ザベル「チィッ！ ワッケわかんねェ！
もっと簡単に造りやがれってんだよ！」
？？？(わや姫)「ちょっと、まだなの？」
ザベル「ウルセェ、いろいろと複雑なンだよッ！
黙って入ってやがれ！」
ザベル「ケッ、
いろいろネタを仕込んできたってのに、
肝心の機械が動かねェんじゃよォ」
？？？(わや姫)「ん…？ 熱源反応…。
ザベル、かなりの人数が、こっちに向かって
来てるわよ？」
ザベル「ああン？ テメェ、ヒマだからって
くだらねェコト言ってるんじゃ…」
（巨大な機械があった部屋へ向かった面々が出現）
ＫＯＳ－ＭＯＳ「ここです。このブロックから、
高エネルギー反応が確認されました」
鳳鈴「な、なんなの、この機械……あっ！」
ザベル「なんだァッ！？
テメェら、一体どっから入って…」
ザベル「ウヒョワァァーーーオッ！」
レイレイ「な、なんでアンタがここにいるアルか！」
ザベル「やっぱりさァ、オレとレイレイちゅわんは
結ばれるウンメーにあるってコ・ト！」
ワンダーモモ「ぜんぜん聞いてないみたいですけど…」
フェリシア「会話にすらなってない…」
ベラボーマン「ですが、彼は確か魔界村の者達と
協力していたはず。
という事は…ここにも、魔界村の手が？」
？？？(わや姫)（この声は…ベラボーマン…！）
春麗「ちょうどいいわ。
取り巻きもいないようだし、締め上げて
情報を聞き出しましょう」
キング『名案だな。
この気味の悪い機械の事も気にかかる』
小牟「気味が悪いというより、まるでロボットの
ようじゃのう」
小牟「…という事は、いきなり合身（がっしん）
して襲いかかってくるかもしれんぞ！
ど、どういよう、零児！」
零児「落ち着け。どう見ても設置型の機械だ。
それに、詳しくはそこのゾンビ野郎から
聞き出せばいい」
タキ「うむ。…さあ、異形の者よ。
洗いざらい、知っている事を
吐いてもらおう」
Ｍ．Ｏ．Ｍ．Ｏ．「…な、なんか、悪者っぽいですね…」
シオン「まあ…人数もこっちの方が多いし…
この場は仕方ないわよね…」
ザベル「ケェッ！ チョーシこいてんじゃねェ！
人数あわせなら、今すぐしてやるぜェ！」
ジェネティー「………！」
（ザベル＝ザロックが機械の上に移動）
フーバー「なにをしゅる気でしゅか！？」
ザベル「こォしゅるつもりよォ！」
（奥の機械が音を出しながら黄色く点滅する）
コブン１号「トロン様ぁ！ エネルギー反応ですぅ！」
トロン「…え！？ 奥のマシンから！？」
（ロボティアンが出現）
サビーヌ「こいつら…ゾウナの兵隊…！？」
クリノ「…ここは、たぶん工場なんだ。
ゾウナの軍勢…機械兵士を造るための！」
タイゾウ「ちっ、そういう事は先に言ってくれ。
とっととぶち壊すべきだったぜ」
キャミィ「だが、敵の規模は明確になった。
排除するべきだと思うが？」
ザベル「排除ォ？ そりゃこっちのセリフだぜェ！
おら、イケや！ 蹴散らせェ！」
ザベル（もうちっと時間かせがねェとなァ）
？？？(わや姫)「………」
ザベル「チッ、だらしねェな！
ポコポコポコポコやられやがって！」
レイレイ「さあ、降りてくるアルよ、ザベル！
決着をつけるアル！」
ザベル「ノ、ノォォォーーゥ！
それって求婚ってコトォ！？ ワォッ！」
鳳鈴「…ここまで来ると立派ね」
フェリシア「レイレイちゃん、もう観念したら？」
レイレイ「冗談じゃないアルよ！」
春麗「レイレイとあいつの関係は知らないけど、
とにかく引きずり下ろさないとね」
キャミィ「ああ。
…おい、降りて来い。貴様に用がある」
ザベル「ああ～ん？
レイレイちゅわん以外に興味ナッスィン！」
ザベル「さっさと片付けてェが…
もうちっとビッとした兵隊はでねェのか！
この！ この！」
タイゾウ「なんだ？ あの野郎、暴れやがって」
？？？(わや姫)「ちょっとザベル！ 私が入ってる事、
忘れてるんじゃないでしょうね！」
キング『なに、人の声！？
まさか、誰か閉じ込められているのか！？』
Ｍ．Ｏ．Ｍ．Ｏ．「え！？ え！？ そんな…！」
（ザベル＝ザロックが乗っていた手前の機械があちこちから火を吹き、ザベル＝ザロックは奥に飛ばされる）
ザベル「ビ、ビリッと…キタぜェ…」
（揺れる）
ジェネティー「………！」
フーバー「な、なんでしゅか！？ 故障！？」
シオン「ＫＯＳ－ＭＯＳ！
どうなっているかわかる！？」
ＫＯＳ－ＭＯＳ「中央にある装置から、高エネルギー反応が
検出されました」
コブン１７号「ば、爆発するんじゃないですかぁ！？」
小牟「ここで爆発オチ！？
そ、そんな…みんなの髪の毛がアフロに…！」
零児「そんな事は心配しなくていい！
まずいぞ、退避は間に合うのか…！？」
クリノ「いけないっ！ 僕達も危ないけど…
中に閉じ込められている人が！」
トロン「間に合いませんわ！ みんな、伏せて！」
（中央の機械が何回か火を噴き、止まる）
ワンダーモモ「お、収まった…？」
サビーヌ「爆発はしなかったみたいだな。
やれやれ…人騒がせな」
ベラボーマン「そ、そうだ！
内部の人は大丈夫なんですか！？」
（中央の機械が黄色に光り、わや姫が出現）
わや姫「心配は無用よ、ベラボーマン」
ベラボーマン「あなたは…わや姫！？
どうしてこんな場所に！？」
フーバー「中に入っていたのは…
あのアンドロイドの娘しゃんでしゅか！？」
ザベル「ああッ！？ おい、オメエ一人かよ！」
わや姫「慌てないでよ。…成功したわ」
ベラボーマン「成功…？ 何を…」
（わや姫（レプリカ）が３体出現）
わや姫×３「………」
タキ「面妖な…！ 分け身の術か…！？」
Ｍ．Ｏ．Ｍ．Ｏ．「ち、違います！
たぶん…マスプロダクションモデルです！」
ベラボーマン「マスプロ……量産という事ですか！？」
ザベル「ヒャッハー！
イロイロあったが、うまくいったぜェ！
なァ、ワヤヒメよォ」
わや姫「そのようね。
…これなら戦力差を埋められるわ」
タイゾウ「最初にゴソゴソやってやがったのは…
これをしたかったってワケか」
コブン２８号「おんなじ人がたくさんいますぅ」
Ｍ．Ｏ．Ｍ．Ｏ．「ひゃ、百式観測器みたいです…」
ＫＯＳ－ＭＯＳ「スキャンしましたが、厳密には
オリジナルよりも性能は低いようです」
ザベル（一発目は成功か。次はァ…）
（ザベル＝ザロックが左奥の機械の上に移動）
ベラボーマン「わや姫、そのゾンビと一緒にいると
いう事は…あなたは魔界村の軍門に
降ったというのですか！？」
わや姫「軍門に降った…というのとは違うわ。
私はあなたを倒す事だけをプログラム
されているのよ？」
わや姫「そのための手段に制限はないわ。
魔界村との連携は、戦力差を埋めるための
手段…という事よ」
わや姫「それに、一緒に行動しろと命令された
“ブラック”が、魔界村に入ってしまった…
というのも、理由のひとつだけどね」
ベラボーマン「ブラック…！？
まさか、ブラックベラボー…妙島がっ！？」
キャミィ「ブラックベラボー…あの黒い奴か」
キング『なんと…人間でありながら、魔界入り
したというのか…！？』
ザベル「ケェーーッ！ おら、オメエらッ！
ワッケわかんねェコトをツラツラと
話してんじゃねェ！」
ザベル「ワヤヒメ！ やっちまえや！」
フェリシア「ちょっとザベル！ うるさいよ！
こっちはまだ話し中なの！」
わや姫「いいえ、話はもう終わりよ」
わや姫「それじゃ…いくわよッ！」
ベラボーマン「………」
ベラボーマン「みなさん、お願いがあります。
わや姫を…破壊しないでもらいたいのです」
零児「なに…？ 中村さん、どういう事だ？」
タキ「フッ…まさかからくりに情が移った…
というのではあるまいな？」
小牟「それとも、あの網タイツに…」
ベラボーマン「そんな理由ではありませんよ」
ベラボーマン「妙島の…ブラックベラボーの事を
聞き出さなければなりません」
ワンダーモモ「ベラボーさん、そこまであの人の事を…」
春麗「…なるほど。確かに、あのゾンビよりは
ききわけが良さそうね」
トロン「場合によっては、分解してでもデータを
取り出しますわ！」
クリノ「…わかった。やってみよう」
サビーヌ「面倒だけど、仕方ないな」
鳳鈴「中央の彼女…
それ以外は破壊してもかまわないの？」
シオン「見る限り、他はコピー品みたいです。
中央のオリジナルさえ残っていれば…」
ベラボーマン「すみません、みなさん…」
わや姫「甘い…甘すぎてよ、ベラボーマン」
わや姫「あなたがどう考えていようと、あの時の
決着がつくまで…私は諦めはしないわよ」
ベラボーマン「わや姫、今はあの時の戦い…
“新田四丁目”での戦いに囚われている
時ではないのです」
ベラボーマン「あの戦いの遺恨をここで断ちます。
そして、知っている事を話してもらいます」
わや姫「どこまでも甘い男ね、ベラボーマン」
わや姫「シノビにとって、敗北は死。
…あなたが死ぬか、私が破壊されるか…
それしかないのよ、ベラボーマン…！」
わや姫「くっ、やられたか…。
…あまりいい気分はしないわね」
タキ「ふん、これで夢想抜刀流を名乗ろうとは
笑わせてくれる」
タキ「姿かたちは同じでも、貴様の方が
能力的には優れているようだな」
わや姫「お褒めの言葉と受け取っておくわ。
同じく夢想抜刀流の使い手さん」
タキ「…フッ」
わや姫「さすがにやるわね、ベラボーマン…！」
ベラボーマン「諦めてください、わや姫。
あの時のように、破壊したくはありません」
ベラボーマン「私達の戦いは…
あの時、終わったのですから…」
わや姫「…言うな、ベラボーマン！」
ザベル（こいつら、マジ強ェな…。
このままじゃジリ貧になっちまうぜェ…）
ザベル「おらっ、気張れや、このポンコツが！」
わや姫「誰がポンコツですってぇっ！？」
ザベル「オメェじゃねェ！ この機械だよッ！」
鳳鈴「あのゾンビ、また騒ぎ出したわよ？」
レイレイ「あっ、何か企んでるアルな！」
ザベル「アッタマきたッ！」
ザベル「デスボルテェェーーージ！」
（ザベルがギターを弾き、奥の機械に稲妻が落ちる）
タキ「ぬうっ！？ 稲妻を操る術だと！？」
タイゾウ「ちっ、騒がしい野郎だ…！
今度は一体なにをした！？」
（奥左の機械が火を噴いて音を出しながら黄色く光る）
ＫＯＳ－ＭＯＳ「エネルギー反応増大。
…先ほどと同じ反応です」
シオン「先ほどって…今度は向こうからも
何か出てくるの！？」
フーバー「電流を流して無理に負荷をかけるなんて…
滅茶苦茶でしゅ！」
ザベル「うるせェーゼ！ 動きゃいいんだよ！」
（ロボティアンが出現）
ザベル「そら来たァ！」
サビーヌ「…なんだよ、馬鹿みたいにいっぱい
出てくるかと思えば、こんだけ？」
クリノ「何を期待してるんだよ、サビーヌ」
クリノ「これ以上出てくる前に、早めに…」
（右奥の機械が火を噴き、音を出しながら黄色に光り、プロトタイプ・ジャックが出現）
ザベル「また来たァ！」
Ｐ・ジャック「………」
キャミィ「む、こいつは…確か…」
春麗「このロボットは…三島重工製のロボット！
なぜここに！？」
わや姫「…なるほど。この製造マシン…
私のデータベースをハッキングしたようね」
ベラボーマン「そういう事ですか…！
今の彼女は三島重工製…！ という事は…」
（右奥の機械が黄色に光り、ベンジャミン大久保彦左衛門とピストル大名が出現）
ジェネティー「……！」
ザベル「やれ来たァ！」
ワンダーモモ「ベラボーさん！ このロボットは…！」
ベラボーマン「爆田軍団…！ まさかこんな所で！」
小牟「いろんなロボが出て来よるぞ！
…は、版権的に問題あるロボットとか
出て来んじゃろうな…？」
零児「何が出てこようが叩き潰すだけだが…」
零児「…ちっ、何体出てくるんだ？」
（左奥の機械が黄色に光り、フォボスが出現）
フォボス「………」
ザベル「おっとォッ！ 本命来たぜェッ！
ヒャーハッ！」
キング『本命…！？
なんだ、見た事がないロボットだが…』
わや姫「ちょっとザベル。
こんなロボット、私のデータベースには
ないわよ？」
ベラボーマン「三島重工製ではない…！？」
ザベル「そりゃそーだろ！
コイツぁ魔界で発見された、古代の
ガーディアンよ！」
フェリシア「ま、魔界で発見された！？」
ザベル「その一部を持ってきただけだがよォ、
大ビンゴだぜェ！」
Ｍ．Ｏ．Ｍ．Ｏ．「な、なんかすごそうです…
シオンさん、大丈夫なんでしょうか…」
シオン「…ここまで来たら、何が来ても
もう驚かないわ、モモちゃん」
シオン「この場は戦って、切り抜けるしか…」
（左奥の機械が音を上げながら黄色に光り、ＫＯＳ－ＭＯＳ（レプリカ）が３体出現）
ＫＯＳ－ＭＯＳ×３「………」
シオン「…って、ええーーーーーーッ！？」
コブン１号「す、すごい驚いてますぅ」
トロン「そりゃ驚きますわよ！」
トロン「ヴェクター社製の戦闘用アンドロイドが…
なんで異世界で造られてるの！？」
ザベル「な、なんだァ？
こんなの、造った覚えねェぞ？」
レイレイ「ちょっと！ 無責任なコト言うなアル！」
フーバー「もしかしたら、このマシンそのものに、
コピー機能が実装されているのかも
しれましぇん…！」
シオン「そんな…！ ＫＯＳ－ＭＯＳ！」
ＫＯＳ－ＭＯＳ「スキャン完了しました。
オリジナルの私よりも装甲面で強化が
施されているようです」
ＫＯＳ－ＭＯＳ「ですが、出力面では私の方が上回って
いるようです」
ＫＯＳ－ＭＯＳ「戦闘は有利に進められると考えられます」
タキ「…よくわからぬが、本人が一番冷静な
ようだな…」
小牟「うむ…慌てとるシオンがかわいそうに
なってくるほどじゃのう」
ザベル「まァ、かまやしねェか！
オメエら、血祭りだぜェ？ ヒャーッハ！」
（ザベル＝ザロックが機械の上から降りてくる）
タイゾウ「チッ！ これ以上出てこられたら厄介だ！
早いところロボットどもを片付けて、
このマシンをぶち壊すぞ！」
零児「ああ。長期戦になったら、また何を
出されるかわからん」
零児「一気に勝負をつけるぞ…！」
ＫＯＳ－ＭＯＳ「目標の機能停止を確認しました」
Ｍ．Ｏ．Ｍ．Ｏ．「というより、爆発しちゃいました…」
ベラボーマン「なんとも複雑な気分ですねえ。
仲間を攻撃して、倒してしまったようで…」
ワンダーモモ「で、それを確認してるのが
ＫＯＳ－ＭＯＳさんだっていうのも…
別の意味で複雑ですね」
タイゾウ「センチな気分に浸ってる場合じゃねえ。
敵は敵だ。ぶち壊すしかねえんだよ」
トロン「あ、名案がありますわ！」
トロン「残ったパーツをこのコ達に組み込んで、
コブンとＫＯＳ－ＭＯＳのコンパチモデルを
造るというのはどうかしら？」
コブン「わ～い、コブモスで～す！」
小牟「もしくは、部品を集めて、ガワだけでも
完璧に元の形に戻せれば…」
零児「なに？ どうするつもりなんだ？」
小牟「マニアなら高値で買うぞ？」
小牟「インターネットでオークションに
出そうものならそれこそ…」
シオン「そ、そういう意見には、開発主任としては
賛同しかねます…」
（奥の扉が壊れる）
フーバー「な、何事でしゅか！？ 奥の扉が！」
トロン「熱源接近…！？ 人間のようですわ！」
コブン「もしかして、他の皆さんが助けに
来てくれたのかもしれないですぅ！」
（殺意の波動に目覚めたリュウが出現）
リュウ「う、うぐおおお…」
レイレイ「お！ リュウアルな！
ホントにアタシ達を助けに…」
レイレイ「…って、アラ？」
リュウ「…ぐ…う…」
春麗「リュウ！？ あなた…リュウなの！？」
タキ「待て、様子がおかしい。
あ奴の全身から発せられている殺気…
普通ではないぞ…！」
サビーヌ「クリノ、アンタがゾウナの手にかかって、
ブラックサンドラにされた時と、少し
似てないか？」
クリノ「あの時の…！？ だとしたら悪霊が…
彼に取り憑いているのか！？」
小牟「イメチェンにしては思い切りすぎじゃが…
まさか、本当にそうなのかの…？」
零児「いや、憑かれている感じじゃない。
だが…そうなると、彼のこの変貌は…？」
Ｍ．Ｏ．Ｍ．Ｏ．「あ、あの…リュウさんなんですけど…
分析不能のエネルギーが検出されました…」
シオン「え！？
ど、どういう事…分析不能って…」
Ｍ．Ｏ．Ｍ．Ｏ．「でも、一致するデータが過去にあるんです」
春麗「過去に…！？
リュウがあんな状態になった事なんて
今まで一度も…」
ＫＯＳ－ＭＯＳ「一致するデータは、以前戦闘を行った
“ゴウキ”という人物から検出された
エネルギーの事です」
春麗「豪鬼…！？
拳を極めし者…豪鬼と同じですって…！？」
リュウ「ぐ…ぐぐ………」
リュウ「…滅する…俺…は…」
キャミィ（まさか…これがベガ様の言っていた、
サイコパワーの究極理想形だというのか？）
タイゾウ「ちっ、ロボットどもには見向きも
しやがらねえ」
タイゾウ「狙いは俺達らしいぜ？」
ザベル「ヒャハ！ そりゃいいぜ！
オラッ、やっちまえや！」
わや姫「私達に目もくれないなんて、少し
腹立たしいけど…まあいいわ」
キング『闘うしかない…！
一度気絶させられれば、彼を正気に
戻せるかもしれない』
零児「その手だな。
憑かれていないとすると、術の類だろう。
ならば意識を一度断つのが常道だ」
小牟「まったく…どこのどいつの誘惑光線で
クラッときおったんだか…」
？？？(アーマーキング)『…そう簡単に正気に戻るとも思えんがな』
ジェネティー「……ッ！？」
（奥の扉の前にアーマーキングが出現）
フェリシア「ああっ！
キングさんの…お師匠さん！？」
キング『アーマーキング…！』
キング『なぜここに…！？
…まさか、彼をこのようにしたのは…！』
アーマーキング『タッグパートナーとしては、なかなか
魅力があるがな』
アーマーキング『…そいつはこのピラミッドの中を
さまよっていたのだ』
アーマーキング『俺はおまえ達を探していた。
こいつがここに来たのは偶然だが…』
アーマーキング『フフフ…案外、こいつの目的も
おまえ達だったのかも知れんな』
リュウ「………」
ワンダーモモ「いい加減な事を言わないでください！」
ワンダーモモ「それだったらなぜ、リュウさんは私達と
戦おうとするんですかっ！」
アーマーキング『俺の知った事ではない。
俺はこいつの後からここへ来ただけだ』
キング『…ならばなぜ、あなたは傷を負って
いるのです？』
アーマーキング『………』
鳳鈴「え…！？ あ、そういえばそうね」
キング『彼を…ここへ連れてくるために、
その傷を負ったのではないのですか？』
ベラボーマン「もしや…私達にリュウ君に起こった
異変を知らせるために…！？」
アーマーキング『………』
キング『…あなたが私の知っている男なら、
おそらくそうするはずだ』
アーマーキング『………』
アーマーキング『…どう考えようが、おまえの勝手だ』
アーマーキング『だが、俺の仕事は変わらん。
…おまえ達を始末しろと言われている。
覚悟してもらおう』
クリノ「言われている…？
あのブラックワルキューレにか？」
サビーヌ「だろうな。
コイツ、あの女の子分だったからな」
キング『なぜです、アーマーキング！
あなたが…誇り高いあなたが、
なぜあのような者の言いなりにッ！』
アーマーキング『………』
フェリシア「キングさんのお師匠さんが悪い人な
はずないよ！」
フェリシア「それが、どうしてあんな奴なんかに！」
アーマーキング『…俺も『悪の華』と呼ばれた男。
悪党と組むのは必然だ』
アーマーキング『いくぞ。…真実は、組み合えばわかる』
キング（師よ…あなたはどうして…！）
ザベル「カァーッ！
コイツら相変わらずムカつくぜェ！」
ザベル「チッ、ヤメだヤメだ！ 出直すゼッ！」
ワンダーモモ「待って！ アマゾーナは…
アマゾーナはどこにいるの！？」
ザベル「あァ？ アマゾォーナァ？」
魔界村
ザベル「…あの鎧着た小娘か。
あきらめンだなァ、奴がいるのは…
魔界村だぜェ？」
ワンダーモモ「…魔界村…！」
レイレイ「いつかは行かなきゃいけないトコアル。
桃ちゃん、元気出すアルよ」
ザベル「レイレイちゅわんの手前、忠告しといて
やるがよォ…」
ザベル「やめときなァ！
命がいくつあっても足りねェぜ！
ヒャーッハッハッハァ！」
（ザベル＝ザロックが撤退）
ワンダーモモ「アマゾーナ…私は…」
ベラボーマン「桃さん、心配しないで。私も一緒に
行きますよ」
ベラボーマン「魔界村…私にも用事ができましたのでね」
ベラボーマン（妙島…早まってはいけない…）
アーマーキング『ここまでか…仕方あるまいな』
キング『アーマーキング！
なぜ真実を話してくれないのです！
あなたは…何かを隠している！』
アーマーキング『…俺は地獄より舞い戻った。
ただ、それだけの事だ』
フェリシア「もうっ！ 意味わかんないって！」
アーマーキング『いつかわかる。
その時が…俺達のファイナルバウトに
なるだろう』
キング『アーマーキング！』
（アーマーキングが撤退）
キング『アーマーキング…師よ。
再び会う事ができたというのに…なぜだ…』
フェリシア「キングさん…」
リュウ「ぐ、ぐううう……」
キャミィ「確実にダメージは蓄積している。
もう少しで戦闘不能にできるはずだ」
鳳鈴「この苦しみ方…体の傷のせいじゃない
ような気がするんだけど…」
春麗「しっかりして、リュウ！
気を確かに持つのよ！ 正気に戻って！」
リュウ「ウオオ…ッ！」
（殺意の波動に目覚めたリュウが入ってきた扉まで移動し撤退）
零児「しまった！ おいッ！」
小牟「くっ、ここまで余力を残しておったか！
どこへ行く気じゃ？」
キャミィ「追うか？ チュンリー」
春麗「いいえ、ここで分散するのは危険よ。
でも…この場をなんとかして、すぐに
追わなければならないわね」
春麗（リュウ、あなたに何が起こったと
いうの！？）
（ベラボーマンとワンダーモモがユニット分離）
わや姫「これで残るは私一人…か」
わや姫「フッ…
本当に私を破壊せず、ここまでやるとはね」
ベラボーマン「言ったはずですよ。
あの時の戦いの遺恨をここで断つ、と」
ベラボーマン「もう、あなたに勝ち目はありません」
ベラボーマン「…あなたを無下に破壊したくはない。
わかってください、わや姫」
わや姫「…私の勝率は１％以下、か。
ならば…できる事はひとつだけよ」
（わや姫に赤い光が上がる）
ＫＯＳ－ＭＯＳ「…目標『ワヤヒメ』のエネルギー、
異常増大を確認しました」
ジェネティー「……？」
タイゾウ「アンドロイドのエネルギーが増大？
おい、まさか…！」
コブン２８号「オーバーヒート…ですかねぇ？」
鳳鈴「この状況で？ あっ…！ まさか…」
シオン「自爆…ッ！？」
シオン（レアリエン達と同じ自爆システムが…
このコの体にも！？）
サビーヌ「自爆って…オレ達もろともか！？」
クリノ「いけないっ！ みんな、下がるんだ！」
ベラボーマン「そんな事をしてまで…私を！？」
わや姫「これはプログラムよ、ベラボーマン」
わや姫「敗北が確定的になったと私が判断した時、
作動するようになっている…ね」
わや姫「私の動力炉が暴走、爆発すれば…
この部屋くらいは簡単に吹き飛ばせるわ」
わや姫「………」
（わや姫が後ろを向く）
わや姫「…逃げるなら今よ、ベラボーマン」
ベラボーマン「なんですって？
私を巻き込むつもりではないのですか！？」
わや姫「これであなたを倒したとしても…
私が勝った事にはならないからよ」
ワンダーモモ「ど、どういう事ですか！？」
わや姫「私を造り、プログラミングした爆田博士が
ベラボーマンに勝つ…というだけの話よ」
わや姫「それじゃ意味がない。
…ならば、私一人消えゆくのみ」
ベラボーマン「わや姫…」
（わや姫の身体のあちこちが爆発）
わや姫「死して屍を拾う者などいない…
私にインプットされている、最後の情報よ」
タキ「……見事」
シオン「…させない」
（シオンの周りの者達がシオンの方を向く）
Ｍ．Ｏ．Ｍ．Ｏ．「シオンさん…？」
シオン「造った側の都合で…造られた側の存在が
自由に扱われていいはずがない…！」
シオン「そんなプログラム…私は認めない…！」
ＫＯＳ－ＭＯＳ「シオン…」
トロン「…同じ技術者として、その気持ちは
わかりますわ。だけど、もう…！」
キャミィ「ああ、すでに暴走は始まっている。
…時間がないぞ」
シオン「怖い…だから、使いたくないけど…
賭けるわ、この兵装に」
春麗「彼女を止める方法があるというの！？」
シオン「これしか…ない…！」
【強制戦闘】
シオン（イナズマブロー）ｖｓわや姫
（わや姫から黒い煙が立ち昇っている）
キング『い、今のは…高圧電流か！？』
フーバー「ワヤヒメしゃんのエネルギー反応、
安定したようでしゅ」
フーバー「なるほど…
ショートさせて、中枢回路に無理矢理
リセットをかけた、というわけでしゅか…」
小牟「む、無茶しよる…」
フェリシア「ビリビリ～って、キャプテンみたい…」
フェリシア「…って、シオンちゃん！？」
シオン「はぁ…はぁ…」
ベラボーマン「ウヅキさん！
ちょっと…大丈夫ですか！？」
零児「…まさか、自分にも被害が！？ おい！」
シオン「だ、大丈夫…。
私…雷が怖いんです…あの時の事を…」
シオン「…母さんの…事を…」
ベラボーマン「何か…トラウマが！？」
ベラボーマン「それなのに…今のような技を！？」
シオン「人の都合で造られて、壊される…
そんなの…哀しすぎますから…」
（ＫＯＳ－ＭＯＳの目が青い）
ＫＯＳ－ＭＯＳ「………」
レイレイ「ともかく、一安心…アルか」
春麗「ベラボーマン…決着を付けたのは
あなたじゃなかったけど…いいのね？」
ベラボーマン「…ええ。これで…いいんです。
彼女には、ここで眠ってもらった方が」
ベラボーマン「…さあ、行きましょう。
リュウ君の事も気になります。
ピラミッドの奥へ…！」
（ベラボーマン以外の味方が撤退）
ベラボーマン（わや姫、さよならです）
（ベラボーマンが撤退）
わや姫「……………」