ヴィレッタ「アヤ、呼び出されたパイロットは揃っている?」
アヤ「ええ、全員います」
ヴィレッタ「博士は?」
アヤ「既に待機しています」
ヴィレッタ「なら、カイ少佐待ちね」
ライ(メンバーは特殊なマン・マシン・インターフェース……
T-LINKシステムやシュンパティア、
サイトロン・システム搭載機のパイロットか)
ライ(もっとも、俺という例外はいるが……
SRXを運用するからだろうな)
クスハ「リュウセイ君、何の話か聞いてる?」
リュウセイ「いや、知らねえな」
ジョッシュ(俺達に特別な任務が与えられるのは確実か……)
テニア「ねえ、トーヤ。
どうしてカルヴィナが呼ばれてないのかな?」
トーヤ「さあ……」
テニア「メルアはわかる?」
メルア「ううん」
カティア「理由はおそらく、サイトロン・システム……
私達はあれにリンク出来るから、このメンバーの中に
入れられたんじゃないかしら」
(扉が開く)
カイ「待たせたな」
ヴィレッタ「メンバーは全員揃っています」
カイ「では、始めよう。鋼龍戦隊の次の任務は、
ジャカルタのラマリス討伐だ。その際、ここにいる
メンバーにある任務を遂行してもらいたい」
カイ「詳細については
伊豆のケンゾウ・コバヤシ博士が説明する」
テニア「……って、誰なの?」
ブリット「SRXやRシリーズを開発した
SRX計画の主要メンバーで、
T-LINKシステムを作った人だよ」
クスハ「そして、アヤ大尉とマイのお父さんなの」
テニア「ふ~ん」
カイ「アヤ、博士を呼び出してくれ」
アヤ「はい」
(モニターオン)
ケンゾウ「SRXラボのケンゾウ・コバヤシだ。
各地に現れたラマリスは、深刻な脅威となっているが、
それは撃退しても出現を繰り返すことにある」
ケンゾウ「これまでの調査によれば、
彼らのほとんどは人口密集地に現れている。
仮説ではあるが、そこに人が……」
ケンゾウ「正確に言えば、人間の念が存在する限り、
出現し続けるのではないかと私は考えている」
リュウセイ「人の念を食って、増えてるってことか?」
ブリット「だけど、避難が完了した地域でも
ラマリスは出現しているのに……」
ライ「人間の念以外にも活動源になる物があるのか?」
ケンゾウ「おそらく、それは繁華街などに淀む雑多な念……
いわゆる残留思念だろう」
ケンゾウ「あるいは、かつてのアインストや妖機人のような
人ならざるモノが放出するエネルギーも
彼らの糧となるかも知れん」
ケンゾウ「君達も知っての通り、
鋼龍戦隊がラマリスを殲滅した複数の地域において
彼らの再出現は認められていないが……」
ケンゾウ「融合して、カーナ・タイプになったという
共通点がある。それは、強い念に反応した上での
対抗手段なのかも知れん」
ケンゾウ「そして、より強烈な念をぶつけると、
彼らは吸収などの処理が出来ず、完全消滅する……」
ケンゾウ「そこで、私が指名した君達にチームを組んでもらい、
この仮説を検証してもらいたい」
ケンゾウ「なお、既に気づいている者もいるだろうが、
諸君らのほとんどは脳と何らかの形でリンクする
マン・マシン・インターフェースの使用者……」
ケンゾウ「つまり、思念を何らかの形で別の力に変え、
放出することが出来る者達なのだ」
イング「僕達が念を集中してラマリスにぶつければ、
カーナ・タイプになるのか……」
リョウト「それだと、僕らが行った所にしか
ラマリス・カーナが現れていないことが説明できるね」
クスハ「他の部隊にはT-LINKシステムや
シュンパティアを搭載した機体がないから?」
リョウト「うん。それと、フューリーの機体に
サイトロン・システムか、それに似た物が
積まれている可能性がより高まったよ」
ジョッシュ(そして、ファブラ・フォレースの建造者と
シュンパティアのルーツに関する仮説の信憑性も……)
ヴィレッタ「ジョッシュ、今回の任務だが……」
ジョッシュ「意図は理解しています。
ただ、無理はさせたくありません」
グラキエース(リムのことか)
リム「大丈夫だよ、アニキ。
この間からシュンパティアを使うと
クリスを感じるような気がするし」
ジョッシュ「だけど、あいつは……」
リム「ずっとずっと遠くへ行ってしまったのに、
あたしの傍にいて、守ってくれてるように感じる。
だから、悪いことにはならないと思う」
ジョッシュ「……わかった」
カイ「なお、次の作戦では
お前達をアルファ・チームと呼称する。
リーダーはアヤだ」
アヤ「了解です」
クスハ「カイ少佐、質問があります」
カイ「何だ?」
クスハ「T-LINKシステムの適応者は
私達以外にもいますが、その人達は?」
ケンゾウ「それについては、私から答えよう。
彼らは万が一の事態が生じた場合に備え、
後方で待機してもらう」
クスハ(万が一……)
リュウセイ(ラマリス・カーナに取り憑かれちまうとかか?)
カイ「他に質問がないのであれば……
ヒリュウ改は空間転移装置を修復する間、
桃園基地に留まるため、ハガネのみで現地に向かう」
カイ「空間転移実行時間は1400。
転移出現後、60秒でラマリス集結地へ到達する。
以上だ」
アヤ「みんな、10分後に機乗して、待機よ。
いいわね?」
クスハ「わかりました」
トーヤ「………」
ジョッシュ「どうした、トーヤ?」
トーヤ「他の人達はどうか知りませんが、
強い念をラマリスにぶつけろと言われても、
実際にどうすればいいのか……」
ジョッシュ「そうだろうな。実は、俺もさ」
トーヤ「え?」
ジョッシュ「俺は念動力者じゃない。
シュンパティアは俺の思念に反応するが、
念動力で何かをやる装置じゃない」
ジョッシュ「サイトロン・システムだって、そうなんだろう」
トーヤ「ええ、まあ……」
ジョッシュ「だったら、頭の中で何かの物体をイメージして、
それをラマリスへぶつける。俺はそうするつもりだ」
トーヤ「何かをイメージ……」
テニア「食べ物とか?」
メルア「チョコレートやクッキーなら、私にも出来そう……」
カティア「食べ物を投げるのは、よくないわよ」
トーヤ(……そんなやり方でいいのか?)
(足音)
リュウセイ「さっきジョッシュが言ったことは正しいぜ」
トーヤ「!」
ジョッシュ「リュウセイ少尉……」
リュウセイ「俺は光の剣をイメージして、敵に投げてる。
R-1の必殺技、天上天下念動爆砕剣……
T-LINKソードがまさにそれさ」
トーヤ「はあ……」
リュウセイ「後は呪文っぽい言葉を考えて、技名を叫ぶ。
破を念じて刃となれ、天上天下念動爆砕剣……ってな。
これ、重要なポイントだぜ」
テニア「あ、何かわかり易いかも」
リュウセイ「だろ?」
トーヤ(そういうものなのか……? 俺には自信がない)
ジョッシュ「プレッシャーを感じることはない。
俺達なら出来る、成し遂げられる……そう思うことも
イメージ方法の一つさ」
トーヤ「それで何とかなるんですか」
ジョッシュ「なったのさ……ルイーナとの最終決戦で」
トーヤ「………」
ジョッシュ「気休めかも知れないが、君の周りには俺達がいる」
リュウセイ「ああ。頼ってくれていいぜ」
トーヤ「……そう言ってもらえると、少しは気が楽になります」
ジョッシュ「それでいい。
お互いベストを尽くそう、トーヤ・シウン」
(西側に大量のラマリスがいる。東端にハガネが出現)
テツヤ「艦長、ラマリス集結地に到達しました」
ギント「両舷停止。現在位置、高度でTD滞空」
エイタ「ラマリス群の動き、さらに活発化!」
ギント「司令、フェイズ2に移行します」
マイルズ「うむ」
ギント「副長、機動部隊各機を出撃させろ」
テツヤ「了解。アルファ・チームより順次出撃せよ」
(アルファ・チームが出撃、Rシリーズは出撃後にSRXに合体する。
アリエイル機、ペルゼイン・リヒカイトが出撃、出撃準備)