ハーケン「なんだこりゃ…ツタ……か?」
アシェン「触手的なものかもしれません」
錫華「そのように卑猥なものではないぞよ。
これは『キュアモス樹』……数千年来、
この地に根を下ろす、巨大樹である」
神夜「あら? 知らないんですか?」
ハーケン「ロストエレンシアからこっちへの
クロスゲートは、南側にあるからな」
ハーケン「北上しようとすると、“あいつら”と
ハチ合わせることが多いから、
あまりこっちには来ないのさ」
錫華「あいつら? 誰のことであるか?」
ハーケン「カグヤはシュラーフェン・セレスト…
あの馬鹿でかい巨大戦艦でやりあったから
知ってると思うが……」
ハーケン「ウチの世界にたびたび盗みに入ってくる
盗掘団……そのボスさ」
アシェン「今回の件……
あの“ドロシー”は関わっていたり
いなかったりなのでしょうか?」
錫華「どろしー…
それが盗人の名前のようであるな」
アシェン「そうです。この世界、エルフェテイルの
妖精族…その中でもかなりの勢力を
持っています」
神夜「私達が会いに行くのは、その人じゃ
ないんですよね?」
ハーケン「……ああ、ここから南下してすぐの
ところにハウゼン公の治める
『エスピナ城』があったはずだ」
ハーケン「とりあえずはそこで情報を集めよう」
神夜「わかりました!
こっちに来るのは久しぶりなので、
ワクワク極まりないです!」
ハーケン「ワクワク……か」
錫華「む? チャラすけ、いかがしたぞよ?」
ハーケン「……少しばかり、空気が、な。
嫌な感じだ。……なんだ?」
扉が閉ざされ、塔へ入ることができない。
ハーケン「仕方ない、他をあたるか」
ハーケン「な、なんだ……!?
おい、こいつは…どういうことだ!?」
神夜「これがエスピナ城?
ずいぶん…変わってますね」
錫華「こんな所でまでボケ倒さずともよい!
この城を覆っている赤紫の石柱は……
もしや……!」
アシェン「過去のサンプリングデータに
一致するものがあります」
アシェン「カグラアマハラ……メギ・キャッスルに
多数存在した、朽ちたミルトカイル石と
同じものだったりしますのです」
神夜「え? どうしてそんな……え!?
不可解極まりない感じです…!」
ハーケン「……カグラアマハラのニンジャチームが
戻ってこない理由は…こいつだ」
ハーケン「OK、入って確かめるのみだ。
油断するなよ、ガールズ」
神夜「どう? 錫華ちゃん、そっちは?」
錫華「駄目である。
……この城には、誰もおらぬぞな」
ハーケン「そうだな。
どこもかしこも、クリスタル漬けだ」
ハーケン「アシェン、どうだった?」
(コードDTDが発動している)
アシェン「ん~? なにが~?」
神夜「アシェンさん!
こんな大変な時に、楽しくなる形態に
ならないでください!」
錫華「まったくである!
このポンコツからくりめが!」
アシェン「だまらっしゃい! この駄牛にナマコ腹!
ボクはボクで、フルパワーを使って
あっちゃこっちゃ調べてたの!」
神夜「だ、だぎゅう……」
錫華「なまこばら……!?」
ハーケン「いい加減にしろ、おまえら」
ハーケン「OK、アシェン。
そのあっちゃこっちゃの結果を聞こうか」
(アシェンが通常モードへ戻る)
アシェン「了解です、艦長」
アシェン「街の破壊状況、朽ちたミルトカイル石を
見る限り…1年から2年は経過していると
思われます」
アシェン「生存者は……確認できませんでした」
ハーケン「おいおい、
なんで誰も気付かなかったんだ?」
ハーケン「たしかに、エルフェテイル北部とは、
俺たちロストエレンシアは関わりが薄い」
ハーケン「しかも、南部から北部へは、ここ数年…
行けなくなってたしな」
神夜「どうしてですか?
南北は陸続きになってるんじゃ…」
ハーケン「前大戦の傷跡…ってやつさ。
南と北をつなぐ、黄色いレンガの街道…
“ツィーゲル通り”が塞がっていてな」
アシェン「戦時中、フォルミッドヘイムの建造物の
一部が、上空から落下したのです」
ハーケン「撤去は遅々として進んでいないようだが…
カグラアマハラはすぐ隣だろ?」
神夜「お恥ずかしい話ですが、私たちの世界は、
戦時中に国を閉ざした“篭国”の件も
ありましたので……」
錫華「……エルフェテイルとの関わりが
薄いことは事実である」
錫華「来るものは拒まぬが、こちらから
出向くことはほとんどなかったはずぞよ?」
アシェン「一度もない…
ということはないのではござんせんか?」
錫華「左様。3年前に篭国を解いてから、
楠舞皇は一度ハウゼン公に会っている
はずであるが…」
ハーケン「あいさつってやつか。
…時間を考えれば、城がリフォームされた
のは、その少しあとってことになるな」
神夜「錫華ちゃん、
楔石によって、この城がこんなに
なっちゃったってことは……!」
錫華「うむ、滅魏城も…危うい…!
すぐに戻るぞよ、皆の衆!」
錫華(守天…そちはどういうつもりぞ…!)
ハーケン「ん…? おい、ちょっと待て」
(赤いミルトカイル石が出現し、通れなくなる)
神夜「な、ななな……なんですか!?」
ハーケン「おい、あれを見ろ! あれは……ッ!」
錫華「なんという巨大な……楔石か!」
アシェン「あの色ツヤ…正真正銘、
生まれたてのミルトカイル石です」
ハーケン「来た道を塞がれた…!?」
ハーケン「ちっ……
しかし、これでハッキリしたぜ」
錫華「うむ。
楔石がどこから来ているのか、であるな?」
神夜「ここ……エルフェテイル……!」
ハーケン「なんてこった…
まんまと敵のホームグラウンドに
飛び込んじまったらしい」
神夜「ハーケンさん!
神楽天原には戻れず、南部への道も
塞がっちゃっているということは……」
ハーケン「…わかってるさ、ベイビー。
俺たちは陸の孤島に閉じ込められたって
ことになる…!」
錫華「すぐにでも滅魏城に戻らねばならぬと
いう時に……!」
アシェン「む? 熱源接近。人間のようです」
ハーケン「なに…!? 生き残りか? それとも…」
琥魔「呼ばれて飛び出てなんとやら!
神出鬼没の琥魔でございまぁ~す!」
神夜「え? あらあら!?
失礼猫の琥魔さんじゃないですか!?」
琥魔「“失礼猫”だなんて、
それこそ失礼でございます、無駄デカ姫」
神夜「あの……失礼極まりないんですけど」
アシェン「あえてスルーしてお訊きしますが、
どうしてここへ?
というか、どうやってここまで?」
錫華「そうであるぞよ、琥魔。
どこかに抜け道でもあるなら話すがよい!」
琥魔「抜け道?
私は皆様方を追いかけて来たのです」
琥魔「そして、楔石がまさに道を塞ごうとした
その刹那ッ!」
琥魔「伝家の宝刀…猫っ飛びで、こちらに
滑り込んだのでございます!」
ハーケン「閉じ込められてんじゃねえか。
……ちっ、ミイラ取りがなんとやら、か」
ハーケン「OK、ストレイキャット。
なんで俺たちを追いかけてきたんだ?」
琥魔「当然、お仕事でございます。
滅魏城の主…守天さまから、錫華姫さまの
お力になるように、と」
錫華「守天が……!?」
(事情を聞いた)
錫華「そうであるか……守天が……」
琥魔「はい、大変心配されておりました。
これから大きなことをするから、
戻ってきてほしい、と」
錫華(大きいこと……おそらくは
この楔石を使ったものであろうな。
…守天、愚か者めが…!)
ハーケン「なんにせよ、
ここから出る方法を見つけないとな」
ハーケン「ここにいる俺たち4人は、恥ずかしながら
この土地には詳しくない。
……コマ、何か知っているか?」
琥魔「そうでございますねえ…
『ミラビリス城』に行ってみては
いかがでしょう?」
アシェン「ミラビリス・キャッスル…?
ここから近いのでごわすか?」
琥魔「この城の裏門から出て、北西の方向で
ございます」
琥魔「戦時中、フォルミッドヘイムから
兵を送り込むのに使った城だそうで」
神夜「そ、それって危なくありませんか…?」
琥魔「今は昔の物語でございます。
城主が死に、今は妖物や、生き残った
番兵たちの巣窟となっております」
ハーケン「どの道、危ないことには変わりがないか。
…だが、そこへ行ったからといって、
ここを脱出する糸口になるのか?」
琥魔「異世界であるフォルミッドヘイムから
兵隊を送り込んでいたわけですからねえ」
アシェン「…クロスゲート、もしくは
シュラーフェン・セレストにあるような…
転移装置が?」
琥魔「さて、そこまでは。
ですが、一考の価値はございませんか?」
錫華「ここにいても、何もできぬぞよ?
ハーケン、よいな?」
ハーケン「OK、へそプリ。
俺も待つのは性に合わないんでな。
………いくか」
神夜「琥魔さんはどうするんですか?
…一緒に来ますか?」
琥魔「めっそうもございません!
そんな、何があるかわからない所へ!
どうかしているとしか言えません!」
ハーケン「こいつ……相変わらずミもフタもないな」
神夜「……やっつけましょう、ハーケンさん」
琥魔「ま、まあまあ、神夜姫さま。
ついて行きはしませんが、今回は私も
皆様方に協力いたしますから」
琥魔「出張商店『猫騒堂』、しばらくは
ここで営業させていただきま~す♪」
錫華「協力と言うておきながら、
売りつける気とは…商魂たくましい
駄猫であるな…」
琥魔「…それに、この城の廃墟には、
なかなかの掘り出し物がありそうな
予感がビンビンするニャ」
ハーケン「やれやれ、どいつもこいつも……」
ハーケン「OK、腹ブラック。
遠慮なく利用させてもらうぜ」
ハーケン「準備が整ったら出発だ。
…ミラビリス・キャッスルとやらにな」
神夜「過去、戦争で使われたというから、
怖い所を想像してたんですけど…
なんか楽しげですね!」
ハーケン「気楽なもんだ。
見た目に騙されると、痛い目を見るぜ?」
錫華「その通りである。
神夜よ、男を見る目にも影響するぞよ?
真実を見極める努力をせい」
アシェン「ひどい責められようですが、
その“真実”について、データバンクより
検索が終了しました」
ハーケン「真実ってな、この城のことだな?
……OK、アシェン。教えてくれ」
アシェン「はい。
このミラビリス・キャッスルですが、
城主はハーム・ダーム」
アシェン「種族は不明ですが、おそらくは妖精族と
フォルミッドヘイムの魔族…
そのハーフと思われます」
錫華「なるほど…内通、であるか。
そこはかとなく、関係が見えるぞよ」
ハーケン「どんな奴だったのか、情報はないのか?」
アシェン「……外見であれば、正面に立っている、
ナメた顔した像が、ハーム本人を
かたどったものです」
神夜「え? わ、丸っ!」
ハーケン「フッ、なかなかいいスマイルだが……
こいつは悪人だな」
神夜「たしかに、ちょっと意地悪な感じは
しますけど……どうしてですか?」
ハーケン「人を見る目が大事だって言ったろ?
こいつはどう見ても、何か企んでる顔だ」
錫華「企んでおったから、
内通者であったのだろうに」
アシェン「ですが、その内通者ハームは終戦直前……
『オルケストル・アーミー』により、
処断されまくっていますのことです」
ハーケン「オルケストル…?
おい、そいつらはフォルミッドの?」
アシェン「はい。
“特殊任務実行部隊”の部隊名です」
神夜「おるけすとる…なんか難しそうですね…」
神夜「……って、あらあら?
フォルミッドヘイム……の?
それっておかしくないですか?」
錫華「うむ。ここはその連中が、
エルフェテイルに侵攻するために
使った場所のはずであるからな」
アシェン「ハームが処断された理由は、
データには残っていませんでした」
ハーケン「そういや、おかしな戦争ではあったな」
ハーケン「開戦は、フォルミッドからの一方的な
宣戦布告から始まった。
それから10年ドンパチを繰り返し…」
ハーケン「終戦は、これまたフォルミッド側からの、
一方的な和平の申し込みだったって話だ」
錫華「ハウゼン公が、それを受け入れて終戦…
ということであるな?」
ハーケン「ああ、その後、フォルミッド側は
自分達の世界につながるクロスゲートを
封鎖した」
神夜「まるで私達の世界の“篭国”…
みたいですね」
錫華「連中の真意がわからぬな。
謀反や一揆的なものでも起こったのやも
しれぬな」
神夜「…いわくつきのお城ってことですね。
ワクワク感がすっかり冷めました…」
アシェン「さらに追い討ちをかけますと、
この城……まだ“生きている”ようです」
神夜「え? どういう意味ですか?」
アシェン「ハーム・ダームは、自分の城に様々な
“仕掛け”を作ることを好んでいた…
となっています」
ハーケン「すんなりとは進めない…ってことか。
コマの話を信用するなら、ガーディアンも
うろついているという話だ」
ハーケン「OK、トラップ上等だ。
転移装置があるなら、もしかしたら
使えるかも知れないしな」
ガラス製の床に、亀裂が入っている。 重い物を乗せたら割れるかも知れない。
目の前に石像がある。 ナイトファウルで破壊出来そうです。
???(キュオン)「やったぁ! 出られたぁっ!」
ハーケン「おっとぉ、なんだ?」
アシェン「今度は小さいのが飛び出してきました。
速攻で叩き潰しますので、少々お待ちを」
???(キュオン)「え!? タンマタンマ!
やっと出られたのに、潰さないでよ!」
???(キュオン)「ふ~~、あのままカサカサになるまで
出られないかと思っちゃった…」
錫華「誰であるか? 面妖な格好をしおって」
神夜「え~と、あの…私、楠舞神夜です。
あなた、お名前は?」
キュオン「残念だけど、今はシークレットな
任務の最中だから、キュオンの名前は
教えてあげられないんだよね」
アシェン「……で、キュオン。
こんな所で何をしていたのです?」
キュオン「え………!?」
キュオン「こ、心を読まれた!?
キミ…エ、エスパーロボ…!?」
アシェン「はい」
ハーケン「はい、じゃないだろ」
ハーケン「OK、リトルガール。
ここは過去、戦争に使われた場所だ。
遊び場にするには、デンジャラスだぜ?」
キュオン「レディを子供扱いしないでよ!
キュオンは秘密確認任務で来たんだから!」
アシェン「この城の石像は、フォルミッドヘイムから
ソルジャーを送り込むために使われたと
データにあります」
錫華「そして、
実際にわらわたちも戦っておったしな」
錫華「それを確認しておったと?
…小娘、そちは何者ぞよ?
人間ではないようであるが……」
神夜「人間じゃないって……え?
じゃあ何者なんですか?」
ハーケン「……おまえ、もしかして魔族……
フォルミッドヘイムの住人じゃないのか?」
アシェン「クロスゲートは封鎖されているはず。
前大戦の生き残りか、あるいは……」
キュオン「う……」
神夜「キュオンちゃん、どうなんですか?
本当のことを教えて? ね?」
キュオン「…………」
キュオン「ふふふ……ふっふっふ。
よくぞ見破ったね!」
キュオン「キュオンの名は、キュオン・フーリオン!」
キュオン「フォルミッドヘイム特殊任務実行部隊、
『オルケストル・アーミー』所属の
“砲機使い”だよん!」
キュオン「驚いたか! おののいたか!」
ハーケン「OK、スモールレディ。
所属組織までは訊いてな……」
ハーケン「なに…?
オルケストル・アーミー……!?」
キュオン「あ……」
錫華「これはこれは。
大物がかかったようであるな」
神夜「色々訊いちゃいましょう♪」
錫華「よいよい。
引っ捕まえて、洗いざらい情報を
吐かせてやろうぞ?」
アシェン「たっぷり、かわいがってやりましょう」
キュオン「う、うう……」
ハーケン「ふう…どっちが悪の組織なんだか」
ハーケン「俺たちは、ミルトカイル石を越えて、
元の世界に戻りたいだけだ」
ハーケン「無駄にやりあうつもりはない。
だから……」
キュオン「ええ~~い! うるさいうるさ~~い!
こンの勘違いキザ生物!」
ハーケン「か、勘違い……?」
キュオン「キュオンの任務とか、その他もろもろ
守るため、キミたちはやっつけるよっ!
もう決めたからねっ!」
【キュオン・フーリオン、ジョケル・ソルジャー×2との戦闘】
キュオン「うぐぐ……あたたたた……」
キュオン「なにこの人たち……
ヘンな格好してるくせに、強いよ!」
アシェン「口を利く元気があるとは、見上げた奴」
錫華「ほほほ…わらわ的には、生きが良い方が
責め立てがいがあるというものよな」
ハーケン「キザ生物…ね。
OK、もう少しパニッシュメントが
必要な気がしてきたぜ」
神夜「や、やめましょうよ。
かわいそう……というか、こっちが
すっかり悪の組織極まりないです」
神夜「キュオンちゃん、この怖い人たちには、
私が言い聞かせておくから…
知っていることを教えて? ね?」
キュオン「…………」
キュオン「敵の情けなんて受けないんだから!
馬鹿っ! 覚えてろ! 汚乳!」
(キュオンが逃げる)
神夜「お、おにゅう……」
ハーケン「まったく、口の悪いショートガールだ」
ハーケン「ちょいと抜けてはいたが、実力は本物…
オルケストル所属ってのも嘘とは思えん。
…嘘がつけないタイプではあったしな」
ハーケン「そうなると、ファントムの件にせよ、
砂漠のドゥルセウス・セメタリーにせよ、
こいつは偶然じゃないな」
錫華「わらわはよく知らぬが…“黒き亡霊”は、
そこまで関係があるものなのかえ?」
アシェン「戦時中に現れた、ファントムと同型の
パーソナルトルーパー…
“ナハト”と“アーベント”」
アシェン「……率いていたのは、
『オルケストル・アーミー』だった、
というデータがあっちゃうのですわ」
錫華「なるほど、そういうことであるか。
楔石だけではなく、問題が山積みぞな…」
神夜「この城……なんか、すべての問題が
集まっているように思えてきました…」
ハーケン「ヘタをすれば…いや、うまくいけば、
Mr.ファントムとのご対面も
あり得るってわけだ」
ハーケン「先に進みたいが…もう行き止まりか?」
神夜「今、キュオンちゃんがいた所…
床が崩れてるみたいです。
調べてみます?」
ハーケン「そうだな。先に進めればいいんだが…」