琥魔「あらまあ、皆様。お早いお帰りで」
ハーケン「ああ、今戻ったぜ」
琥魔「まずはお買い物にします?
それとも……お宿?」
小牟「なんじゃ、いきなりノリノリじゃのう。
こやつ……猫又かの?」
零児「この娘、妖怪の商人なのか?
いろいろいるな、この世界は」
ハーケン「ふう…もう少し状況が良ければ
ノッてやれたんだが、残念ながら事態が
好転してないんでな」
琥魔「え!? そうなのですか!?
ミラビリス城の転移門は、どうしたんで
ございましょう?」
神夜「それが…もう使えなくなっていたんです」
神夜「あ、でもですね! 見ての通り、
新しいお客さんは増えたんですよ!
にぎやかなこと極まりないです♪」
琥魔「…………」
琥魔「…どこの誰かもわからへん筋肉スケベと、
痛々しい駄狐を仲間にして喜んどる場合
ちゃうやろニャ」
神夜「う……」
錫華「……さすが、
さりげなく鋭いところを突くものよな」
零児「さりげなくないだろ。
初対面の相手を普通に罵倒するな」
小牟「ヤロウー!」
小牟「……って、そうじゃ!
たしか、こっちには沙夜の奴めが
向かったと言っておったな?」
零児「そうだ、奴はまだここにいるのか?」
琥魔「あん、沙夜お姉さま、ね」
琥魔「あの方なら…もうお帰りになりました」
アシェン「お姉さまって……何かあったんですか?」
琥魔「はい、それはもう!
大変太っ腹に、色々とお買い上げ
いただきました!」
ハーケン「知らなかったんじゃ仕方ないとはいえ…
敵をパワーアップさせちまったな」
小牟「で、奴めは!?」
琥魔「はい、モンローウォークで艶やかに
歩き去られました。
ツィーゲル通りの方でございますね」
零児(こっちの世界にも、あの歩き方は
あるのか……)
神夜「あらあら? ツィーゲル通りって……
塞がってるんじゃありませんでしたっけ?」
ハーケン「ああ、そうだな。
…レイジ、うまくいけば、あんたの
想い人にハチあわせるかもしれないぜ?」
零児「なに? どういうことだ?」
アシェン「この城を出て南東の方向に、
エルフェテイル南部に続くレンガの道が
あっちゃいまするのことです」
錫華「そこは今、通行止めになっておるぞよ。
……過去の戦争の遺物によってな」
ハーケン「OK、これで決まったな。
ミラビリス城がアウトだった今、
あそこを通り抜けるしかない」
ハーケン「それに、俺たちを騙してくれた礼は、
あのポエムガールにしっかりしないとな」
神夜「そうですね。
ちょっとこらしめなきゃいけません!」
アシェン「目に物見せてくれる」
錫華「ほ~っほっほっほ!
ねっちりと責め立ててくれようぞ♪」
小牟「た、たのもしい」
小牟「…っちゅうか、いいんか? 零児」
零児「仕方あるまい。
……元の世界に戻るためだ」
零児「時には……悪の組織に身を堕とすことに
なろうとも、な」
ハーケン「待て、勝手にダークサイドにするな」
神夜「あ、あの、私…一応皇族なんですけど…」
アシェン「……そうだ、一つだけ訊きたいのです」
琥魔「なんでございましょう?」
アシェン「私と同タイプのアンドロイドが、
ミラビリス城からこちらに来まくったり
しませんでしたでしょうか?」
琥魔「う~ん、沙夜お姉さま以外は
お見かけしておりませんが…?」
アシェン「…………」
ハーケン「気を落とすな、アシェン。
奴はまた現れるさ」
ハーケン「……そんな気がする」
ミルトカイル紅石が道を塞いでいる。
零児「これが戦時中に上空から落下したと
いう建物か。こいつは……塔?」
小牟「ん!? ちょい待て!
何が通行止めじゃ、駄腹鬼!
全然開いとるやんけ!」
錫華「“だはらおに”とはどういう……」
錫華「なに? 開通しておるだと…?」
神夜「あ、ほんとだ……
というか、入口の扉が打ち壊されて
いるみたいです」
ハーケン「なに? まさか、サヤがやったのか?」
小牟「う~む……結構ハデにぶち壊れとるのう。
沙夜の奴、こんなに近距離パワー型
じゃったか?」
アシェン「破損状況を見る限り、エネルギー放出系の
兵器で焼き切られたような感じです」
アシェン「ビームソードのようなものを
使ったのではないかと」
零児「光学兵器ってやつか。
琥魔が沙夜に、そういう武器を売りつけて
でもいない限り……別の誰かが?」
錫華「カルディアとかいう、からくり娘かも
知れぬぞよ?」
アシェン「……可能性はあります」
神夜「で、沙夜さんはちゃっかりくぐって
行っちゃったみたいですね」
ハーケン「ちゃっかりOKだ。
俺たちにとっても都合がいい。
ここは行かせてもらおうぜ」
ハーケン「こいつは……ひどい荒れようだな」
神夜「3年前に終戦してから、お掃除も
してないんじゃ、こんなもんです」
神夜「私も、お台所を2年放置した時はですね…」
アシェン「そんな話は聞きたくありません」
アシェン「艦長、多数の熱源を感知しました」
ハーケン「多数……?
おいおい、そんなになだれ込んだって
いうのかよ」
小牟「まさか、逢魔の連中かの?」
零児(傷に“痛み”はない……違うな)
錫華「よいよい、誰が相手であろうと、
とっととここを抜け、滅魏城に帰るぞな」
ハーケン「…そういえば、この先に広がっている
赤い液体…そのメギ・キャッスルにも
なかったか?」
アシェン「データは残っとりますです。
……成分は同じと見ていいと思われます。
毒性が強いので、避けるべきかと」
神夜「不可解極まりないですね。
…この建物って、フォルミッドヘイムの
ものじゃないんですか?」
ハーケン「……あるいは、ミルトカイル石と
関係があるのかもしれないな」
錫華「……! なるほど、
チャラ蔵のくせに鋭い意見である」
ハーケン「フッ、とりあえずは目先の目標だ。
ナイトファウルででガレキをかき分けて
行くとするか」
???(アン)「おおっと、ここは通行禁止だよ?
……ヨソへ行きな」
神夜「あ、はい。すみません」
神夜「……お、お魚さん?」
???(アン)「残念。ぴったり半分当たりだよ」
零児「半分……?
たしかに…なんだ、下半身が魚……?」
錫華「ふむ。そちは…“海の国”である、
『ヴァルナカナイ』の者ではないかえ?」
???(アン)「おっと、それが正解だよ、おチビちゃん。
賞品は出ないけどねえ」
錫華「…それにしても、これ見よがしな、
破廉恥な格好であるぞよ」
錫華「わらわ的には受けて立たぬでもない…!」
小牟「どんなライバル心じゃ。
ぬしでは、20人分くらい必要じゃぞ?」
小牟「最近パワーアップしたわしなら……
8人分くらいか…!」
???(アン)「ふふふ、甘いねえ。
あたしはこれでも……フルパワーじゃ
ないんだよ?」
錫華「……ッ! ば…馬鹿な!」
小牟「なん……じゃと……!?」
零児「……フルパワーの意味がわからん」
???(ボニー)「船長、手前のザコ2匹はいいとしても、
あの娘のフルパワー……危険かと」
神夜「え? わ、私の…ふるぱわーですか…?」
神夜「…というか、こっちはもっと
お魚さん度が高いですよ!?」
ハーケン「……『シレーナ海賊団』。
団長のアン・シレーナと、副長の
ボニー・マクシマドか」
アン「んん? あたしの名前を知ってるのかい?
なかなかツウだね、アンタ」
ハーケン「フッ、俺たちバウンティーハンターは、
あんたの首にいつ懸賞金がかかるか、
楽しみに待ってるからさ」
ボニー「この若いの……ハンターか。
船長、“奴ら”とは無関係のようです。
いかがしますか?」
アン「そうだねえ……」
アシェン「“奴ら”とは、誰のことを言っちゃられて
おりますのでしょうか?」
アン「“アイツ”を追いかけて行った…
“ピンク色のアンドロイド”のことかい?」
アシェン「………!」
錫華「アンとやら、アイツとは何者ぞよ?」
零児「ちょっと待ってくれ、その前に…
黒い狐の耳を付けた女は通らなかったか?」
ハーケン「そもそも、
あんたらはここで何をしてるんだ?
入口を壊したのはあんたらなのか?」
アン「…………」
アン「……なんかもう、
何もかも面倒くさくなってきた……」
アン「全部…吹っ飛ばしちゃうかい? ボニー」
ボニー「……船長がそう望まれるのであれば」
神夜「何もかも吹き飛ばすって……
え!? ちょっと!?」
ボニー「アン船長は、面倒くさくなると
何もかも吹き飛ばす、豪快なお方なのだ」
小牟「め、滅茶苦茶じゃな。
それは豪快とは言わんぞ……」
ハーケン「OK、ジャイアントマーメイド。
こっちも遊びじゃないんでな。
……話を聞かせてもらうぜ?」
アン「小僧が、笑わせるじゃないさ。
そう簡単にいくとは思わないことだねぇ」
【アン・シレーナ、ボニー・マクシマド、海賊団・親衛隊×2との戦闘】
アン「ふぅ~、強いねェ、あんたら。
ああ、スッキリした!」
アン「ピンク色のアンドロイドはね、
この先に行った…“ファントム”を
追いかけていったのさ」
神夜「わ、簡単!」
神夜「……え!? ふぁんとむ……!?」
錫華「“黒き亡霊”…!
もしや、この建造物の入口を破壊して
入り込んだというのは…あ奴か!?」
小牟「何のことを言っておるんじゃ?
…亡霊? ……無頼?」
ハーケン「……ファントム。
俺たちが追っている、賞金がかかった
人型機動兵器のことさ」
アシェン「カルディアはそれを追っていた…。
どういうことでしょうか、艦長」
ハーケン「ちっ…俺も面倒になってきたぜ。
ヘタすると、カルディアはあの戦争と
関わりがあることになっちまう」
ハーケン「そうなると……俺たちもだ、アシェン」
アシェン「…………」
神夜「ハーケン……さん?」
ハーケン「いや、なんでもないさ」
ハーケン「サンクス、ものぐさマーメイド。
俺たちは先に進むぜ?」
アン「まったく、とんだ無駄骨さね。
戦いには負けるし、“奴ら”の足取りは
ここで途絶えちまったしさ」
零児「奴ら…?
今の話以外にも、誰か関わっているのか?」
アン「……こっちの話さ。
あんまり質問が多いと、また面倒臭く
なるけど…いいかい?」
神夜「いえ、お帰りください」
アン「はいはい。
んじゃま、がんばりなよ~♪」
(アンとボニーが消える)
???(ファントム)「…………」
ハーケン「こ、こいつは……ッ!」
小牟「な、なんじゃ!?
パワードスーツか何かかの!?」
零児「こいつが、さっき話に出た……
ファントムなのか!?」
アシェン「間違いありません。
パーソナルトルーパー…ファントム……!」
ファントム「…………」
錫華「む? なぜ、こやつを追っていたという、
からくり娘の姿が見えぬのかえ?」
神夜「もしかして……
追い越しちゃったんでしょうか?」
零児「沙夜の姿も見えない。
じゃあこいつは……」
ハーケン「……待っていた、のか?」
ファントム「…………」
ハーケン「OK、ブラックゴースト。
おしゃべりは苦手と見える」
ハーケン「まさかここでお出ましとはな」
ハーケン「……ウワサは聞いてるぜ?
Mr.ファントム」
ファントム「…………」
神夜「やるんですか? ハーケンさん」
ハーケン「ああ、
もうこいつだけを追っかけてる場合じゃ
なくなってきたからな」
ハーケン「悪いが、当初の目的……
早々に片付けさせてもらう!」
ハーケン「さて…ショウ・タイムといこうか……!」
【ファントム、WR・ゴースト×2との戦闘】
(ファントムが光の柱内に消える)
ハーケン「おいッ! 待て……ッ!」
アシェン「ファントム、撤退しました。
……反応、ロスト」
ハーケン「くっ……。
初対決はイーブン…といったところか」
小牟「かなり豪快であったのう。
デザイン的には、結構好みじゃぞ?」
神夜「そんなのん気なこと言ってちゃダメです!」
神夜「取り逃がしちゃったわけですから…
もしかしたら、また私達の世界で
暴れられてしまうかも…」
錫華「うむ!
わらわ的にも、それは容認できぬぞよ…!」
錫華「すぐに追うのだ、皆の衆!」
零児「今のロボット、ピンクのアンドロイド、
そして沙夜……ずいぶんとここを
抜けていったことになるな」
零児「この先はどういう国なんだ?
わかる奴はいるか?」
ハーケン「この先はエルフェテイルの南部……
ちょっと荒っぽい国さ」
ハーケン「獣人と、手クセ足クセ両方悪い…
ボンバーガールが治めているのさ」
小牟「ボンバー…?
なんじゃ、またすんごいのを
見せ付けられるっちゅうのかの?」
ハーケン「すごいというか……
まあ、物理的にボンバーというかだな」
神夜「もしかして……
ハーケンさん達の世界に入り込んでいる
盗掘団の……?」
ハーケン「まあ、行ってみればわかるさ。
今の南部地方は、ロストエレンシアにしか
クロスゲートがつながっていない」
ハーケン「逃げた連中の足取りも掴みやすいはずだ」
ハーケン「この建物を出たら南へ行こう。
そうすれば、ロストエレンシアにつながる
クロスゲートがある」
ハーケン「すぐ近くに城……
たしかアブリエータ・キャッスルも
あったはずだ」
錫華「ふむ……
とりあえず、一息入れてから、
追跡を開始するとしようぞ」
(ハーケンにのみ)
アシェン「艦長、お気付きですか?」
ハーケン「……ファントムが連れていた連中、か?」
アシェン「あれは…仕様こそ異なっていましたが、
カルディアが連れていたアンドロイドと
同タイプのものでしたナリ」
ハーケン「これはいよいよ…
賞金首を捕まえるだけじゃ済まなく
なってきたな」
アシェン「…………」
ハーケン「OK、悩めるシンデレラ。
ファントムを追い詰めれば、おのずと
答えは見えてくるさ」
ハーケン「……たぶん、な」
零児「ここがアブリエータ城か……
またすごいところだな」
小牟「なんちゅう自己主張の激しい城じゃ。
ウルフのマークじゃぞ、あいつは」
ハーケン「戦時中、戦果を上げて成り上がった
奴らしいからな。
ここの城主…ルボール・ククルスは」
神夜「だから押しが強いんでしょうか」
錫華「そんなことより、
もっと話さねばならぬことがあろうに」
(ロストエレンシアへのクロスゲートが不安定になっている)
ハーケン「話すといっても……
クロスゲートは見ての通りだがな」
零児「このゲートを開くのには、なにか条件が
あるのか?」
ハーケン「さあ、な。ゲートの気分次第ってとこさ。
……今回は、ちょっと長いようだがな」
アシェン「原因があるのでしょうか?」
ハーケン「可能性としては……
何か強力なエネルギーを持った物を
くぐらせた…とかか?」
小牟「まあ、原因がわかったところで、
今、通れなければ意味がないがのう…」
神夜「う~ん……
とりあえずここは、街の人にいろいろ
訊いてみるのはどうでしょう?」
ハーケン「グッドアイディアだが……
そうそう情報を持った奴がいるとは
限らないぜ?」
ハーケン「……ここは、ヘッドを狙ってみるか」
小牟「ヘッドって……
まさか、この城の王様とか言うんじゃ
なかろうな?」
ハーケン「ビンゴだぜ? パロディフォックス。
……この城のキングに、な」
零児「この世界の王ってのは、一般人に
そんなに簡単に会ってくれるものなのか?」
ハーケン「おいおい、こっちにはプリンセスが
2人もいるんだぜ?」
ハーケン「それに、ここのキング……
ルボール・ククルスは、ウチの副長の
知り合いでな」
ハーケン「昔はつるんで悪さをしていたらしい」
神夜「リィさん……
私を食べようとした、虎の人ですね。
じゃあ、ここの王様って……」
アシェン「姫風に言うと、狼の人です」
???(カッツェ)「残念だけどねェ、
カレなら留守にしてるそうよ?」
錫華「む? 誰であるか?」
???(カッツェ)「ウフフ、お話し中のところ、
ヨコからごめんなさいネ?」
神夜「わっ、今度は猫の人ですよ!」
ハーケン「エルフェテイル南部は、獣人達の
テリトリーだ。珍しくはないさ」
零児「……で、あんたは何者だ?」
カッツェ「アタシ? アタシは……カッツェ。
カッツェ・コトルノスって言うの。
ヨロシクね、たくましいボ・ウ・ヤ」
零児「ボウヤと呼ばないでくれ。
……ハーケン、ここは任せる」
(零児が下がる)
ハーケン「お、おいレイジ!
……くっ、あいつ、面倒臭くなったな?」
ハーケン「ゴホン。
……Mr.カッツェ。
ん? いや、Miss…カッツェか?」
カッツェ「あらら、お上手。どちらでもいいのよ?」
アシェン「そんなわけないと思いますが」
神夜「あの…ヘンな感じになる前に、
訊いちゃった方がいいと思いますけど」
ハーケン「やれやれ。……あ~、ミスター」
カッツェ「なにかしら? クールガイ」
ハーケン「あんたの言った“彼”ってのは、
城主のルボールのことかい?」
カッツェ「そうよ。
アタシはカレとは知り合いなの。
知り合いというか……ウフフ」
神夜「………!」
神夜「お、男の人同士でも……成り立つの?
錫華ちゃん」
錫華「……わ、わらわに訊くでない」
小牟「まあ……なくもないのじゃ」
零児「外野、うるさいぞ」
ハーケン「OK、ミステリアスキャット。
不在のルボールの代わりと言っては
なんだが…あんたに訊こうか」
ハーケン「…外のクロスゲートが、
いつごろ開くかなんだが……
地元の人間ならわかるんじゃないか?」
カッツェ「ザンネンねェ。
アタシもここの人間じゃないのよネ」
アシェン「服装から察するに、この国の西部……
『デューネポリス』の出身では?」
カッツェ「あらん。正解よ、ロボ子ちゃん」
カッツェ「最近、こっちが騒がしいと聞いてねェ。
ちょ~っとばかり、ルボちゃんに
問いただしちゃおうと思ったの」
カッツェ「ドロシー嬢ちゃんも、なんだか怪しげな
研究をしてるみたいで、それを狙ってる
人たちもいるようだし」
神夜「どろしー…? その人って、
ハーケンさんが“ぼんばーがーる”って
言ってた人じゃないですか?」
ハーケン「そういうことだ。
……ドロシーが、何かを研究してる?」
カッツェ「ウワサ話だけど……
なんでも、“ミルトカイル石を壊せる”
シロモノらしくってよ?」
錫華「なんとな? 楔石を壊せる……!?」
零児「そいつは重畳。
……本当ならばな。確証はあるのか?」
カッツェ「言ったでしょ?
あくまでウワサよ、ウ・ワ・サ」
カッツェ「でも、それがマユツバなら……
ドロシー嬢ちゃんのお城に興味を
持つわけないと思うのよねェ……」
カッツェ「……あの、オルケストル・アーミーが」
ハーケン「………!!」
小牟「オルケストル?
……ああ、わしらが間違えられた、
敵の組織じゃな?」
カッツェ「入り込んだって話よ?
これは確かなスジからの情・報」
カッツェ「それから、最近…こっちの盗掘団が、
すごい“お宝”を、ロストエレンシアから
持ってきたって話もあるわよ?」
カッツェ「クロスゲートが不安定になった理由も、
それを持ち込んだため…なんてことも
言われてるわねェ」
ハーケン「OK、情報通キャット。
あんたの話を信じる気になってきたぜ」
ハーケン「……ウチの世界にある、超巨大戦艦、
最近、あいつらに荒らされたばかりさ」
神夜「あの黒くて怖い“からくり”の人が
いた所ですね……」
アシェン「機能停止していた転移装置の作動、
巨大戦艦…シュラーフェン・セレストに
ミルトカイル石が発生した理由……」
アシェン「もしかしたらドロシーの動きに
関係があっちゃうのかもしれんですね」
琥魔「そんなあなた方に朗報をお届け!
それは私の登場でございま~す♪」
零児「む?
おい、おまえはエスピナ城に
いたんじゃなかったのか?」
錫華「琥魔よ、どうしてここに?」
琥魔「それはもう!
ツィーゲル通りが開通いたしましたので、
お客様のためならどこまでも!」
琥魔「出張商店『猫騒堂』!
こちらでも開店いたしま~す♪」
琥魔「従来どおり、エスピナ城にも
駆けつけますんで、その都度、
呼んでいただければ~」
ハーケン「やれやれ、調子いいぜ」
カッツェ「あら、かわいらしいお嬢ちゃんね。
お知り合いかしら?」
琥魔「左様でございます!
この方々は……」
琥魔「……あんな値段に疑いもなく金を払う、
カモどもニャ」
カッツェ「ああん、なるほど。
ちょっとオトコ2人はイイけど、
残りは足りてなさそうですものねェ」
神夜「あの、失礼極まりないんですけど」
ハーケン「だが、これで準備が整えられるぜ。
……行くしかないだろうな」
ハーケン「ドロシーの居城…エスメラルダ城塞に」
カッツェ「じゃあ、アタシはもういいかしら?」
零児「ああ、いろいろ助かった」
カッツェ「いいのよ、ボウヤ。
もっと助けてあげちゃいたいけど、どう?」
小牟「零児。……いけ……!」
零児「どこに行かせるつもりだ。
……もうない。世話になった」
カッツェ「ウフフ……チャオ♪」
カッツェ(……さて、これでまた
“動き”があるんじゃないかしら…)
(カッツェが立ち去る)
錫華「疲れる男であったぞよ。
砂漠の民は、みんなあんな感じであるか?」
ハーケン「さてな。
まあ、今はデューネポリスに用は
ないからな」
神夜「じゃあドロシーさん……ですね」
ハーケン「ああ、気は進まないが…仕方がないな」