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バイスタンダーズ ~ 第22話 ~

[シュウのアジト(データルーム)]

ミツコ「……以前とお変わりないようですね、シラカワ博士」
シュウ「色々なことがありましたが、この通りです」
ミツコ「どうやって生き返られたのか、 じっくりお聞きしたいですわ」
シュウ「知れば、ただでは済みませんよ」
ミツコ「それは大変。 ……で、ご用件は何ですの?」
シュウ「あなたに手伝っていただきたいことがあるのです」
ミツコ「あらあら、どのような裏があるのでしょう?」
シュウ「裏などと…… 私もこの事態を何とかしたいと思っているのですよ」
ミツコ「それならば、別の所へ話を持って行かれては?  例えば、ガイアセイバーズとか」
ミツコ「大事なお得意様ですし…… アルテウル・シュタインベック司令を 紹介してもよろしいですわよ?」
シュウ「彼には疑わしい点が多いですね。 あなたもそう思っていらっしゃるのでしょう?」
ミツコ「………」
シュウ「彼は後のことをあまり考えていない…… いえ、考える必要がないのかも知れません。 そこがゼゼーナン卿と違う所です」
ミツコ「あら……あの方を御存知なのですか?」
シュウ「ええ。 そして、今からする話は彼にも関係があります」
ミツコ「……お話を詳しく伺いましょうか」
シュウ「今回、ゲストを率いているのは、 間違いなくゼゼーナン卿ですが…… 近い内に彼は失脚する可能性があります」
ミツコ「何故ですの?」
シュウ「私がゼゼーナン卿の陰謀を暴くからですよ。 そして、それは彼の本国で大きな問題になります」
ミツコ「陰謀とはどのような?」
シュウ「私のグランゾンに関わること……そして、あなたが ゼゼーナン卿とのパイプを持ったとしても、無駄に 終わるということだけお教えしておきましょう」
ミツコ「……ご忠告、感謝致しますわ。 それで、アルテウル・シュタインベック司令に ついては?」
シュウ「いずれ、 彼は私達に災いをもたらす存在になるでしょう」
ミツコ「ガイアセイバーズは大統領閣下の直轄部隊ですのよ。 その理由は?」
シュウ「私の勘……と言っておきましょうか」
ミツコ「あら、アバウトなお答えですわね」
シュウ「では、あなたはグライエン・グラスマン大統領の件を どう思っているのです?」
ミツコ「大変悲愴な思いをしておりますわ。 地球人類の行く末を案じておられた あのお方が、よりにもよって鋼龍戦隊に……」
シュウ「あれが、アルテウル・シュタインベックによって 仕組まれた暗殺だとしたら……?」
ミツコ「大胆なご意見だこと……それを証明できますの?」
シュウ「私とあなた……そして、鋼龍戦隊次第ですね」
ミツコ「………」
シュウ「事実が明らかになれば、 ガイアセイバーズと関わりを持っていた イスルギ重工も無事では済みませんよ」
シュウ「あなたが責任を押しつけたお父上と同じく、 後ろ盾のグラスマン大統領は もうこの世にいないのですから」
ミツコ「なるほど……アルテウル司令には、 政財界を揺るがすだけでは済まない秘密があると?」
シュウ「その通りです」
ミツコ「……わかりましたわ。 それで、私は何をすればよろしいのかしら?」
シュウ「ガイアセイバーズへの対抗手段として、 鋼龍戦隊の戦力を増強しておく必要があります」
シュウ「そこで、あなたの手持ちのカードを 彼らに渡していただけませんか?」
ミツコ「もしや、ベガリオンのことですの?」
シュウ「ええ。そして、パイロットに 今から送る私のメッセージを託して下さい」
ミツコ「あなたが直接伝えればよろしいのでは?」
シュウ「こちらの意図をあえて曖昧にしておきたいのですよ。 あなたもそうでしょう?」
ミツコ「ふふ……それで、そちらのカードは何ですの?」
シュウエアロゲイターがもたらした高エネルギー凝縮体である トロニウム……そして、4体の魔装機神です」
ミツコトロニウム…… 6個ある内、1個は行方不明だと聞いていましたが、 あなたがお持ちでしたのね」
シュウ「ええ」
ミツコ「……あなたが本気だということがわかりましたわ。 アルテウル司令に対しては、どうなさいますの?」
シュウ「彼には私の方から直接連絡を入れます。 その方が効果的でしょうから」
ミツコ「そうですわね。 では、あなたのショーを楽しみにしておりますわ」
(通信が切れる)
シュウ「……ヨン、あなたのおかげで事が早く進みますよ」
ヨン「……あの……私のことは……」
シュウ「他の者には内密にしておきます。 ただし、今後も私の協力が必要でしたら、 無用な報告は控えてもらいますよ」
ヨン「は、はい……」

[シュウのアジト(ダイニング)]

アルバーダ「……よう、テリウス。 ヨンがどこへ行ったか、知らねえか?」
テリウス「さあ……」
サフィーネ「あの子なら、シュウ様と話をしているわよ」
アルバーダ「話って……何の?」
サフィーネ「こっちが聞きたいくらいよ」
(扉が開閉する)
シュウ「皆さん、揃っているようですね」
モニカ「あ、シュウ様……」
ヨン「………」
セレーナ(ヨン……様子が変ね。 シュウとの話で何かあったのかしら)
シュウ「3日後、私達は宇宙へ上がります。 そして、そこでゲストの司令官である テイニクェット・ゼゼーナンと……」
シュウ「ガイアセイバーズの領袖である アルテウル・シュタインベックの陰謀を暴きます」
アルバーダ「何……!?」
セレーナ「ご大層なミッションね。 そもそも、その二人の陰謀って何?」
シュウ「前者はともかく、後者は見当が付くと思いますが」
セレーナ「もしかして、グラスマン大統領が死んだ件?」
シュウ「そうです」
アルバーダ「あれがガイアセイバーズの陰謀だってのか。 いったい、どうやってそれを証明するんだよ?」
シュウ「詳細は秘密です。 壁に耳あり障子に目ありと言いますからね」
アルバーダ(ふん……お見通しか)
シュウ「あなた達にお願いする仕事については、 宇宙に上がった後で説明します」
アルバーダ「他の質問は受け付けねえってか?」
シュウ「答えられる範囲内であれば、構いませんよ」
アルバーダ「じゃあ、まず…… ゲストの司令官がゼゼーナンだっていう話だが、 そいつは確定なのか?」
シュウ「ええ、ある筋から得られた情報です」
アルバーダ「ほう、どういう筋だ?」
シュウ「お答え出来ません」
アルバーダ「ふん……なら、次だ。 どうやって宇宙へ行く? シャトルがあるのか?」
シュウ「グランゾンの重力制御装置を用いれば、 あなた達の機体ごと宇宙へ上がることなど 造作もないことです」
アルバーダ「そうかい」
セレーナ「事が済めば、またここへ戻って来るの?」
シュウ「いえ……私が目的を果たすまで、 宇宙で活動することになるでしょうね」
アルバーダ「あんたのアジトは宇宙にもあるのか?」
シュウ「その通りですが……今回はヨンからの申し出で、 彼女の艦を使わせてもらうことになりました」
アルバーダ「ヨンの……?」
セレーナ「確か、宇宙で輸送艦がどうとか言ってたわね」
ヨン「……はい。 実は、私の部隊で開発した自動制御装置を 備えたペレグリン級でして……」
ヨン「私一人で、その試験運用を行っていたんです……」
アルバーダ「つまり、無人艦だってことか?」
ヨン「ええ……私の艦が無事であることは確認済みで、 遠隔操作も可能です」
セレーナ「ふ~ん……」
シュウ「他に質問は?」
アルバーダ「いや、もういいぜ。 こっちが本当に知りたいことは、 教えてもらえそうにねえしな」
シュウ「では、サフィーネ…… 私のメッセージをラ・ギアスにいる マサキやヤンロン達に送って下さい」
サフィーネ「わかりましたが、どのような内容ですの?」
シュウ「それを知る必要はありません」
サフィーネ「は、はい……」
シュウ「悪く思わないで下さい。 あなたのことは信用していますが、 慎重に事を進めたいので」
サフィーネ「いえ、シュウ様がそう仰るのなら……」
アルバーダ(こっちは信用できねえってか。 ま、こっそり上に報告したのは事実だからな)
シュウ「では、以上です。 宇宙に上がれば、忙しくなりますから、 今の内に英気を養っておいて下さい」
セレーナ(3日あれば、上の結論が出るかもね……)

《ヘブンゲート》

[ヘブンゲート 内部]

ロフ「お待ちしておりました、司令」
ゼゼーナン「……紆余曲折あったが、 ようやくこの要塞に足を踏み入れることが出来た。 ある意味、感慨深い」
ロフ「何か経緯があったのですか?」
ゼゼーナン「ゴライクンルから派遣された傭兵である お前が知らぬのは当然だが……」
ゼゼーナン「元々、ここは私が猿共…… EOT特別審議会に用意させたプラントなのだ。 ゾヴォークに対する忠誠の証としてな」
ロフ(そのようなことが……)
ゼゼーナン「今回の件が済めば、地球侵攻作戦を再開する。 今度は猿共に先など読ません。 奴らの巣をいくつか完全に潰す」
セティ「よろしいのですか?」
ゼゼーナン「ああ……後々のことを考えていたが、 調子づいた猿共には厳しい鞭が必要だ。 あの男のような者が二度と出て来ぬようにな」
ロフ「大事の前ならば、 司令自らが彼の申し出に応じるのは危険では?  間違いなく罠だと思われます」
ゼゼーナン「だからこそ、お前とシャフラワースを 護衛として連れて行くのだ。 ……万事抜かりなくな」
(扉が開閉する・ゼゼーナンが立ち去る)
セティ「……私とゼブも司令に同じことを言ったんだけど、 聞かなかったのよね。むしろ、目の色が 変わっちゃったって感じ?」
ロフ「危険を冒してまで、 出向かねばならない理由があるのか……」
セティ「そうみたいね。 ま、あなたと肩を並べて出陣するのは悪くないけど。 嫌だとか言わないでよ?」
ロフ「……俺は傭兵として命令に従うまでだ」
セティ「それだけ?」
ロフ「昔とは……違う。 君と共に過ごしていたあの頃とは……違うんだ」
セティ(……ロフ……)

《大西洋上》

[シュウのアジト 地下格納庫]

アルバーダ「……隊長から連絡が来たって?」
エルマ「ええ、今回は電文だけですが」
セレーナ「上の結論は出たの?」
エルマ「はい。 現時点でターゲットを拘束する必要はなし…… 引き続き同行し、その真意を探れとのことです」
セレーナ「任務内容が変わったわね」
エルマ「軍上層部もシラカワ博士の意向が 気になっているみたいですね」
セレーナ「そりゃそうでしょ。 ガイアセイバーズやゲストの陰謀を 暴こうって言うんだから」
アルバーダ「……第10項はどうなってる?」
エルマ「そちらは変更されていません」
アルバーダ「そうか……」
エルマ「あと、ヨンさんの所属部隊に関する 問い合わせの返答も来ています」
セレーナ「結果は?」
エルマ「第3人型機動兵器開発実験隊が 表向きにはMIA認定を受けていて、 極秘任務を遂行中であることは事実だそうです」
セレーナ「じゃあ、あの子のプファイルIIIや 自動制御装置付きのペレグリンについては?」
エルマ「関連するデータは確認できず…… また、グルンガスト弐式2号機について 開発元のテスラ・ライヒ研究所に問い合わせた所……」
エルマ「第3人型機動兵器開発実験隊に委ね、 行方不明になった後のことはわからないそうです」
アルバーダ「……そもそも、ヨンの部隊に 極秘任務を与えたのは誰なんだ?」
エルマ「その件に関しては、いまだ調査中とのことです」
アルバーダ「隊長なら、ドンピシャの所に突っ込むはずだ。 それでもわからねえのなら、怪しいな」
セレーナ「AAAクラスを超える極秘事項ってこと?」
アルバーダ「あるいは、 極秘命令を出した人間なんざいねえとかな」
エルマ「そんな……」
セレーナ「……本人に聞いてみる?」
アルバーダ「そうした所で、答えるとは思えねえ。 ただ、シュウは何か知ってるみてえだ…… 奴の出方次第でわかるかもな」
セレーナ「そうね……」
アルバーダ「そろそろ宇宙に上がる時間だ。シュウの言ったことが 本当なら、ガイアセイバーズとゲストのボスが雁首を 揃えやがる。気を引き締めていこうぜ」
セレーナ「了解よ、アル」

〔戦域:地球衛星軌道上周辺〕

(北東端にグランゾン、ウィーゾル、ガディフォール、ノルス・レイが出現)
チカ「ねえ、ご主人様」
シュウ「何です、チカ?」
チカ「ホントに来るんですか、そのゼゼーナンって人。 そろそろ時間ですよ」
シュウ「来ますよ。 彼の喜びそうな餌をばらまいておきましたからね」
モニカ「餌って、何ですの?」
シュウガイアセイバーズ魔装機神鋼龍戦隊…… そして、この私自身が彼を釣る餌ですよ」
サフィーネ「あ、では…… 私にヤンロン達への連絡を命じられたのは……」
シュウ「そう、ここへ来てもらうためです。 4体の魔装機神全てにね」
チカ「何でそれが餌になるんですか?  あたしにはわかりませんよ」
シュウ「ゲストの総司令官、ゼゼーナン卿は 実戦派だと聞いていますからね」
シュウ「特化した戦力が集まれば、 必ず自ら乗り出して、その実態を観察したい…… そう考えるはずです」
シュウ「さらに、ある物を彼に送り付けておきました。 それを見れば、心穏やかではいられないでしょう」
サフィーネ「ある物とは、いったい……」
シュウ「ふふふ…… 今、教えてしまうと面白くありませんからね。 楽しみにしておいて下さい」
テリウス「で、首尾良くそのゼゼーナンって奴が来たら、 どうするつもりなんだ?」
テリウス「まさか、 ただ会ってみたいだけってわけじゃないんだろ?」
シュウ「………」
チカ「ゼゼーナンも気になりますが、 ガイアセイバーズのアルテウルって人も 来るんですかねぇ」
チカ「ご主人様は、その人と会ったことないんでしょう?」
シュウ「ええ。おそらく、初対面です」
テリウス「おそらく?  会ったことがあるのか、ないのか どっちなんだよ?」
シュウ「それは……私も知りたいですね、ふふふ」
チカ「何のことだか、あたしにはさーっぱりですよ。 だいたい、ご主人様はそうやって勿体ぶって喋って、 煙に巻くことが多くて……」
チカ「意味があるように思えて、実は何でもなかったりとか、 それっぽいことを適当に言ってるだけとか」
チカ「今後の伏線かも知れないと思って、 真面目に聞くだけ損だったりして」
シュウ「……静かにしなさい、チカ」
サフィーネ「アルテウル・シュタインベック……でしたわね。 地上では相当な実力者みたいですけど、 誘いに乗ってきますかしら?」
シュウ「乗りますよ。彼は劇場型政治が好きなようですし…… むしろ、この状況を利用するでしょうね」
サフィーネ「そこに付け入る隙が出来ると?」
シュウ「ええ。 鋼龍戦隊にはもっと自由に動いてもらった方が いいですからね……私が一肌脱ぐとしましょう」
サフィーネ「お手伝いしますわ、色々な意味で♥」
シュウ「……それより、準備はいいですね?」
サフィーネ「はい。 シュウ様のグランゾンを介してサンプリングし、 ネットにアクセスを……」
チカ「あっ、ご主人様! ゲストが来ましたよ!」
シュウ「では、一芝居打ちましょうか…… あの南極事件以上の、ね」
(西側にゲスト軍が出現)


第22話
バイスタンダーズ

〔戦域:地球衛星軌道上周辺〕

(北東端で出撃準備)
エルマ「……シラカワ博士達とゲスト軍が接触しました。 また、地球側から上昇して来る物体を感知…… ガイアセイバーズ所属の戦艦だと思われます」
セレーナ「双方共、素直にテーブルに着くなんてね」
アルバーダ「連中にとって、シュウのセグンド・プラトは 自分の舌で味わいたくなるぐらい魅力的だってことか」
セレーナ「陰謀説の信憑性が増したわね」
アルバーダ「ああ……単なるスキャンダルだったら、 今頃騙し討ちを仕掛けてるさ」
アルバーダ「なのに、わざわざゼゼーナンが出向いてくる理由…… そいつは、シュウのネタが奴にとって致命的であり、 自分の手で隠滅せざるを得ないからだろうな」
ヨン「………」
アルバーダ「エル公、食事会の様子はどうだ?」
エルマ「ゲスト、ガイアセイバーズ共に 機動兵器部隊を展開中ですが、 交戦する素振りは見せていません」
セレーナ「アルテウル・シュタインベックも相当な物好きね。 メニューはシェフにお任せなのに」
アルバーダ「俺だって、料理人の腕前が折り紙付きだったら、 闇鍋でも食い付くさ」
エルマ「アルバーダさんなら、 闇鍋っていうだけで興味を示すでしょ」
アルバーダ「ま、そうだが……他の見物客はいるか?」
エルマ「今の所、見当たりません」
セレーナ「連邦軍は今回の密談をスルーする気かしら。 それとも、私達だけで充分だって言うの?」
アルバーダ「別の手段で覗き見してんだろ。 エル公、裏で何が起きるかわからねえからな、 軍関係だけじゃなく、一般のネットも監視しとけよ」
エルマ「ラジャ」
アルバーダ(さて、どうなることやら……)
(セレーナ機に警告シグナル)
エルマ「高速飛行物体、接近!  6時方向、俯角20より斜行! 数は1!」
アルバーダ「状況が動いたか……!」
セレーナ「識別は?」
エルマ「該当データあり……サイバスターです!」
セレーナ「え!?」
ヨン「どうしてこんな所に……!?」
エルマ「サイバスターだけじゃありません!  9時方向、俯角10からも高速飛行物体が接近中!  数は3!」
エルマ「シラカワ博士から提供されたデータと一致!  グランヴェール、ガッデス、ザムジードです!」
ヨン「地上で魔装機神が勢揃いするなんて……!」
アルバーダ「シュウが呼び出したんだろう。 サフィーネとそんな話をしてたからな」
ヨン「でも、何のために……」
アルバーダ「もしかしたら、シュウは ここで諸々の決着を付けるつもりかも知れねえ」
ヨン(いけない、マスターに連絡しなければ……!)
エルマ「み、皆さん、この映像を見て下さい!」
アルバーダ「何だ?」
エルマ「今、ネットで流されているものです!」

(エア・クリスマス ブリッジ)

アルテウル「……この場に出向いたということは 当方の申し出を受諾したと解釈していいな?」
ゼゼーナン「月を差し出す代わりに、しばらくの交戦停止か。 検討に値する条件ではある」
ゼゼーナン「衛星の制圧など、自力で成し遂げられるとは言え、 無駄に戦力を消耗する愚は避けたい」
ゼゼーナン「そして、かの南極事件の如き茶番劇もな。 貴様達は我らに対し、恭順の意を示したにも 関わらず、叛旗を翻したのだ」
アルテウル「あの反乱を主謀したDCは粛清された。 そして、まもなく私は地球圏の代表権を得る」
ゼゼーナン「にわかには信じ難いな」
アルテウル「私は権力と武力を同時に握りつつある。 それを妨げる者は、例え大統領であっても排除する」
アルテウル「いや……既に排除した。鋼龍戦隊を利用してな」

〔戦域:地球衛星軌道上周辺〕

アルバーダ「こりゃ、とんでもねえ映像が 飛び出してきやがったな……!」
セレーナ「陰謀を暴くって、このこと?」
ヨン「でも、いったいどうやって あのような映像を……!?」
アルバーダ「シュウが会談場を設けて、隠し撮りをしてたのか?」
エルマ「そんなことをしている時間があったとは 思えませんが……」
(セレーナ機に警告シグナル)
エルマ「セレーナさん、ガイアセイバーズがゲストに対し、 砲撃しつつ後退していきます!」
セレーナ「さすがに食事会はお開きってわけね」
アルバーダ「慌てて逃げ出したとも受け取れるがな。 エル公、シュウ達は?」
エルマ「ノルス・レイとガディフォールが こちらへ接近中です!」
(北端にノルス・レイとガディフォールが出現)
アルバーダ「テリウス、シュウとサフィーネは?」
テリウス「あの二人は残ったよ」
アルバーダ「何……?  あいつら、ゲストや魔装機神と戦う気なのか?」
モニカ「いえ、シュウ様とサフィーネは マサキ達に力を貸されておられますわ」
アルバーダ(なら、奴の本命は……!)
モニカ「では、シュウ様のお言いつけ通り、 私達で退路の確保を……」
(セレーナ機に警告シグナル)
エルマ「前方宙域に重力震反応!  何者かが転移出現してきます!」
(南西端にゼラニオが転移出現する)
セレーナ「あれは……!」
エルマ「ゲストの戦艦です!」
(ライグ=ゲイオスとカレイツェドが3機出現)
キナハ(ガイアセイバーズは撤退しましたか…… こちら側でもデータが欲しかったのですが、 僅差で間に合いませんでしたね)
アルバーダ「あいつら、後詰めでやって来たのか……!?」
ヨン(……反応が違う……どういうこと?)
テリウス「こんな所にも敵がいるなんて…… さっさと引き揚げてきた意味がないじゃないか」
キナハ「おや、あんな所に小虫が」
(ガディフォールを指す)
キナハ「ふむ、このエネルギー反応…… 魔装機神サイバスターのデータと少し似ていますね。 もしや、同類機?」
キナハ「わざわざ出向いた以上、 徒手で帰るわけにはいきません。 あれをいただいていきましょうか」
(敵機が更に出現)
アルバーダ「チッ、こっちに仕掛けて来る気か!」
テリウス「面倒だな……僕は離脱してもいいかい?」
セレーナ「それが簡単に出来ればね。 下手をしたら、挟み撃ちに遭うわよ」
アルバーダ「逃げ道を作るためにも、やるっきゃねえってこった!」
テリウス「わ、わかったよ」
キナハ「地球の蛮奴相手に 時間と弾薬を浪費するつもりはありません。 効率良く、速やかに事を進めましょう」
(作戦目的表示)

〈4PP or 敵機24機以上撃墜〉

(セレーナ機に警告シグナル)
エルマ「セレーナさん、 シラカワ博士とサフィーネさんが戻って来ました!」
セレーナ「向こうの用事は済んだみたいね」
(北西端にネオ・グランゾンとウィーゾルが出現)
サフィーネ「シュウ様、あの軍勢は……」
シュウ「どうやら、別の見物客がいたようですね」
キナハ「フッ、あれが強化型のグランゾンですか……」
シュウ(……先程の戦闘でもそうでしたが、 今回のバイオロイドに対して、以前使った NNCネットワークのワームは通用しませんね)
シュウ「チカ、オープン・チャンネルで あの指揮官機に呼び掛けます」
チカ「あれ、人間が乗ってるんですか?」
シュウ「そうであれば、必ず私に応えますよ」
(ライグ=ゲイオスに通信)
キナハ「む?」
シュウ「そこのあなた……聞こえますか?」
キナハ「ほう、私に語りかけてくるとは……」
シュウ「ゼゼーナン卿は撤退しましたよ。 後を追わなくていいのですか?」
キナハ「それは私の仕事ではなくてね。 ここで君と戦うことは望ましくありませんが……」
キナハ「折角の機会です。 少しお手合わせ願いましょうか、シュウ・シラカワ」
シュウ(やはり、私を知っていましたか)
シュウ「……構いませんが、後悔することになりますよ。 ゼゼーナン卿と同じようにね」
(作戦目的表示)

〈vs キナハ〉

[シュウ]

キナハ「強化型のグランゾン…… さて、どのような技術を新たに組み込んだのやら」
シュウ「フッ……それは、あなた達でも解析不可能ですよ」

[サフィーネ]

キナハ「その機体をいただきましょうか。 用いられている技術に興味がありますので」
サフィーネ「あら、私はスルー? つまんない男ねぇ」

[モニカ]

キナハ「大人しくその機体を差し出せば、 蛮奴と言えど、命は助けてあげてもいいですよ」
モニカ「あなたに命乞いをするつもりなんてありませんわ!」

[テリウス]

キナハ「性能はサイバスターより劣るようですが…… 手土産としての価値はありますね」
テリウス「ちぇっ、ここにマサキがいたら、 僕は狙われずに済んだのに……」

[アルバーダ]

キナハ「君のような蛮人に用はありません。 さっさと死んでもらいますよ」
アルバーダ「ふん、いけすかねえ野郎だ……大損させてやるぜ!」

[セレーナ]

キナハ「興味があるのはグランゾンと魔装機…… 君の機体は、どうでもいいですね」
セレーナ「中身を軽視すると、酷い目に遭うわよ」

[ヨン]

キナハ「地球の蛮奴に このライグ=ゲイオスの力をお見せしましょう」
ヨン(もしかして、彼らは……)

状況選択

敵機を35機以上撃墜した
ライグ=ゲイオスを撃墜した
ライグ=ゲイオスのHPを35000以下にした


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