小牟「ここがエスメラルダ城塞か。
……さりげなくギンギラギンじゃな」
ハーケン「さりげなくはないがな。
こいつはドロシーの趣味らしい。
……まったく、悪趣味な話さ」
錫華「ハーケンよ、ここのドロシーとは、
知り合いと申しておったな?」
ハーケン「何度か、発掘現場でハチあわせたことが
あるだけさ」
ハーケン「初めて会ったのが、
『10年戦争』が始まる前だから…
もう13~4年前か」
ハーケン「俺が9歳か10歳の頃、
オヤジと発掘現場に行った時、ばったりと
エンカウントしてな」
ハーケン「地獄のようにボムを投げつけられて、
逃げ回ったもんさ」
零児「……大人気ない相手だな」
ハーケン「だが、今度は俺が逃げ惑わせてやるさ。
ついでに、クロスゲートが不安定に
なった理由を聞き出し……」
アシェン「その上で、ミルトカイル石を砕ける
研究というもの奪い取ってくれる」
神夜「たのもしいこと極まりないです!」
錫華「むふふ、
にっちりと責め上げてくれようぞ?」
小牟「このパターン、板についてきたのう…」
(零児が傷を押さえる)
零児「………!」
ハーケン「あのキャットガイが言ったことが
正しければ、オルケストルの連中も
入り込んでるって……」
ハーケン「ん? レイジ?」
零児「…………」
アシェン「どうしちゃったりしました?」
零児「……オルケストル某はわからんが、
確実に“あいつ”はここにいるらしい」
小牟「零児、
その傷が痛むということは……沙夜か?」
錫華「沙夜?
ミラビリス城でチャラ郎をたぶらかした、
あの妖狐であるか?」
零児「だまされたのは……
ハーケンだけじゃなくて全員だろ」
神夜「無理してツっ込まなくてもいいですから!
大丈夫なんですか!?」
零児「だ、大丈夫だ。
……そのうち治る、気にしないでくれ」
零児(10年前、奴につけられた傷……
いい加減に決別したいものだが、な)
扉の向こうから鍵がかけられている。 こちらから開くことは出来そうにない。
???(ヘンネ)「あ? なんだい、アンタたちは」
ハーケン「そいつはこっちのセリフだ。
…っと、そのコスチューム……あんた、
オルケストル・アーミーの一人か?」
???(ヘンネ)「あたしの制服を見て判断したってことは…
なるほど、アンタらか」
???(ヘンネ)「ミラビリス城で、ウチのメンバーの
邪魔をしたって連中はさ。
……確かに報告書通りだね」
???(ヘンネ)「……『黒帽子の勘違いキザ人間』」
ハーケン「なに…!?
俺のどこが勘違いしてるって言うんだ?」
???(ヘンネ)「……『天然気取りの愚乳。牛人間』」
神夜「ぐ、ぐにゅう……!」
???(ヘンネ)「……『ツノうなぎダンサー』」
錫華「わ、わらわのどの部分がウナギか!」
???(ヘンネ)「……『毒舌ロボット←むかつく』」
アシェン「その報告書、主観が入りすぎていると
思うのですが」
零児「……小牟の書く報告書に似てるな」
小牟「馬鹿にするでない!
わしの方が僅差で上じゃ!」
???(ヘンネ)「そして、
報告書になかった連中が2人、か」
???(ヘンネ)「心配せずとも、
あたしが書いといてやるよ」
???(ヘンネ)「……「どちらも処断した」ってさ」
ハーケン「OK、エクセキューショナー。
なるほど、生かして帰す気はない…って
ことらしいな」
ハーケン「名前くらいは教えてくれないのかな?
フォルミッドヘイムのブラックウイング」
ヘンネ「あたしはヘンネ。
オルケストル・アーミー所属……
ヘンネ・ヴァルキュリアさ」
神夜「やっぱりオルケストルの人……!」
錫華「…そちがここにいる理由、
ドロシーとやらが研究しておるものと
関係あるのかえ?」
ヘンネ「さて、知らないねえ。
どこの誰だか知らないが、余計なことに
首を突っ込むと……死ぬよ?」
ヘンネ「……あたしの手によってさッ!」
【ヘンネ・ヴァルキュリア、ハーピュイア×2との戦闘】
ヘンネ「ちっ……こいつら……!」
小牟「悪いのう。
見た目はアレじゃが、意外と実力者が
揃っておるのじゃ」
ハーケン「見た目に関して、人のことが言えるか、
ぴっちりフォックス」
ハーケン「……さて、Missヘンネ。
オルケストルが、ミルトカイル石に
興味を持つ理由はなんだ?」
アシェン「かつて、オルケストル・アーミーは、
“パーソナルトルーパー”を指揮していた
というデータが残っています」
神夜「ふぁんとむ……
私たちの世界を荒らす“黒き亡霊”も、
あなた方に関係あるんじゃないですか?」
ヘンネ「……なぜ、関係者でもないアンタ達が、
そんなことに興味を持つ?」
錫華「みるとかいる石とやら、
わらわの城でも悪さをしておるのだ。
人ごとではないぞよ!」
ヘンネ「…………」
ヘンネ「……“事情”も知らない奴らが、
関わっていいことじゃない」
零児「なに……?」
ヘンネ「自分達の国へ帰るんだね。
……忠告はしたよ」
(ヘンネがワープして消える)
小牟「なんじゃなんじゃ?
したり顔でワープしおったぞ!?」
零児「“事情も知らない”…と言っていたな。
どういうことなんだ?」
錫華「知ったことか! …と言いたいところ
であるが、確かに気にはなるぞよ?」
ハーケン「前のリトルガール、キュオンも“調査”と
言っていた……戦争をふっかけに
来ているわけじゃないらしいな」
アシェン「では、先ほどのツリ目は、
ミルトカイル石を砕く技術を?」
神夜「それか、ここに持ち込まれたという、
交鬼門がヘンなことになった“お宝”…
とかかもしれませんね」
ハーケン「すべて推測の域を出ないことだがな。
……先に進めばわかるさ」
ハーケン「そこにあるのは、上のゲートを
開けるスイッチか何かじゃないか?
調べてみようぜ」
沙夜「あらやだ、侵入者を追っ払ってくれって
言われたと思ったら……」
ハーケン「む? あんたは……!」
ハーケン「その胸……
俺たちを騙した、フォクシーだな」
アシェン「形状で記憶するのはやめてください」
沙夜「ご名答。お世話様ね。
そしてそこにいるのは……」
(零児が傷を押さえている)
零児「…………」
沙夜「あん、とうとう会ったわね。
……ぼうや」
神夜「た、ただならぬ雰囲気……
ドキドキ極まりないです……」
小牟「そんな甘ったるいものではないわ、
馬鹿者」
小牟「ぬしらの世界のクロスゲートと同じく、
異界同士を結ぶ門……“ゆらぎ”を
悪用しようとしておる組織……」
小牟「『逢魔』を仕切る女狐じゃ」
零児「…以前の戦いで、おまえは死んだはずだ」
零児「俺が……殺した」
沙夜「…………」
錫華「おだやかではない雰囲気であるな。
そちらの世界で何があったぞよ?」
沙夜「あん、ちょっと“色々な世界”を
つなげてたら、怒られちゃった…って
感じかしら、ね」
零児「…当然だ。万物を司る森羅万象……
異なる世界の交わりは、その不文律を
崩壊させかねん」
零児「それを守るのが……
俺たち『森羅』のエージェントの仕事だ!」
ハーケン「OK、イーヴルフォックス。
レイジが異世界を渡り歩いてたってのは、
そういうことか」
ハーケン(つながった世界……
まるでエンドレス・フロンティアだな)
ハーケン(レイジたちから見れば、
ここは異常な世界ということになる、か)
小牟「沙夜!
わしらの戦いは、自分たちの世界で
決着を付けるべきなんじゃ!」
小牟「元の世界に戻る方法も探さず、
こんな暗黒要塞で油を売っとる場合じゃ
なかろうに!」
沙夜「うふふ…そこそこ高値で売ってるつもり
なんだけどね、おチビちゃん」
沙夜「私は大急ぎで戻らなくても、
特に困らないわけだし」
零児「なんだと…?
相変わらず、のらりくらりと…!」
アシェン「先ほどの口調だと、
誰かに雇われているようだったりします」
ハーケン「普通に考えればドロシーの奴にだが、
どうなんだ?」
沙夜「あん、そのとおり」
神夜「返答早っ!」
沙夜「そこにある青い石を壊す道具を貸して
ほしいってお願いしてるんだけど…
なかなか素直に貸してくれないのよね」
錫華「“楔石を壊せる道具”……!
ドロシーとやらが持っているのは、
間違いないようであるな」
沙夜「あなた達の目的も、それみたいね」
沙夜「…さて、では始めましょうか? ぼうや」
零児「ほしい情報はそろった。重畳の至りだ」
零児「だから、もうおまえに用はないッ!」
ハーケン「……レイジ、
そのセリフ、悪役みたいだぜ?」
【沙夜、セリブラムレス×2との戦闘】
沙夜「あらやだ、ぼうや達…
結構なヤリ手じゃないの」
沙夜「ヘンな勝負服着てるだけの集団だと
思って、甘く見ちゃったようね」
神夜「失礼です! これは普段着ですから!」
ハーケン「さて、コケティッシュガール。
今度は前回のように騙されないぜ?
知ってることを話してもらおうか」
沙夜「さっき話したけど?」
アシェン「……そういや、そうですね」
零児「…………」
沙夜「まあ、怖い怖い。
じゃ、義理も果たしたし、これにて、ね」
沙夜「あ、そうそう。ドロシーちゃんに
会いたいなら、そこの大きいエレベーター
を起動させなきゃダメよ?」
(沙夜が消える)
小牟「あ! 待たんか! ちょっと、零児!」
零児「……放っておけ、小牟」
ハーケン「おいおい、いいのかよ。
あれだけ殺気立ってたのによ」
零児「……奴も、いずれは元の世界に
戻らなければならない」
零児「俺たちは、その方法も糸口も
つかめていない状態だ」
アシェン「……その方法を見つけるには、
一人でも多い方がいい、と?」
ハーケン「…そうだったな、エトランゼ。
あんたらはお客さんなんだった」
小牟「なるほど…考えるようになったの、零児」
小牟「じゃ、ともかくドロシーとやらを
とっ捕まえるとするかのう♪」
???(毒牛頭)「ああ? なんだ、てめえら……」
???(毒牛頭)「ぶもォ!?」
小牟「おわっ! ぬしは!」
ハーケン「このマッチョブル…知り合いか?」
零児「……沙夜の部下だ。
おまえ達もこっちに来ていたのか。
毒牛頭(どくごず)」
毒牛頭「気安く呼ぶんじゃねえ、白髪野郎。
……下にはアネゴがいたはずだ。
どうやってここまで来やがった!」
小牟「…沙夜の奴めなら、帰っておるが?」
毒牛頭「ああ!?
…アネゴ、相変わらず自由すぎだぜ…」
毒牛頭「仕方ねえ。
オレも一仕事して、合流するぜ」
錫華「一仕事? 何であるか?」
毒牛頭「決まってんだろ、ヘソチビ!
とめえらをブチのめすんだよ!」
毒牛頭「アネゴの命令でな。
この武器庫に近寄る侵入者は好きにして
かまわんとよ!」
神夜「話し合いの余地がないなら、
受けて立ちますよ!」
毒牛頭「なんだと…! そこの女ァッ!」
神夜「な、なな…なんですか…!?」
毒牛頭「…………」
毒牛頭「け、結婚してくれねえか?」
神夜「あの……私、牛じゃないんですけど」
毒牛頭「そう言うなよ、姉ちゃんよぉ!」
【毒牛頭、ヴァラレス×2との戦闘】
毒牛頭「チッ!
まさか『森羅』の連中がここまで
来るなんてよ!」
毒牛頭「アネゴは先に行っちまうしな。あばよ!」
(毒牛頭が消える)
神夜「ハーケンさん……
あの…求婚されてしまいました……」
ハーケン「うれしいのかよ。
何に間違えられたのか考えた方がいいぜ?」
小牟「プロポーズにトキめかん女はおらんでな。
……まあ、相手を見る目も大事じゃが」
錫華「男を見る目のなさでは、
神夜は他の追随を許さぬほどである」
アシェン「それはダメすぎまする」
零児「いいから、ここ調べるぞ。
中央のエレベーターを作動させる
カギを探すんだ」
???(毒馬頭)「ぬ? 貴様らは……もしや!?」
零児「ここで会うとはな。
……毒馬頭(どくめず)」
神夜「顔、ながっ! 馬の人です!」
錫華「ふむ、神楽天原の妖物と似ておるな」
毒馬頭「『森羅』の小僧ごときが、
気安く呼ばないでもらおうか!」
毒馬頭「ここに貴様らがいるということは、
沙夜様は…?」
小牟「尻を引っぱたいてやったら、
泣いて逃げ出しおったわい!」
毒馬頭「ちっ…! ならば俺も合流するか。
ここに“運び込まれた物”ってのを
調べたかったが……」
ハーケン(運び込まれた物だと…?)
毒馬頭「さっさと片付ける! いくぞ…!」
アシェン「来い。ヒヒンと言わせてくれる」
【毒馬頭、ハートレス×2との戦闘】
毒馬頭「戦力を分散したのでは、やはり厳しいか」
毒馬頭「沙夜様たちと合流する。
また会うぞ、『森羅』のエージェント!」
(毒馬頭が消える)
零児「さすが馬だな。逃げ足が速い」
アシェン「艦長、北西の方角に、
強いエネルギー反応があります」
ハーケン「それか? “運び込まれた物”ってのは」
神夜「怪しいこと極まりないですね」
ハーケン「ああ、調べてみるか」
零児「それにしてもすごいな、ここは。
……どれだけ溜め込んでるんだ?」
ハーケン「この城は『10年戦争』の真っ只中に
あったわけだからな」
ハーケン「これくらいなけりゃ、
10年もの間、戦えやしないさ」
アシェン「そのほとんどがロストエレンシアから
盗まれた物ばかりだったりしてますが」
神夜「この白い箱も……そうなんですか?」
錫華「どう見ても棺おけであろうに。
縁起の悪いことこの上ないぞよ?」
小牟「しかし、この滑らかなフォルム、
そしてポイントを押さえたモールド…
いい仕事してますね~」
ハーケン「たしかに、なかなかのセンスだ。
……で、こいつだな? アシェン」
アシェン「はい。高エネルギー反応は、
このカンオケ状のカプセルからです」
零児「こじ開けてみるか?
何か手がかりが入っているかもしれん」
(カプセルが開く)
神夜「わわっ! ひ、開きました!
中に……誰かいますよ!?」
アシェン「ホルスタイン姫、お下がりください」
???(KOS-MOS)「…………」
ハーケン「女……?
いや、こいつはアンドロイドか?」
錫華「ほほう!
なんと美しい、見事なからくりである」
小牟「そうじゃな。この滑らかなボディライン、
そしてポイントを押さえたアーマー、
いい仕事して……」
小牟「…っと! ぬ、ぬしは……
KOS-MOS(コスモス)ちゃうか!?」
神夜「え!? こんな所に格納されている人と
知り合いなんですか!?」
零児「別に普段からこういう所にいるって
わけじゃない。
以前、一緒に戦ったことがあるのさ」
小牟「久しぶりじゃな、KOS-MOS。
お? 髪の毛切ったのかの?」
零児「もっと変わったところがあるだろ」
KOS-MOS「お変わりないようですね、
……レイジ、シャオムゥ」
零児「KOS-MOS、どうしてここに?
そして……その格好は?」
KOS-MOS「…………」
KOS-MOS「この躯体(くたい)はバージョン4。
一度破壊された私を、シオンたちが
再調整してくれたものです」
小牟「破壊…されたじゃと?
ぬしほどのメタルファイターが破壊される
とは、そちらの世界も荒れておるの」
神夜「しおんさんって、どなたですか?」
KOS-MOS「シオンは私を開発したメンバーの一人。
……大切な方です」
錫華「ふむ、創造主を敬うとは、
ますますもってできたからくりであるな」
アシェン(……創造……主……?)
KOS-MOS「ここに来た方法については不明です。
……私は最終調整前の状態で、
この調整槽の中にいました」
KOS-MOS「異常を感知し、オートメンテナンス
モードによって、先ほど通常起動を
完了したところです」
ハーケン「ちょっといいか、レイジ」
ハーケン「結局、このロボビューティーは、
あんたのいた世界……
『物質界』とやらから来たのか?」
零児「……言ってしまえばそうだ。
だが、時間軸が違う」
小牟「こやつは、わしらの世界の何千年だか
あとの時間から来ているはずじゃ」
KOS-MOS「そうなります」
ハーケン「同じ世界なのに、違う時間軸から…!?
そんなことがあり得るのか?」
零児「こちらのクロスゲートはわからんが、
俺たちが関わる次元歪曲現象“ゆらぎ”
では、それが起こる」
KOS-MOS「レイジ、私は……
元の世界に戻らなければなりません」
零児「それは俺たちも同じさ、KOS-MOS。
だが…今はその方法がわからん」
零児「詳しい状況は道中で話す。
……俺たちの世界に帰る方法を探そう」
KOS-MOS「了解です。
他の方々はよろしいのですか?」
アシェン「いいだろう。
行きたければ、私を倒してみろ」
ハーケン「無意味にライバル心を発揮するな」
ハーケン「俺はかまわんぜ。KOS-MOS」
錫華「わらわは見事で素直なからくりには
寛大なのであるぞよ?」
神夜「よろしくおねがいしますね、
こすもすさん!」
KOS-MOS「はい、よろしくお願いします」
KOS-MOS「…………」
KOS-MOS(シオン……)
KOS-MOS(必ず、あなたのもとへ戻ります……)
[KOS-MOSが仲間に加わりました。]