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望まれぬ訪問者 宇宙ルート ~ 第12話 ~

《日本近海(移動中・クロガネ)》

[クロガネ 格納庫]

カーラ「晴海の状況、どうなってんの!?  中継が途切れてから、もう随分経つよ!」
ユウキ「わからん。 だが、不測の事態が起きたのは確かなようだ」
ミズホ「晴海だけでなく、 日本各地で戦闘が行われているみたいです……」
ラウル「ノイエDC残党のテロか……!?」
ラージ「その可能性は低いでしょう。 今の彼らにそれ程の戦力があるとは 思えませんからね」
ユウキ「中継の最後の部分を見る限り、 バルトールが暴走したようだが……」
ラージ「ウォン重工業のゲシュタルトですね。 スペックは見せてもらいましたが、 不可解な部分が多い機体でした」
ラウル「不可解……?」
ラージ「常軌を逸した運動性と低い耐弾性……。 パイロットの安全性というコンセプトを どこかに置き忘れたような機体です」
ラージ「あのような機体が採用されたからには、 そこに裏があって然るべきでしょう」
カーラ「ちょっと待ちなよ、ラージ!  あんた、新型に秘密があるって気づいてたの!?」
ラージ「ええ。 多少の知識があれば、わかることです」
カーラ「じゃあ、何でそれをレーツェルさんに 知らせなかったのさ!?」
ラージ「言った通りです。 僕が報告しなくても、誰かが気づくことです」
ラージ「どちらにしろ、あんな不細工なマシンは 僕の興味の外にありますから」
ユウキ「だから、報告の必要はないということか?」
ラージ「それが何か?」
ミズホ「ラ、ラージさん……。 そんな言い方は……」
カーラ「ミズホの言う通りだよ!  何だってそんな他人事みたいな態度が とれるのさ!?」
ラージ「僕は、自分の職務を果たすだけです。 管轄外のことまで手を出すほどの 余裕はありませんよ」
ユウキ「お前という男を そこまで夢中にさせるエクサランスは、 余程の力を秘めているのだろうな」
ラージ「ええ、その通りですが」
ユウキ「では、 時流エンジンについて幾つか質問がある」
ラージ「………」
ラウル「ま、待てよ、ユウキ。 俺達は急いで東京へ行かなきゃならない」
ラウル「お前がエクサランスに興味を持ったのは わかったけど、その話は後にしよう」
ユウキ「………」
カーラ「らしくないよ、ユウ。 あたし達は待機中なんだし、 今はそんなことを言ってる場合じゃないよ」
ユウキ「……そうだな。 まずはテロへの対処に集中すべきか」
(アラート)
ミズホ「!?」
ユウキ「敵襲警報……!」
ゼンガー「全員、揃っているな。出撃するぞ」
ラウル「ゼンガー少佐、何が起きているんです!?」
ゼンガー「わからん。 だが、所属不明の何者かが、 このクロガネに向かって来ている」
カーラ「まさか、バレーボール……!?」
ユウキ「……バルトールだ」
カーラ「そう、それそれ。 そいつじゃないの?」
ゼンガー「詮索は後だ。全員、直ちに出撃!」
カーラ「ラジャー!」
(速い足音・ゼンガー、カーラ、ユウキが走り去る)
ラージ「……気をつけて下さいね、ラウル」
ラウル「珍しいな、 お前が俺のことを心配するなんて」
ラージ「いえ、今から始まる戦闘のことではありません。 ユウキ・ジェグナンには厳重な注意が必要です」
ラウル「え?」
ラージ「彼は 時流エンジンに興味を持っているようです。 技術的な面ではなく、その存在の意味に」
ラウル「でも、注意するって言っても……」
ラージ「とにかく、彼に気を許してはいけません。 最悪の場合は、口を封じることを考えねば」
ミズホ「!!」
ラウル「それは言い過ぎだろ。 隠し事をしているのは、こっちなんだぜ」
ラージ「時流エンジンを守るには、 それぐらいの覚悟が必要だと言うことです」
ラージ「僕の言うことが聞けないのなら…… 面倒が起きる前にこの艦を去るべきです」
ラウル「……その話は後だ。 俺はクロガネの一員として出撃する」
ラージ「わかりました……。 ですが、忘れないで下さいね。 僕達が異邦人であることを」
ラウル「ああ……。 だが、時流エンジンが完成するまでは 俺達だって、この世界の人間だ」
ミズホ「………」


第12話
望まれぬ訪問者

〔戦域:川辺〕

(北側にクロガネがいる。南側にアーチンが出現)
レーツェルインスペクターのアーチンか。 だが、先日の東京の一件を聞く限りでは、 彼らの残党だとは思えん)
レーツェル「各機は発進せよ。 こちらに仕掛けてくる以上、迎撃する」
(ダイゼンガー、ユウキ機、カーラ機、エクサランス・フライヤーが出撃)
カーラ「あいつら、 テロリストの仲間なの!?」
ユウキ「地球人のテロリストが アーチンを使うことはないと思うが」
ラウル「じゃあ、全く別の組織が 仕掛けてきたってことか!?」
ゼンガー「詮索は後にしろと言ったはずだ。 我らは東京へ往かねばならん。 速攻で敵を倒せ」
ラウル「了解!」
???(デスピニス)(見せてもらいます。 “時の歯車”の力を……)
???(デスピニス)(そして……あの方へ……)
(作戦目的表示)

〈敵機全滅 or 4PP〉

ラウル「手応えが無いな……。 本気でこっちを止める気があるのか?」
ユウキ(妙だ。 敵の攻撃がエクサランスに 集中しているような……)
カーラ「あいつら、 様子見でもしに来たの?」
ゼンガー「無駄口を叩くな、リルカーラ。 新手が来るぞ!」
(南西の島にヤルダバオトが出現)
カーラ「何、あれ!?」
ラウル「あのロボット、髪の毛が……!」
カーラ「う、うん。 ヴァルシオーネみたいだね」
ユウキ「それ以前に、 あんな機体は見たことがないぞ」
ラウル「あいつ、 アーチンの仲間なのか……!?」
ゼンガー「全機、警戒しろ!  もう1機来る!」
(ヤルダバオトの北側にコンパチブルカイザーが出現)
ラウル「何だ、あいつは!?」
カーラ「色が派手でカッコいい……!」
ユウキ「そんなことを言っている場合か」
ゼンガー「……レーツェル、奴らは……」
レーツェル「ああ。 カイ少佐達が接触したという アンノウンだな」
レーツェル(だが、 あの赤い特機……あれは……)
ラウル「……!」
ラウル「ユウキ、カーラ、あれを見ろ!  髪の毛ロボの手の所だ!」
カーラ「あ、あれ……女の子だよ!  あいつ、女の子を掴んでる!」
ユウキ「こちらでも確認した。 民間人か……!?」
フォルカ「………」
コウタ「追いついたぜ、この野郎!  大人しくショウコを返しやがれ!!」
フォルカ「………」
コウタ「ダンマリを決め込む気かよ!  てめえにゃ助けてもらった恩があるが、 容赦はしねえぞ!」
(コンパチブルカイザーがヤルダバオトに接近する)
???(ティス)「……やっぱり追ってきたね。 ま、当然だろうけどさ」
???(ティス)「でも、今、用があるのは 妹の方なんだよね」
ロア「コウタ! 何かが来るぞ!」
コウタ「来るって、どっから!?」
(テュガテールが南東の水の上に出現)
ミズホ「転移してきた!?」
ラージ「この反応は……!」
ミズホ「ラージさん、どうしたんです!?」
ラージ「あ、いえ……何でもありません」
ラージ(今、確かに時粒子センサーに 乱れが生じた……)
ラージ(アインストやインスペクター、 シャドウミラーと転移手段が違う。 いったい、何者なんです……?)
コウタ「な、何だ、てめえ!?」
???(ティス)「それに答える必要なんてないよ!」
(テュガテールがコンパチブルカイザーに接近)
【強制戦闘】
???(ティス)[コーリスモス]vsコウタ[防御]
(コンパチブルカイザーのHP20%、爆煙)
コウタ「う、うぐっ……!!」
ロア「コウタ!」
???(ティス)「弱いね、あんた!」
コウタ「く、くそっ……!  俺の邪魔を……するんじゃねえ……!」
コウタ「俺はショウコを……助け……」
???(ティス)「だ~め!  あれは確実に必要なんだから!」
ロア「何っ!?」
ラウル「あの赤いロボット、 女の子を助けようとしてるのか……!?」
ユウキ「そうとも見えるが……」
コウタ「て、てめえら…… 俺の妹を……ショウコを返せ……!」
???(ティス)「や~だよ!」
ロア「コウタ、しっかりしろ!  動かなければ、やられるぞ!」
コウタ「だ、駄目だ…… 頭がクラクラしやがる……!」
???(ティス)「もうちょっと 痛めつけておこうかな。 あたいに逆らわないように!」
コウタ「!!」
ラウル「うおおおっ!!」
(エクサランスがコンパチブルカイザーに隣接、機械音の後、コンパチブルカイザーをはじき、コンパチブルカイザーのいた場所に爆煙。コンパチブルカイザーとエクサランスがテュガテールを見る)
???(ティス)「!?」
ラウル「聞こえるか、赤いロボット!  俺があいつを止める!」
コウタ「あ、あんた…… 俺を助けてくれたのか……?」
ラウル「人助けは エクサランスの務めだからな」
ユウキ「何をしている、ラウル!  そいつはアンノウンだぞ!」
ラウル「そんなことはわかってる!  だけど! 俺は嫌なんだ!」
ユウキ「!」
ラウル「確かに事情はわからない!  でも、誰かを助けようとしている 人を……」
ラウル「目の前でやらせるわけには いかない!!」
ユウキ「お前……」
???(ティス)「きーっ!  よくも邪魔をしてくれたね!」
???(ティス)「デスピニス!  あいつはあんたの管轄だろ!」
(北東の島の南側にエレオスが出現)
???(デスピニス)「ごめんなさい……」
ラウル「!?」
(エレオスがエクサランスの北へ移動)
ラウル「こいつっ!?」
ミズホ「逃げて、ラウルさん!」
???(デスピニス)「すみません…… あなたの機体、いただきます」
【強制戦闘】
???(デスピニス)[クライエイン]vsラウル[回避]
(エクサランスのHPが70%に、爆煙)
ラウル「う、うううっ!!」
ミズホ「ラ、ラウルさん!!」
ロア「コウタ! 体勢を立て直せ!  このままでは助けてくれた彼共々、 的になるだけだ!」
コウタ「あ、ああ!  おい、そっちの! 動けるか!?」
ラウル「な、何とかな……!」
(コンパチブルカイザーとエクサランスが南西へ移動)
ショウコ「う……うう……」
フォルカ「……心配するな。 お前は客人だ……戦闘には巻き込まない」
ショウコ「………」
???(ティス)「そっちの修羅!  邪魔者はあたい達が片付けるから、 あんたは、とっとと行きな!」
フォルカ「そうさせてもらう。 それが俺の仕事だからな」
(ヤルダバオトが南へ移動し撤退)
コウタ「雷神め、逃すかよっ!!」
???(デスピニス)「あの『鍵』の後を 追わせるわけにはいきません……」
(アーチンが出現)
コウタ「!!」
???(ティス)「さてと…… 後は時間を稼ぐだけだね」
???(デスピニス)「うん……」
コウタ「て、てめえら……!」
コウタ「てめえらぁぁぁぁっ!!」
(コウタに『気迫』『ど根性』がかかる)
コウタ「許さねえ! 許さねえぞッ!」
コウタ「何者か知らねえが、 俺の妹をさらったてめえらは 絶対に許さねえッ!!」
???(ティス)「あ、そう。ふ~ん」
???(デスピニス)「ごめんさない…… でも、仕方のないことなんです」
コウタ「なっ……!  この、ふざけんじゃねえぞッ!!」
ラウル「……ゼンガー少佐、 俺はあの赤いロボットを助けます!」
ゼンガー「………」
ユウキ「ラウル、本気か?」
ラウル「ああ、本気だとも!」
カーラ「あたしも賛成。 あの赤いロボット、民間人の子を 助けようとしてたし……」
カーラ「あっちの変なのは、 こっちを攻撃する気満々だしね」
ゼンガー「敵は同じ……か。よかろう」
ゼンガー「各機、あの赤い特機を援護し、 アンノウンを撃破しろ!」
ユウキ「……了解」
ラウル「赤いロボット、聞こえたな?  俺達はお前を援護する!」
コウタ「!」
ロア「コウタ、敵は強大だ。 彼らと力を合わせて戦うのだ」
コウタ「うるせえ!  ショウコは俺が助けるんだ!  他人の力なんて借りるかよ!」
ロア「落ち着け、コウタ!  闇雲に戦うだけでは、ショウコを 救うどころか、自分が死ぬぞ!」
コウタ「くっ……!」
ラウル「……お前の邪魔をする気はない。 でも、わかってくれ。 俺はお前を助けたいんだ」
コウタ「………」
コウタ「……俺のために 体を張ってくれたあんたの言葉だ……。 信じるよ」
ラウル「俺はラウル・グレーデンだ。 呼ぶ時はラウルでいい」
ラウル「とりあえず、名前を聞かせてくれ。 いつまでも『赤いロボット』じゃ 呼びづらいからな」
コウタ「俺は……ファイター・ロア。 このロボットはコンパチカイザーだ」
???(ティス)「ふ~ん…… あいつら、手を組んだんだ。 なら、まとめて相手してやるよ」
???(デスピニス)「全ては私達の大切な あの方のために……」
(作戦目的表示)

〈vs ???(デスピニス)〉

[ユウキ]

ユウキ「異形の機体を使う者……。 やはり、未知の敵のようだな」
ユウキ「少なくとも、 あのオカルトなセンス、俺とは 相容れん……!」

[ラウル]

???(デスピニス)「『門』を開くためには、 あなたの『鍵』が必要なんです」
ラウル「何っ!?」
???(デスピニス)「あの方のためにも あなたの持つ“時の歯車”…… 渡してもらいます」

[コウタ]

コウタ「てめえらのせいでショウコが!!」
???(デスピニス)「ごめんなさい…… 私達が生きるために、どうしても やらなければならなかったんです」
コウタ「うるせえ!  謝って済むことかよ!!」

〈vs ???(ティス)〉

[カーラ]

カーラ「あんた達が何者か知らないけど、 ちょっかい出すんなら あたし達が相手になるよ!」

[ゼンガー]

ゼンガー「今までに遭遇した敵と違う……!  新たなる侵略者か!?」

[レーツェル]

レーツェル「データにない機体……。 これまでの組織のものとも類似性は 認められんか」
レーツェル「新たな脅威…… それも我々とは異なる感覚を持つ敵。 いったい、何者だ?」

[ラウル]

???(ティス)「あんたの捕獲は あたいの仕事じゃないけど ものはついでってやつだよ!」
ラウル「捕獲だと!?  まさか、お前達の狙いは……」
???(ティス)「その“時の歯車”、 いただくよ!!」

[コウタ]

コウタ「よくも……!  よくもショウコを追うのを 邪魔してくれたな!」
???(ティス)「悔しい?  悔しいだろうね!」
コウタ「こいつ、ふざけんな!!」

撤退に追い込んだのは
テュガテール エレオス


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