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ロストエレンシア

《トレイデル・シュタット》

ハーケン「さて、さっさとオヤジの所に行って、 オコゴトでもいただいてきますか」
神夜「え? 怒られに行くんですか?」
アシェン「毎度ろくでもないことに 首を突っ込むから辛酸をなめることに なりましちゃうのです」
神夜「アシェンさん、 男の子はそれくらい元気な方が いいんですよ」
ハーケン「小言ってのはものの例えだ。 話を広げないでくれ」
ハーケン「さっさと済ませるとしようか。 帰りに装備も整えないといけないしな」

[ジョーンの執務室へ]

ハーケン「邪魔するぜ?  トレイデル・シュタット代表、 ジョーン・モーゼス殿」
ジョーン「…遅いな。 リィには、すぐに来るように 伝えたはずだが?」
ハーケン「これでも忙しいのさ。 大体、今日はマイティエーラの探索だと 伝えてなかったか?」
ジョーン「そんな気もするな。 …どうだったんだ? あの艦は」
ハーケン「色々あって、 探索は途中で打ち切ってきた。 まあ、気長にやるさ」
ジョーン「おまえがそのつもりなら、それでいい。 ゆっくりやれ……と言いたいが、 急な仕事が入ってな」
アシェン「もしや……人捜しではないですか?」
ジョーン「鋭いじゃないか、アシェン。 隣の世界…カグラアマハラの重要人物が 行方不明になったらしい」
ハーケン「その話か。オヤジ、実はな……」
神夜「こ、こんにちはです」
ジョーン「む? 誰だ?  ……今日は頼んでいないが……?」
神夜「え? あの…」
ハーケン「なにと勘違いしてるんだ。 このツインボムが、そのプリンセスだよ」
ジョーン「なに? こんな格好をした……む?  確かに、その服装は…」
ジョーン「オーライ、カウガール。失礼した。 私はジョーン・モーゼス。 一応、この都市を取り仕切っている者だ」
神夜「つまり、王…ということですね。 改めまして、私は楠舞神夜と申します。 一応、楠舞家の姫をやってます!」
神夜「ジョーンさんは、ハーケンさんの お父さまなんですよね?」
ジョーン「…ん、まあ…そういうことになるかな。 なあ、ハーケン」
ハーケン「ファミリーネームが違うだろうが。 育ての親ってだけだよ」
神夜「え……?」
ハーケン「ゴホン。…で、オヤジ。 用ってな、この牛追いだけかい?」
ジョーン「心配するな。全部で3つある」
ハーケン「やれやれ……」
ジョーン「ひとつ目は、行方不明になった プリンセス・カグヤの保護だが… これはクリアしているな」
ジョーン「二つ目が…『ミルトカイル』の調査だ」
アシェン「ダディ、ミルトカイルというと… 例のエネルギー物質でしょうなのかしら?」
ジョーン「そうだ。各世界で確認されている、 “この世界のものではない”物質……」
ジョーン「このロストエレンシアでも、 いくつか確認された」
ハーケン「特に害があるわけでもないんだろ?  この国はもともと、そういうわけの わからんもので構成されているんだ」
ハーケン「マイティエーラだって、その一つだろ?」
ジョーン「だから調べた方がいいということだ。 ……おまえに頼んだようにな」
ハーケン「ちっ、墓穴を掘ったぜ。 …で、最後のひとつは?」
ジョーン「賞金首…“ファントム”についてだ」
神夜「黒き…亡霊…!」
ハーケン「Mr.ファントム、か。 そいつなら、マリオン博士から聞いてる。 …いわくつきの奴らしいな」
ジョーン「ああ…仮に“あの戦争”に関係して いるとすれば、放ってはおけまい」
ジョーン「そのために、10年にわたり 国交を断絶せねばならなかった、 カグラアマハラも、無関係ではなかろう」
神夜「…………」
アシェン「10年間……“ロウコク”ですか」
神夜「はい…。 交鬼門を封鎖し、外部からの干渉を 一切断つ……“篭国(ろうこく)”です」
神夜「そうだ、あの戦争…… こちらは大丈夫だったんですか?」
ハーケン「さっき見たろ?  エルフェテイルとつながるクロスゲートは なぜか、いつも不機嫌なのさ」
ハーケン「そのおかげで、 大した被害を受けずに済んだわけだがな」
ジョーン「今、捜索隊を組織して捜してはいるが… 足取りはつかめていない」
ジョーン「見つけて…始末してくれ」
ハーケン「わかったよ、オヤジ。 始末できるかはわからんが、努力するさ」
アシェン「連れて来いとまで 言われておりましたりしちゃいますので」
ハーケン「OK、ダディ・ジョーン。 プリンセスを送るついでに、色々見て 回ってみるぜ」
ジョーン「オーライだ、二代目キャプテン。 期待しているぞ?」
アシェン「では、失礼いたしまする」
神夜「お邪魔いたしました。ごきげんようです!」
(ハーケン達が立ち去る)
ジョーン「…………」
ジョーン(マイティエーラ……あの方舟で おまえと出会ってから、もう23年……)
ジョーン(オヤジ…か。 おまえも…もう巣立ちの時なのかも 知れんな、ハーケン・ブロウニング…)

〔シュラーフェン・セレストの近く〕

神夜「私の国から、こっちに来る時にも 気になったんですけど…」
ハーケン「……ん?」
神夜「あの大きい鉄の塊は……なんですか?」
ハーケン「ああ、これは『船』…だったらしい。 “シュラーフェン・セレスト”」
神夜「船……飛行船ということですか?」
ハーケン「何千年だか、何万年だか前には 飛べたらしいがな。 今ではただの発掘現場さ」
神夜「発掘…?」
ハーケン「頼むぜ、アシェン」
アシェン「シュラーフェン・セレストの動力は、 いまだに生きているのです」
アシェン「内部の『転移装置』は、明らかに この世界のものではない物質を 定期的に吐き出し続けています」
アシェン「ようするに、バグっちゃったり しておりましちゃうということです」
アシェン「それらを我々ハンターは“発掘”と 呼んでいるのです」
神夜「つまり、大判小判がざっくざく…」
ハーケン「興味がおありかな? プリンセス。 …どうだい? それならちょっと 遊んでいかないか?」
神夜「え!? 入れるんですか?」
ハーケン「当然さ。これでもハンターなんだぜ?」
神夜「楽しそうですね! ぜひ!」
ハーケン「OK、エスコートといこう」
アシェン「……姫。カグラアマハラでは、 怪しい人について行ってはいけないと 教わらなかったのですか?」
神夜「え?  だってハーケンさんもアシェンさんも 怪しい人じゃないじゃないですか」
神夜「まったくもって無問題ですよ♪」
アシェン「…………」
ハーケン「オウ、イエス。ノー・プロブレム」
アシェン「…まあ、いいですが。 艦長、国際問題になる可能性が ありますので、ほどほどに」

〔シュラーフェン・セレスト内部〕

[内部の大部屋]

神夜「あらあら、この水晶みたいな石って……」
ハーケン「こいつが『ミルトカイル』か。 ここ最近、“各世界”に現れてると 聞いてるが……」
神夜「みるとかいる?  私の国では『楔石(くさびいし)』って 呼んでますけど」
ハーケン「もしかしたら、出所はここか?」
アシェン「ですが、この艦の転移装置で、 “各世界”に物質を送り込めるとは 思えません」
ハーケン「確かにな。 だが、前に来た時にはなかったのも 事実だ」
ハーケン「遊びのつもりだったが… どうも嫌な予感がするぜ」

[複数の転移装置のある部屋]

ハーケン「しばらく見ないうちに… また色々出てきてるな」
神夜「難しそうな“からくり”がいっぱいです。 このからくりで、異界の物質を お取り寄せするわけですね?」
神夜「…というか、 それ以前に汚いこと極まりないです」
ハーケン「いや、これは荒らされた後だな。 エスメラルダ城塞の…“あいつ”か」
アシェン「そろそろガツンとやっといた方が いいんちゃいまんねんな?」
神夜「あら? お二人とも、 犯人を知っちゃってまんねんですか?」
ハーケン「プリンセスがオーバンコバンに 興味を持ったように、ここに目をつける 連中は他にもいるってことさ」
ハーケン「“隣の世界”…エルフェテイルから 盗掘に来る連中がいてな」
ハーケン「何度かやりあったが… まあ、性悪なボンバーギャルさ」
神夜「ぼんばあ??」
ハーケン「おっと、カグヤ。 あんたもボンバーギャルだったな。 失礼した」
神夜「え? あ、はい?」
アシェン「セクハラはいいです、艦長。 とにかく転移装置を調べてみましょう」
ハーケン「OK、いくつか作動してるのが あるはずだ。とりあえずはそれだな」
ハーケン(見たところ、ここにはあの水晶体… ミルトカイルはない。 …なら、あれはどこから来た?)

[一番奥の転移装置への通路]

(黒い女性がいる)
ハーケン「ん……!? 誰だ?」
???(T-elos)「…………」
神夜「あら? 先に誰か入って…………」
神夜「ハーケンさんっ!  その人から離れてッ!」
ハーケン「なに……!?」
???(T-elos)「…………」
(T-elosが通路奥へ移動する)
神夜「…………」
ハーケン「おいおい、急にどうしたんだ?  らしくないぜ? プリンセス」
神夜「なにを言ってるんですか!  今の“からくり”を見て、どうも 思わなかったんですか!?」
ハーケン「ん? カラクリ…… アンドロイドだったってことか?」
ハーケン「今さら、 アンドロイドに驚くこともないだろ?  なあ、アシェン」
アシェン「まったくでござりまする」
神夜「そうなんですが …なぜか、すごく危険極まりない 感じがして……」
神夜(霊的なもの…?  でも、何かが欠けているみたいな感じ。 それをなぜ怖く感じたのかしら…?)
ハーケン「プリンセスが鋭いのか、 俺が鈍いのかはわからんが…… 確かめてみる必要はあるな」
ハーケン「今のダークガールが何者なのか、 ここで何をしていたのか」
アシェン「どうやってです?」
ハーケン「OK、一番イージーな方法でいこう。 ……本人に直接訊けばいい」
ハーケン「この先には故障した大型の転移装置しか なかったはずだ。 …すぐにご対面さ」

[最奥の転移装置の近く]

アシェン「目標をロストしました」
神夜「足、速いですね…」
ハーケン「ここは完全に行き止まりだぜ?  速度の問題じゃない」
ハーケン「……と思ったら、アレか。 転移装置が復旧しているのか?」
アシェン「記録ではここ数百年、稼動した 形跡はありません」
ハーケン「だったら…動かしてみるか」

[転移装置のスイッチを押す]

(ゴブリンが出現)
ゴブリン「…………」
ハーケン「おっと、なんか出てきちまったな」
ハーケン「やはり、この転移装置…再起動している。 さっきのブラックガールのせいか?」
アシェン「おそらくは。 反応がロストした理由も、これで説明が つきます」
神夜「どこかに飛んでいったということですね。 …え~と、どこへ?」
ハーケン「さあな。 ……次に会ったら訊いてみるさ」
ゴブリン「…………」
ハーケン「ゲストがお待ちだ。 なかなか空気が読める奴じゃないか」
ハーケン「OK、ニューカマー。 その気があるなら相手になるぜ…!」

【ゴブリン×3との戦闘】

[転移装置]

故障してしまった。
アシェン「機能停止を確認。 転移装置、再起動は不可能ちゃんです」
ハーケン「数百年ぶりに動いたと思ったら、 もう力尽きたか」
ハーケン「アシェン、 さっきのブラックギャルがどこに 転移したか…転移記録は残ってるのか?」
アシェン「データが破損しているようですが、 復元を試みます」
神夜「そもそも、あの黒いからくりの人は、 どこからここへ来たんでしょう?」
ハーケン「さっき戦ったモンスターたちも、 この辺りじゃ見ない連中だ」
ハーケン「どこから来て、どこに行ったのか……」
アシェン「艦長、一部ですが、データの復元が 完了しましたのですのことよ」
アシェン「転移してきた場所に関しては不明ですが、 転移先についての記録はトレース できました」
アシェン「……『ドゥルセウス封墓』です」
ハーケン「………!」
ハーケン「おい、 ドゥルセウス・セメタリーってのは、 まさか…あそこか?」
アシェン「はい。砂漠化したエルフェテイル西部… “デューネポリス”の北端にある、 巨大建造物です」
神夜「どぅるせうす……なんですか?」
ハーケン「そうか、カグラアマハラの人間は、 “あの戦争”については疎いんだったな」
ハーケン「ドゥルセウス封墓… 悪魔たちの世界、フォルミッドヘイムが エルフェテイルに戦争を吹っかけた時…」
ハーケン「侵攻ルートとして使われたクロスゲートが 存在する場所さ」
神夜「え……!? じゃあ……」
ハーケン「ああ、ここでもファントム同様、 『10年戦争』に関するワードが 飛び出しやがった」
アシェン「何が起こりやがっているのでしょう?」
ハーケン「…わからん。 だが、早いところ用事を済ませた方が よさそうだ」
ハーケン「プリンセスをカグラアマハラに 送り届けるぞ」
アシェン「了解。 クロスゲートは、この艦を出て西です。 今度は寄り道なしでお願いします」


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