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眠れ、地の底に アースクレイドルへ行く ~ 第44話 ~

〈ラーズアングリフのHP30%以下〉

クエルボ「うぐっ……!  まだ僕は死ぬわけにはいかない……!」
(ラーズアングリフがラピエサージュに隣接)
ゼオラ「!!」
ラーダ「クエルボ!!」
クエルボ「システムチェック……!  強制再起動プログラム、ロード……!」
(データ転送)
ラトゥーニ「う、うう……」
クエルボ「メモリーバックアップ、 ロード……!」
(システム起動)
ラトゥーニ「セ、セロ博士!?」
クエルボ「動くんだ、オウカ……!  君はまだ……!」
ラーダ「クエルボ、やめて!!」
クエルボ「動け、オウカ!」
(起動、ラピエサージュが浮上する)
オウカ「………」
ラトゥーニ「ね、姉様!!」
アギラ「おお、動きおったか!  アウルム1、敵を皆殺しにせい!」
オウカ「テキ……シキ別コード…… チェック……」
アギラ「そうじゃ!  ワシらの敵を、お前の敵を撃て!!」
オウカ「テキ……テキ……敵…… ワタシノ……敵……」
(閃光、オウカに『必中』『気合』)
オウカ「私の……!!」
【強制戦闘】
オウカ[O.O.ランチャー]vsアギラ[防御]
オウカ『敵……!』
オウカ『私の敵…!』
オウカ『私の倒すべき敵は!!』
(ライノセラスに爆煙)
スリサズ「!!」
アギラ「ア、アウルム1! 貴様ッ!!」
オウカ「………」
アギラ「な、何の真似じゃ!?  お前の敵はワシではないぞ!!」
オウカ「いえ、 私の敵は……あなたです」
アギラ「な、な、な、何じゃと!?」
ラトゥーニ「ね、姉様……!!」
スリサズ「ば、馬鹿な!  アウルム1の記憶が戻ったのか!?」
クエルボ「これでいい……!  後はゲイム・システムを 完全に破壊すれば……」
アンサズ「クエルボ!  お前、裏切ったな!!」
(アンサズ機からビーム攻撃、ラーズアングリフに爆煙)
クエルボ「ぐああっ!!」
ラーダ「クエルボッ!!」
クエルボ「うぐっ……!」
アギラ「クエルボ!  貴様、アウルム1に何をした!?」
クエルボ「ラ……ラピエサージュの 再起動と同時に……」
クエルボ「オウカの…… バックアップ……メモリーを ロードしたのです……」
アギラ「馬鹿な!  それでアウルム1の記憶が 戻るわけがない!!」
アギラ「あやつは 人格を消してゲイム・システムに リンクさせておったのじゃぞ!!」
クエルボ「ふ、ふふふ…… そこは……僕の賭けでしたよ……。 うっ……ぐふっ……!」
ラーダ「クエルボ!!」
アギラ「あり得ん!  そんなことは断じてあり得ん!!」
アギラ「改良型のゲイム・システムの 支配下にあって、ワシが消去したはずの 記憶を……人格を取り戻すなど!!」
オウカ「母様……いえ、セトメ博士。 それはラトやアラド、ゼオラ達の おかげなのです」
オウカ「あの子達が 私に語りかけてくれていたから……」
オウカ「あの子達と過ごした あの頃の記憶が残っていたから、 私は……私を取り戻せたのです」
アギラ「馬鹿な!  お前の記憶は、ワシが何度も何度も 書き直しておるのじゃぞ!!」
オウカ「ええ。 そのおかげで……私は妹や弟達に 辛い想いをさせてしまいました」
アラド「ね、姉さん……!」
ゼオラ「オウカ姉様……!」
オウカ「アラド……ゼオラ…… そして、ラト」
ラトゥーニ「姉様……」
オウカ「ごめんなさい……。 言葉をいくつ重ねても、 あなた達には……」
アラド「い、いいんだよ。 姉さんが……あの頃の姉さんに 戻ってくれたんなら……」
アラド「おれ達は……それでいいんだ」
オウカ「アラド……」
ゼオラ「ね、姉様…… 本当にオウカ姉様なのね……?」
オウカ「ゼオラ……」
ラトゥーニ「よかった……姉様。 本当によかった……」
オウカ「ラト……」
アギラ「馬鹿な……こんな……馬鹿な!」
アギラ「ブロンゾ27や 28はともかく、アウルム1の調整は 完璧じゃったはず……!」
アギラ「何故じゃ!?  何故、こんなことが起きたのじゃ!?」
クエルボ「それが……人の意志の力…… なのですよ……博士……」
アギラ「何!?」
クエルボ「人格を作りかえるなど…… 紛い物の記憶を……与えるなど…… おこがましいことなのです……」
クエルボ「現に彼らは…… 僕達が与えた記憶を……捨て…… 自ら人格を確立させました……」
クエルボ「そして…… 人造人間である……Wシリーズまでも 同じことを……ぐ、ぐふっ!」
ラーダ「クエルボ! もう喋らないで!」
クエルボ「ラ、ラーダ……僕は…… とっくの昔に気づいていたんだ……」
クエルボ「僕の研究が…… 僕の……やってきたことが…… 間違っていると……」
クエルボ「人が…… 人を作りかえるなど…… そんなことは……」
ラーダ「ク、クエルボ……」
クエルボ「だから…… 君は……あのプロジェクトから…… 抜けたんだろう……?」
ラーダ「え、ええ……」
アギラ「フェ、フェフェフェ……!  フェハッ! フェハハハ!!」
ラーダ「!?」
アギラ「ワシの研究は間違っておらん!  まだ結果に至っておらぬだけじゃ!」
アギラ「今回の失敗を生かし、 次こそは完璧な兵士を!」
アギラ「マシンナリー・チルドレンや Wシリーズをも凌駕する兵士を 造り出してみせるわ!」
スリサズ「ハハハ!  パパならともかく、お前に そんなことが出来るものか!」
アギラ「黙れ! 失敗は成功の母じゃ!  お前達も数々の失敗作の中から 生まれてきたことを忘れるでない!」
スリサズ「何だと!?」
アギラ「フェハハハ、見ておれ!  必ずやお前達以上の人形を 造り出してやるわ!」
アーチボルド「……何でもいいんですが、 とりあえず目の前の敵を片づけた方が よくありませんかねえ?」
アギラ「わかっておるわ!  アウルム1、お前はワシの手で 直々に処分してやる!」
オウカ「私の名前はオウカ・ナギサ!  アウルム1ではありません!」
アギラ「人形がほざくでないわ!」
オウカ「ならば、 その人形がこれ以上作られぬよう…… 私があなたを討ちます!」
(ラピエサージュがライノセラスへ接近)
アギラ「馬鹿め、 先程まで強化したゲイム・システムの 支配下におったのじゃ!」
アギラ「貴様の身体が 無事であろうはずがないわ!」
ゼオラ「えっ!?」
オウカ「忘れたのですか、 セトメ博士……」
アギラ「!?」
オウカ「こういう状態でも 戦えるように私の身体を改造したのは、 あなたなのですよ」
アギラ「う……!」
ラトゥーニ「オウカ姉様……!」
オウカ「私は……大丈夫よ、ラト。 ……心配しなくていいわ」
ラトゥーニ「う、うん……」
ラーダ「クエルボ……!」
クエルボ「ぼ、僕のことは…… 気にしなくていい……大丈夫さ……」
クエルボ「それより…… セトメ博士を……僕達の研究を…… 終わらせるんだ……」
ラーダ「……」
ラーダ「わ……わかったわ……!」
アンサズ「さて……僕達には これからやらなければならないことが 山ほどあるからね……」
アンサズ「早めに ケリをつけさせてもらうよ」
アンサズ「……ゲイム・システム、 フルコンタクト……!」
(ゲイム・システム起動、アンサズに『集中』『必中』『ひらめき』)
スリサズ「フフフ……ハハハハ!  僕達に本気でこれを使わせたら、 終わりだよ!!」
(ゲイム・システム起動、スリサズに『集中』『必中』『ひらめき』)
アーチボルド「……では、 他の敵は彼らに任せて、僕は僕の 悪縁を切ることにしましょう」

先に撃墜したのは
スリサズ機 アンサズ機


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