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轟き、覇壊せし者 ~ 第31話 ~

《地球近海 ヘルゲート》

[ヘルゲート 内部]

ラージ「これだけの資材があれば、 時流エンジンをすぐに作れますね」
デスピニス「本当ですか……?」
ラージ「ええ」
ミズホ「………」
ミズホ(すぐになんて……そんなはずないのに……)
デスピニス「あの……一つ聞いていいですか?」
ラージ「何です?」
デスピニス「何故、あなた達は時流エンジンを 作ろうと思ったんですか?」
ラージ「……発案者は僕じゃありません。 僕の父です。でも、きっかけとなったのは 僕かも知れません……」
デスピニス「え?」
ラージ「僕の母親は、僕が小さい頃に死にましてね。 その後、父に言ったんです。 ……母にどうしても会いたいと」
デスピニス「………」
ラージ「でも、死んだ者は帰って来ません。 そこで父はタイムマシンを作り、 母が生きていた頃に戻ろうと考えたのです」
デスピニス「そんなことが出来るんですか……?」
ラージ「出来ませんよ。それに、科学者としては あまりにも馬鹿げた発想です」
ミズホ「ラージさん……」
ラージ「とは言え、 さすがにそれだけの理由で時流エンジンの 開発を決意したとは思えません」
ラージ「おそらく、僕を時流エンジンの研究に 参加させるための方便だったんでしょうね」
デスピニス「……昔のあなたは、 デュミナス様と同じなんですね……」
ラージ「どういう意味です?」
デスピニス「デュミナス様も 自分の創造主に会いたいと思っておられるのです」
ラージ「会ってどうするんです?」
デスピニス「自分が何者なのか…… 何のために造られたのか…… その答えを知りたいと……」
ミズホ「え……?」
ラージ(……どうやら、 僕の予想は当たっているみたいですね)
デスピニス「………」
ラージ「それで、 あなたはデュミナスの願いを叶えるために 時流エンジンを狙い続けていたのですか」
デスピニス「そうです…… デュミナス様は私の創造主……お母さん…… あの方のために私は存在しています……」
ミズホ「デスピニス……自分自身のために…… 生きてみようとは思わないの?」
デスピニス「いえ……デュミナス様あっての私…… あの方の望みは、私の望み……」
ラージ「もし……デュミナスが死んだら、 あなたはどうするんです?」
デスピニス「私も死にます…… 存在する理由がなくなりますから……」
ミズホ「そんなの……そんなの間違ってる……」
デスピニス「え……?」
ミズホ「あたしも…… ラージさんと同じで、両親はもういないの」
ミズホ「事故に遭って……救助が間に合わなくて……。 あたしも後を追おうと思ったわ……」
デスピニス「………」
ミズホ「でも、思い直したの」
デスピニス「何故……?」
ミズホ「あたしが死んだら、お父さんやお母さんの全てを 否定してしまうような気がして……」
ミズホ「だから、あたしは生きようと決めた。 そして、救助活動用のマシンを…… エクサランスを作ろうと思ったの」
デスピニス「でも、今のあれは……」
ミズホ「そう……兵器よ。 あたしの目的を達成するには、そうするしかなかった」
ミズホ「でも、 そのせいであたし達は戦いに巻き込まれ、 フィオナさんは……」
デスピニス「………」
ラージ「そこまでです、ミズホ。 今の僕達の立場を忘れたのですか?」
ミズホ「……!」
ラージ「僕はフィオナのように死にたくありません。 さあ、時流エンジンの制作に取りかかりましょう」
ミズホ「嫌……です」
ラージ「デュミナスに殺されてもいいのですか?  ここで死んだら、自分で自分を否定することに なりますよ?」
ミズホ「………」
ラージ「今の僕達は、デュミナスのために 時流エンジンを作るしかないんです」
ミズホ「ラージさん…… いったい、あなたはどうしてしまったんですか……?」
ミズホ「時流エンジンが 悪用されてもいいんですか……?」
ラージ「今の状況じゃ、仕方ありませんね。 死ぬよりはましです」
ミズホ「あ、あたし…… あたし……ラージさんを見損ないました……」
ラージ「………」
ラージ「何とでも仰って下さい。 僕は、僕自身が生きるために時流エンジンを作るのです」
デスピニス「………」

[ヘルゲート 内部]

デュミナス「……『奥の院』?」
ミザル「そう……転空魔城の中枢部だ。 隔壁で閉ざされていて、中に入ることは出来ん」
デュミナス「初耳ですね」
ミザル「か、解析に時間がかかっていたのだ」
デュミナス「なるほど…… それで私の知恵を借りたいと?」
ミザル「う、うむ」
デュミナス「転空魔城の次元転移装置は、 その『奥の院』の中にあるのですね?」
ミザル「……おそらくな。 だが、機能不全に陥っていると思われる」
デュミナス「………」
ミザル「私が転空魔城の真の主となるためには、 『奥の院』の秘密を掌握しなければならん……」
デュミナス「そのために、 私に頭を垂れるというのですね?」
ミザル「……そうだ」
デュミナス「いいでしょう…… まもなく、こちらの準備が完全に終わります。 その後、力になりましょう」
デュミナス「ただし、見返りは……」
ミザル「わかっている」
デュミナス「……現時点で、『奥の院』について 何か判明していることはありますか?」
ミザル「外部端末を調べた所、 “ラディ・エス・ラディウス4”……」
ミザル「そして、 “闇黒の叡智”という言葉が出てきた」
デュミナス「“闇黒の叡智”……!?」
ミザル「ど、どうした?」
デュミナス「お、おおお……おお……!」
ミザル「デュミナス!?」
デュミナス「そうか……そうだったのか……!  あれは……あれは……!」
ミザル「………」

《テスラ・ライヒ研究所》

[テスラ・ライヒ研究所 中央管制室]

ジョナサン「……諸君、待たせたな」
テツヤ「ダガーの準備が整ったのですか?」
ジョナサン「とりあえずはな」
レフィーナ「え……?」
ソフィア「全機能の解明には、 相当な時間が必要となるでしょう」
ソフィア「現時点では、 とりあえず使い方が判明しただけです」
ソフィア「そして、使用は1回のみ…… つまり、再転移は不可能です」
テツヤ「それで大丈夫なんですか……?」
ジョナサン「修羅達と同じく、 転移自体は出来るだろうが…… 確実に目的地へ行けるという保証はない」
レフィーナ「まったく別の場所へ 転移してしまうとか……」
フィリオ「フォルカの話から想定すれば、 極端な誤差は出ないようです」
フィリオ「それに、転移可能な距離には ある程度の制限があると思われます」
ショーン「とは言え、 絶界宝の結界内にでも転移したら 大変なことになりますな」
テツヤ「アインスト空間からも生還した我々です。 運があると信じましょう」
レフィーナ「……そうですね」
レーツェル「では、主要メンバーの招集を。 オペレーション・オーバーゲートの ブリーフィングを行おう」

[ブリーフィングルーム]

カイ「では、今から作戦の概要説明を行う。 ……ギリアム」
ギリアム「はい。 ……諸君らも知っての通り、我々はダガーを用い、 ソーディアン内部への空間転移を行う」
ギリアム「セルシア、ソーディアンの映像を」
セルシア「はい」

[モニター (ソーディアン外観)]

セルシア「これがソーディアン…… 修羅達は転空魔城と呼んでいます」
ギリアム「我々の最優先攻撃目標は、 リングの中央部分……ソーディアン中枢部にあると 思われる絶界宝だ」
カチーナ「直接そこへ転移すんのかよ?」
ギリアム「いや」
フォルカ「『奥の院』の中は誰も…… 転空魔城の解析を行っているミザルでさえも 見たことがない」
カチーナ「何だって……?  だったら、それこそダガーを使って中へ 転移すりゃいいんじゃねえのか?」
イルム「中に何があるかわからないんだ。 万が一、隔壁の中に転移してしまったら……」
タスク「妖怪ぬりかべになっちまうッスよね~」
ラミア「空間転移には、転移先の状態を 可能な限り知っておくことが必要でありんす」
カチーナ「そ、そうか」
ギリアム「ともかく、 中枢部については詳細な情報がない。 故に直接転移は危険だと判断し……」
ギリアム「ソーディアン先端部の中央にあると言う 空洞内部へ転移する」
リョウト「空洞部……?」
フォルカ「ああ……遺跡らしき物がある、巨大な空間だ。 転空魔城の先住者の居住空間だったのでは ないかと言われている」
ヴィレッタ「今、その先住者は?」
フォルカ「俺達が転空魔城に入った時、 中には誰もいなかった」
ヴィレッタ「………」
ギリアム「……戦艦クラスが転移できる場所で、 最も中枢部に近いのは、その空洞部だ」
カイ「転移した後、我々はフォルカの誘導で ソーディアン中枢部を目指す」
カイ「その途中、修羅王や将軍を始めとする 多くの修羅達が立ちはだかるだろう……」
カイ「我々はそれらを全て撃破し、 絶界宝を破壊して、結界を消滅させる」
ライ「あの結界は、 ソーディアン内部にも及んでいるのですか?」
ギリアム「いや、外部だけだ。 ただし、中枢部では何が起きるかわからん。 充分に注意してくれ」
カイ「他に何か質問は?」
キョウスケ「………」
コウタ「………」
ラミア「………」
カイ「では、作戦開始時間は1400。 今まで以上に厳しい作戦となるが、現在の戦況を 打破するためにも、必ず成功させねばならん」
カイ「各員の一層の奮闘を期待する。 ……以上だ。直ちに持ち場へつけ」

〔戦域:テスラ・ライヒ研究所周辺〕

(研究所前の滑走路にソーディアンズ・ダガーが4機あり、その中央にハガネとヒリュウ改が待機している)
ソフィア「ダガーのRCデバイス、 最終確認終了。異常なし」
フィリオ「ソーディアンの現在位置、 転移座標、再確認。ESウェーブの パターン予測データを」
セルシア「はい。そちらへ送ります」
フィリオ「……海は穏やかなようだね。 これなら、大丈夫だろう」
エイタ「作戦スタートまで、あと500。 各機の出撃準備完了」
テツヤ「了解した」
セルシア「ファイナル・カウント・ダウン、 スタート」
ロバート「全ダガー、 動力系、制御系に異常なし」
ジョナサン「彼らを 送り出すのに問題はなさそうだな」
ロバート「ええ」
フィリオ「アイビス、タカクラチーフ…… くれぐれも気をつけて」
アイビス「はい。 必ずあたし達は帰ってきます」
ツグミ「フィリオ少佐…… あなたと私達のゴールは、 まだずっと先ですからね」
フィリオ「ああ……」
セルシア「マサキ、リューネ…… あなた達や皆さんの無事を祈っています」
マサキ「ああ。 必ず絶界宝をブチ壊してくるぜ」
リューネ「うん。 この作戦で修羅との戦いを終わらせるよ」
ジョナサン「頼むぞ、イルム。 地球圏の命運はお前達の肩に かかっている」
イルム「任せろ。 親父達の努力を無駄にすような 真似はしないさ」
エリ「ブリット、クスハ…… あなた達に超機人の加護があらんことを」
ブリット「必ずここへ戻ります」
クスハ「ええ…… 龍虎王や虎龍王、みんなと一緒に」
ロバート「リュウセイ、 くれぐれも無茶な真似をするなよ」
リュウセイ「その台詞は リシュウ先生に言った方がいいぜ?」
リシュウ「何の。 まだまだ若い者には負けんわい」
ロバート(し、心配だ……)
カーク「リョウト、リオ……。 まだお前達には手伝ってもらわねば ならんことがある」
カーク「……死ぬなよ、二人共」
リョウト「はい、ハミル博士」
リオ「父にも伝えて下さい。 必ず戻ると……」
カーク「わかった」
マリオン「キョウスケ中尉…… 今回の作戦はATX計画機向きです。 結果を期待しておりますわよ?」
キョウスケ「了解」
ソフィア「ゼンガー少佐…… 皆であなた達のご武運を 祈っております」
ゼンガー「……承知」
セルシア「作戦開始、10秒前。 9……8……7……6……5……」
セルシア「4……3……2……1……0。 オペレーション・オーバーゲート、 スタートです」
ジョナサン「ダガー、転移開始!」
(北西のソーディアンズ・ダガーから時計回りに共鳴し、4機が共鳴、閃光、ソーディアンズ・ダガー、ハガネ、ヒリュウ改が転移)


第31話
轟き、覇壊せし者

《地球近海 転空魔城》

[転空魔城 中枢部]

ミザル(デュミナスのあの反応……)
ミザル(この転空魔城が何であるか、気づいたのか?  “闇黒の叡智”という言葉で……)
ミザル(彼奴に情報を与えるのは早計だったか……?  いや、もう私だけではどうにもならぬ)
ミザル(長年の悲願を達成するためにも、ここは……)
(扉が開閉する)
アルコ「ミザル様! 一大事でございます!」
ミザル「騒がしい……いったい何が起きたのだ?」
アルコ「じょ、城内にハガネとヒリュウ改が 瞬転してまいりました!!」
ミザル「な、何だとっ!?」
アルコ「現在、第334区画を進撃中!  城の中枢部を目指しているようです!」
ミザル「馬鹿な!  彼奴らめ、いったいどうやって瞬転を!?」
アルコ「それが、我らの瞬転刀を使ったようでして……!」
ミザル「だが、あれを手に入れたとて、 正確な瞬転を行うには……」
ミザル「! そうか、フォルカめが!!」
アルコ「い、いかがなさいますか!?」
ミザル「……フ、フフフ……」
アルコ「ミザル様!?」
ミザル「ククク……ある意味、これは好機かも知れん。 彼奴らに邪魔者を始末させれば……」
ミザル「だが、時間を稼がねばならん。 マグナスとフェルナンドを差し向けるとするか……」

〔戦域:転空魔城内大空洞〕

(修羅神が大空洞に並んでいる。中央のボフリィが奥を向く)
修羅兵「野郎共!  ハガネとヒリュウ改が来るぞぉ!!」
(中央のボフリィが入口の方を向く。ハガネ、ヒリュウ改、ヤルダバオトが出現、出撃準備)
エイタ「艦前方に修羅神を多数確認!」
テツヤ「ここで手間取るわけにはいかん!  早急に敵陣を突破せよ!!」
フォルカ(フェルナンド…… アルティス兄さん……)
フォルカ(俺は この転空魔城に戻ってきた…… 自分で決めた道を進むために……!)
(作戦目的表示)

〈敵機全滅〉

(ハガネにアラート)
エイタ「0時方向!  レンジ3に熱源反応多数!」
テツヤ「さすがに敵の本拠地だけあって、 次から次へと……!」
(味方機が奥を向く。ビレフォール、アンドラス、修羅神が多数出現)
マグナス「グフフフ~、 そこまでだぁ、貴様らぁ~!」
マグナス「この転空魔城へ ノコノコやってきたのが運の尽きぃ~!  叩き潰してやるぞぉ~!」
ゼンガー「アンドラス…… 重震のマグナスか」
ショウコ「な、何あれ?  ちょっと可愛いかも……」
コウタ「だが、あいつは修羅の将軍だ。 頭は悪いが、力だけはすげえぞ」
ロア「……持ち上げているのか、 いないのか、どっちなんだ」
コウタ「細けえツッコミ入れんなよ!」
???(フェルナンド)「………」
フィオナ「ヤルダバオトがもう1体……!?  色は違うけど……」
ラウル「ビレフォールだ。 あれに乗っているのはフォルカの……」
フェルナンド「ク、ククク…… フォォルカァァ……」
フォルカ「フェルナンド……!」
フェルナンド「殺す、殺してやる…… ククク……皆殺しだ……クフフフフ」
マサキ「何だ、あいつ…… 様子が変だぞ!?」
フォルカ「フェルナンド、 その覇気はいったい……!?」
フェルナンド「クフッ、フフフ…… 俺は新たな力を手に入れた……」
フェルナンド「フォォルカァァ…… 貴様を……くびり殺すためにな」
フォルカ「あれは…… 俺が知るフェルナンドじゃない」
フォルカ「もしや、アルコ……?  いや、奴は修羅神に乗ることが出来ん」
フェルナンド「ククク……ミザル様だよ。 ミザル様が、俺に新たな力を 与えてくれた」
フォルカ「何っ……?  何故、お前がミザルと!?」
フェルナンド「言ったはずだ、 フォォルカァァ…… 貴様を倒すためだとなァ」
フォルカ「アルティス兄さんは…… 兄さんはそのことを知っているのか!?」
フェルナンド「アルティスゥ?  奴など関係ない…… 俺は貴様を屠れば、それでいい」
フォルカ「………」
ラミア「……どうやら、 彼はミザルという男に 操られているようだな」
アヤ「ええ、おそらく…… フォルカへの憎しみを利用した形で……」
ショウコ「そ、そんな!」
フェルナンド「フォォルカァァ…… 貴様は俺に一生消えぬ傷を残した」
フェルナンド「あの日の御前死合…… 新たな将軍を決めるための死合で、 俺は貴様に敗れた……!」
フォルカ「………」
フェルナンド「だが、貴様は掟に反し、 俺の命を奪わなかった……!」
フェルナンド「それが……!  それが、修羅にとって 最大の屈辱と知っていながら!」
フォルカ「何故…… 兄弟を殺さなきゃならない……?」
フォルカ「何故、そんな戦いを 続けなければならない……?」
フェルナンド「それが修羅だからだ!  修羅である以上、目指すは最強!  すなわち、修羅王の座!」
フェルナンド「そして、 阿修羅の頂天へと至るのだ!!」
フォルカ「それで独りになって…… 俺はどうしたらいいんだ……?」
フォルカ「そう考えた時、俺は……」
マグナス「それで、 転空魔城から抜け出したのかぁ?  貴様は馬鹿かぁ?」
フォルカ「………」
フェルナンド「フォルカァ!  貴様のその下らん悩みを 今日で終わらせてやる!!」
フェルナンド「貴様の命と共にな!!」
(ビレフォールが脈動してから、フェルナンドに『気迫』)
ブリット「な、何て気迫だ……!」
リシュウ「……鬼気迫るものがあるのう」
ショウコ「フォルカ、どうするの!?」
フォルカ「………」
ショウコ「やっぱり、あの人を……」
フォルカ「ショウコ、俺とフェルナンドの 戦いは避けられない……」
ショウコ「で、でも!」
フォルカ「……俺を信じてくれ」
ショウコ「……!  わ、わかったわ……」
フェルナンド「どうした、フォルカ!  臆したか!?」
フォルカ「フェルナンド、 俺も終わらせよう……」
(ヤルダバオトが脈動してから、フォルカに『気迫』)
フォルカ「古き掟に縛られた、 修羅の生き方を!!」
フェルナンド「修羅であることを 捨てた漢が吐く台詞か!」
フェルナンド「やはり、 貴様は死ぬしかない!  死ぬしかないのだ!!」

〈vs フェルナンド〉

[マサキ]

マサキ「てめえの気持ちは わからんでもねえがな、そんな方法で フォルカに勝ったって意味はねえぞ!」
フェルナンド「ミザル様の力を侮るな!  貴様もフォルカと同じ所へ送ってやる!!」
マサキ「ハッ! ミザルって野郎の実力も たかが知れてるぜ!」

[フォルカ]

フェルナンド「俺はミザル様の力を借り、 貴様の息の根を止める!!」
フォルカ「そのような手で 俺に勝てると思うな、フェルナンド!!」
フェルナンド「結果を出せばいいのだ!  そして、貴様の仲間達も 皆殺しにしてくれるっ!!」

[コウタ]

コウタ「あんた、フォルカに勝つためには 手段を選ばねえってのか!?」
フェルナンド「異界の小僧に そんなことを言われる筋合いはない!」
フェルナンド「貴様の血で その機神をもっと赤く染めてやる!!」
コウタ「てやんでえ!  操り人形になってるあんたなんかに やられてたまるか!」

〈ビレフォールのHP30%以下 or アンドラスのHP50%以下〉

フェルナンド「チィッ、しぶとい奴らめ!  伊達にここまで進んできたわけでは ないと言うことか!」
フォルカ「フェルナンド……!  俺はお前を止めるぞ!」
フェルナンド「笑止!  言ったはずだ、俺は新たな力を 手に入れたとな!!」
フェルナンド「今こそ俺は貴様を超越する!  神化の力によってなァッ!!」
フォルカ「!!」
フェルナンド「ビレフォール!  轟撃の修羅神よ! 俺の覇気を吸え!!」
フェルナンド「そして、 フォルカを打ち倒すための力を!!」
(ビレフォールがヤルダバオトに隣接)
【強制戦闘】
フェルナンド[真覇機神轟撃拳]vsフォルカ[回避]
(フォルカは回避に失敗、ヤルダバオトのHP10%に、ヤルダバオトに爆煙)
フォルカ「うううっ! ぐっ!!」
ショウコ「フォ、フォルカ!!」
フォルカ「フェ、フェルナンド……!!」
フェルナンド「なっ……何故だ……!?」
リュウセイ「あ、あの修羅神、 元に戻りやがったぞ!?」
フェルナンド「何故だ、ビレフォール!?  お前は今、確かに神化を……!!」
マグナス「ブヒャヒャヒャヒャ!  なぁ~んだ、それはぁ~!?」
フェルナンド「………」
マグナス「やはり、 貴様はその程度の漢ぉぉ~!!」
マグナス「ミザル様のお力を借りても、 中途半端な神化しか出来んとはなぁ!!」
フェルナンド「う、うう……!!」
マグナス「それで 阿修羅の頂天を目指すだとぅ~!?  ブヒャヒャヒャ! 笑わせるぅ!!」
フェルナンド「う、うあああああああ!!」
マグナス「やはり、 貴様は将軍になれぬ漢ぉ~!  屈辱と汚辱にまみれた漢ぉ~!!」
マグナス「ミザル様と俺様の下で 一生働くのが相応しいぃぃ~!」
マグナス「それも、虫ケラのようになぁ!  ブヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
フェルナンド「ああああああ!!」
マグナス「さあぁ!  ミザル様のご命令通りぃ、 フォルカめをくびり殺せぇ~!!」
(フォルカに『ひらめき』)
マグナス「むはっ!?」
(ヤルダバオトが脈動後、白い光を発し始める)
フェルナンド「!?」
マグナス「な、な、何だぁ!?」
ラウル「ヤ、ヤルダバオトが!!」
フォルカ「力でしか 力を止められぬのなら……」
フォルカ「力を以て 道を示さねばならぬのなら……」
フォルカ「俺も さらなる力を求めよう……!」
マグナス「ま、まさか、あやつぅ!?」
フォルカ「ヤルダバオト……!  俺の覇気をお前にくれてやる!」
フォルカ「そして、 お前の新たなる姿と力を俺に示せ!!」
フェルナンド「フォルカ、貴様も!?」
フォルカ「守るべきもののために!  争覇の先に真道があることを信じて!」
フォルカ「今一度!  俺は阿修羅の道を往くッ!!」
(閃光、ヤルダバオトが神化しピンクの光が集まり弾ける)
ショウコ「ヤ、ヤルダバオトの形が!」
フェルナンド「貴様! 貴様ァッ!!」
フォルカ「フェルナンド!  お前を支配する邪気を 振り払ってやるッ!!」
【強制戦闘】
フォルカ[真覇猛撃烈破]vsフェルナンド[防御]
(ビレフォールに爆煙)
フェルナンド「うぐうっ……!」
フォルカ「………」
フェルナンド「フォ、フォルカ…… 貴様……神化を……!」
フォルカ「………」
フェルナンド「くっ、うう……!  また俺にとどめを刺さん気か……!」
フォルカ「何度でもかかってこい。 お前の気が済むまで」
フェルナンド「何……!?」
フォルカ「だが、俺はお前には負けん。 そして、お前を殺さん」
ショウコ(やっぱり、フォルカ…… そのつもりで……)
フェルナンド「フォ……ルカ……!」
フォルカ「お前の怒りと恨み…… 一生、俺はそれを受け続けよう」
フォルカ「しかし……俺はお前を殺さん。 お前は俺の……かけがえのない 兄弟であり、友なのだから」
フェルナンド「くっ……貴様……!  貴様は……!!」
フォルカ「……勝負はついた。行け」
フェルナンド「う、うう……!」
(ビレフォールが撤退)
マグナス「フェ、フェルナンドォ~!  あ、あ、あやつぅ~!  逃げおったぁ~!!」
フォルカ「ミザルの支配が 解けたということだ。 ……貴様も退くか?」
マグナス「馬鹿を言えぇ!  俺様は重震のマグナスゥゥ~!!」
マグナス「神化したとしても、 貴様などには負けぬぅ!  負けぬわぁぁ~!!」
フォルカ「いいだろう……!  ここでお前との決着をつける!」

〈vs マグナス〉

[ゼンガー]

マグナス「ゼンガー・ゾンボルト!  いつぞやの借り、まとめて返して やるうぅ!」
ゼンガー「その必要はない!  冥府まで持っていくがいい、 その巨体ごとな!」

[フォルカ]

マグナス「フォルカァ~!  目障りな貴様を今日こそ 始末してやるぅ~!」
フォルカ「お前などに 俺の道を塞ぐことは出来ん!」
マグナス「うぅるさぁぁぁい~!  下級修羅が将軍を倒せるはずが ないのだぁ~!」
フォルカ「その概念……俺の拳で覆す!!」

[撃墜]

マグナス「い、いででででぇ!  あんな奴らにぃ、この俺様がぁ~!!」
フォルカ「勝負あったな、マグナス」
マグナス「う、うううぅ~!  ミザル様ぁ~、激震のミザル様ぁ~!  どうかお助けを!!」
(アンドラスが左右を見まわす)
マグナス「ミ、ミザル様ぁ~!!」
レーツェル「……捨て駒にされたようだな」
マグナス「ば、馬鹿なぁぁぁ!  俺様は将軍、将軍だぞぉぉぉぉ!」
マグナス「え、偉いんだぞぉぉぉ!  強いんだぞぉぉぉぉぉ!!」
ゼンガー「だが、 ミザルには必要とされていなかった」
マグナス「そ、そんなことはないぃぃ!  俺様はミザル様のぉ~、 み、み、みぎぃぃぃぃ!!」
(アンドラスが大爆発)
カチーナ「まず一人目…… 残る将軍は、あと二人か」
フォルカ「だが、 アルティス兄さんとメイシスは、 マグナス以上に手強い」
リュウセイ「けど、ヤルダバオトだって パワーアップしたじゃねえか」
レーツェル「穏やかさと荒々しさを 併せ持った姿……まるで、フォルカの心を 具現化したかのようだ」
ショウコ「カッコいいと思うよ、フォルカ」
コウタ「お、おいおい、ショウコ……」
エクセレン「コウタ君、 ここで妬いちゃダメダメ」
コウタ「そ、そんなんじゃねえよ!」
ゼンガー「……フォルカ、 フェルナンドとのことは……」
フォルカ「俺は……友の怒りと憎しみを この身で受け続ける」
フォルカ「友が…… 俺の真意を理解してくれる日まで」
アイビス「きっと、その日は来るよ…… フォルカがそう信じ続けられるのなら」
ショウコ「うん。ショウコもそう思う」
フォルカ「ありがとう、二人共」
フォルカ「さあ……行こう。 転空魔城の中枢部は、この先だ」


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