イラドーヤ「ふ～ん、噂通りねぇ、鋼龍戦隊。
キナハちゃんにちょっとだけ
同情してあげてもいいかな？」
イラドーヤ「それじゃ、まったねぇ♥」
（ライグ＝ゲイオスが撤退）
ユン「戦域内の敵機反応、全て消えました」
レフィーナ「修理、補給が必要な機体は直ちに帰艦。
それ以外は、全周警戒を厳となせ」
エクセレン「……以外に押しが弱かったわねぇ」
ブリット「ええ……ラブルパイラを破壊したり、
制圧する気はなかったみたいですね」
ライ「だが、威力偵察という感じでもなさそうだった」
カチーナ「ラブルパイラをどうにかする気なら、
初手で決めてくるだろうしな。ＭＡＰＷとかでよ」
スク「俺達の目的地を知ってたら、
合流する前に攻撃してきそうッスけど」
リュウセイ「もしかして、ガディソードとの接触を
妨害する気だったのか？」
リオ「ラブルパイラ直近に転移したならともかく、
通常航行で接近したのよ。事前に仕掛ける
機会は結構あったと思うけど」
エクセレン「実は単なる顔見せだったりして」
キョウスケ「何のためにそんなことをする必要がある？」
イルム（いや……案外、正解だったりしてな）
マルム「いやいや、地球軍の実力を見せていただきました。
ご助勢に感謝致します」
マイルズ「あれが我が戦隊の全戦力ではないことを
お伝えしておきましょう」
ヨン「あの、頭領長閣下……
僭越ながら、ゾヴォークを代表して
お詫びを申し上げます」
マルム「いえ、我が母星も一枚岩ではありませんでした。
星は違えど、いずこも似たようなものですな」
ブライアン「残念ながら、同感です」
マルム「しかし、私達の間には
こうして平和的な会談が成立しています」
ブライアン「ええ。
地球連邦政府に判断材料を持ち帰り、なるべく早く
お返事が出来るよう、全力を尽くしましょう」
マルム「特使閣下の無事のご帰還をお祈りしておりますが……
最後に一つ、お願いしたいことがあります」
ヘルルーガ「……頭領長閣下」
マルム「彼女から直接理由を聞きたいと言っただろう。
これは、頭領長判断だよ」
ヘルルーガ（愚か者めが……）
ブライアン「ご要望を伺いましょう、閣下」
マルム「お恥ずかしい話なのですが……
フェアリ・クリビアという私の護衛官が
小型機を奪って脱走し、地球へ潜入したようなのです」
ブライアン「そのような行動を取った理由は？」
マルム「不明です。もし、そちらでフェアリ・クリビアの
身柄を確保された場合、こちらに引き渡して
いただきたいのですが……」
ブライアン「わかりました。
そのご要望も地球連邦政府に伝えましょう」
マイルズ（脱走者がスパイか破壊工作員なら、
こうも堂々と我々に捜索を頼まんか……）
マイルズ（もっとも、身柄を確保しても、
素直にガディソードへ渡すことはないだろうがな）
ブライアン「では、頭領長閣下。我々はこれで失礼します」
マルム「ええ、地球連邦政府の良きお返事を待っています」
（足音・マルム、ブライアンが立ち去る）
ジーク「……あいつらが地球人か。
本当に見た目は俺達と変わらねえんだな。
女もいたし」
サリー「異星人がいたとしたら、
そうじゃないかっていう説があったけど……
祖先が同じと言ってもおかしくないレベルよね」
ジーク「だからって、和平が上手くいくとは限らねえ。
襲ってきた奴らと裏で手を組んでる可能性もある」
サリー「でも、今の私達の戦力で
地球の軍隊と戦うことなんて無理だわ」
ジーク「そんなことはわかってる。
だが、地球人が俺達に牙を剥いたら……」
サリー「そうさせないための予備交渉でしょ」
ジーク「こっちは連中をラブルパイラに招き入れて、
実情を見せちまったんだぜ。
向こうがその気になれば……」
（足音）
ヴォート「ご苦労だったな、お前達」
サリー「あっ、ヴォート騎長」
ジーク「結局、実験部隊の連中は出なかった……
ヘルルーガ頭官は、自分の手の内を
見せるつもりがなかったってことですか」
ヴォート「現状では最善の判断だ」
ジーク「アネクスの正規軍は捨て駒だと？」
サリー「ちょっと……
そういうこと、ここで言わない方がいいわよ」
ジーク「構うものか」
ヴォート「ラブルパイラの責任者はヘルルーガ頭官だ。
我らが本隊に復帰できぬ以上、彼の指揮下に
入らなければならない」
ジーク「だからって、ラットマの連中に……」
サリー「こんな所で仲違いしてる場合じゃないでしょ。
ガディソードへ帰るためには、ラブルパイラにいる
みんなで力を合わせなきゃ」
ジーク「……わかってるよ」
サリー「ところで、騎長。
フェアリの件はどうなったんです？」
ヴォート「頭領長が彼女の捜索を地球人に依頼したそうだ」
サリー「脱走者として、ですか？」
ヴォート「……ああ」
ジーク（俺にはあのフェアリが裏切ったとは思えねえ……）
サリー（フィーオが亡くなってから
色々と思い詰めていたみたいだったけど、
それ以外にも理由があるはず……）
ショーン「艦長、司令達の艦載艇が帰艦しました」
レフィーナ「では、艦外にいる機体にも帰艦命令を。
全機収容後、ゾヴォークの転移航路を使用して
地球へ帰還します」
ショーン「了解です」
エクセレン「お久しぶりです、元大統領閣下……
じゃなくて、特使閣下」
ブライアン「ああ、君達のおかげで僕は自分の仕事を
果たすことが出来た。礼を言うよ」
カチーナ「またあんたとこの艦の中で会うことに
なるとは思ってなかったぜ」
ブライアン「まったくだ。縁があるようだね」
ブリット「まさか、地球連邦政府の大統領だった人が
異星人との交渉に駆り出されるなんて……」
レオナ「閣下の外交手腕を買われてのことなのでしょうか」
ブライアン「さあ、どうだろうね。
僕としても、このような形で表舞台に
戻れるとは思っていなかったが……」
ブライアン「おっと、まだそうだと決まったわけじゃないか」
エクセレン「ところで、ガディソードとの会談は……」
マイルズ「機密事項だ、少尉。
特使閣下、そろそろブリッジへ」
ブライアン「ああ、わかった。
じゃあ、君達……地球へ戻っても、僕がこの艦に
乗っていたことはくれぐれも内密に頼むよ」
（足音・ブライアンとマイルズが立ち去る）
エクセレン「……ま、そう簡単に会談の内容を
聞き出せるとは思ってなかったけど」
カチーナ「スッキリしねえな、色々と」
ブライアン「……マルム・クイスードは
誠実な人物だと思うが、交渉下手だね」
ブライアン「難民に近い立場とは言え、
手持ちのカードを切り過ぎだよ。
本職じゃないからだと思うが……」
レフィーナ「どういうことなのです？」
ブライアン「ガディソード星での彼は、地球でいう所の大臣で
あって、大統領ではない。だが、ラブルパイラ内では
他に権限継承順位を持つ者がいなかった」
レフィーナ「つまり、臨時の大統領ということですか」
ブライアン「ああ。ラブルパイラの実質的な指導者は、
ヘルルーガ・イズベルガだろうね」
マイルズ「あの男は一癖ありそうですな」
ブライアン「それじゃ済まないかも知れない。
彼はゾヴォークのことを知っていた可能性がある」
レフィーナ「……！」
マイルズ「自分にそのような印象はありませんでしたが」
ブライアン「ゾヴォーク部隊の襲撃を知らされた時、
マルム・クイスードは激しく動揺していたが……」
ブライアン「ヘルルーガ・イズベルガは
別の意味で驚いていたように見えた。
意外だという感じでね」
マイルズ「釈然としませんな」
ブライアン「ま、そうだね」
ショーン「……お話中、申し訳ありません。
まもなく空間転移シーケンスの
ファースト・フェイズに入ります」
ブライアン「了解した。帰路は何もないことを祈ろう……」
REPORT
機体『ヴァイサーガ』を入手しました。
機体『ガルムレイド・ブレイズ』を入手しました。