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帰るべき処へ(前編) ~ 第27話 ~


第27話
帰るべき処へ(前編)

〔戦域:山間部の荒地

(ヴァルシオーネ、エクサランス、コンパチブルカイザーが出現)
コウタ「リューネ、バルトールは!?」
リューネ「まだ追ってくるよ!」
コウタ「チッ…… 修羅じゃなく、あいつらを 釣り上げちまうとはな」
コウタ(ま、俺とラウルが一緒にいちゃ 当然の結果かも知れねえが……!)
ラウル「……こ、ここは……!」
リューネ「ラウル、どうしたのさ!?」
ラウル「ここは…… 俺達が転移した場所だ……!」
リューネ「ええっ!?」
ラウル「とは言っても、 “向こう側”の世界での話だけど……」
コウタ「ラウル……!」
ラウル(あの時、 フィオナは消えてしまった…… ここと同じ……そして、違う場所で)
リューネ「ラウル、コウタ!  バルトールが来るよ!」
(バルトールが東に出現)
ラウル「ここで奴らを食い止めよう!  テスラ研へ行かせないためにも!」
コウタ「わかった! 速攻で行くぜ!」
(作戦目的表示)

〈敵機全滅〉

(警報)
ラウル「! この反応は!?」
(南東端にGサンダーゲートとテュガテール、エレオスが出現)
???(エミィ)「………」
コウタ「こないだの黒い戦闘機!」
ラウル「それに、ティスとデスピニスか!」
デスピニス「………」
ティス(今日の所は、 あんたに用はないんだけどね~)
コウタ「ロア! おい、ロア!!」
コウタ「……くっ、まだダンマリかよ!  俺が変身できる以上、見てんだろうが!」
ティス(さあ、コンパチブルカイザーと Gサンダーゲートの関係…… 今度こそ見極めさせてもらうよ!)
???(エミィ)「……ファイター・ロア…… お前を……!」
(???(エミィ)に『気迫』)
コウタ「!」
???(エミィ)「お前を捕らえる……!  そして……!」
(Gサンダーゲートとコンパチブルカイザーが共鳴)
コウタ「な、何だ!?」
デスピニス「今の波動は……!」
ラウル「まさか……!  いや、そんなことは!」
ティス「ふふん、 どうやら今回は当たりみたいだね」
デスピニス「でも、Gサンダーゲートに もしものことがあったら……」
ティス「大丈夫。 保険は二つあるからね、二つ」
デスピニス「………」
ラウル「コウタ!  あの黒い戦闘機と戦うのは危険だ!」
コウタ「何言ってんだ!  あいつは敵だぞ!!」
ラウル「似てるんだ……!  あの時の現象と!」
コウタ「そんなこと言ってる場合か!  戦わなきゃ、やられちまうぞ!!」
ラウル「だったら、あれを落とすな!  カイザーのパーツかも知れないんだろ!」
コウタ「奴はデュミナスの手先だぞ!  どんな罠が仕掛けられてるか、 わかりゃしねえ!」
リューネ「でも、何か様子が変だよ。 気をつけた方がいい」
コウタ「………」
???(エミィ)「行くぞ……ファイター・ロア」
(作戦目的表示)

〈vs ???(エミィ)〉

[コウタ]

コウタ「てめえ!  いったい何者なんだ!?」
???(エミィ)「………」
コウタ「ロアと一緒で てめえもダンマリかよ!!」
戦闘
ティス「………」
デスピニス「………」
ラウル「あいつら、動かない……!  今度は何を企んでるんだ……!?」
コウタ「動かねえんなら、好都合だ!  あの黒いのに集中できるぜ!」
ティス(そうだよ。 あたいらに手を出したって、 無駄だからね)

[HP80%以下]

(コンパチブルカイザーとGサンダーゲートが共鳴)
???(エミィ)「……!」
コウタ「またか!  いったい、どうなってんだ!?」
(エクサランスに共鳴)
ラウル「こ、こっちにも共鳴が!」
リューネ「えっ!?」
ラウル「時流エンジンの出力が勝手に!  これじゃ、まるであの時と……!」
コウタ「そっちも何か起きてんのかよ!?」
ラウル「エンジンの出力が 勝手に上がってるんだ!」
コウタ「何っ!?」
ラウル「このままじゃ、まずい!  いったん、ここは退いて……」
コウタ「けど、 ここであいつらを食い止めようって 言ったのは、お前だろ!?」
ラウル「!」
リューネ「ヤバいんだったら、 あんたたげ下がりなよ!  後はあたし達で何とかするから!」
ラウル「……いや、ここでお前達を 二人きりにするわけにはいかない!」
コウタ「心配すんな!  リューネにゃ、手ェ出さねえよ!  マサキにブン殴られるからな!」
リューネ「え?  やっぱ、そういう関係に見える?」
コウタ「へ? そうだったのか?  当てずっぽうで言ったんだけど」
リューネ「あ、あんたねぇ!」
ラウル「いや、そういう意味じゃなくて」
ラウル「……ともかく!  お前達が退かないんなら、俺も残る!」
ティス「うふふふ。 さあて、何が起きるのかな~?」
デスピニス「もしかして、デュミナス様が 仰っていたようなことが……」
ティス「だったら、いいじゃん。 あいつらが名実共に『鍵』だって ことになるでしょ」
デスピニス「………」

[HP50%以下]

(コンパチブルカイザーとGサンダーゲートが共鳴)
???(エミィ)「う、ううっ!」
コウタ「な、何だ!? 頭に!?」
リューネ「どうしたのさ、コウタ!?」
コウタ「何だか知らねえが、 頭にパキピキ来やがった!」
(エクサランスに共鳴)
ラウル「ま、また共鳴が!」
???(エミィ)「う、ううう……あ……!」
デスピニス「あの子の様子が変……」
ティス「え!?」
???(エミィ)「あ、ああ……ううう……!」
ティス「あいつ、苦しんでる……!?」
デスピニス「もしかして、 マインドコントロールが……」
ティス「何言ってるのさ!  あいつは端からロボットみたいなもん だったろ!」
デスピニス「そうじゃなくて、 彼女の方……」
ティス「!」
デスピニス「あの人も その兆しが見えていた……」
デスピニス「彼らには、 私達のコントロールをはねのける力が あるのかも……」
ティス「………」

[HP30%以下]

???(エミィ)「うう……う……!」
デスピニス「ティス、これ以上は!」
ティス「待って! もう少し!」
???(エミィ)「ううう……あああ……!!」
コウタ「あいつ!?」
???(エミィ)「うああああああ!!」
(Gサンダーゲートが西側へ移動)
コウタ「てめえ、どこへ行きやがる!?」
(コンパチブルカイザーがGサンダーゲートを追う)
ラウル「待て、コウタ!」
(エクサランスに共鳴)
ラウル「!!」
(Gサンダーゲートとコンパチブルカイザーが共鳴)
コウタ「な、何だ!?  カイザーが動かねえ!!」
???(エミィ)「あああ……あああああっ!!」
(Gサンダーゲートが白い光に包まれ、エンジン出力が上がる、コンパチブルカイザーも白い光に包まれ、エンジン出力が上がる)
コウタ「お、おい!  何だよ、こりゃあ!?」
ラウル「ま、間違いない!!  あの時と同じだ!!」
ティス「あははは! 凄い、凄いよ!  あれがあいつらの力なんだね!」
ラウル「コウタ!  早くそいつから離れろ!!」
コウタ「そう言われても、 カイザーが動かねえんだよ!!」
ラウル「!!」
コウタ「くそっ!  動け! 動きやがれ、カイザー!!」
ラウル「駄目だ!  そのままじゃ、跳ばされる!!」
コウタ「何!? どこへ!?」
ラウル「いいから、逃げるんだ!!」
コウタ「だから、無理なんだってばよ!!」
ロア「……大丈夫だ、コウタ」
コウタ「え!? ロア!?」
(閃光、Gサンダーゲートとコンパチブルカイザーの光が収まり、2機の真ん中にエクサランス・ストライカーが出現)
ラウル「!!」
リューネ「エクサランスがもう1機!?」
ラウル「ま……まさか!!」
(新たに現れたエクサランスにラウル機とヴァルシオーネが隣接)
ラウル「フィオナ!!  フィオナなのか!?」
フィオナ「う……うう……」
ラウル「フィオナッ!!」
フィオナ「お……お兄ちゃん……?」
ラウル「フィオナ…… お前、生きて……!!」
リューネ「フィオナって……!」
コウタ「ラウルの妹か!?  いったい、何が起きたんだよ!?」
ロア「一時的にゲートが開かれたのだ……」
コウタ「!」
ロア「カイザーとGサンダーゲートの 共鳴によって……」
コウタ「爺さんがゲートボール!?  何だ、そりゃ!?」
ロア「もはや間違いない…… あれはGサンダーゲート…… 失われたはずの……」
???(エミィ)「うう……っ……」
ティス「キャハハハハ!  あいつ、『扉』を開いたよ!!」
デスピニス「ティス、 早くGサンダーゲートを戻さないと!」
コウタ「! カイザーが動く!!」
???(エミィ)「………」
コウタ「わけはわからねえが、 とにかくあいつを叩き落とす!」
デスピニス「ま、待って下さい!」
コウタ「!?」
ティス「デスピニス!?」
デスピニス「Gサンダーゲートに 乗っているのは、エミィ!  いえ、あなたの妹さんなんです!」
コウタ「!!」
ラウル「なっ……!!」
リューネ「何だって!?」
ロア(そうか……そういうことか……!)
コウタ「こ、このガキ!  でたらめを言ってんじゃねえ!!」
ティス「……ホントだよ。 何なら、Gサンダーゲートを 叩き落とした後で確かめてみる?」
ティス「あんたの妹の死体をさ」
コウタ「……!!」
ロア「コウタ…… 彼らが言っていることは事実だ」
コウタ「………」
コウタ「も、もしかして…… あいつらがショウコをさらったのは……」
ティス「エミィ! 今の内に逃げな!」
エミィ「………」
(Gサンダーゲートが撤退)
コウタ「ショ、ショウコ!!  ショウコォォォォォォォォッ!!」
ティス「キャハハハハ!  驚いた!? ねえ、驚いた!?」
コウタ「て、てめえらァァァァァァ!!」
ティス「さぁて!  エクサランスも1機増えたことだし……」
ティス「邪魔者もいないし、 コンパチブルカイザーと一緒に 持って帰ろうかな」
(量産型ウェンディゴが味方機を囲むように出現)
ラウル「な、何だ、こいつら!?」
ティス「あたい達の新しい駒だよ」
ティス「さあ、ウェンディゴ!  あいつらを捕まえな!!」
(北西側の量産型ウェンディゴが2機爆発)
ティス「!!」
リューネ「だ、誰!? 撃ったのは!?」
(北西にソウルゲインとペルゼイン・リヒカイトが出現)
ティス「あ、あいつらは!!」
アクセル「楽しそうだな。 ……おれも混ぜてくれないか?」
アルフィミィ「……イェッツトを追っていた だけなのですけれど……この状況は、 放っておけませんですの」
ラウル「ソ、ソウル……ゲイン……!!」
リューネ「それに、ペルゼイン……!!」
アクセル「………」
リューネ「い、生きてたの……!?」
アルフィミィ「アクセル…… よろしいんですのね?」
アクセル「ああ、これも成り行きだ。 ……つき合わせて悪いがな」
アクセル(テスラ・ライヒ研究所…… そしてエクサランスか……)
アクセル(フッ…… 因果というには、業の深い話だ)


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