back index next


迫り来る惨事 宇宙ルート ~ 第13話 ~

[転空魔城 内部]

ショウコ「……」
フォルカ「………」
ショウコ「…………」
フォルカ「……………」
ショウコ「………………」
フォルカ「…………………」
ショウコ「んああ~っ、もう我慢できない!  何か喋りなさいよっ!!」
フォルカ「……何を?」
ショウコ「ショウコをさらった理由とか、目的とか!  説明ぐらいしてくれたって、いいんじゃない!?」
フォルカ「………」
ショウコ「いったい、あなたは何者なの!?」
フォルカ「俺は修羅…… 戦うためにこの世界へ来た」
ショウコ「それって…… つまり、地球を侵略しに来たってこと……!?」
フォルカ「……そうなるな」
ショウコ「……!!  な、何のためにそんなことを……」
フォルカ「戦いが修羅の全てだ。 戦いのない世界で修羅は生きられん」
ショウコ「何それ?  『マグロは泳ぎ続けていないと死んじゃう』 みたいな感じ?」
フォルカ「マグロ……?」
ショウコ「あ、え~っと……サメだったっけ」
フォルカ「サメとは何だ? この世界の生き物か?」
ショウコ「知らないのに突っ込んだの!?  サメだけに、シャークに触るっ!」
フォルカ「?」
ショウコ(う、うけない……。 っていうか、ホントに知らないの……?)
フォルカ「………」
ショウコ「もういいわよ!  あなたと喋ってると疲れちゃうわ!」
フォルカ「すまん。 この世界のことは、まだよく知らなくてな」
ショウコ「ねえ、さっきから 『この世界』って言ってるけど……どういうこと?」
フォルカ「俺達はこの世界の住人ではない。 『修羅界』から来た」
ショウコ「修羅界……? 何それ?」
フォルカ「ここではない、別の世界だ」
ショウコ「それって……異次元世界か何か?」
フォルカ「……お前達から見れば、そうなる。 だが、俺達以外にも別の世界から この地へやってきたものがいる」
フォルカ「連中も俺達と同じく、 この世界を戦いで染め上げる気のようだ」
ショウコ「ちょっと待ってよ!  あなた達もその人達も、あたし達の世界を 何だと思ってんの!?」
フォルカ「……修羅は修羅の戦いをするだけだ」
ショウコ「わかんないのはこっちよ!  戦う、戦うって……そんな答えばっかじゃない!」
フォルカ「俺は修羅だからな」
ショウコ「じゃあ、友達とお喋りしたり、 美味しい物を食べたり、貯金したりとかしないの?」
フォルカ「お前の言うことは、よくわからん。 それに何の意味がある?」
ショウコ「意味あるとかないとか、 そういう問題じゃないわ!」
ショウコ「人って、 楽しみがあるから生きてけるんだよ?」
フォルカ「………」
ショウコ「………」
ショウコ(楽しむことを知らないなんて…… ないわよねえ、いくら何でも)
フォルカ「………」
ショウコ「ねえ…… あたしをさらって、どうするつもりなの?」
ショウコ「身代金目当てだったら…… うちはお金ないわよ。お爺ちゃんもお兄ちゃんも 無駄遣いばっかするから」
フォルカ「……『彼の者』がお前という存在を 必要としているらしい。だから、俺に命令が下り…… お前を捕らえ、ここへ連れてきたのだ」
ショウコ「カ、カノモノって……何?」
フォルカ「先程も言った通り…… 修羅界とは違う世界から、この世界へ訪れた者だ」
フォルカ「そして、戦乱の火種を撒いていると聞く」
ショウコ「火種って……何のことなの?」
フォルカ「わからん」
ショウコ「んもう、そればっかじゃない!  あなた、そんなんでいいの?」
フォルカ「俺は……」
ショウコ「修羅だからな、って答えも犬の卒倒!」
フォルカ「?」
ショウコ「ワンパターン、ってことよ!」
フォルカ「………」
ショウコ「戦うこと以外はどうでもいいっての?  そんな生き方、つまんなくない?」
フォルカ「……そうかも知れないな」
(扉が開閉する)
ショウコ「ちょっと! どこ行く気!?」
フォルカ「出陣の時が来た」
ショウコ「じゃあ、最後の質問に答えて。 修羅とか、わからんとか言うのはなしよ」
フォルカ「何だ?」
ショウコ「あたしはショウコ・アズマ。 あなたの名前は?」
フォルカ「フォルカ……。 フォルカ・アルバークだ」

《日本 東京地区・晴海(ハガネ)》

[ハガネ ブリーフィングルーム]

ラーダ「……先程、バルトールに 封入されていた人物の身元が判明したわ」
ラーダ「名前はジジ・ルー…… ウォン重工業のエンジニアで、 ゲシュタルトの開発スタッフよ」
ブリット「じゃあ、やっぱりあの時の……」
アヤ「会ったことがあるの?」
ブリット「ええ、アビアノ基地で…… ミロンガと模擬戦をやる前に」
ギリアム「……諸君らも知っての通り、 ODEシステムは人間を生体コアとし、稼動している」
リュウセイ「そのODEシステムってのは、 いったい何なんスか?」
ブリット「ミロンガや バルトールの異常なまでの性能は、 そのシステムによるものなんですか?」
ギリアム「その通りだ。ODEシステムは、 かつてEOTI機関で研究されていた機動兵器の ネットワーク・システムを出発点とする」
テツヤ「EOTI機関…… では、今回のテロはDCとも何らかの関係が?」
ギリアム「いや…… DCでのODEシステムの開発は、 計画半ばで中止されている」
ギリアム「この件については、 レーツェルから確認を取った」
ヴィレッタ「では、DC以外の何者かが、 ODEシステムを独自に完成させたのね」
ギリアム「ああ。 そして、インスペクター事件後、 あれをウォン重工業にもたらした者がいる」
(モニターオン)
ユルゲン「………」
エクセレン「あらん?  思ってたより人の良さそうなオジサマじゃなぁい?」
ギリアム「ヴィルヘルム・V・ユルゲン博士。 かつてEOTI機関……そして、DCに所属し、 ODEシステムを開発した人物だ」
ブリット「この男が全ての元凶か……!」
ギリアム「一概に決め付けは出来ない。 何故なら、ODEシステム開発の初期段階では、 生体コアなどという概念はなかったからな」
リュウセイ「え……?」
リョウト「ギリアム少佐、 ODEシステムについて、もう少し詳しく 教えていただけませんか?」
ギリアム「うむ。ODEシステム…… オムニ・デンドロ・エンセンファロ・システム。 その出発点は……」
ギリアム「AMNシステム…… アーマードモジュール・ネットワーク・システムだ」
ギリアム「これは1機のアーマードモジュールが得た 戦闘データを迅速かつ正確に他機へ伝達し、 さらに複数間の機体で共有するシステムだ」
ギリアム「ODEシステムは、 それをさらに発展させたもので、データの 更新・最適化に要する時間が大幅に短縮され……」
ギリアム「念動力などの特殊能力者や、 強化措置を施されたパイロットでなくとも 無人機の同時複数遠隔操作が可能となる」
エクセレン「よく舌を噛まないものねえ、少佐。 要約すると……勝手に学んで強くなるお人形ちゃんを いっぺんに操れるってこと?」
キョウスケ「なるほど、晴海で交戦した時、 こちらの手の内を読まれているように感じたが…… 学習されていたということか」
ギリアム「しかも、 入力したデータは、別の戦域で行動している 機体にまでほぼリアルタイムで伝達される」
ライ「ECCMなどで、 ネットワークをかく乱できそうなものですが……」
ギリアム「EAに対するEP策は、 様々なパターンで用意されているらしい」
イルム「ODEシステムがそんなに優秀なら、 人間を機体に乗せる必要なんてないでしょうに」
ギリアム「そう。本来のODEシステムは、 最小限の人員で多数の無人機を 制御するためのもの……」
ギリアム「つまり、人的被害を抑えるための 極めて効率的、かつ人道的な見地に立った システムだったそうだ」
リョウト「でも、 テロに使われたバルトールには……」
ギリアム「ああ、 “人という部品”が組み込まれている」
ギリアム「コアとなった人間は生きてはいるが、 思考・感情が奪われた状態にあり、 自律的な生物とは言えない」
アヤ「つまり……死んでいるも同然だと……」
ギリアム「システムから解放されない限りはな。 そして、いずれは消耗品として破棄、 交換されるだろう」
リュウセイ「それじゃ、 最初の目的とは正反対じゃないッスか!」
ギリアム「それこそが、 ODEシステムの抱える矛盾だったのかも知れん」
ライ「矛盾?」
ギリアムAMNシステム、並びにODEシステムは マン・マシン・インターフェイスの追求により パイロットと機体のリンクを行うが……」
ギリアム「その際におけるパイロットの脳への負担が、 最大の問題点となっていたらしい」
ラーダ「事実、DCではODEシステム搭載機の 暴走事故が発生したそうよ」
テツヤ「それがプロジェクト中止の理由か」
アヤ「問題が多かったんですね……」
ギリアム「……バルトールとODEシステムの スペックについては、その全てが連邦軍側に 伝えられているわけではなかった」
ギリアム「おそらく、 次期主力機トライアルの責任者であった マウロ・ガット准将も……」
ギリアム「ODEシステムの最終的な仕様や、 今回のバルトール襲撃に関しては、 知らなかったと思われる」
ライ「我々は欺かれていたというわけですね…… ユルゲンやウォン重工業に」
ギリアム「ああ。そして、ODEシステムは 生体コアを導入するという矛盾に踏み込むことで、 新たな段階へ進もうとしているのかも知れん」
ライ「………」
リュウセイ「だけど、 人間をあんな風にしちまう量産機なんて……!」
ギリアム「生体コアは軍人…… 機動兵器のパイロットでなくても構わんようだ」
リュウセイ「!」
ギリアム「伊豆基地での戦闘で 撃墜されたバルトールの内部には ウォン重工業の一般社員……」
ギリアム「つまり、民間人が封入されていた」
ブリット「そ、そんな!  じゃあ、自分達が撃墜したバルトールの中にも……」
ギリアム「いや。全てのバルトールに 生体コアが設置されているわけではなさそうだ」
ギリアム「現に、伊豆では3機のバルトールが 撃墜されたが、内2機は純然たる無人機だった」
イルム「解せないね、どうも。 生体コアにするんだったら、民間人より 軍人の方がいいのでは?」
ギリアム「バルトールは、 軍事的知識や技術のみならず、様々なデータを 集めようとしているのかも知れん」
エクセレン「様々なデータねえ。 ……恋愛遍歴とか、スリーサイズとかも 筒抜けってことかしら?」
キョウスケ「データの意味が違う」
テツヤ「無作為に人間を拉致し、 使えるデータを選別するつもりなのか?」
イルム「それじゃ、効率が悪い。 人間の拉致そのものが目的なら、軍事基地より 民間施設を襲った方がいいのはわかりますが……」
イルム「そもそも民間人のデータを集めて、 何をしようってんですかね?」
ギリアム「それは……まだ不明だ」
ギリアム「しかし、確実なのは…… 拉致された人間は、遅かれ早かれバルトールの 生体コアにされる可能性が高いということだ」
ブリット「……!」
(扉が開閉する)
カイ「艦長、ギリアム。 大阪の連邦大学がバルトールに襲撃されたぞ」
テツヤ「!」
ギリアム「また人間が拉致されたのですか?」
カイ「ああ……。 バルトールは友軍の追撃を振り払い、 逃亡したそうだ」
ギリアム「連邦大学と言えば、 極東地区でも五指に入る優秀な大学…… 効率を上げにかかったか?」
カイ「他にも、バルトールの襲撃を受けた基地や 民間施設がいくつかある」
カイ「また、月やコロニーにも バルトールが現れたらしい」
アヤ「宇宙にも……!?」
リュウセイ「あいつら、いったいどこから来て、 どこへ消えやがるんだ……!?」
ギリアム「宇宙にもバルトールが現れたという点が 引っ掛かるが、可能性が高いのは 中国・大連地区にあるウォン重工業の本社……」
ブリット「では、拉致された人達…… クスハ達もそこに?」
ギリアム「それを調べるためにも、 手掛かりを得るためにも…… 艦長、ハガネを大連へ向かわせてくれ」
テツヤ「了解です。 直ちにケネス少将へ上申します」
ギリアム「カイ少佐、宇宙軍の状況は?」
カイ「こちらと同じく、混乱しているようだ」
ギリアム「なら、 臨機応変に動ける部隊は少ないか……」
カイ「どうしようと言うのだ?」
ギリアム「敵の拠点が宇宙にもあるかどうか 調べさせたいのです」
カイ「なら、ヒリュウを動かすか?」
ギリアム「いえ。 レーツェルに連絡し、宇宙へ上がってもらいます」
カイ「その方がいいか。 独自に動ける彼らの方が、融通が利くだろうしな」
テツヤ「では、パイロット各員は いつでも出撃できるようにしておいてくれ。 どこでバルトールと接触するかわからんからな」
ヴィレッタ「了解」
(扉が開閉する・テツヤが立ち去る)
ブリット(待っていてくれ、みんな……。 俺達がすぐに行く)
リュウセイ(ラトゥーニ、アラド、ゼオラ、 ラミア少尉、クスハ……無事でいてくれよ……!)

《月周辺宙域(移動中・ヒリュウ改)》

[ヒリュウ改 ブリッジ]

ユン「……バルトール群、レンジ7よる退避。 反応、ロスト。以後はMOSSとリンクして 追跡を行います」
レフィーナ「わかりました。 機関、停止。オクト小隊を帰還させ、補給を」
レフィーナ「艦内は第1種戦闘配備を維持。 各砲塔のチャージ及び給弾を今の内に行い、 稼働率を100%へ可能な限り近づけるように」
ショーン「了解です。 どうやら敵の目的は、月都市とコロニー群の 破壊や占拠でなく……」
ショーン「こちら側を 混乱させることだったようですな」
レフィーナ「ええ……。 月都市に被害がなかったのが、不幸中の幸いでした」
ショーン「敵がリオンや量産型のヒュッケバインであれば 完全に不意打ちを食らっていたでしょうが……」
ショーン「まだ量産されていないはずのバルトールが あれだけの数で、しかも晴海でなく月へ…… でしたからな。いくら何でも怪し過ぎました」
レフィーナ「ええ。 ……ユン、地上の状況は?」
ユン「続報はありません。 晴海の中継映像も途切れたまま…… 向こうは混乱が続いているようです」
レフィーナ「そうですか……。 リューネから何か連絡は?」
ユン「そちらもありません」
レフィーナ「もしかして、テスラ・ライヒ研究所も バルトールの襲撃を受けたのでは……?」
ショーン「仮にそうだとしても、あそこには 優秀な頭脳が揃っており、アイビス達もいます。 何とか切り抜けてくれることでしょう」
レフィーナ「ええ……。 では、本艦は現在位置で固定。 次の命令を待ちます」
ショーン「了解です、艦長」

[ヒリュウ改 ブリーフィングルーム]

カチーナ「……ったく、 宇宙ひらめの次は木偶人形たあな」
タスク「あいつら、いったいどこから来たんだろ?」
ラッセル「現在、宇宙軍がMOSSと偵察用UAVで バルトールの出所を探っているようですが、 これといった情報は……」
レオナ「何にせよ、あれだけの数を作るなら、 相当大きな施設が必要なはずよ。 ウォン重工業の工場以外にね」
レオナ「しかも、 トーチカ2のように公には存在していないことに なっている可能性が高いわ」
タスク「その上、ステルスシェードなんかを 使ってやがったら、天和で九蓮宝燈を上がるぐらい 見つけるのが難しいんじゃね?」
カチーナ「何だ、おめえにしちゃ弱気だな。 ギャンブラー魂はどうした?」
タスク「俺はキョウスケ中尉みたいな 穴狙いの勝負師じゃないッスよ」
タスク「周到な準備と策略、 駆け引きと勘と運、度胸に技をプラスして、 相手を騙すのが俺の博打ッスから」
レオナ「要するに、 得意なのはイカサマということね」
タスク「人聞き悪いなぁ、レオナちゃん。 マジシャンと呼んでちょうだいよ」
レオナ「物は言い様ね」
カチーナ「ともかく、受け身は性に合わねえ。 ピキーンと一発で敵のアジトの場所が わかるような方法はねえのかよ?」
タスク「う~ん……タレコミでもない限りは」
カチーナ「てめえも念動力を持ってんなら、 それで何とかしろよ。ピキピキドカーンってな」
タスク「それじゃ、頭が大噴火ッス」
カチーナ「チッ……しょうがねぇな。 タスク、ちょっと付き合え」
タスク「え!?  お、俺にはレオナちゃんという恋人が……」
カチーナ「バッキャロー!  そっちの“付き合う”じゃねえ!!」
レオナ「人前で恋人呼ばわりしないで!」
タスク「ダブルでツッコまれたぁ~ん」
カチーナ「あのな、 あたしが言う“付き合う”ってのは……」
(アラート)
レオナ「!」
タスク「敵襲警報!?」

[ヒリュウ改 ブリッジ]

ユン「照会、終わりました!  アルバトロス級、1! ペレグリン級、2!  バルトール群に追撃されている模様です!」
レフィーナ「戦艦群からも 連邦軍の識別信号は出ていないのですね!?」
ユン「はい、 目標群は依然本艦へ接近中です!」
ショーン「おそらく、 戦艦はノイエDCの残党でしょうな」
レフィーナ「何故、こちらに……?」
ショーン「バルトールの相手を してもらいたいんでしょう。 ……どう対応なさいますか?」
レフィーナ「対艦砲撃戦闘用意。オクト小隊を出撃させ、 支援フォーメーションBで迎撃」
ショーン「了解です」


第13話
迫り来る惨事

〔戦域:月周辺の暗礁宙域〕

ユン「戦艦群、レンジ3に侵入します!」
(アルバトロス×1、ペレグリン×2、カリオンが北側に出現)
ロレンツォ「艦長、 ヘルゲートからの追撃隊は?」
NDC艦長「本艦の後方10000です」
ロレンツォ「フン…… 本当にしつこい連中だな」
スレイ「……こちらベータ1。 引きつけはもう十分だ。 直ちに回頭し、現宙域から離脱されたし」
ロレンツォ「感謝するぞ、水先案内人。 お前が現れなければ、我らは ヘルゲートから脱出できなかった」
スレイ「……先程指定したポイントに 艦が待っている。後はそちらと連絡を」
ロレンツォ「お前はどうする?」
スレイ「殿を務める。 それに、まだやらなければならない こともあるのでな」
ロレンツォ「了解した。 お前の依頼主によろしく伝えてくれ」
(戦艦3艦が撤退)
ユン「戦艦群、離脱していきます!」
レフィーナ「何ですって……!?」
ショーン「やはり、 彼らはバルトールをこちらに押しつける つもりだったようですな」
(オクト小隊が出撃)
レオナ「あれはカリオン……!」
スレイ「……」
レオナ「もしや、スレイなの?」
タスク「スレイって、 アイビスと同じチームにいた……」
レオナ「ええ、そうよ」
カチーナ「あいつ、 こっちに仕掛けてくるつもりか!?」
(ヒリュウ改でアラート)
ユン「バルトール群、 レンジ3へ侵入してきます!」
(バルトールが出現)
タスク「来やがったな、木偶人形共!」
レフィーナ「ユン、バルトールから 生体反応は見受けられますか?」
ユン「いえ、今の所は……」
スレイ「……まずは奴らを倒さねばな」
(カリオンに通信)
スレイ「む?」
レオナ「スレイ!  それに乗っているのは あなたでしょう!?」
スレイ(……レオナ・ガーシュタインか)
レオナ「応答なさい!」
スレイ「………」
レオナ「何故、返事をしないの!?」
カチーナ「レオナ、あいつには構うな!  バルトールを片付けるぞ!」
レオナ「りょ、了解!」
(作戦目的表示)

〈初戦闘〉

[スレイ]

スレイ「無様だな……。 あの女の手先となって彷徨う私は、 この人形達と変わりはない……」
スレイ「だが、それでも飛ぶ!  私の中の誇りが翼を支える限り!」

〈敵機全滅〉

ユン「敵機の反応、消えました」
レフィーナ「後は……」
ショーン「あのカリオンですな」
レオナ(緋色の1号機…… パイロットは間違いなく スレイ・プレスティのはず……)
(ズィーガーリオンに通信)
レオナ「!」
スレイ「久しぶりだな、レオナ。 インスペクター事件以来か」
レオナ「やはり、スレイ……。 あなた、今までどこに?」
スレイ「……」
カチーナ「てめえ、ノイエDC残党共の 戦艦を誘導してやがったな。 あいつらの仲間なのかよ?」
スレイ「違う」
カチーナ「風来坊ってわけでもあるめえ!  てめえはいったい……」
スレイ「それより、 お前達に伝えたいことがある」
(ヒリュウ改にデータ送信)
ユン「艦長、カリオンからデータが……!」
レフィーナ「内容は?」
スレイ「バルトールを生産している プラント、『ヘルゲート』の諸元と 現在位置のデータだ」
レフィーナ「ヘルゲート……!?」
ショーン「……それが敵の本拠地だと?」
スレイ「そうだ。 上層部へ報告するがいい」
レオナ「スレイ…… あなた、この情報をどこで?」
スレイ「私の雇い主だ。 その人間にとって、バルトールの暴走は 不都合なことらしくてな」
ショーン「なるほど。 飼い犬に手を噛まれた、と?」
タスク「じゃあ、 飼い主ってウォン重工業ッスか?」
カチーナ「いや、それ以前に 信じられるのかよ、その情報は!」
スレイ「信じるか、信じないかは お前達次第だが……」
スレイ「この私がわざわざここへ来て、 データを直接お前達に渡した 意味を考えろ」
カチーナ「何!?」
ショーン「まあ、どこからともなく タレコミがあるよりは……」
ショーン「顔見知りの人間から 直接情報をもらった方が、 信憑性が高いですなぁ」
スレイ「……お喋りはここまでだ。 お前達はさっさとこの宙域から 離脱しろ」
レオナ「!?」
(ヒリュウ改にアラート)
ユン「UE27、 レンジ4に熱源反応多数!」
ユン「識別……バルトールです!」
レフィーナ「!!」
(バルトールが出現)
タスク「うわぁ~お、 団体さんのお着きだぁ~!」
スレイ「早く離脱しろ!  奴らの相手は私がする!」
レフィーナ「し、しかし!」
スレイ「お前達の力は、 ヘルゲート攻略時に必要となる!  ここで消耗するな!」
ラッセル「でも、あなた一人では!」
スレイ「私はプロジェクトTDの ナンバーワンのパイロットだ。 操り人形などに遅れはとらない」
レオナ「……よくてよ、スレイ。 ここはあなたに任せるわ」
タスク「いいのかよ、レオナ!?」
レオナ「彼女がやると言った以上、 ここで私達が手助けすることは 侮辱以外の何物でもないわ」
カチーナ「ふん、ご大層なプライドだな」
スレイ「理由はそれだけではないがな……」
レオナ「スレイ……。 あなた、まさか……アイビスに?」
スレイ「早く行け!  時間を無駄にするな!」
レフィーナ「了解しました。 現宙域から全速で離脱します。 よろしいですね、オクト各機?」
カチーナ「おうよ!」
レオナ「スレイ…… こんな所での敗北は許されなくてよ?」
スレイ「当然だ。 お前と……そして、アイビスとは 決着をつけなくてはならんからな」
レオナ「覚えておくわ、その言葉。 私は……待っているから」
(オクト小隊とヒリュウ改が撤退)
スレイ「……待っているか……。 今の私がもらえる言葉ではないな……」
スレイ「だが、私は戦う……!  こんな無様な人形に兄様の夢の邪魔を させてなるか!」
(スレイに『気迫』)

〈敵機2機撃墜 or NEXT PP〉

スレイ「中々やる……!  ODEシステムで性能が上がって 来ているのか?」
スレイ「だが、私にも 退けない理由と誇りがある!」
(カリオンに通信)
???(レーツェル)「相変わらずだな、 その気高いまでのプライドは」
スレイ「!」
(クロガネと所属機動兵器が出現)
スレイ「クロガネ……!  エルザム・V・ブランシュタインか!」
レーツェル「今の私は レーツェル・ファインシュメッカーだ。 君の知る男ではない」
スレイ「フ……ならば、私もそうだ。 エルザム・V・ブランシュタインの知る スレイ・プレスティはここにはいない」
スレイ「いるのは、あても無くさまよう 無様な彗星だ」
レーツェル「それでも君を死なせはしない。 我が友のためにもな」
スレイ「………」
ゼンガー「……レーツェル、 バルトールの動きは宇宙の方が 活発なようだな」
レーツェル「ギリアムが言った通り、 宇宙にも敵の拠点があるのかも知れん」
スレイ「そう。 奴らの本拠地はヘルゲートだ」
レーツェル「ヘルゲート?」
スレイ「スカルヘッド……と言った方が わかりやすいか?」
レーツェル「何っ……!?」
スレイ「後でそちらにもデータを渡す。 今はこの場を!」
レーツェル「承知した」
ゼンガー「各機、我に続け!  バルトールを叩くぞ!」
(作戦目的表示)

〈敵機2機撃墜 or NEXT PP〉

(クロガネにアラート)
レーツェル「各機、警戒しろ!  新手が来るぞ!」
カーラ「またバルトール!?」
(ヒュポクリシス、ヤルダバオト、アガレスなどが出現)
ラウル「バルトールじゃない!  こないだの『髪の毛』か!」
フォルカ「………」
カーラ「見たことのない奴もいる……!」
(ヒュポクリシスを指す)
???(ラリアー)「………」
ユウキ「またあの手の敵か。 怪力乱神を語りたくはないのだがな」
スレイ「あいつらも敵か……!」
カーラ「んもう! 三つ巴戦ってこと!?」
ユウキ「いや…… バルトールは奴らを警戒する素振りを 見せていない」
カーラ「えっ!?」
フォルカ「アリオン、 あの少年の援護を命じられたのは 俺だけのはずだが」
アリオン「ま、そう言うなって。 こっちの世界に来て、 もうだいぶ経つしな」
アリオン「城に閉じこもりっぱなしじゃ、 身体がまなっちまう。マイハニー・ アガレスちゃんも泣くってもんよ」
フォルカ「………」
アリオン「それに、俺が望む時に 俺が望むことをする……」
アリオン「自由戦士の生き様って奴さ。 わかる?」
フォルカ「……好きにしろ。 その代わり、俺はお前に対して 何の責任も持たん」
アリオン「へいへい。 それでいいよ、それで」
フォルカ「………」
???(ラリアー)「あの……ちゃんと 手伝っていただけるんでしょうか?」
フォルカ「……そういった命令を 受けている以上はな」
???(ラリアー)「頼みます。 僕達は“時の歯車”を 手に入れたいんです……」
フォルカ「そちらの事情は知らん。 俺は俺の戦いをするだけだ」
(西側の暗礁宙域にコンパチブルカイザーが出現)
フォルカ「むっ、奴は!?」
コウタ「見つけたぜ、雷神野郎!」
フォルカ(ショウコの兄……か)
アリオン「あいつが噂の赤い機神か。 粋だねぇ」
ラウル「コンパチカイザー……!  ファイター・ロアか!」
コウタ「やるじゃねえか、ロア。 ドンピシャで奴らを見つけるなんてよ」
ロア「キサブローの修理のおかげで、 今回はOGセンサーが使えたからな」
ラウル「ロア!  俺達を助けに来てくれたのか!?」
コウタ「そういうわけじゃねえが、 結果的にはそうなるな」
カーラ「うあ~、パチンコカイザーは ともかく、わけわかんないロボットの オンパレードだよ~」
ユウキ「物事をシンプルに捉えろ。 ……俺達の目の前には敵がいる。 それを倒すだけだ」
コウタ「行くぜ、雷神!  耳をかっぽじって、コンパチカイザーの力を とくと見やがれ!!」
ロア「……耳でどうやって見る?」
コウタ「いちいちうるせえんだよ!  そんなことより、あの雷神野郎を 丸刈りにするぞ!!」
(作戦目的表示)

〈vs アリオン〉

[いずれかの味方]

アリオン「さてと……獲物は よりどりみどりってところだな」
アリオン「俺は自由! 俺は風!  この戦場を好きなように 渡らせてもらう!」
アリオン「自由戦士アリオン!  この世界で伝説を作るぜ!!」
アリオン(く~っ、決まったな。 こいつは)

〈vs ???(ラリアー)〉

[ラウル]

???(ラリアー)「あなたから “時の歯車”をいただきます」
ラウル「“時の歯車”……!?  もしかして、それは……」
???(ラリアー)「あの力は、あの方が持つべきもの。 そのために僕は戦います」

[コウタ]

???(ラリアー)「ティスが見つけた 『片翼の鍵』……」
コウタ「片翼の鍵?  こいつ、何を言ってるんだ!?」
ロア(まさか……!  まさか、奴らがショウコをさらった 理由とは……?)

〈vs フォルカ〉

[コウタ以外のいずれかの味方]

フォルカ(機が来るまで修羅達は 待機を命じられてる中、何故兄さんは 俺を出撃させる……?)
フォルカ(俺に、この世界の戦士達の 力量を確かめさせようと言うのか……?)

[コウタ]

コウタ「ここで会ったが百年目!  ショウコの居場所を吐いてもらうぞ!」
フォルカ「妹を想う兄か……。 肉親の情け……それが許されるのか」

状況選択

ヤルダバオトのHPを25%以下にした
ヒュポクリシスのHPを60%以下にした


back index next