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黒き雷翼 ~ 第22話 ~


第22話
黒き雷翼

〔戦域:東京湾周辺〕

(西端にテュガテールとエレオスが出現し、東の海上まで移動)
ティス「デスピニス、あいつらは!?」
デスピニス「まだ追ってくる……」
ティス「ムカつく!  あたい達が追われる側になるなんて!」
デスピニス「それより、 私達を助けてくれたのは……」
(エレオスとテュガテールのすぐ西側にGサンダーゲートとヒュポクリシスが出現)
???(エミィ)「………」
ティス「あいつ、 もう使えるようになったんだ……」
デスピニス「こんな短時間で……」
???(エミィ)「………」
ラリアー「ここは僕達に任せて、 ティスとデスピニスは逃げて」
ティス「でも、時流エンジンが!」
ラリアー「駄目だよ。 今のテュガテールとエレオスじゃ、 彼らには勝てない」
ティス「う……」
ラリアー「だから、 ここは僕の言うことを聞いて」
ティス「……あいつは大丈夫なの?  まだ目覚めたばっかりだってのに」
???(エミィ)「………」
ラリアー「これは デュミナス様のお考えなんだ」
ラリアー「Gサンダーゲートと カイザーを実際に接触させたら、 どういう反応を見せるか……」
ラリアー「デュミナス様は ご自分の予想が正しいかどうか、 試したいとおっしゃっていた」
ティス「でも、 さっきは何も起きなかったじゃん」
ラリアー「もう一度試してみる……」
ティス「わかったよ。 じゃ、あたい達は先に行くね」
デスピニス「気をつけて、ラリアー……」
(テュガテールとエレオスが東端へ移動し撤退)
???(エミィ)「……敵が来る……」
ラリアー「もう追いついてきたのか……。 何としても食い止めなきゃ……」
(敵機が出現)
ラリアー「これで……時間が稼げる」
(南西にコンパチブルカイザーが出現)
コウタ「よし、追いついたせ!!」
???(エミィ)「ファイター・ロア…… コンパチブルカイザー……」
コウタ「おい、ロア!  お前、あいつのこと知ってんだろ!?」
ロア「………」
コウタ「どうしたんだよ!?  さっきから黙りこくりやがって!」
(コンパチブルカイザーの西側にハガネが出現)
エイタ「艦長、 クロガネが本艦へ接近してきます!」
(ハガネの南側にクロガネが出現)
レーツェル「アイアン3より スティール2へ、そちらに協力する」
テツヤ「こちらスティール2。了解」
(出撃準備)
ユウキ「あの黒い大型戦闘機は……?」
???(エミィ)「………」
リョウト「浅草上空に転移してきたんだ。 そして、いきなりコンパチブルカイザーを 攻撃して……」
コウタ「ロアの奴が あいつを知ってるみてえなんだけどよ、 さっきからウンともスンとも言わねえ」
ゼオラ「……フォルカさんは あの戦闘機を知ってるんですか?」
フォルカ「いや……」
カイ「だが、敵であることに違いはない」
コウタ「ああ、オッサンの言う通りだ」
カイ「ぐっ、また!  誰がオッサンだ、誰が!  カイ少佐と呼べ!」
コウタ「え~? 俺、軍人じゃねえんだぜ」
ラーダ「お願いだから、そう呼んであげて」
アラド「でないと、正座でお説教を 6時間ぐらい食らっちまうぞ~」
コウタ「うげっ! 爺ちゃんより長え!」
カイ「………」
コウタ「りょ、了解であります、 カイ少佐大明神様!」
カイ「大明神はいらん、大明神は」
リュウセイ「それにしても、 あの戦闘機……ディテールが コンパチカイザーに似てるな」
アラド「え? どこが?」
リュウセイ「垂直尾翼やインテークとか。 カラーリングは違うけどさ」
???(エミィ)「………」
ラトゥーニ「リュウセイの 言う通りだと思う……」
マイ「あ……わ、私も」
リュウセイ「あれで赤かったら、紅の翼…… 由緒正しいロボットの飛行用パーツだな。 もしかして、合体したりして」
コウタ「……おい、ロア。 まさか、あいつは……」
ロア「………」
コウタ「チェッ、マジでどうしたんだよ?  いつもは口を挟んでくるくせにさ」
ラリアー「……皆さん」
ラウル「!」
ラリアー「僕の名前はラリアー。 デュミナス様のテクニティ・ パイデスです」
イルム「こりゃまた可愛い声で。 女の子かな?」
アヤ「男の子だと思いますけど……」
マサキ「なあ、 テクニティ何とかって、何だ?」
ラウル「あいつらは ホムンクルスだと言っていた」
カーラ「ホムンクルス?」
リョウト「昔のヨーロッパの錬金術師が 作り出したっていう人工生命体だよ」
ヴィレッタ(私と同じような 存在だということか……)
ラリアー「あの…… お願いがあるんですけど……」
ラリアー「このまま黙って 帰ってもらえませんか……?」
ラウル「何っ!?」
マサキ「そんだけ手駒を出しておいて 言う台詞かよ!」
ラリアー「で、でも…… あなた達は強いですから……」
コウタ「そんなことを言っておいて、 やる気満々だってのは わかってるんでえ!!」
ラリアー「いえ、僕は…… ティス達を無事に帰したいだけなんです」
ラリアー「ここであなた達と戦うつもりは ありません……見逃して下さい……」
ラウル「う……!」
ラリアー「お願いです……。 エクサランスには手を出しませんから」
ラウル「えっ……」
ラージ「ラウル、騙されてはいけません」
ラウル「!」
ラージ「彼は、『もう』や『今後も』とは 言っていません」
ラージ「それに、 エクサランス以外のものには 手を出すつもりがあるとも受け取れます」
ラウル「そ、そうか」
ラリアー「………」
コウタ「俺は騙されねえぞ!  背中を見せた途端にズドンって いく気だろうが!」
ラリアー「そんな…… 僕はあなた達を騙す気なんて……」
カーラ「な、何か声だけ聞いてると 可哀想になってくるね」
リオ「でも、 あの子はデュミナスの手先……」
リオ「彼らがヘルゲートに 捕らえられた人達へしたこと……」
リオ「そして、ラミア少尉のこと…… 忘れちゃ駄目よ」
カーラ「うん……!」
ラリアー「信じて……もらえないんですね」
ゼオラ「信じるも何も、 あなた達やユルゲン博士のせいで ラミア少尉は!!」
ラリアー「……しょうがないんです、 あれは」
ゼオラ「ふざけないで!!  私はあなた達を信じもしなければ、 許しもしないっ!!」
ラリアー「………」
ゼンガー「フォルカ…… あれが奴らの手口か?」
フォルカ「……ああ」
ラウル「………」
ラージ(人のいいラウルにとっては 戦いにくい敵……)
ラージ(あのような子供を 戦場へ送り込んでくるとは……)
ラージ(デュミナス…… ヘルゲートの時もそうでしたが、 油断ならない相手ですね)
ラリアー「……仕方ありません……。 あなた達と戦います……」
ラリアー(そして、Gサンダーゲートと コンパチブルカイザーの接触で 何が起きるか……見せてもらいます)
テツヤ「スティール2より各機へ!  攻撃を開始しろ!」
(作戦目的表示)

〈vs ???(エミィ)〉

[コウタ]

コウタ「どこのドイツ人か知らねえが、 浅草じゃ、よくもやってくれたな!  こいつはお返しだ!!」
???(エミィ)「ファイター・ロア…… 私は、お前を……!」
???(エミィ)「倒す……!!」
(戦闘)
ラリアー「………」
ラリアー(特に何かが起きた様子はない…… 条件が揃っていないんだろうか?)
ラリアー(それに、 彼女はファイター・ロアを 憎んでいるみたいだ……)
ラリアー(彼らの関係はいったい……?)

〈vs ラリアー〉

[ラウル]

ラウル「ラリアーと言ったな!  よくも人を惑わすようなことを!」
ラリアー「あなた達がそうだから、 僕は戦わなければならないんです」
ラウル「何っ!?」
ラリアー「あなたが 素直に時流エンジンを渡してくれれば、 こんなことをせずに済むのに……」
ラウル「そっちこそ、 いい加減に時流エンジンを諦めろ!  あれはお前達には渡さない!!」

[フォルカ]

ラリアー「本当に クロガネやハガネの人達と 手を組んだんですね……」
フォルカ「ショウコは お前達の所にいるのか?」
ラリアー「そんなことを聞いて どうするんです?  彼女を取り戻す気だとでも?」
フォルカ「……ショウコは今、 ヘルゲートにはいないのか?」
ラリアー「さあ……どうでしょうね」
フォルカ「……!」

撤退まで追い込んだのは
ヒュポクリシス Gサンダーゲート


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