アルティス「……フォルカ、
お前の決意はよく理解した」
フォルカ「兄さん……!」
アルティス「次に相見える時が
我らの死合となろう。
……転空魔城で待っているぞ」
アリオン「おいおい、もう帰るかい?」
アルティス「そうだ……退くぞ」
アリオン「へいへい」
(マルディクト、アガレスと他の修羅神が撤退)
フォルカ「………」
フォルカ(兄さん……
あなたが瞬転刀を退かなかった理由、
それは俺達を……)
(扉が開閉する)
ゼオラ「………」
アヤ「ゼオラ、あの子の様子はどう?」
ゼオラ「え、ええっと……」
アラド「まあ、何て言うか……」
アヤ「?」
(扉が開閉する)
ショウコ「本当にいいってば、お兄ちゃん!」
コウタ「駄目だ! もう一回検査してもらえ!」
ショウコ「だ・か・らぁ、
お医者さんも大丈夫だって言ってたでしょ!」
エクセレン「……あのう、もしもし?」
ショウコ「あっ……!」
アヤ「それだけ元気があるのなら、大丈夫ね」
シャイン「ご無事で何よりでございますわ」
ショウコ「あ、あの!
あたし、ショウコ・アズマです!
兄がいつもお世話になってます!」
ショウコ「この度は色々とご迷惑をおかけして、
本当にすみませんでした!」
アヤ「ううん、いいのよ」
フォルカ「……謝らねばならぬのは、俺の方だ」
ショウコ「フォルカ……」
フォルカ「……お帰り、ショウコ」
ショウコ「ただいま、フォルカ。
……覚えていてくれたんだね、ショウコが言ったこと」
フォルカ「ああ」
エクセレン「わお、若い二人が
いい雰囲気かもし出しまくりなんじゃなぁい?
乗ってる機体が機体だけに、って感じ?」
フォルカ「は?」
エクセレン「結構やるダバ……なんてね」
コウタ「ま、待ちやがれってんでい!
お天道様が許しても、この俺が絶対に許さねえぞ!!」
ショウコ「ちょっとぉ~、なに勘違いしてるの?
フォルカはね、ショウコが転空魔城にいた時、
ずっと話相手になってくれてたのよ」
タスク「きっかけとしちゃ、充分だけどねぇ」
レオナ「……タスク、茶々を入れるのはお止しなさい」
コウタ「駄目だ、駄目だ! とにかく駄目だ!」
ショウコ「んも~、
お兄ちゃんってば、ホントに過保護なんだから」
シャイン「でも、うらやましいですわ。
私、一人っ子でございますから」
ショウコ「あ……!
もしかして、あなたはシャイン・ハウゼン王女?」
シャイン「ええ」
ショウコ「ジャーダさんとガーネットさんから
お話を聞いてました。一度、お会いしたかったんです」
シャイン「そうでございますか。
これからよろしくお願い致しますわ」
ショウコ「はい、こちらこそ」
ゼオラ「……ねえ、コウタ。
これからショウコをどうするの?」
コウタ「ここにしばらく置いてもらって、
落ち着いたら浅草に帰らせるよ」
ショウコ「ううん。
ショウコはお兄ちゃん達と一緒に行くわ」
コウタ「何っ!?」
フォルカ「ショウコ……」
ゼオラ「あ、あなた……本気なの?」
ショウコ「うん。
あたし、Gコンパチブルカイザーに乗って、
お兄ちゃんやみんなと一緒に戦うわ」
コウタ「だ、駄目だ、駄目だ、駄目だ!
そんなの危険すぎる!!」
ショウコ「それはお兄ちゃんも同じでしょ!
さっきだって、そうだったんだし!」
コウタ「あ、あれは……
お前を降ろしてる時間がなかったから……」
ショウコ「ショウコにはエミィ・アーマーもあるし……
アラドやゼオラ、ラトゥーニ、王女様だって、
この戦いを早く終わらせるために頑張ってる」
ショウコ「それに、
ショウコはお兄ちゃんのことが心配なの」
コウタ「で、でもよ」
ショウコ「お願い、お兄ちゃん。ショウコの好きにやらせて」
コウタ「………」
タスク「いいじゃねえか、コウタ。
乗る機体は同じなんだし、一緒にいた方が
妹を守ってやれるだろ?」
コウタ「……わかった……」
ショウコ「ありがと、お兄ちゃん」
レオナ「……ところで、ショウコ。
あなた、ダークブレインのことについて
何か知っていて?」
ショウコ「いえ……
あたし、ヘルゲートに行ってからのことは
ほとんど覚えてないんです」
コウタ「Gサンダーゲートにも、
ダークブレイン関連の情報は残ってねえって、
ロアが言ってたな」
タスク「じゃあ……
今、奴がどこにいて、何をしてるかわからねえのか」
コウタ「だが、出て来やがったとしても
必ず俺がブッ倒してやるぜ。
Gコンパチカイザーでな……!」
リュウセイ「か~っ!
Gコンパチカイザー……見れば見るほどカッコいい!」
カーラ「惚れちゃった?」
リュウセイ「おお! バリッとしてる所がたまらねえ!
やっぱ、大型ウイングはパワーアップの王道だよな!」
マイ「SRXにもあんな翼がつけばいいな……」
ラトゥーニ「どうして?」
マイ「バーンブレイドも
パワーアップすると翼がつくから……」
ラトゥーニ「バーンブレイドって……
リュウセイが好きなロボットアニメ?」
マイ「……今度、一緒に観る?」
ラトゥーニ「う、うん……」
リュウセイ「……なあ、ロブ。
次にSRXを作ることがあったら、
翼をつけてくれ、翼」
ロバート「そうだな……考えておくよ」
カーラ「それで、博士……
Gパチンコカイザーは、ちゃんと使えるの?」
ロバート「それなんたが……
まだ本来の力を発揮できてないようでな」
リュウセイ「え?」
ロバート「詳しいことは
もっと調べてみないとわからないんだが……」
ロバート「アズマ博士が地球の技術で修復した
カイザーと、ダークブレイン側の技術で修復した
Gサンダーゲートの組み合わせに問題があるようだ」
カーラ「それ、大丈夫なの?」
ロバート「当面の所はな。
でも、以前に比べて、かなりのパワーアップを
遂げたことは確かだ」
ロバート「そして、
修羅やデュミナスとの決戦の勝敗を左右する
鍵の一つになるだろう……」
ジョナサン「……フィオナ君、
エターナルを上手く使いこなせていたじゃないか」
フィオナ「え? そ、そうですか?」
マリオン「スラッシュ・ディメンションを
格闘戦仕様にして使っていましたわね?」
フィオナ「あ……す、すいません!
射程が長い武器ばかりだと、心許なくて……」
マリオン「いい心がけですわ。どんどんおやりなさい」
フィオナ「は、はい」
ラウル「……ところで、所長。
やっぱり、ラージとミズホは
デュミナスの所にいるみたいです」
ジョナサン「そうか……」
フィオナ「ティス達には、ああ言いましたけど……
早くヘルゲートへ行かなければ……」
ギリアム「フィオナ、ラウル……
我々は先にソーディアンを攻撃しようと考えている」
ラウル「え……?」
ギリアム「修羅軍の規模、
ソーディアンの特異性を踏まえての判断なのだ」
ラウル「じゃあ、デュミナスは……」
フィオナ「……当然の判断ね」
ラウル「フィオナ……」
フィオナ「だって、デュミナスは時流エンジンと
コンパチブルカイザーを狙ってくるばかりで、
他の所を攻撃したりしてないんでしょ?」
ラウル「あ、ああ……多分な」
フィオナ「でも、修羅は街を襲ったりしている……
先に対処すべきは、彼らよ」
フィオナ「それに、あたし達が動けば、
デュミナス達もそれに呼応するかも知れない。
そこにラージやミズホを助け出すチャンスがあると思う」
ラウル「だけど、状況はより困難になるぞ」
フィオナ「そのためのエターナルとライトニングでしょ。
やるしかないわよ」
マリオン「前向きですのね」
フィオナ「あ、いや……
自分でも無謀かなって思う時もあるんですけど」
マリオン「ふふふ……気に入りましてよ、あなたのこと」
ギリアム「……ともかく、ようやくダガーが手に入った。
次の作戦を成功させるために、一刻も早く
あれを使えるようにしていただきたい」
ジョナサン「ああ、わかった」
マリオン「ところで、作戦名称は決まりまして?」
ギリアム「ああ。オーバーゲート……
『オペレーション・オーバーゲート』だ」
デュミナス「そうですか、
コンパチブルカイザーとGサンダーゲートが……」
ティス「はい……」
デュミナス「あの2機が合体しても、
『扉』は開かなかったのですね……?」
デスピニス「ええ……」
デュミナス「あれは『鍵』ではないのか……
それとも、条件が揃っていなかったのか……」
デュミナス「いずれにせよ、
確実にあのお方……ダークブレイン様の下へ
辿り着くには、時流エンジンを使うしかないようですね」
ラージ「………」
ミズホ「………」
デュミナス「ラージ・モントーヤ、ミズホ・サイキ……
命が惜しければ、時流エンジンをもう1基作るのです」
ラージ「………」
ラージ「……いいでしょう。命あっての物種ですからね」
ミズホ「ラ、ラージさん! 何を!?」
ラージ「僕は彼らの技術力に興味を持ちました。
それを上手く応用すれば、時流エンジンを
完成させられるかも知れません」
ラージ「デュミナス……僕はあなたに協力します」
ティス「あんた……本心だろうね?」
ラージ「ええ、こんな所で死にたくありませんからね。
時流エンジンの研究が続けられるなら、
僕は悪魔にも魂を売りますよ」
ミズホ「そんな……ラージさん……!」
ラージ「手伝ってもらいますよ、ミズホ」
ミズホ「そ、それじゃ……
ラウルさんやユウキさん達を裏切ることに……」
ラージ「彼らとの絆などより、
僕は自分の研究の方が遥かに大事ですね」
デュミナス「……賢明な判断です。
ただし……あなた達には監視をつけますよ?」
ラージ「どうぞご自由に」
デュミナス「……デスピニス、あなたが彼らを」
デスピニス「わかりました……」
ラージ「……ところで、一つ聞いていいですか?」
デュミナス「何です?」
ラージ「見たところ、あなた達の技術レベルは
僕達のそれより上……。しかも、優秀な転移機能を
備えた機動兵器を保有している」
ラージ「その気になれば、
完全な次元転移装置をも作り出せるはず」
デュミナス「………」
ラージ「なのに……
何故、時流エンジンを必要とするのです?」
デュミナス「……その質問には答えられません」
ラージ「………」
ラージ(なら、やはりデュミナスは………)