「…………」
KOS-MOS(共鳴している……?
魂のない機械である、あなた達が…?)
零児「ここで、にらみ合っているわけには
いかないんじゃないのか?」
アシェン「アーベントと同じであれば、
戦いは避けられないでしょうですのです」
ハーケン「また破片のひとつも…
いや、あわよくば丸ごと引きずって、
お持ち帰りさせてもらおうか」
KOS-MOS「迎撃戦闘モードへ移行します」
神夜「立ち塞がるなら斬り散らすのみです!
撃ち貫かせはしませんから!」
錫華「その通りである。そこを退くがよい」
錫華「……“鋼鉄の孤狼”よ!」
ナハト「…………」
【ナハト、WR・アイアン×2との戦闘】
ナハト「…………」
(ナハトがワープする)
ハーケン「まったく、ハデに暴れてくれたぜ…。
『10年戦争』で恐れられたパワーは、
ダテじゃないってわけか」
神夜「“黒き亡霊”に荒らされることは
もうないって安心してたら……
今度は“鋼鉄の孤狼”ですか」
小牟「なんじゃ、この世界…大江戸ハ○ハも
いろいろと大変そうじゃのう」
錫華「“神楽天原”である」
零児「今のナハトとかいうロボットだが、
鞠音博士の話によると、ゲシュペンスト
とは関係ないんだったな?」
KOS-MOS「関係ないというのは適切ではありません。
“運用している組織が異なっている”と
いうことだと思われますが」
アシェン「…そう。ゲシュペンストを連れていた
カルディアは、アーベントのことを
知らなかった」
ハーケン「そしてナハトとアーベントは、
かつての戦争で、フォルミッドヘイムの
戦闘兵器として使われていた、か」
神夜「じゃあ、この“鋼鉄の孤狼”は、
前に戦った、オルケストル・アーミーの
キュオンちゃんや、ヘンネさんたちが?」
KOS-MOS「ですが、ナハトに護衛として随伴していた
アンドロイドは、アシェンやカルディアと
同タイプのものでした」
小牟「うむむ……
話がややこしくなってきおったの」
小牟「零児、整理してくれい。
……え~と、わしらが渋谷で
逢魔の連中を追ってたあたりから」
零児「そこまでさかのぼる必要ないだろ」
零児「…オルケストル某も、そのアンドロイドを
使っている……という可能性は?」
アシェン「なくはないこともあり得なくは
なくもない…といったところでしょうか」
神夜「あ、あの~、結局どうなんですか?」
ハーケン「わからない…ってことさ、天然ピーチ。
すべて仮定の話だからな」
ハーケン「やれやれ……ヘタすると、
フォルミッドヘイムまで行くことに
なりかねないぜ」
錫華「今は守天めが心配であるぞよ。
ここは先を急ぐのだ、皆の衆」
零児「わかった……うっ!?」
小牟「零児? まさか……
まさかということもあり得なくは
なくもないのではあるまいな?」
零児「ちゃんとしゃべれ。
……大丈夫だ。行くぞ」
零児(ミルトカイル石に覆われた土地、
そして石を壊す装備を狙っていたあいつ…
あり得るな)
錫華「守天!」
ハーケン「おっと、想い人のご登場だぜ?
ずいぶんかかっちまったけどな」
守天「…………」
錫華「守天、無事であったか。
わらわ的に心配しておったのだぞ?」
小牟「なんじゃ、ぬしはこっち系か?
人の趣味をとやかく言えるか、
この筋肉フェチめが」
錫華「せからしかっ! 駄狐!」
神夜「そうですよ。素敵な殿方じゃないですか。
ね? 守天さん?」
守天「…………」
ハーケン「感動の再会に水を差すつもりはないが…
マッチョダンディ、様子がおかしいぜ?」
守天「……問題……あり……」
錫華「守天……? どうしたのであるか?
わらわがわからぬのか!
錫華姫であるぞよ!?」
守天「間違った……世界……
混ざり合った……世界……修正を……」
神夜「う、うわごとみたいに……
不可解極まりないです……」
KOS-MOS「……第三者により、
精神操作を受けている可能性があります」
零児「なに?
マインドコントロールのようなものか?」
(奥から沙夜が歩いてくる)
沙夜「よくわからないけど…
どうやら、そういうことみたいよ?」
アシェン「サギ狐のご登場ですか」
沙夜「キツネなのに、サギとはこれいかに?
なんてね」
錫華「異界の妖狐よ、なぜここにおる!」
錫華「まさか……! そちが守天を…ッ!?」
沙夜「ノンノン。
私は“紅い石の結晶”を探しに
来ただけよ?」
零児「紅い石……ドロシーが言っていたやつか」
沙夜「あらやだ、その話、あなた達も聞いたの?
……ってことは?」
小牟「ふっふ~ん、残念じゃったのう。
青石を砕ける『アルギュメンデス』は、
わしらがいただいたのじゃ」
KOS-MOS「『アルギュロス』です」
沙夜「あん、それは好都合♪
サクっといただいちゃおうかしら、ね」
錫華「そうはいかぬ。
そして、話をはぐらかすでない!」
守天「錫華よぉ……」
錫華「守天? 正気に戻ったのかえ!?」
守天「……俺たち式鬼の一族は……
今こそ……再び昔の栄華を……
取り戻さなきゃ……ならねえんだ……」
守天「人間どもと……
仲良しこよしなんてのは……真っ平だ」
神夜「そ、そんな……
私達は、式鬼さん達や、妖怪の皆さんと
仲良くやりたいです!」
守天「力があれば……仲良くやってくなんて……
七面倒臭い苦労も……しなくて済む……」
錫華「……魅入られたか、守天…!」
零児「ああ、何かに憑かれているな。
……なんだ?」
沙夜「……ミルトカイル石よ」
ハーケン「なんだと…? あんなクリスタルが?」
沙夜「あの石は“生きている”みたいなのよね」
KOS-MOS「生きているというのは、有機体である…
ということですか?」
沙夜「ん~、なんていうか…
脈打ってる感じというか、ね」
ハーケン(有機体……ゲシュペンストと違う、
アーベントの構成物質…。偶然か?)
沙夜「純度の高いものに近づくと、私でも
ちょっとクラッと来たくらいだから…
こんな所で暮らしてたら、ね」
小牟「何か発せられとるっちゅうのか?
誘惑光線的なものが」
アシェン「ミルトカイル石が、
生物に何らかの影響を及ぼすことは
間違いナッスィンということですのか?」
神夜「そういうことみたいです。
……守天さんを元に戻せるのかしら…?」
零児「やってみなければわからん。
……勝負だ…!」
沙夜「そうね、始めましょうか。
こっちの大男も、イイ女たちを前にして、
もうガマンできない! …って」
守天「…………静寂を乱す……消去……する」
錫華「守天! 待っておるがよい!
そちは、わらわが必ず正気に戻して
くれようぞ!」
(錫華姫が前衛に固定)
【守天、沙夜、アインストナーゼ×2との戦闘】
守天「うっ……ぐおっ!」
錫華「守天!」
沙夜「あたた……正気に戻すって、
容赦なさすぎじゃない?」
神夜「こ、こっちも
いっぱいいっぱいなんです!」
零児「沙夜、おまえの狙いは……
この大男を操っている、あの石の力か!」
沙夜「信じるか信じないかは任せるけど、
違うわよ、ぼうや」
沙夜「私だって、元の世界に戻らないと
いけないわけだから、その方法を
見つけるのが、一番の目的よ」
沙夜「ただ……
手ぶらってわけにもいかないのよね」
零児「……この世界で、何を成そうとしている?」
沙夜「あん、それはこっちのセリフ。
……異世界のお友達と、いつまで
遊んでいるつもりなのかしら?」
零児「なに……?」
沙夜「私は元の世界に戻るため、
そして戻って“やるべきこと”のため、
ちょこっと調べ物をしているだけよ?」
小牟「やるべきことじゃと?」
沙夜「でも、あなた達は違うわよね?
ぼうやにおチビちゃんに…コッスィー」
KOS-MOS「KOS-MOSです」
沙夜「あなた達は、この世界にとっては
許されざる異邦人。
それを忘れないことね、ぼうや」
零児「…………」
ハーケン「OK、お説教フォックス。
なかなかいい話だ」
ハーケン「だが、このエンドレス・フロンティアを
甘く見てもらっちゃ困るな」
ハーケン「様々な“世界”、あらゆる“人”…
そして、刻さえも混ざり合う場所……」
ハーケン「ここは“無限の開拓地”……
エンドレス・フロンティアなんだからな」
神夜「異邦人の一人や二人、無問題です♪」
沙夜「…………」
沙夜「呆れた。
……まあ、地元の人がいいって
言ってるなら、別にいいんだけど、ね」
沙夜「じゃ、おいとまさせていただこうかしら?
肝心のお宝も、さっき奪われちゃったし」
アシェン「奪われた?
我々は、まだ何もしていないが?」
沙夜「なんか、青い箱みたいなロボットが
やって来て、持ってっちゃったのよね」
KOS-MOS「……パーソナルトルーパー、ナハト」
零児「なに…!?
もしや、さっき俺たちが戦ったのは…!」
小牟「その紅い結晶とやらを奪った帰り!?」
沙夜「あん、タイミングの悪いこと。
…じゃあ、本格的に追いかけないと」
ハーケン「追う? ナハトを?
おい、企みフォックス。あんたは何を…」
沙夜「さあね。
チャオ、カウボーイ」
(沙夜が消える)
アシェン「ナハトが…
ミルトカイル石の結晶を奪った?」
神夜「頭がこんがらがってきました…
もっと沙夜さんに質問すれば
よかったですね……」
錫華「あの女狐のことはどうでもよい!
あとでむっちりと責め立ててくれる!」
錫華「そんなことより守天であるぞよ!
守天、大丈夫であるか!?」
守天「う……ああ……錫華……?」
守天「ここは……? そして……俺様は?」
錫華「まったく心配をかけさせおって…!
楔石などに心を奪われるとは……
式鬼一族の長としての自覚が足りぬぞ!」
守天「楔石……! そうだ、錫華!
アレはどこだ!? 紅い楔石の結晶は!?」
KOS-MOS「先ほどの情報が確かならば、
パーソナルトルーパー、ナハトに
奪われた模様です」
守天「なはと……!? あの青いからくりかッ!
どこだ! あの野郎はどこに……」
神夜「す、すいません……
あの……追っ払っちゃいました…」
守天「なんだと…!? この悶乳がッ!
なんてことをしてくれやがる!」
神夜「も、もんにゅう……!」
守天「あそこまで……
あそこまでの結晶を作るのに、
どれだけかかったと思っている………!」
錫華「いい加減にするのだ、守天!
わけのわからぬ力に頼ってまで、
一族の威光を取り戻そうとは思わぬ!」
ハーケン(これが、以前ナンブキングが言った、
“シュテンは10年諦めていない”
……ってやつか)
守天「錫華よぉ……俺は……俺様はまだ…!」
(守天が消える)
錫華「守天……」
小牟「ふむ、かたくなじゃな」
小牟「……わからんでもない。
自分の一族のあるべき姿、存在意義を
かけて戦う……というのはの」
小牟「わしも、組織の中……
己の待遇改善をかけて、ストライキを
起こしたこともあった……」
神夜「え? 小牟さんにも、そんなお年頃が?」
小牟「うむ……
わしが泣くまで叩くのをやめない零児に、
死ぬほど尻を引っぱたかれて断念した」
神夜「よ、弱い……」
アシェン「比較的どうでもいい話ですね」
錫華「いや…今の駄狐の話は、
ただの笑い話ではないぞよ」
錫華「……そう、守天にビシリと
言ってやれなかった、わらわにも
責任はある…」
ハーケン「……ビシリプリンセス、
いいのか? 追わなくても」
錫華「ふん、チャラノブの分際で、
わらわに気を遣おうなどと、二世紀早い」
錫華「守天は強い鬼じゃ。
そう簡単に折れはせぬぞよ?」
錫華「……問題は、
あ奴を乱心させた“結晶”とやらである」
零児「ナハトが持ち去ったやつか。
そして、“紅い結晶”は……」
KOS-MOS「はい、ドロシー・ミストラルが
言っていた、紅いミルトカイル石を
破砕する弾丸の素材です」
神夜「ハーケンさん、“鋼鉄の孤狼”は、
やはりフォルミッドヘイムの……」
ハーケン「それがビンゴだろうな。
オルケストルが、ドロシー・キャッスルで
何かを調べていたのも説明がつく」
ハーケン「こいつは……行くしかないか」
アシェン「フォルミッドヘイムに、ですか?」
小牟「ん? その世界へのゲートは、
すべて封鎖されているのでは
なかったかの?」
ハーケン「……方法はなくもないのさ」
ハーケン「とりあえず、ツァイトへ戻ろう」
!!
(乙音がいる)
神夜「あ……」
乙音「…………」
小牟「な、なんじゃ?
このニンジャウォーリアーたちは?」
零児「敵……なのか?」
神夜「お、お師匠様……!?」
KOS-MOS「マスター、ということですか?」
アシェン「この通りでござい。
鈍牛姫の剣術の師匠とのことナリ」
乙音「やはりここでしたか。神夜姫」
乙音「神楽天原にお戻りになっていると聞き、
馳せ参じました」
ハーケン「悪いな、ニンジャガール。
プリンセスを連れまわしちまって」
乙音「その通りだ。
…だから、今すぐ姫を返してもらいたい」
錫華「む……? 乙音、そちは一体……」
神夜「ど、どういうことですか!?
私の全国行脚は、まだ終わってません!」
乙音「姫……そんな状況ではないのです」
乙音「楠舞皇は、
今の世界情勢を大変憂慮しておられます」
乙音「場合によっては……
再び“交鬼門を閉ざす”ことも
いとわない、と」
神夜「“篭国”……を!?」
神夜「…………」
神夜「お師匠様、
それは逃げているのと同じです」
神夜「今は目と耳を塞いじゃいけない時だと
思うんです……!」
乙音「…………」
乙音「おそらくそうおっしゃるだろうと
思っておりました、姫」
乙音「その場合は……」
乙音「“腕づくでも連れて来い”……
そう命(めい)を受けています……!」
神夜「……っ!」
【乙音、裏玄武・上忍×3との戦闘】
乙音「……強くなりましたね」
神夜「私だけの力じゃありません、お師匠様。
ここにいる皆さんが、協力してくれる
おかげです」
乙音「そのような者達が集うのもまた、
あなたのお力なのです、神夜姫」
ハーケン「いわゆるカリスマってやつさ、
プリンセス」
小牟「ま、肉のカリスマっちゅうやつかも
しれぬがのう♪ なんちて。フヒヒ」
アシェン「最悪です」
錫華「……零児、引っぱたいておくがよい」
零児「わかった」
小牟「わ、わかるな、零児ッ!」
乙音「ここは退きましょう、姫」
神夜「え? お師匠様……」
乙音「楠舞皇には、姫は見つけられなかった…
と報告しておきましょう」
乙音「ハーケン・ブロウニング……
今しばらく、姫はおぬしに預ける」
乙音「錫華姫、おぬしもわかっていような?」
錫華「わかっておるぞよ?
悪い虫が付かぬようにもしておる。
安心するがよい」
乙音「………承知した」
乙音(今はこれでいい。
楠舞皇が本気であれば、姫は“あれ”を
使うことになるやもしれぬ)
乙音(それだけは避けねばならぬ…。
“あの方”の二の舞だけは……)
(乙音と裏玄武の忍者が消える)
神夜「お師匠様……」
零児「なにやら、
思うところがあるようだったな」
錫華「まだ若いというのに、
しっかりした女子(おなご)である」
錫華「……少し思いつめるところはあるがな。
駄狐よ、そちも少しは見習うがよかろう」
小牟「うう……散々じゃ……。
ちょっと泣いてしまった……」
神夜(ほんとに叩かれてたんだ……)
ハーケン「OK、
じゃあ俺たちは思いつめずに行こうか」
アシェン「とりあえずは、ツァイトですね?」
KOS-MOS「先ほど、フォルミッドヘイムへ向かう…
という旨の発言をしていましたが、
方法はあるのですか?」
ハーケン「さあ、な。
…これから向かうところが、その方法
“そのもの”さ」
神夜「ハーケンさんの戦艦が……?」