back index next


未知への飛翔 ~ 第20話 ~

《地球近海 転空魔城》

[転空魔城内 修羅王の間]

ミザル「無様だな、マグナス」
マグナス「も、申し訳ございませぬぅ~」
ミザル「将軍のお前が、 みすみす占領地を敵に奪い返されるとは……」
マグナス「赤い機神と 黒い衝角船の者共に邪魔されましてぇ…… フォルカめも役に立たずぅ……」
アルティス「……」
マグナス「その上、腹も減ってぇ~」
ミザル「何が腹だ、何が。 次にこのようなことがあれば、降格だぞ」
マグナス「そ、それだけはご勘弁を~」
メイシス「……黒い衝角船……。 ヘルゲートの戦いにも現れたクロガネですね」
ミザル「ああ。 他の修羅達もあの船に手こずっている」
メイシス「後はハガネとヒリュウ改。 地球人の中でも最強の部類に入る者達……」
ミザル「今の内に何とかせんと、 後々の憂いになるやも知れぬ」
アルカイド「捨て置けい」
ミザル「は?」
アルカイド「強者との戦は我が望み。 我が欲するのは、血湧き肉躍る戦いよ。 烏合の衆相手では、覇道に陰りが生ずる」
アルカイド「我はこの業拳を受けるに足る漢を 欲しておるのだ」
ミザル「修羅王様と拳を交える資格を持つ者など、 世界を探しても両手の指に満ちませぬ」
アルティス「……」
メイシス「……」
マグナス(むむむぅ…… さしもの俺様も修羅王様には勝てねぇ~)
アルカイド「では、ミザル……うぬはどうだ?」
ミザル「この私が……?」
アルカイド「そうだ。 考えてみれば、うぬとは手合わせをしたことがない」
ミザル「ご冗談を。 私は軍師……修羅王様の忠実な僕でございます」
ミザル「修羅王様が先の修羅界で覇道を 歩み始めた時から、このミザル…… 心よりの忠誠を誓っておりますゆえ」
アルカイド「うむ。 うぬは我の右腕……頼りにしておるぞ」
ミザル「ありがたきお言葉。 それで、修羅王様……例の小娘の件ですが、 私が直々にヘルゲートへ連行致しまする」
アルティス「その際には、 フォルカを同行させるのが良かろう」
ミザル「何故に?」
アルティス「あの少女は、 フォルカに心を許しているからだ」
ミザル「むう……。しかし、奴は……」
アルティス「何か問題でも?」
ミザル「御前死合で勝利を得たにも関わらず、 敗者に情けをかけ、命を奪わなかった」
ミザル「それが相手にとって、どれだけ屈辱か…… 修羅ならばわかっていようものを」
マグナス「奴はハコダテでも 気が入らぬ戦いをしておりましたぁ~」
アルティス「だが、 フォルカは将軍候補に挙げられた程の漢」
ミザル「……」
アルティス「それとも、 フォルカの同行に不都合があるとでも?」
ミザル「い、いや、そんなことは」
アルカイド「ミザル、アルティスの言う通りにせい」
ミザル「は、ははっ」
ミザル(アルティスめ…… まさか、気づいておるのか?)
アルティス「……」
アルティス(フォルカ……はたして、お前は……)

[転空魔城 内部]

(扉が開閉する)
フォルカ「………」
ショウコ「お帰り、フォルカ」
フォルカ「あ、ああ………」
ショウコ「ちが~う!」
フォルカ「え?」
ショウコ「ほら、教えてあげたでしょ。 お帰りって言われたら、ただいま!」
フォルカ「た……ただいま」
ショウコ「そうそう。 ……で、今日もまたお話?」
フォルカ「それは……」
ショウコ「?」
フォルカ(言えん……。 お前がデュミナスに差し出されるとは……)
ショウコ「どうしたの? 何か元気ないね」
フォルカ「……」
ショウコ「……ふふ、変だよね。 ショウコ達の世界に攻め込んでる人のことを 心配するなんて……」
フォルカ「ショウコ……」
ショウコ「でもね、こうしてあなたと話すのが 今のあたしにとって一番楽しい時間なんだ……」
フォルカ(だが、それも今日で終わる……)
ショウコ「そうそう、お話ね。 こないだはどこまで話したっけ?」
フォルカ「……」
フォルカ「……ほおずき市という祭の話だ……」
ショウコ「あ、そうだったね。 それでね……その日にお参りをすれば、 四万六千日分の意味があるの」
フォルカ「お参り?」
ショウコ「神様に頼み事をするの。 ねぇ……フォルカは何かお願いってある?」
フォルカ「願いか……」
ショウコ「うん」
フォルカ「……お前はあるのか?」
ショウコ「え? ショウコ?  ショウコは……」
ショウコ「うちに帰りたい……。 お兄ちゃんやお爺ちゃんの所へ……」
フォルカ「……すまん。 ……いや、俺は詫びの言葉を言える立場じゃない。 全ては……俺のせいだ」
ショウコ「ううん。フォルカは、 命令でショウコをさらってきただけ…… それはわかってる、わかってるの」
ショウコ「でも……ずっとここに閉じ込められてたら、 もうほおずき市で願掛けすることも出来ない……」
フォルカ「………」
フォルカ(弱き者を守るための戦い……)
フォルカ(ショウコの兄達が 守ろうとしているもの……)
フォルカ(己にとって大切なもの…… 失いたくないもの……)
フォルカ(…………)
フォルカ(そう……。 だからこそ、あの時……俺は掟に逆らった)
ショウコ「……どうしたの?」
フォルカ「ショウコ……」
フォルカ「お前の願い、俺が叶えよう」
ショウコ「え……?」
フォルカ「俺と一緒に来るんだ。 やはり、お前のいるべき場所はここじゃない」
ショウコ「フォルカ……!」

[転空魔城内 闘議室]

ティス「ふ~ん…… やっと『鍵』を渡す気になったんだ」
ミザル「ああ。修羅王様のお許しが出た」
ティス「ま、あんた達があれを持ってても 仕方ないんだけどね」
ミザル「そちらの準備は?」
ティス「『Gサンダーゲート』が使えるようになったよ。 多分、あの赤い機神……コンパチブルカイザーが 目覚めたからだと思うけど」
ミザル「ほう」
ティス「デュミナス様が予想してた コンパチブルカイザーとGサンダーゲートの関係…… どうやら当たってたみたい」
ティス「だから、 あたい達はあれも手に入れることにしたんだ」
ミザル「では、やはり……」
ティス「コンパチブルカイザーとGサンダーゲートを 組み合わせることによって、初めて『門』を開く 『鍵』になるのかも知んない……」
ミザル(異なる世界への瞬転手段というわけか……)
ティス「という事だから、コンパチブルカイザーと “時の歯車”……エクサランスを壊しちゃダメだよ」
ティス「あたいの言うことを聞かなかったら、 結局あんたも困ることになるんだからね」
ミザル「……わかっておる」
ティス「で、『鍵』はいつヘルゲートに?」
ミザル「もう間もなく、私がそちらへ連行する」
ティス「へ~え」
ミザル「不満があるなら、お前達が受け取りに来い」
ティス「その手には乗らないよ~だ。 絶界宝の結界内に入ったら、 あたい達の戦機人形が動かなくなるもん」
ミザル「……」
ティス「いい?  結界を展開したまま転空魔城が これ以上ヘルゲートへ近づいたら……」
ティス「あたい達はもうあんた達に協力しないからね」
ミザル「それもわかっておるわ」
ティス「ま、仮にあんたが裏切っても デュミナス様には敵いっこないんだから。 こっちには駒も色々揃ってるしね」
ミザル(フン……小娘が。大口を叩きおって)
ミザル(『奥の院』はともかく、 絶界宝と瞬転刀の全仕様解明を急がねば、 いざという時の切り札にならぬ)
ミザル(ここはデュミナスに再度頭を垂れてでも……。 それもフォルカめに悟られぬように……)
(扉が開閉する)
修羅兵「ミ、ミザル様! 大変でございます!」
ミザル「貴様……!  ここへは入ってくるなと言っておいたはずだ」
修羅兵「も、申し訳ございません!  ですが、一大事が起きまして!」
ミザル「何だ?」
修羅兵「フォルカ・アルバークが 例の小娘を連れて、出奔致しました!」
ミザル「何っ!? どこへ行った!?」
修羅兵「彼奴めはアルティス様分の瞬転刀を使って、 瞬転を……!」
ミザル「ならば、到達地点を割り出せい!」
修羅兵「ははっ!」
ティス「ちょっとぉ、どういうこと?  勝手に『鍵』を手元に置いといた上に その体たらく?」
ミザル「……我が意志ではない。 下級修羅の……謀反だ」
ティス「あんたの管理に問題があるんじゃないの?」
ミザル「ぬ……!」
ティス「しょうがないね。 到達地点がわかったら、あたい達に知らせて。 転移して追っかけるから」
ミザル「わかった。こちらからも兵を出す」
ティス「これで貸し一つだよ、ミザル。 じゃあね」
(通信切れる)
ミザル(チッ……生意気な邪鬼め)
ミザル(いや、それよりフォルカの追っ手だ。 マグナスでは、小娘ごと屠りかねん)
ミザル(ならば、アルティスかメイシス…… いや、あの二人もいかん)
ミザル(………)
ミザル(フフフ……うってつけの漢がいたわ。 フォルカを屠ることをためらわぬ漢が……)


第20話
未知への飛翔

〔戦域:緑が少しある荒地〕

(南西側にソーディアンズ・ダガーが3機出現後、ソーディアンズ・ダガーの中央にヤルダバオトが出現)
フォルカ「瞬転、完了……」
フォルカ(2回連続の瞬転成功……。 これは何かの導きだと思いたい……)
ショウコ「う、うう……」
フォルカ「ショウコ、お前の国についたぞ。 もう少しの辛抱だ」
ショウコ「で、でも、本当にいいの……?  これって命令違反でしょ……?」
ショウコ「後で罰を受けるんじゃ……」
フォルカ「俺は……もう転空魔城へ戻らん」
ショウコ「え!?」
フォルカ「お前が話してくれた 色々なこと……修羅の世界になかった ものに俺は触れてみたい」
ショウコ「フォルカ……」
フォルカ「お前に会う前から、漠然とした 疑問が俺の中にあった……」
フォルカ「それが今、形になっただけだ」
ショウコ「でも、 これからどうする気なの……?」
フォルカ「わからん……。 だが、まずはお前を逃がすつもりだ」
ショウコ「じゃあさ、うちに来ない?」
フォルカ「だが、俺は……」
ショウコ「後のことは うちのお爺ちゃんに相談しよ……。 あれでなかなか顔が広いし」
ショウコ「それに…… お兄ちゃんにはショウコから ちゃんと説明するから」
フォルカ「……それより、先を急ごう。 お前がこのヤルダバオトに乗り続けて いると……」
(ソーディアンズ・ダガーが3機とも爆発)
ショウコ「!!」
フォルカ「瞬転刀が……!  追っ手か!?」
(中央にビレフォールと下級修羅神、少し北東にアガレスが出現)
フォルカ「ビレフォール…… フェルナンドか!」
ショウコ「フェルナンドって、 フォルカの友達の!?」
フォルカ「向こうは そう思っていないだろうが」
フォルカ(それにしても…… 正確な単独瞬転を行ってきたと 言うことは……)
フェルナンド「フォルカ、貴様…… こんな所で何をしている?  行き先を間違っているぞ」
フォルカ「フェルナンド……」
アリオン「ヒュ~ッ!  やるねえ、フォルカ。 貢ぎ物のお嬢ちゃんと逃避行とはな」
ショウコ「え? 貢ぎ物って……」
フォルカ「……」
アリオン「欲しいものは力尽くで奪う。 まァ、修羅の生き方としちゃ 真っ当だが……」
アリオン「修羅王様に逆らうってのは どうなのよ?」
フォルカ「……」
フェルナンド「そうだ、フォルカ…… 貴様のその行為は、修羅王様への反逆だ」
フォルカ「言われなくても、わかっている」
フェルナンド「ならば、 何のためにその小娘を連れだした?  何ゆえに転空魔城から脱走した?」
フォルカ「俺は、 戦い以外の生き方があることを……」
フォルカ「血で血を洗う争い以外にも 生きる道があることを、この世界の戦士や ショウコから学んだ」
フェルナンド「フン…… どのような道だと言うのだ?」
フォルカ「わからん。 わからんが……その答えを探したい」
フォルカ「そして、 俺もショウコ達のように生きてみたい」
ショウコ「フォルカ……」
アリオン「へ~え。 俺様以上の自由を求めるってわけね、 フォルカ君」
アリオン「堅物だと思っていたが、 なかなかどうして。お前、自由戦士の 素質があるかもよ?」
フォルカ「自由戦士…… お前が勝手に名乗っているだけだろう?」
アリオン「だから、自由……なのさ。 閃光だの氷槍だの重震だの、 ご大層でむずがゆくってねぇ」
アリオン「ストレートに自由戦士。 どうだ、飾りが無くていいだろ?」
ショウコ「もうちょっと 飾った方がいいんじゃない?」
アリオン「じゃあ、 “大自由戦士”でどうだい?  お嬢ちゃん」
ショウコ「む~、 何でも“大”ってつけりゃいいって わけじゃないと思うけど」
アリオン「こりゃ手厳しいネ」
フォルカ「もしかして、 お前が将軍の座を辞退したのは……」
アリオン「それもまた 自由戦士の自由たる所以なのさ。 ……ちなみに二代目も募集中だぜ?」
フェルナンド「アリオン!  お前は黙っていろ!!」
アリオン「お~、怖い怖い」
フェルナンド「だいたい貴様は……!」
アリオン「そう、 面白そうだからついてきただけ」
フェルナンド「ミザル様が このことを知れば……」
アリオン「行けとも行くなとも 言われなかったんでね。 そこらへんは俺様の自由ってわけ」
フェルナンド「チッ……!」
アリオン「まァ、因縁の相手だ。 躍起になる気持ちはわかるぜ」
フェルナンド「貴様!  それ以上ほざくと……!」
アリオン「わかった、わかった。 黙ってるよ」
フォルカ「フェルナンド…… 黙って俺を行かせてくれ」
フェルナンド「ふざけるな!  再び修羅の掟を破るだけでなく、 修羅の名を捨てる気か!?」
フォルカ「修羅の掟……か」
フェルナンド「そうだ!  貴様のせいで、俺は……俺は生き恥を!」
フェルナンド「あの時、 貴様が修羅の掟を破ったせいで!!」
フォルカ「俺は……嫌だった」
フェルナンド「何!?」
フォルカ「友や家族を 殺さなくてはならない掟なぞ、 俺は……!」
フェルナンド「黙れ!  それ以上の侮辱は許さんぞ!」
フォルカ「フェルナンド……!」
フェルナンド「その情けは、 俺にとって恥辱以外の何ものでもない!」
フェルナンド「貴様をこの手で倒しても、 それは消え去らんのだ!!」
フォルカ「……聞いてはくれんか。 逃げるぞ、ショウコ」
ショウコ「う、うん……!」
(ヤルダバオトが少し東へ移動)
ショウコ「う……!」
フォルカ「どうした?」
ショウコ「な、何でもない……。 ちょっと頭がフラフラしただけよ」
フォルカ「………」
フォルカ(修羅神は操者の“覇気”…… 命の力を吸収することで動く)
フォルカ(ここでショウコを乗せたまま、 彼らと戦うことになれば……)
ショウコ「フォルカ……?」
フォルカ「ショウコ、お前は一度降りろ。 俺はフェルナンドと戦うことに なるかも知れん」
ショウコ「でも…… あの人、フォルカの友達か 家族なんでしょ?」
フォルカ「そう……友だ」
フォルカ「しかし、俺は答えを探すと決め、 転空魔城を出た」
フォルカ「戦い以外の生きる道が 見つかれば、俺達は互いに争わずに 済むかもしれない」
アリオン「今は一触即発状態だけどな」
フェルナンド「アリオン!」
アリオン「やれやれ、 あっちに絡むのもなしかよ」
フォルカ「……さあ、ショウコ。 ヤルダバオトから降りろ」
ショウコ「あの人と戦うの……?」
フォルカ「………」
ショウコ「戦うことでしか 解決できないのなら、 しょうがないけど……」
ショウコ「そうじゃなかったら、 別の方法を探してみてね」
フォルカ(別の……方法……)
(ヤルダバオトがビレフォールの方を向いてから少し南東へ移動後、ビレフォールの方を向く)
フェルナンド「覚悟を決めたか、フォルカ」
フォルカ「フェルナンド…… このまま転空魔城へ戻り、 俺は死んだと報告してくれ」
フェルナンド「この期に及んで命乞いか?」
フォルカ「今ここでお前と戦いたくない」
フェルナンド「なら、そこを動くな。 俺が貴様の首を取る」
フォルカ「どうしてもか?」
フェルナンド「くどい! 貴様は死ね!  修羅ではなく、反逆者として!」
フォルカ「俺は……」
フォルカ「俺はここで死ぬわけにはいかん。 ショウコのためにも……」
フォルカ「お前が退かぬのなら、俺は!」
【デモムービー『ヤルダバオト登場』】
(フォルカに『気合』)
フェルナンド「!」
アリオン「ほう、その気になったか」
フォルカ「今日から俺は、 己の未来を切り開くために戦う!」
フォルカ「フェルナンド、 お前が俺の行く手を阻むと 言うのなら……」
フォルカ「俺は お前と戦わなければならない!」
フェルナンド「そうだ……それでこそ修羅!  争覇の宿命から逃れられるものか!」
フェルナンド「アリオン!  貴様は手を出すなよ!!」
アリオン「へいへい」
ショウコ「フォルカ……!」
(作戦目的表示)

〈vs フェルナンド〉

[フォルカ]

フォルカ「フェルナンド!  俺は出来ることなら、 お前と戦いたくない!」
フェルナンド「戯言を!  そうやってまた俺に情けをかける 気か!?」
フェルナンド「そして、 俺を高みから見下ろす気か!?」
フォルカ「違う!  修羅にも戦い以外の生き方が きっとある!」
フォルカ「俺はそれを……!」
フェルナンド「黙れ!  裏切り者には死の制裁が与えられる!」
フェルナンド「フォルカ!  俺は貴様を倒すぞ!!」

〈2PP〉

アリオン「ふふん。 さて……どうなるかな、この勝負」
フェルナンド「奴と じゃれ合うつもりはない。 一気にケリを……!」
アリオン「おっと、 お客さんが来たみてえだぜ?」
フェルナンド「何!?」
(北東端にコンパチブルカイザーが出現)
ショウコ「あ、あのロボット、 浅草で出てきた……!」
フォルカ「赤き機神……!」
アリオン「え~と、 コンパチブルカイザーだったっけ」
コウタ「……函館に続いて 雷神野郎とハチ合わせたあ、 運が向いてきたのかも知れねえな」
フォルカ「奴がここに現れるとは…… やはり導きがあるようだな」
コウタ「てめえ、今日は逃がさねえぞ!!」
ロア「待て、コウタ」
コウタ「待てるか!  浅草へ帰るのは、あいつを とっつかまえてからだ!!」
ロア「いや、その必要はなさそうだ」
コウタ「何ぃ!?」
ロア「あそこに……ショウコがいる」
ショウコ「………」
コウタ「ショ、ショウコッ!!」
(コンパチブルカイザーが西へ少し移動)
アリオン「おおっと!」
(アガレスがコンパチブルカイザーの西へ移動)
コウタ「邪魔すんじゃねえ、馬面野郎!」
アリオン「馬?」
アリオン「ま、確かに この世界の馬ってのに似てるねえ、 マイハニー・アガレスちゃんは」
コウタ「ワイハーだと! てやんでえ、 マジでハワイまでブッ飛ばすぞ!!」
アリオン「おー、熱い熱い。 お前、修羅の素質があるかもよ?」
コウタ「るせえ、さっさとそこをどけ!  馬刺しにして食っちまうぞ!!」
ロア「コウタ、相手をするな。 奴の目的は時間稼ぎだ」
コウタ「だが、あの馬面をどかさねえと ショウコが!!」
ショウコ「あ、あああ……!」
???(アルコ)「……ククク……逃がさんぞ、小娘」
ショウコ「!!」
アルコ「お前が 見出した希望は、絶望に変わる!  このアルコ様の手によってな!」
ショウコ「きゃあああっ!」
フォルカ「あれは!?」
ショウコ「放して! 放してよ!!」
アルコ「そうはいかん!  お前はミザル様の大事な 取引材料だからな!」
フォルカ「アルコ! 奴も来ていたのか!」
コウタ「し、しまった!!」
アリオン「そういうこと。 悪いねぇ、ボク」
コウタ「て、てめえら!  てめえらぁぁぁぁぁっ!!」
アルコ「ククク…… 赤き機神よ、もう遅い」
ティス「遅いのはあんたよ。 さっさとその小娘を連れて下がりな」
アルコ「お、お前も小娘だろうが!」
ティス「うっさいわね。 デュミナス様を怒らせると、 あんたのボスが困ることになるよ」
アルコ「チッ……!」
ティス「さあ、行きなよ。 後はあたいがやるから」
ショウコ「嫌っ! 放して!!」
アルコ「行くぞ、小娘。 お前は奴らへの貢ぎ物だ」
ショウコ「嫌ぁぁぁぁっ!!」
(アルコがゆっくり西端まで移動)
コウタ「ショウコォォォォッ!!」
フォルカ「くっ! アルコめ!!」
ティス「そんじゃま、 コンパチブルカイザーも 持って帰ろうかなっと」
ティス「おいで、テュガテール!」
(南東にテュガテールとガロイカなどが出現)
コウタ「!!」
フォルカ「やはり、 フェルナンドとアリオンが 正確な瞬転を行ったのは……」
フォルカ「デュミナスの子がいたからか」
コウタ「ち、ちっきしょう……!!」
ティス「ねえ、あんた。 妹に会いたいんでしょ?」
コウタ「何!?」
ティス「そのロボット…… コンパチブルカイザーとあんたの鎧を あたいにくれたら願いを叶えてあげるよ」
コウタ「……!!」
ロア「……」
ティス「どう、悪い話じゃないでしょ?」
コウタ「そうだな」
ロア「コウタ、お前……!」
ティス「意外に物わかりがいいんだね。 じゃあ、あたいと一緒に来なよ」
コウタ「その前に一つ教えやがれ」
コウタ「ショウコとコンパチカイザー、 ロア・アーマーを手に入れて 何をするつもりなんだ?」
ティス「あたい達の所に来たら、 教えてあげるよ」
コウタ「はい。そうですか」
コウタ「……なんて言うと思ってんのか、 このガキ!!」
ティス「あたいの顔みたことないくせに。 ダイナマイトバディだったら、 どうする気?」
コウタ「どうするもこうするもあるか!」
ティス「この可愛い声で ナイスバディだったら、萌えでしょ?」
コウタ「ああ、燃えてるぜ!  てめえらへの怒りの炎がな!!」
ティス「ってことは、 あたいと一緒に来る気がないんだね?」
コウタ「たりめーだ!  ヘルゲートであんな真似されて、 信用できるわけねえだろうが!!」
ティス「じゃ、 力尽くで手に入れるしかないね」
コウタ「させるかよ!!」
フォルカ「……」
コウタ「おい、雷神野郎!  てめえも逃げるんじゃねえぞ!!」
フォルカ「……」
ロア「やめろ、コウタ。 あの修羅はこちらに敵意がないようだ」
コウタ「だが、 最初にショウコを連れ去ったのは奴だ!  俺はあいつを許さねえ!!」
フォルカ「そう言われて当然だ。 だが、今は追っ手を振り払わねば ならない」
フォルカ「事が済めば、責めを受けよう」
コウタ「何っ……!?」
ロア「コウタ、 今は彼の言葉を信じるのだ」
コウタ「ロア!?」
ロア「ショウコを ここまで連れて来たのは、 彼なのかも知れん」
コウタ「……!」
コウタ「……わかった。 おい、雷神! さっきてめえが 言ったこと、忘れるんじゃねえぞ!」
フォルカ「ああ」
アリオン「あいつら、一時休戦かい?」
フェルナンド「構わん!  まとめて倒すまでだ!!」
(作戦目的表示)

〈3PP〉

ロア「コウタ、クロガネが来たぞ」
コウタ「!」
(クロガネ、エクサランスが出現、出撃準備)
ラウル「コウタ、状況は!?」
コウタ「ショウコを見つけた……」
ラウル「ええっ!?」
マサキ「ホントかよ!?」
コウタ「でも、 あいつはまたさらわれちまった……!」
ラウル「そ、そんな……!」
アラド「けど、 晴海でショウコを連れ去ったのは あの『髪の毛』なんだろ!?」
ゼオラ「それがどうして あなたと一緒に……?」
コウタ「どうやら、 ショウコをここまで連れ出してきたのは あいつみてえなんだ」
フォルカ「………」
カーラ「ど、どういうこと!?」
ユウキ「あの男、 自分の組織を裏切ったのか?」
レーツェル「各員、詮索は後だ。 直ちに敵を撃破しろ」
ラウル「りょ、了解!」
ティス「エクサランスも出てきた。 仕上がり具合はどうかな~?」
ラージ「ラウル、気をつけて下さい。 あの機体はエクサランスを 狙ってくるはずです」
ラウル「わかってる!  あいつに時流エンジンを渡しはしない!」
アリオン「……黒い衝角船のお出ましか。 雲行きが怪しくなってきたねぇ」
フェルナンド「いい機会だ。 ここでフォルカもろとも倒し、修羅王様や アルティス様に彼の力を示す」
アリオン「それで、目指すは将軍ってか?」
フェルナンド「茶化すな!  俺とフォルカの戦いに手を出すなよ!」
アリオン「はいはい」
(作戦目的表示)

〈vs アリオン〉

[レーツェル]

レーツェル「黒き馬…… まるでトロンべだな」
アリオン「ほ~う。 マイハニーに興味があるのかい?」
レーツェル「マイハニー…… 変わった名前だが、 その甘美な響きもまた良し」
アリオン「いやいや、 こいつの名前はアガレスちゃんよ」
レーツェル「アガレスチャン?  さらに変わった名だな」
アリオン「……あんた、 わざと言ってるだろ?」

[フォルカ]

アリオン「掟破りの次は、脱走か。 自由を求めて……ってことかい?」
フォルカ「俺は真の自由を知らない。 ましてや、修羅であることに 囚われているお前には……!」
アリオン「あいたた、耳が痛いね。 だがな、これはこれで満足しているのさ。 ……一応な」

[コウタ]

コウタ「てめえら、 ショウコをどうしようってんだ!?」
アリオン「さあ……俺様は知らんが、 何か使い途があるんじゃない?」
コウタ「ふざけんな!  俺の妹はてめえらの道具じゃねえっ!!」

〈vs ティス〉

[ラウル]

ティス「仕上がり具合が気になるけど、 とりあえずもらっとこうかな」
ラウル「お前達、 時流エンジンを手に入れて 何をする気なんだ!?」
ティス「あんたには 教えてあげないよ~だ!」

[コウタ]

ティス「あんまり壊したくないからね。 下手に動かないでよ?」
コウタ「うるせえ!  こっちこそてめえをとっつかまえて、 洗いざらい吐かせてやる!!」

ビレフォール撃墜前にアガレス、テュガテールを
撃墜した 撃墜していない


back index next