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狼達の終焉 ~ 第30話 ~

《地球近海 転空魔城》

[転空魔城内 修羅王の間]

アルカイド「うぬらしからぬ話だな、アルティス」
アルティス「はっ……」
アルカイド「いや……故意に、か」
アルティス「………」
アルカイド「今はミザルや他の将軍達もおらぬ。 本心を話せい、アルティスよ。 何故、うぬはフォルカを倒さなかった?」
アルティス「……彼が進もうとする道に 修羅の新たな未来を見出しました」
アルカイド「未来……とな?」
アルティス「かつて…… 我々は他国と果て無き争いを繰り広げ…… あの大災厄を招きました」
アルティス「その結果、修羅界は滅び…… 生き残ったのは、転空魔城へ 導かれた羅国の者達のみ」
アルカイド「うむ。 あの時、転空魔城は我の前でその扉を開いた」
アルティス「そして…… 我々はこの世界へ瞬転し、新たな修羅界を 創り出すべく、行動を開始しました」
アルカイド「……そうだ」
アルティス「ですが、私は考えたのです。 争覇の宴が続けば、この世界もかつての修羅界と 同じ運命を辿るのではないかと……」
アルティス「我々は新たな生きる術を 模索するべきではないかと……」
アルカイド「アルティスよ。 我らは修羅……阿修羅の頂天を目指し、 戦い続ける者なり」
アルカイド「そして、争覇なき世界は腐りゆく。 偉大な先人達は、それを食い止めるために 修羅神を作り上げたのだ」
アルティス「しかし…… その結果、修羅界は滅びてしまった……」
アルカイド「我らが残っておる。 修羅界は消滅しても、修羅は生き続けておる」
アルカイド「生きる限り、我らは戦わねばならぬ。 それを否定することは……修羅の死を意味する」
アルティス「はたして、そうでしょうか」
アルカイド「……我は修羅王として、 修羅の生き様を変えるわけにはいかぬ。 そして、変えるつもりもない」
アルカイド「それが認められぬのなら、我を倒し…… うぬが修羅王の座に就くがよい」
アルティス「……そのつもりはありません」
アルカイド「………」
アルカイド「そうか…… うぬは賭けたのだな、フォルカめに」
アルティス「御意」
アルカイド「良かろう…… 彼奴が戦いを挑んでくるのであれば、 我は正面から受けて立とう」
アルカイド「ただし……」
アルティス「わかっております。 次にフォルカと相見えた時は…… 閃光の名にかけて、全力で戦いましょう」

《テスラ・ライヒ研究所》

[ヒリュウ改 艦長室]

ショーン「……先程、統合参謀本部から 報告がありました。中欧方面軍司令部、 シュトゥットガルト基地が修羅軍の攻撃を受け……」
ショーン「陥落したそうです」
レフィーナ「……!」
テツヤ「シュトゥットガルト基地には かなりの戦力があるはずなのに……!」
ショーン「修羅側も相当数の修羅神を投入したようです。 中には、アンドラスとビレフォールの姿もあったとか」
ゼンガー「………」
レーツェル「……彼らは、 欧州に狙いを絞り込んできたようだな」
ショーン「ええ……いよいよ本格的に こちら側の頭を潰す気なのでしょう」
テツヤ「我々も早くオペレーション・オーバーゲートを 発動しなければ……」
レーツェル「ギリアムによれば、ダガーの準備には もうしばらく時間がかかるようだ」
カイ「あれを使える目処は立ったのか?」
レーツェル「今の所は何とも言えぬそうです」
(通信)
ユン「艦長、ピーターソン基地から 緊急連絡が入りました」
レフィーナ「内容は?」
ユン「ポイントCO658で、 アインストと酷似した熱源反応を持つ物体が 多数出現したそうです」
レフィーナ「何ですって……!?」
カイ「アインストが復活したとでも言うのか?」
テツヤ「しかし、奴らは全て消滅したはずです」
ユン「現在、特務部隊が交戦中。 こちらにも支援要請が来ています」
レフィーナ「了解しました。 総員に第1種戦闘配置命令を発令。 これより現場へ急行します」


第30話
狼達の終焉

〔戦域:緑が少しある荒地

フォリア「くそぉっ!  “ヘッド”に近づけねえ!!」
アルベロ「ウルフ1より各機へ!  フォーメーションIで 雑魚共を突破する!」
ヒューゴ「了解!」
???(イェッツトレジセイア)「………」
(イェッツトレジセイアに『ひらめき』)
ヒューゴ「!?」
(北東に5機いた量産型ゲシュペンストMk-IIに雷が落ち、全機爆発)
フォリア「ああっ!!」
アルベロ「イーサン!  ハリオ! カリムッ!!」
ヒューゴ「ブ、ブルー・ウルフが!!」
フォリア「ち、ちきしょう!  ちきしょぉぉぉっ!!」
アルベロ「おのれ……ッ!  残ったのは我々だけか!!」
アルベロ「ウルフ8! ウルフ9!  お前達はここに止まり、 “ボーン”と“グラス”を牽制しろ!」
ヒューゴ「隊長は!?」
アルベロ「RBE弾の 有効射程距離まで近づき、 “ヘッド”を仕留める!」
フォリア「無茶です!  たった1機で、あれだけの敵を 突破するなんて!」
アルベロ「だが、“ヘッド”を倒すには それしかない!」
アルベロ「ウルフ8、9!  俺に万一のことがあったら、 お前達は撤退しろ!」
ヒューゴ「拒否します!  自分は隊長と行動を共にします!」
フォリア「自分もです!」
アルベロ「ヒューゴ、フォリア……!」
フォリア「隊長は いつも言っていたじゃないですか!  死中に活を見出せと!」
アルベロ「………」
フォリア「来るなと言われても、 自分はついて行きます!!」
アルベロ「……わかった。 俺はあのポイントまで移動する」
(目標地点を示す)
アルベロ「援護を頼むぞ、フォリア!  ヒューゴ!」
フォリア「了解!」
ヒューゴ「了解!」
(作戦目的表示)

〈アルベロ機の指定ポイント到達 or 8PP〉

アルベロ機の南西にヒューゴ機、南東にフォリア機が移動)
アルベロ「よし、目標ポイントへ到達!  RBE弾を“ヘッド”に撃ち込む!」
ヒューゴ「了解!」
アルベロ「ヒューゴ、フォリア……すまん。 礼を言うぞ」
フォリア「隊長、 それは奴を倒した後の台詞ですよ?」
アルベロ「フッ……そうだな。 では、仕掛けるぞ!」
(イェッツトレジセイアがアルベロ機の方を向く)
アルベロ「こちらに気づいたか!  だが、もう遅いッ!!」
【強制戦闘】
アルベロ[F2Wキャノン(Lレンジ)]vs???(イェッツトレジセイア)[防御]
アルベロ『今度こそ()がしはせん!』
アルベロ『確実に仕留める!』
アルベロ『行け! 無明の世界へ!!』
???(イェッツトレジセイア)『………』
(イェッツトレジセイアに851のダメージ)
アルベロ「なっ……!!」
ヒューゴ「き、効いていない!?」
(白い光を発し、イェッツトレジセイアが活性化)
アルベロ「何だ!?」
???(イェッツトレジセイア)「………」
ヒューゴ「や、奴が活性化を!?」
フォリア「どういうことなんだ!?」
ヒューゴ「ま、まさか!!」
アルベロ「は……謀ったな、 ミタールッ!!」
(イェッツトレジセイアがアルベロ機の北側に移動し、『必中』『熱血』)
アルベロ「!!」
フォリア「親父ッ!!」
(フォリア機がアルベロ機に隣接)
【強制戦闘】
???(イェッツトレジセイア)[エレガントアルム]vsアルベロ[防御](援護防御(フォリア))
???(イェッツトレジセイア)『………』
フォリア『親父ぃぃぃぃぃっ!!』
フォリア『お、俺は……っ!』
(フォリア機のHP10に)
アルベロ「フォリア!!」
フォリア「う、ううあ……」
アルベロ「な、何故、俺を……!?」
フォリア「そ……そんなの…… 決まってるじゃねえか……」
フォリア「あんたが…… クライウルブズの隊長である…… 以前に……」
フォリア「俺の親父……だからさ……」
アルベロ「……!!」
フォリア「親父……ヒューゴ…… 早く……逃げ……ろ……」
(フォリア機が大爆発)
アルベロ「フォリア!!」
ヒューゴ「フォリアァァァァァァァッ!!」
???(イェッツトレジセイア)「………」
(イェッツトレジセイアに『必中』『熱血』)
ヒューゴ「!!」
【強制戦闘】
???(イェッツトレジセイア)[エレガントアルム]vsヒューゴ[回避]
???(イェッツトレジセイア)『………』
ヒューゴ『うあああああっ!!』
(ヒューゴは回避に失敗、ヒューゴ機のHP1%に、ヒューゴ機に大きな爆煙後、着地)
アルベロ「ヒューゴッ!!」
ヒューゴ「……うぐ……ううう……」
アルベロ「ヒューゴッ!!」
ヒューゴ「あぐ…うう……!  か、身体が……っ……!」
???(イェッツトレジセイア)「………」
アルベロ「お、おのれ!  おのれぇぇぇぇっ!!」
(南西端にソウルゲインとペルゼイン・リヒカイトが出現)
アクセル「チッ……一足遅かったか」
アルフィミィ「イェッツト…… 前の時より力が増しておりますの……」
アルベロ「奴らは……!!」
アクセル「下がれ、クライウルブズ。 ここから先は、おれ達が預かる」
アルベロ「何っ……!?」
アクセル「部下を連れて早く下がれ!  ここで犬死にする気かッ!」
アルベロ「……了……解……!」
アルベロ(……フォリア……!)
(アルベロ機がヒューゴ機の東側に隣接してからアルベロ機、ヒューゴ機が撤退)
アクセル「……これで邪魔者は消えた」
アルフィミィ「よろしいんですの?  味方は多い方が……」
アクセル「クライウルブズには借りがある。 『こちら』でも、『向こう』でもな」
アクセル「それに、機体があの状態では、 せいぜい捨て駒にしかならん。 そういう戦法は気に入らんのさ」
アルフィミィ「……アクセル」
アクセル「甘い、か?」
アルフィミィ「素敵ですの」
アクセル「フッ……」
アクセル「アルフィミィ、ここで決着だ。 イェッツトを……仕留めるぞ」
アルフィミィ「了解でございますですの!」
(作戦目的表示)

〈NEXT PP〉

(精神感応)
アルフィミィ「あ……。この感じは……!」
アルフィミィ「アクセル、 キョウスケ達が来ますの……!」
アクセル「……まったく、忙しい連中だ」
(ハガネとヒリュウ改が出現、出撃準備)
カチーナ「何だ、ありゃあ!?」
???(イェッツトレジセイア)「………」
アイビス「色や形が違うけど、 感じはアインストにそっくり……!」
アクセル「イェッツト…… そう呼ばれている連中だ、これがな」
アイビス「え!?」
アルフィミィ「アインストと似て、 そして、まったく非なる物……ですの」
ラミア「隊長……!  そして……アルフィミィ……!?」
キョウスケ「アクセル、 お前がやるべきことと言っていたのは…… こいつを……?」
アクセル「ああ。 その中の一つだ、これがな」
エクセレン「アルフィミィちゃんも 一緒ってことは…… あなたも、イェックショを?」
アルフィミィ「イェッツトですの。 そう、あれは人の手によって造られた…… 呪われた存在ですの」
ブリット「な、何だって!?」
ツグミ「どこでそんなことを……!」
ラミア「隊長、もしや…… ツェントル・プロジェクトだったりで ござんせんか?」
アクセル「ラミアか。 フッ……今さら隠す意味もないか」
アクセル「そうだ。 イェッツト……奴はそのプロジェクトの ラボで変異を遂げ、逃亡した」
カイ「………」
タスク「もしかして…… あの宇宙ひらめを作ったのも ツェントル・プロジェクトか?」
レオナ「充分あり得る話ね」
キョウスケ「アクセル、 何故、お前がそれを知っている?」
キョウスケ「アルフィミィが一緒にいるのも、 それと何か関係があるのか?」
アクセル「簡単に言えば…… おれとソウルゲインの回収を命じたのが、 奴らだからだ」
アクセル「アルフィミィとは…… 成り行きさ、これがな」
アルフィミィ「もっとちゃんと 言っていただかないと、 色々誤解を招きますの」
アクセル「面倒だ。 ……それに、おしゃべりは苦手でな」
エクセレン(……そうだったんだ)
ラミア(さすが隊長…… ユーモアのセンスもある……)
カチーナ「経緯なんざどうでもいい。 てめえ……そのテンプラ・プロジェクトの 連中とグルになってんじゃねえのか!?」
アクセル「なるほど、おれ達が イェッツトを回収しに来たとでも?」
カチーナ「ああ! 違うのか!?」
アルフィミィ「私達の目的は…… イェッツトを倒し、呪われた連鎖を この場で断ち切ることですの」
エクセレン「じゃ、目的は同じってことで 問題ナッスィンね?」
アルフィミィ「オールナッスィングですの」
アクセル「……よくよく因縁づいているな。 これもまた……成り行きだ」
キョウスケ「そうなるな。 ……行くぞ!」
テツヤ「スティール2より各機へ!  攻撃を開始せよ!」
(作戦目的表示)

〈3 NEXT PHASE EP
or イェッツトレジセイアのHP50%以下〉

(精神感応)
アルフィミィ「これは……!」
アクセル「アルフィミィ……?  まさか、イェッツトの増援が?」
アルフィミィ「いえ、違いますの……」
(鋳人が北側に出現)
クスハ「あ、あれは!」
リシュウ「テスラ研に現れた妖機人か」
アイビス「でも、 どうしてこんな所に……!?」
ブリット「また俺とクスハを 狙って来たのか!?」
(イェッツトレジセイアと鋳人が共鳴)
クスハ「きょ、共鳴してる……!」
エクセレン「え~と、よくわかんないけど、 意気投合しちゃったってこと?」
アイビス「けど、イェッツトと妖機人に 何のつながりが……」
リシュウ「ともかく、 奴も危険であることに違いはない。 諸共に倒すべきじゃろう」
クスハ「は、はい!」

先に撃墜したのは
鋳人 イェッツトレジセイア


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