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ギントの目算 宇宙ルート ~ 第6話 ~

《地球 低軌道上(鋼龍戦隊)》

[ハガネ 艦内(ラウンジ)]

リュウセイ「アレス・ガイストの次は ダークブレインの残党が現れたってのか。 いったい、どうなってんだ」
アヤ「北海道でカイ少佐やコウタ達が交戦した クリスタルドラグーンは、クロスゲートから 出て来たわけじゃないみたいよ」
イング「クリスタルドラグーン……コードネームですか?」
アヤ「いえ、そういう名前なんですって。 見た目もまさに水晶の竜って感じらしいわよ」
リュウセイ「そんや奴が、どうして今頃出てきやがんだ?」
リオ「そうね、あの時の決戦にはいなかったのに」
カルヴィナ「話を断ち切って悪いけど…… ダークブレインって、何なの?」
リュウセイ「あれ、知らない?」
カルヴィナ「ええ。軍を辞めたのは、L5戦役の後なのよ」
リョウト「リュウセイ、アインスト修羅みたいに 連邦政府がその存在を公表してるわけじゃないから、 知らなくて当然だよ」
リュウセイ「あ、そうか」
カルヴィナ(アインストや修羅についても、民間人は 知らないことの方が多いんだろうけど)
リュウセイ「ダークブレインってのは、修羅の乱の最終決戦で 異次元世界から出て来た暗黒の帝王のことさ」
カルヴィナ「暗黒の帝王……随分な直球ね。 さしずめ、目的は全宇宙の支配って所かしら?」
リュウセイ「おっ、だいたい正解」
カルヴィナ(やれやれ、冗談のつもりだったんだけど)
リョウト「もう少し詳しく言えば、 超高性能自律型霊子演算装置である開明脳を持った、 知的生命体の負の思念集積体です」
テニア「ええっと……意味わかんないよ」
リュウセイ「じゃあ、脳味噌みたいな形のコンピューターを持った、 デカい悪のロボット帝王……なら、どうだ?」
テニア「うん、それだったらわかる」
カルヴィナ「最終決戦、と言ってたわね。 もしかして、ダークブレインを倒したのは あんた達?」
リュウセイ「ああ……激戦だったぜ」
リョウト「あの時、あの情況下で次元転移が可能だったのは、 ダークブレインだけだったんじゃないかな」
リョウト「彼は、僕らの世界へつながるゲートを 簡単に開いたわけじゃなさそうだったし」
リュウセイ「他の連中はついて行きたくても、 出来なかったってことか?」
リョウト「うん」
イング「……ダークブレインの配下は、 クリスタルドラグーン以外にも 存在しているんでしょうか?」
リュウセイ「その可能性は高いんじゃねえか。 悪の帝王には、悪の軍団が付き物だしよ」
カルヴィナ「で、そいつらが今頃地球にやって来て、 何をしようっていうの? ボスの仇討ち?」
リュウセイ「Gコンパチブルカイザーを ピンポイントで狙ってきたなら、そうかもな」
テニア「Gコンパチ……何、それ?」
リュウセイ「ダークブレインと戦うために作られた スーパーロボットだよ。色々と訳があって、 今はコウタって奴が乗ってる」
アヤ「もしかしたら、あの子とショウコも 伊豆へ来てるかも知れないわね。 詳しい話は彼らに聞いた方がいいかも」
リュウセイ「だな」
(通信)
リュウセイ「ん? 命令が来たぜ。 パイロットは直ちに機上待機だってさ」
リオ「ホントだ……これから大気圏突入なのに」
アヤ「不測の事態に備えてのことでしょう。 さあ、行くわよ、みんな」
リオ「はい」
カルヴィナ(不測の事態、ね……。 あたしとしては、そろそろあいつらに 出て来てもらいたい所だけど)

[ハガネ ブリッジ]

マイルズ「……やはり、釈然とせんな、艦長。 伊豆基地が二度も襲撃されたとは言え、 我々が降下後に会敵する可能性は低かろう」
ギント「敵は転移戦法を用いながら、 基地に決定的な損害を与えていません。 よって、別の目的があると考えます」
マイルズ「だから、それか何かと先程も聞いたのだ」
ギント「答えは同じ……不明です。 しかし、本艦の帰港は、伊豆を狙う敵にとって 不都合であると思われます」
マイルズ「故に妨害してくる、仕掛けてくるという読みは 短絡的ではないかね。パイロット達は、ここしばらく 戦闘が連続したおかげで疲弊しているのだぞ」
エイタ(一度許可したことをねちねちと……。 機上待機どうこうより、艦長が珍しく反論したのが 気に入らなかったみたいだな)
ギント「では、何事もなかった場合は 私の判断ミスということで、処分を」
マイルズ「ふん、いいだろう」
テツヤ(艦長はいつもと違い、すぐに折れなかった。 確信があるということか)
ギント「副長、大気圏突入シーケンスを開始せよ」
テツヤ「はっ、大気圏突入シーケンスを開始します」


第6話
ギントの目算

〔戦域:群島周辺〕

(南端にハガネが出現)
テツヤ「艦長。降下シーケンス、終了です」
ギント「うむ」
マイルズ「さて、待ち伏せをしている敵はいるのかね?」
エイタ「いえ、レーダーに反応はありません」
ギント「司令、現在高度でTD滞空し、総員第一種戦闘配置。 その後、伊豆へ向かうということでよろしいか?」
マイルズ「ふん、諦めが悪いな」
ギント「念のための措置です」
マイルズ「何事もなく地球へ降下できたのだ、 一刻も早く帰投すべきではないのかね」
(ハガネにアラート)
エイタ「レーダーに感あり!  アンノウン接近! 11時方向、海中より真っ直ぐ!」
マイルズ「な、何だと!?」
ギント「総員、第一種戦闘配置!」
エイタ「アンノウン群、浮上しつつ、さらに近づく!  レンジ3に侵入!」
アヅキ「こちらからの警告に応答なし!」
ギント「アンノウン群が海面へ出るまでの時間は?」
エイタ「現在の浮上速度が維持された場合、 およそ120秒です!」
ギント「副長、アスロック攻撃用意。 発射後、機動部隊各機を発進させろ」
テツヤ「了解。アスロック攻撃用意。 発射後、各機を発進させます」
エイタ「アンノウン群の識別終了!  ゾヴォークの機動兵器です!」
マイルズ(む、う……艦長の読みが当たったか……!)
(出撃準備)
エイタ「目標群、海面上へ出ます!」
(敵機が海中から出現)
リュウセイ「何だ、アーチンばっかりじゃねえか。 あれでこっちを倒せると思ってんのかよ」
ライ「おそらく、俺達の足を止めるための囮だろうな」
リュウセイ「なら、本命がどこかに潜んでやがるのか」
カルヴィナ(ゾヴォークなら、 あいつが出て来るかも知れない……!)
ギント「副長、機動部隊各機は敵を迎撃。 本艦は現在位置でしばらくTD滞空し、 敵の出方を見る」
ギント「敵増援が転移出現する場合も想定し、 全周警戒を厳となせ」
テツヤ「了解。機動部隊各機は敵を迎撃。 本艦は現在位置でTD滞空、全周警戒を厳にします」
(作戦目的表示)

勝利条件
1.敵の全滅。
敗北条件
1.ハガネの撃墜。
SRポイント獲得条件
・2ターン味方フェイズ以内に、敵を3機以上撃墜する。

〈1EP〉

(敵機は全て真っ直ぐ東へ移動)

〈2PP〉

テニア「あいつら、逃げるの!?」
カルヴィナ「こっちを誘っているのよ」
ギント「わかり易い陽動だな。 本命は、意外に近くの海中にいるのかも知れん」
テツヤ「探りを入れますか?」
ギント「司令、偵察用USVを出しますが、よろしいか?」
マイルズ「構わんが、我々の本来の任務は……」
ギント「一刻も早く伊豆基地へ帰投すること。 敵の真意が不明瞭である以上、自分も同感です。 本艦は現戦域の敵機撃滅に専念します」
マイルズ「う、うむ。ベスト・アンサーだ、艦長」
(ハガネが移動できるようになる)

〈敵機全滅〉

エイタ「戦域内の敵機反応、全て消えました」
ギント「各機を帰還させろ。 全周を警戒しつつ、本艦は伊豆基地へ帰投する」

《日本 神津島沖(鋼龍戦隊)》

[ハガネ ブリッジ]

マイルズ「副長、私は司令公室へ戻る。 伊豆基地へ着いたら、連絡してくれたまえ」
テツヤ「はっ」
(扉が開く・マイルズが立ち去る)
テツヤ「……艦長の読みは正しかったですね。 パイロットの機上待機を押し通していただいた おかげで、迅速な対応が出来ました」
ギント「副長、司令の疑問と指摘はもっともだ」
テツヤ「え? ですが……」
ギント「今、問題にすべきは、伊豆を襲撃した者達の目的が 何であるかということだ」
ギント「しかも、敵は彼らだけではない。 これから戦いは激化していくと思われる。 封印戦争のような事態になるかも知れん」
ギント「だから、我ら鋼龍戦隊はマイルズ司令の下、 一丸となって敵と戦わねばならん。 そのことを肝に銘じておけ」
テツヤ「はっ……」


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