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閃く光、燃ゆる炎 ~ 第29話 ~

《地球近海 転空魔城》

[転空魔城内 修羅王の間]

アルカイド「……またしてもフォルカを仕損じたか」
マグナス「ははっ…… フェルナンドめがしくじったせいで、 俺様も機会を失いぃ~」
マグナス「しかも、 彼奴はそのまま行方をくらませましたぁ~」
メイシス「……その話、本当なのだろうな?」
マグナス「俺様はフェルナンドと 一緒にいたんだぞぉ~! なのに、疑うかぁ~?」
メイシス「………」
ミザル「裏切り者に敗れ、逐電するとは…… 所詮、彼奴もその程度の漢。修羅の風上にも置けぬ」
アルカイド「否」
ミザル「は……!?」
アルカイド「うぬが言うような漢であれば、 双子の修羅神に操者として選ばれまい」
ミザル「う……」
アルカイド「フェルナンド……そして、フォルカは 次代を担うかも知れぬ漢よ」
アルカイド「残念ながら、後者は裏切り者として 制裁を与えねばならぬがな」
ミザル「しかし、早くフォルカめを始末しませんと……」
アルカイド「……彼奴が今まで生き残っておるのは、 それだけの力と覇気を持っておると言うことであろう」
アルティス「………」
アルカイド「フフフ…… フォルカはいずれこの修羅王に 挑むつもりかも知れぬ」
ミザル「そのような恐れ多いことを……」
アルカイド「彼奴が生き抜くための道は二つ。 修羅神を捨て、市井に埋もれるか……」
アルカイド「追っ手を全て退け、 最終的には我をも打ち倒すか……だ」
ミザル「彼奴ごときが修羅王様を?  万に一つもあり得ませぬ」
マグナス「そうだぁ~、フォルカめが勝てば、 彼奴が新たな修羅王となってしまうぅ~!」
アルティス「……修羅王様は、 フォルカがどちらの道を選ぶとお考えで?」
アルカイド「うぬこそ、どう思っておるのだ?」
アルティス「………」
アルティス「……それを確かめるために、 次は私が出陣致しましょう」
ミザル「そうだ。 フェルナンドの件も貴様に責がある」
マグナス「手心を加えるなよ、アルティスゥ~!」
アルティス「……そのつもりだ」
メイシス「………」
アルカイド「……祖国である羅国…… いや、修羅界から逃れた我らは 何としても新天地を手に入れねばならぬ」
アルカイド「力で得た勝利の先にこそ、 我ら修羅の未来がある……」
アルカイド「妨げとなるものは全て潰殺せよ。 地球人共に力の理を今一度知らしめるのだ」
ミザル「ははっ……」

[転空魔城 内部]

メイシス「……行かれるのですね、アルティス様」
アルティス「ああ」
メイシス「………」
アルティス「メイシス、一つ頼みがある」
メイシス「……私にフェルナンドの行方を捜せと?」
アルティス「やはり、お前も怪しいと思っていたか」
メイシス「ええ……。 ミザルが何か企んでいるようですね」
アルティス「お前は探りを入れてくれ」
メイシス「承知致しました」
アルティス「では、な」
メイシス「あの……アルティス様」
アルティス「何だ?」
メイシス「……いえ……。どうかご武運を」
アルティス「うむ」
(足音・アルティスが立ち去る)
メイシス「………」
(足音)
アリオン「……ふ~ん、ついに閃光のご出陣か」
メイシス「アリオン……」
アリオン「心配かい、アルティスのことが?」
メイシス「……いや。 あのお方は修羅王様に次ぐ腕の持ち主。 そして、フォルカの師……」
メイシス「彼奴に勝ち目はない」
アリオン「なら、さっきの顔は……恋わずらいか」
メイシス「貴様ッ!!」
(平手)
アリオン「おっとっと……怖い怖い。 そんな顔をすると、せつかくの美人が台無しだぜ?」
メイシス「何を言うか!」
アリオン「やれやれ、昔はもっと可愛かったのによ。 アルティス様、アルティス様って、ずっと奴の後ろを ついてまわってたお嬢ちゃんが……」
アリオン「今や氷槍の将軍だからな」
メイシス「貴様…… 死にたくなくば、その口を閉じるが良いぞ」
アリオン「わかった、わかった」
メイシス「……戦況は一進一退を繰り返している。 修羅頭であるお前がその調子では、士気に関わる」
アリオン「固いことを言うなよ。 修羅頭は俺様一人だけじゃないんだし」
メイシス「何だと……?」
アリオン「……こりゃ、 さっさと退散した方が良さそうだな」
メイシス「どこへ行く?」
アリオン「アルティスのお供をしようと思ってね」
メイシス「何……!?」
アリオン「自由戦士の俺様としちゃ、 フォルカの生き様が気になるんでね」
アリオン「ついでに 愛しのアルティス様を守って来てやるよ。 ……じゃあな」
(足音・アリオンが立ち去る)
メイシス「………」

《テスラ・ライヒ研究所》

[テスラ・ライヒ研究所内]

(扉が開閉する)
ラミア「………」
エクセレン「ラミアちゃん!!」
ラミア「エクセ姉様…… ご心配をおかけしまくりやがったんです」
マサキ「何だ、その口調は直ってねえんだな」
ラミア「……ある意味、元通りと言えないことも ないわけではなくもない」
ラミア「む……? 自分でも混乱してきた」
エクセレン「まあ、今となっちゃ、 そのままの方がラミアちゃんらしいかもね」
シロ「それにしても、良かったニャ~」
イルム「ラミア、もう動いて大丈夫なのか?」
ラミア「ええ。以後の作戦に参加します。 ……特殊戦技教導隊の一員として」
カイ「うむ。帰隊を認める。 よく戻った、ラミア・ラヴレス少尉」
キョウスケ「……ラミア」
ラミア「キョウスケ中尉…… 私はここに……自分の居場所に戻って来ました」
キョウスケ「ああ」
ラミア「デュミナスのコントロール下にあっても…… 中尉達の声は聞こえちゃっておりました」
ラミア「……居場所を……守ってくれたのですね」
キョウスケ「……いや、 “奴”がいなければどうにもならなかった」
ラミア「奴……そうです、あの人は……?」
ラミア「中尉、隊長は……アクセル隊長は?」
キョウスケ「………」
マサキ「……アクセルとアルフィミィは あの後どこへ行ったんだ?」
イルム「さあな。 やることがあるとは言っていたが……」
ラミア「………」
ラミア(私は忘れません、隊長……。 私自身がレモン様の希望であることを……)
ラミア(ですが…… あなたもまた、レモン様の…………)
カイ「ともかく、問題はまだ山積みだ。 ラミアが得た情報を踏まえて、 これからの作戦を練る」
カイ「各員、1時間後に 第3ブリーフィング・ルームへ集合だ。 いいな?」
キョウスケ「了解です」

[テスラ・ライヒ研究所 格納庫]

リョウト「あれがライトニングとエターナル……」
タスク「エターナルの方は色っぽいラインだねぇ。 ラウル、お前もこいつを使うのか?」
ラウル「いや。 ストライカー、フライヤー、コスモドライバーは 俺とフィオナで共有するけど……」
フィオナ「エターナルは私、 ライトニングはラウル専用のフレームになるのよ」
タスク「ま、その方がいいな。 ラウルがエターナルを使ったら、ヴァルシオーネに リュウセイが乗っているようなもんだし」
リョウト(そ……想像してしまった……)
カーク「二つとも調整は終わっている。 ソーディアン攻略作戦が始まる前に 慣らしを終えておけ」
ラウル「わかりました」
フィオナ「すみません、色々と」
カーク「いや……エクサランスの フレーム換装システムは参考になった」
フィオナ「それは……ミズホが頑張ってくれたおかげです」
ラウル「ああ……」
ラウル(ミズホ、ラージ……無事でいてくれ)
カーク「機体の整備はこれであらかた終わった。 後はダガーを手に入れるだけだ」
タスク「こういう時に限って、 修羅が現れねえんだよなぁ」
リョウト「そうだね……。 仮に出てきたとしても、こっちの目論見を 見抜かれるわけにはいかないし……」

[テスラ・ライヒ研究所内]

コウタ「………」
コウタ(あの時…… 俺はあいつがショウコだとわからなかった……)
コウタ(デュミナスに捕まってた時の ラミアさんみてえになっているのか…… それとも……)
(足音)
アヤ「……コウタ」
コウタ「アヤさん……」
アヤ「隣、いいかしら?」
コウタ「あ、ああ」
アヤ「……ねえ、あなたの妹さんって、どんな子?」
コウタ「ショウコか……。 あいつはお節介焼きで、口やかましくて、 危なっかしくて……」
コウタ「その上、 ドが4つぐらい付きそうなケチで……」
コウタ「小遣いだって、 俺のダチの半分もくれやしねえ……」
アヤ「………」
コウタ「でも、 あいつはいつも俺のことを心配してくれてた」
コウタ「家のことだって、きちんとやって……。 ダチと遊びたい盛りだろうに……」
アヤ「いい妹さんじゃない」
コウタ「けど、 俺がファイター・ロアになっちまったせいで…… あいつを戦いに巻き込んじまった」
アヤ「……私もね、 あなたと同じ想いをしたことがあるの」
コウタ「えっ……?  同じって……もしかして、アヤさんの妹が?」
アヤ「そう……マイは人格や記憶を失って、 私達の敵になった……」
コウタ「………」
アヤ「でも、みんなのおかげで、今は一緒にいられるの」
コウタ「そうだったのか……」
アヤ「気休めかも知れないけど……頑張って、コウタ。 私達SRXチームもあなたをサポートするから」
コウタ「ああ……わかったぜ」
アヤ「もうすぐブリーフィングの時間よ。 一緒に行きましょう」
(アラート)
コウタ「!!」


第29話
閃く光、燃ゆる炎

〔戦域:テスラ・ライヒ研究所周辺〕

(ハガネとヒリュウ改は出撃済み、アラート)
セルシア「上空に転移反応!  ESウェーブ・パターンから判断して、 修羅だと思われます!」
ジョナサン「ついに来たか……!」
(北東端にソーディアンズ・ダガーが4基出現)
フィリオ「今回は 正確にここへ転移してきましたね」
マリオン「私達にとっては、 都合がいいですわ」
(マルディクトを含む修羅神が出現)
フォルカ「あ、あの修羅神は!」
アルティス「………」
フォルカ「マルディクト……!  兄さんが来たのか!」
ゼンガー「兄だと?」
フォルカ「ああ、閃光のアルティス…… 修羅将軍最強の漢」
フォルカ「兄さんの狙いは、この俺…… ヤルダバオト、出るぞ!」
(ヤルダバオトが出撃)
アルティス「現れたな、フォルカ」
(エクサランス・ライトニング、エクサランス・エターナル、コンパチブルカイザーが出撃)
ラウル「こちら2号機、ライトニング。 駆動系異常なし。 時粒子レベル130を維持」
フィオナ「こちら1号機、エターナル。 FCS、RBモードに移行」
コウタ「あれが エクサランスの新フレームか……!」
フィオナ「パワーフィールがいい感じ。 タイム・タービンの突っ掛りも なくなってる……」
フィオナ「凄いチューニングだわ。 あたし達がいじってた頃の機体は 何だったのって感じ」
ラウル「ラージとミズホ…… そして、テスラ研のスタッフのおかげさ」
テツヤ「各機、直ちに出撃を!」
(出撃準備)
アルティス「……フォルカ」
フォルカ「兄さん…… 次はあなたが来ると思っていた」
アルティス「その次の言葉は聞けんぞ」
フォルカ「……!」
アルティス「もはや私とお前は兄弟ではない。 そして、師と弟子でもない」
アルティス「離反者には死を。 それが修羅の掟だ」
フォルカ「待ってくれ、兄さん!  俺の話を聞いてくれ!」
アルティス「ならば、 何故ヤルダバオトで出て来た?」
フォルカ「俺は…… ここで立ち止まるわけにはいかない」
フォルカ「そして、 やらねばならぬことがある……!」
アルティス「それは私とて同じだ」
フォルカ「だが、俺は兄さんや フェルナンド……俺にとって 大切な人と戦いたくはない!」
アルティス「………」
フォルカ「兄さんは フェルナンドやメイシスが 戦いを挑んで来れば、倒すのか!?」
フォルカ「彼らの命を奪うのか!?」
アルティス「……ああ。 それが掟……お前とて例外ではない」
フォルカ「くっ……!」
アリオン「フォルカ……戦わない修羅に 存在価値なんてないんだぜ?」
フォルカ「アリオン……」
フォルカ「戦い以外にも生きる道はある。 俺はショウコやコウタ達と出会って、 それを知った」
アリオン「だが、地球人だって 互いに争ってるじゃないの。 修羅界とそう変わらんぜ」
アリオン「欲しい物は力づくで奪い、 身内の者同士でも死合をする…… まぁ、それが人間ってもんかも知れんが」
フォルカ「しかし、 古い掟に縛られているわけではない」
フォルカ「そして、 平和を望む者達も数多くいる……」
フォルカ「俺は……地球人達の生き方に 修羅の新たな道を見出したような 気がする」
アルティス「………」
フォルカ「兄さん……戦わずして この争いを収める方法はないのか?」
アルティス「……もう遅い。 それに、その方法があったとしても…… 修羅達が従うまい」
アルティス「お前の望みを叶える方法は 一つ……阿修羅の頂点に立つことだ」
フォルカ「……!  力で道を示せと言うのか、兄さん?」
アルティス「そうだ、フォルカ。 それぐらいの決意がなければ、 事は成し遂げられんぞ」
フォルカ「………」
アルティス「お前の意思がどうあろうと、 修羅王様は追っ手を放たれる」
アルティス「お前がそれを全て退けるか、 敗れて死ぬか……結果は二つに一つだ」
フォルカ「………」
アルティス「正義は勝者にあり!  自分で選んだ道が正しいと思うのなら、 力を以てそれを示せ!」
アルティス「お前の決意を私に見せよ!」
フォルカ「……わかった」
レフィーナ「ドラゴン2より各機へ。 最優先任務はダガー4機の確保です。 3分以内にそれを成し遂げて下さい!」
コウタ「おう!」
フィオナ「確保って…… あのダガーってのを動けなくすれば いいのね?」
ラウル「ああ、ある程度ダメージを与えてな。 くれぐれも壊すんじゃないぞ」
(作戦目的表示)

〈3PP〉

レフィーナ「各機へ!  あと1分以内にダガーの確保を!」

〈ソーディアンズ・ダガーのHP20%以下1機目
or マルディクトのHP85%以下〉

ユン「ダガー、1機目を確保!」
レフィーナ「続けて、残り3機を!」
アルティス「む? 瞬転刀を……」
アリオン「あいつら、何であんなことを?」
アルティス「………」

〈ソーディアンズ・ダガーのHP20%以下2機目
or マルディクトのHP75%以下〉

ユン「ダガー、2機目を確保!」
レフィーナ「あと残り2機です!  急いで下さい!」
アルティス「また瞬転刀を……」
アリオン「もしかして、あいつら……!」

〈ソーディアンズ・ダガーのHP20%以下3機目
or マルディクトのHP65%以下〉

ユン「3機目、確保!」
アルティス「フォルカ、 お前達の目的は……!」
フォルカ(さすがに気づかれたか。 だが、瞬転刀はもう1機必要だ……!)
アルティス「………」
フォルカ(……何故だ、兄さん?  どうして瞬転刀を退けない?)
フォルカ(俺達の目的に 気づいているはずなのに……!)

〈ソーディアンズ・ダガーのHP20%以下4機目
or マルディクトのHP55%以下〉

ユン「4機目のダガー、 確保に成功しました!」
ショーン「後は修羅神の撃破ですな」
レフィーナ「ええ。 ここでテスラ研に何かあれば、 今後の作戦が成り立ちません」
(ヒリュウ改にアラート)
ユン「3時方向、レンジ5に反応あり!  数は1、現空域へ向け、急速接近中!  友軍の識別信号を出していません!」
レフィーナ「!」
ロア「この反応は……!」
コウタ「どうした、ロア!?」
ロア「Gサンダーゲートが来る!」
コウタ「何っ!?」
(北西の山付近にGサンダーゲートが出現)
エミィ「ファイター・ロア…… 私はお前を……!」
コウタ「ショウコ!!」
エミィ「私は……ショウコではない…… エミィだ……!」
コウタ「くっ!  やっぱり、あいつは……!」
ロア「いや…… エミィはあそこにいない」
ロア「あれはショウコだ。 エミィ・アーマーを着せられた…… お前の妹だ」
エミィ「ロア…… お前だけは……許さない……!」
ロア「……!」
コウタ「ショウコ!  お前はデュミナスに操られてるんだ!」
エミィ「くっ……黙れ……!  私はデュミナスではなく…… ダークブレイン様のためにお前を倒す」
コウタ「ダークブレイン……!!」
(Gサンダーゲートの傍にテュガテールとエレオスが出現)
ティス「ようやく見つけたよ、エミィ!」
デスピニス「またこっちの方へ 戻って来ていたなんて……」
ティス「しかも、よりにもよって あいつらのいる所へ……!」
ラウル「ティス……デスピニス……!」
ティス「何、あれ?  エクサランスの新しいフレーム?」
ラウル「お前ら……!  よくもラージとミズホを!」
デスピニス「え?」
ラウル「しらばっくれるな!  デュミナスがあの二人をさらうよう 命じたんだろう!」
ティス「あ~、なるほど。 あの時、デュミナス様がラリアーに 言ってたことって、それだったんだ」
ラウル「くそっ!  汚い手を使いやがって!!」
ティス「ふ~ん、 あたいにそんな口きいていいのかな?  仲間がどうなっても知んないよ?」
ラウル「くっ……!!」
フィオナ「ラウル、怯んじゃダメよ。 あいつら、ラージとミズホを 単なる人質として連れ去ったんじゃない」
フィオナ「多分、時流エンジンのことを 聞き出すために……」
ティス「あっ、そう。 じゃ、用済みになったら殺しちゃおうっと」
フィオナ「やれるもんなら、 やってみなさいよ!!」
ラウル「お、おい、フィオナ!」
フィオナ「あんた達が あの二人を殺したら、絶対に許さない!」
フィオナ「このエターナルで、 あんたを永遠に眠らせてやる!!」
ティス「キャハハハ!  そんなこと出来るもんか!  バーカ!」
ラウル「フィオナ、お前……!」
フィオナ「……大丈夫よ。 あいつらはすぐにラージとミズホを 殺したりはしない」
ラウル「でも、 ODEシステムに統合されてしまったら!」
フィオナ「そこは……賭けよ。 あたし達があの二人を助けるのが先か、 それとも……」
ラウル「その程度の確証で あんなことを言ったのかよ!」
タスク「いや、 ここはフィオナみてえにハッタリを かましといた方がいいぜ」
ラウル「え!?」
タスク「あいつらは、 人の心の弱みを突いてくる……」
タスク「ここで怯んだ態度を見せたら、 益々つけあがりやがるぞ」
ラウル「………」
フィオナ「あたしだって、不安よ。 あの二人が心配よ。でも、今、 あの子達に屈するわけにはいかない」
フィオナ「突き進んで、 ラージとミズホを助けるしかないのよ!」
コウタ「そうだ……やるしかねえ!  俺はここでショウコを救い出す!!」
フォルカ「コウタ、 アルティスの相手は俺に任せろ」
コウタ「フォルカ……」
ラウル「ティスとデスピニスは、 俺達で抑えてみせる」
アヤ「妹さんのことを強く想えば、 あなたの気持ちは必ず通じるわ。 だから、頑張って」
アラド「おれ達も協力するぜ」
ゼオラ「だから、あなたはショウコを 助けることに専念して」
コウタ「すまねえ、みんな……!」
ティス「あんた達の好きにさせるもんか!  エミィ! こっちへ戻ってきな!」
エミィ「……断る……。 私は……ロアとコンパチブルカイザーを 抹消する……」
エミィ「デュミナスではなく…… ダークブレイン様の……ために」
ティス「なっ……!!」
デスピニス「やっぱり、 マインドコントロールが 解けかかってる……!」
ティス「でも、前の時とは様子が違うよ!」
コウタ「ロア!  どうすりゃショウコを助けられる!?」
ロア「まず、 Gサンダーゲートの動きを止めろ」
コウタ「その後は!?」
ロア「……危険だが、 Gコンビネーションを試す」
コウタ「Gコンビネーション!?  何だ、そりゃ!?」
ロア「詳しく説明している時間はない。 とにかく、Gサンダーゲートの動きを 止めるのだ。後は俺が何とかする」
コウタ「ああ、わかった!」
ロア「ただし、前回のような 共鳴現象が起きる可能性が高い……」
ロア「そして、向こうは俺達を倒す気だ。 充分に気をつけろ」
コウタ「おう! 行くぜぇっ!!」
ティス「アルティス!  手出しは無用だよ!」
アルティス「元より、そのつもりだ」
エミィ「う、くっ……この頭の痛み……!  ロア……お前を倒しさえすれば……!」
(作戦目的表示)

〈テュガテールまたはエレオスのHP50%以下
or GサンダーゲートのHP75%以下〉

エミィ「う、ううっ……!」
(Gサンダーゲートとコンパチブルカイザーが共鳴)
コウタ「まただ! また共鳴が!」
ロア「だが、この反応は……!」
エミィ「あ、頭が……! ううっ!!」
コウタ「ショウコ!!」
エミィ「う、うるさい…… 私をその名で呼ぶな……!  私は……エミィだ……!」
マイ「あの子の思念が揺らいでる……!」
アヤ「コウタ、もっと呼びかけて!」
コウタ「ああ!!」
エミィ「う、ぐ……私は……!」
コウタ「エミィじゃねえ!  ショウコだ! 俺の妹だ!!」
コウタ「思い出せ!  俺や爺ちゃんと一緒にいた時のことを!」
エミィ「ううう……あああ……!!」
コウタ「雷門! ほおずき市!  三社祭! アイスクリーム!  うな丼! プリン!」
エミィ「!!」
コウタ「演芸場! 花火大会! 焼き芋!  全部、お前の好きなもんだ!  思い出せぇっ!!」
エミィ「だ、黙れ……!  私はエミィ……エミィだ……!!」
コウタ「くっ! 駄目か!?」
アヤ「諦めないで!  あの子はあなたの言葉に反応してる!」
クスハ「そうよ!  もっと強く呼びかけて、コウタ君!」
コウタ「……!!」
ロア「彼女らの言う通りだ。 ショウコのマインドコントロールは 解けかかっている……!」
ロア「後は俺とお前次第だ!」
コウタ「わかった! 行くぞ、ロア!!」

〈テュガテールまたはエレオスのHP40%以下
or GサンダーゲートのHP50%以下〉

エミィ「うっ! あああっ!!」
キョウスケ「Gサンダーゲートの 動きが……!」
タスク「コウタ! ここが賭け時だぜ!!」
コウタ「ああ!!」
エミィ「こ、こんな所で……!  お前達などに!」
(Gサンダーゲートが南東の崖まで移動)
ロア「追え、コウタ!」
コウタ「おう!!」
(コンパチブルカイザーがGサンダーゲートの傍まで移動)
エミィ「く、来るな……っ!」
コウタ「ショウコ!  俺は爺ちゃんと約束したんだ!  必ずお前を連れて帰るって!」
エミィ「ううう……!」
コウタ「それに、 ジャーダさんやガーネットさんも お前を待ってる!!」
コウタ「双子の赤ん坊を 見たくねえのかよ!!」
エミィ「う……!」
コウタ「こんな戦いなんざ、 さっさと終わらせて、浅草に帰ろう!!」
コウタ「爺ちゃんが 宮古寿司の特上を取って、 パーティやってくれるんだぞ!!」
エミィ「と、特上……!?」
(Gサンダーゲートに精神感応)
エミィ「うっ!  あああぁぁーーーーっ!!」
(Gサンダーゲートが白い光を発し始め、エンジン出力が上がる)
コウタ「Gサンダーゲートが!!」
マサキ「な、何が起きてんだ!?」
ロア「あれは……!!」
マイ「念が放出されていく!」
ロア「俺がやろうとしていたことを……!」
ロア「まさか……」
ロア「エミィ、お前なのか……!?」
(閃光、Gサンダーゲートが赤を基調としたカラーに変わる)
コウタ「Gサンダーゲートの色が 変わった……!」
リョウト「カ、カイザーと同じだ……!」
コウタ「い、いったい何が……!?」
ショウコ「お……お兄ちゃん……」
コウタ「ショウコ!?」
ショウコ「駄目だよ……特上は…… 高いから……」
コウタ「!!」
フォルカ「!!」
コウタ「ショウコ!  元に……元に戻ったんだな!?」
ショウコ「元……? 何のこと……?」
コウタ「しっかりしろ、ショウコ!」
ショウコ「え!? ええっ!?  何、この格好!? コスプレ!?」
ショウコ「っていうか、ここどこなの!?」
コウタ「ショウコ!」
ショウコ「お、お兄ちゃん!?  そ、その恰好、もしかして!」
ショウコ「お兄ちゃんが あの赤いヒーローだったの!?」
コウタ「間違いねえ、ショウコだ!」
デスピニス「……Gサンダーゲートまで 変わってしまったなんて……!」
ティス「ぼやっとしてる時間はないよ!  早くあれを取り戻さなきゃ!」
(テュガテールが南東の崖の傍まで移動)
コウタ「ティス! てめえっ!!」
ティス「コンパチブルカイザーも Gサンダーゲートも!  まとめて手に入れてやるよ!」
ロア「……なら、まとめてやろう」
ティス「!?」
ロア「コウタ、Gコンビネーションだ」
コウタ「だから、何なんだよ、それは!」
ロア「説明をしている時間はない。 唱えよ……バーナゥ・レッジー・バトー」
コウタ「あ、ああ!  バーナゥ・レッジー・バトー!!」
ロア「Gコンビネーション!」
コウタ「G!  コンビネェェェェェションッ!!」
【デモイベント『Gコンパチブルカイザー登場』】
(Gサンダーゲートとコンパチブルカイザーが合体)
ティス「が、合体した!?」
リュウセイ「や、やっぱり!  思ってた通りだったぜ!!」
ロア「コウタ、これが……」
コウタ「……Gコンパチカイザーだ」
ロア「何?」
コウタ「長え名前は勘弁だぜ。 こいつは、Gコンパチカイザーだ。 今、決めた」
ロア「……なら、それでいい」
コウタ「って言うか、 Gコンビネーションって、 要は合体じゃねえか」
コウタ「説明すんのに あんま時間はかからねえだろ?」
ロア「……まあ、そうだな」
ティス「合体したぐらいで、 調子に乗るんじゃないよ!!」
コウタ「てやんでえ!  今までの仕打ち、万倍にして 返してやる!!」
ショウコ「あ、あの、お兄ちゃん……」
コウタ「ショウコ、訳は後で説明する。 ……ロア、あれをやってくれ」
ロア「わかった」
(Gコンパチブルカイザーでデータ送信)
ショウコ「な、何、これ?  頭の中に……!」
コウタ「ショウコ! ロア!  ここであいつらをブッ倒す!!  行くぞっ!!」
ショウコ「う、うん!」
ティス「ふん、返り討ちにしてやるよ!」
コウタ「てやんでえ!  先手必勝、大技ブチかましだ!!」
【強制戦闘】
コウタ[オーバー・カイザー・ソード]vsティス[防御]
(テュガテールに280000のダメージ、テュガテールに爆煙)
ティス「あ、あいつが あんな剣を持っていたなんて!!」
コウタ「おう!  俺もさっき知ったばっかだけどな!」
ティス「くっ、このままじゃ……!!」
コウタ「一気に押し切ってやる!  覚悟しやがれ、ティス!!」
(作戦目的表示)

撤退へ追い込んだのは
テュガテール エレオス


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