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扉の外 ~ 第21話 ~

《神聖ラングラン王国 バオダ州》

[地下神殿跡]

アルバーダ「……やれやれ、エル公のサポート付きとは言え、 あんな細かい作業をやらされるとはな」
エルマ「ゲシュペンストとプファイルIIIは 手先が器用ですからね。ご先祖様は建設機械ですし」
アルバーダ「まあ、現場でもパーソナルトルーパーを クレーン代わりにして、装甲の交換や オプション・パーツの換装なんかはやるけどよ……」
アルバーダ「こっちは冷や汗もんだったぜ。 指の加圧を間違えりゃ、耳飾りとか ポッキリいきそうだったし」
ヨン「ノルス・レイは より繊細で女性的なデザインになってますからね」
(足音)
モニカ「お疲れ様ですわ。 皆さんにお手伝いをしていただいたおかげで、 ノルスの改装が早く終わりました」
アルバーダ「そりゃまあ、敵がこのアジトへ踏み込んでくる前に 事を済まさなきゃならなかったしな」
エルマ「でも、あれから誰もここへ来ていません。 アハマドさんの言ったことは本当だったんですね」
アルバーダ「それよか、教団の追っ手が未だに現れねえのが かえって不気味だぜ」
ヨン「ええ、彼らはこの場所を知っているはずなのに……」
エルマ「ヴォルクルスの消滅によって、 教団内部が混乱しているんでしょうか」
アルバーダ「そうかも知れんが、シュウは教団の仇敵なんだぜ?  放置する理由がわからん」
アルバーダ「手柄を立てるために、あいつの命を狙う奴が ぞろぞろ出て来たって、おかしくねえんだ」
ヨン「……シラカワ博士が 故意に泳がされているという線はないでしょうか」
アルバーダ「それこそ、何のためにだよ?」
ヨン「教団のトップにとって、 博士の反逆は想定内だったからとか……」
ヨン「あるいは、今回のヴォルクルスの復活と消滅は、 教団の大きな計画の一部に過ぎないとか……」
アルバーダ「随分と逞しい想像力だな」
ヨン「ええ、まあ……自分でもそう思いますが……」
アルバーダ「何にせよ、そろそろ地上へ帰してもらいてえもんだぜ。 面倒事が起きる前にな」
ヨン(そう……早く戻らなきゃ、マスターの計画が……。 でも、シラカワ博士がここにいる以上は……)
モニカ「シュウ様は必ず約束を守られますわ。 その前に……お洗濯致しますから、 後でお召し物を出して下さいませ」
アルバーダ「へ?」
モニカ「ですから、お召し物を。 今日は久しぶりにいいお天気ですから、 外で干せますので」
アルバーダ「いやいや、いくら何でも 王女さんに洗濯をやらせられっかよ」
モニカ「あら、シュウ様やテリウスの分もありますし…… 私、お洗濯が好きですから」
アルバーダ「いやいやいや、エル公にやらせるって」
エルマ「えっ、ボクが?」
アルバーダ「ああ、選択権はねえぜ。洗濯だけによ」
(足音)
サフィーネ「あら、上手いこと言ったつもり?」
アルバーダ「るせえな。遅い帰りだったじゃねえか」
セレーナ「それだけ色んな出来事が起きてたってことよ」
サフィーネ「そう、シュウ様の予想は当たっていたわ」
アルバーダ「ってことは、フェイル王子が……」
セレーナ「ええ、彼は即位した後、 シュテドニアス連合に対して宣戦布告したわ」
ヨン「えっ……」
アルバーダ「おいおい、意趣返しか?  国がガタガタだってのに、勝算が…… いや、魔装機神鋼龍戦隊が切り札か」
サフィーネ「ご名答」
セレーナ「最終的にはラ・ギアスを 武力統一するつもりだったみたい。 それが平和への近道だってね」
アルバーダ「まるでビアン・ゾルダークだな。 鋼龍戦隊の連中がすんなり乗ったとは思えねえが」
セレーナ「そう、だから……」

[地下神殿跡]

テリウス「そうか……結局、フェイル兄さんもカークス将軍も 死んじゃったのか……」
シュウ「……フェイルロードに引導を渡したのは?」
サフィーネ「マサキです」
モニカ「……!」
シュウ「そうですか……。 フェイルロードは苦しまずに逝ったのでしょうか」
モニカ(お兄様……)
テリウス「これから……ラングランはどうなるんだろう」
サフィーネ「シュテドニアス軍が撤退したとは言え、 しばらくの間は内戦の事後処理でゴタゴタするわね」
シュウ「……テリウス、あなたが王位につきますか?」
テリウス「柄じゃないよ、僕は。 それに、王位継承権を持っているのは 僕やモニカ姉さんだけじゃないし……」
テリウス「今は王位より興味深いことがあるからね。 クリストフ、君がこれから何をするのか、 僕が見届けてやるよ」
サフィーネ「あらあら、 一人前の口を利くようになったわね、坊や」
シュウ「精々退屈させないように心掛けましょうか」
アルバーダ「……で、鋼龍戦隊の連中は今、何やってんだ?」
セレーナ「もう地上世界へ戻ったって」
ヨン「ほ、本当なんですか?」
セレーナ「ええ。ラングランだけじゃなく、 シュテドニアス側でも地上人を送還してるみたい」
セレーナ「もっとも、 バゴニアで会ったトーマス・プラットみたいに 望んでラ・ギアスに残る者もいると思うけど」
アルバーダ「俺達は御免だ。 約束通り、地上へ帰してもらおうか」
シュウ「ええ、わかっていますよ」
ヨン(でも、私達だけじゃ困る……。 どうしよう……今、訳を話すわけには……)
アルバーダ「その前に、一つ条件がある。 シュウ、あんたも一緒に地上へ来てもらうぜ」
シュウ「ほう、何故です?」
アルバーダ「俺達だけで変な所へ放り出されたら、 たまらねえからな」
シュウ「私がそんなことをすると思っているのですか?」
アルバーダ「保険だよ、保険」
シュウ「心配は無用です。 私も地上世界へ行くつもりですから」
ヨン「!」
アルバーダ「ほう、何の用事で?」
シュウ「知りたいですか?」
セレーナ「まあ、興味はあるわね」
シュウ「引き続き地上でも私に協力していただけるのなら、 お教えしてもいいですよ」
セレーナ「え……?」
アルバーダ「協力って……本気か?  あんた、地上じゃ俺達連邦軍に追われる身なんだぜ」
シュウ「では、戻ったら、あなたも私に刃を向けますか?」
アルバーダ「………」
シュウ「むしろ、私の申し出は そちらにとって好都合だと思っていましたが」
アルバーダ(こいつ……)
シュウ「あなた達には、私のことを 上に報告する義務があるはず……」
シュウ「どうせなら、私の行動を最後まで見届けた上で そうしませんか?」
アルバーダ(ふん、足下を見やがって……)
ヨン「あ、あの……協力って、何をすればいいんですか?」
セレーナ(……先に突っ込んだわね)
シュウ「私の敵と戦っていただきます。 あなたにそれが出来ればの話ですがね」
ヨン「……!」
アルバーダ「敵って、何だよ?」
シュウ「連邦軍、そして鋼龍戦隊ではありません。 私と因縁があり、地球人の主権を脅かす者達と 言っておきましょうか」
セレーナ「もしかして、インスペクター?  それとも、こないだ言ってたゲスト?」
シュウ「直にわかりますよ」
アルバーダ「……いいだろう、あんたの話に乗ってやるぜ」
シュウ「では、一つ条件があります」
アルバーダ「あんたの用事が済むまで、 上に連絡を入れたり、接触するなってか?」
シュウ「察しがいいですね。 連邦軍や連邦政府の中には、私のことを 快く思っていない者が大勢いますから」
アルバーダ「ふん、わかったぜ」
セレーナ「とりあえず、ここで世話になったお礼は しなきゃならないと思ってたしね」
シュウ「ヨン、あなたもよろしいですか?」
ヨン「……はい」
ヨン(ここでシラカワ博士から 離れるわけにはいかないもの……)
シュウ「わかりました。 サフィーネ、エーテル通信機の中継装置は?」
サフィーネ「ご命令通り、ここから離れた所に設置致しました。 逆探知対策も万全です」
サフィーネ「仮にヤンロンやマサキ達が装置の場所を突き止めても、 私達が地上のどこにいるかまではわかりませんわ」
アルバーダ(地上からマサキ・アンドーに連絡を入れるってのか?  何のために?)
シュウ「では、ここを出ましょう。皆さん、機乗して下さい」

〔戦域:草原周辺〕

(中央に味方機が並んでいる)
アルバーダ「ふうん……ゲートを開く場所はともかく、 時間は選ばねえんだな」
テリウス「何でそんなことを聞くんだ?」
アルバーダ「地上の伝説じゃ、異世界への入口ってのは 開く時間や場所が決まってることが多いのさ。 湖面に浮かんだ満月や真夜中の合わせ鏡とかな」
テリウス「ああ、ラ・ギアスにも似たような話があるよ」
アルバーダ「とは言え、俺やセレーナは いきなりこの世界へ召喚されちまったけど」
シュウ「あなた達の場合は事故に近いケースでしょうからね。 ゲートを安定した状態で開くには、 いくつかの条件が必要となるのです」
ヨン「じゃあ、失敗する可能性も……」
シュウ「ええ。ゲートは境界空間の状態にも 左右されますから……下手をすれば、 私達は次元の狭間を彷徨うことになります」
アルバーダ「おいおい、 干物を食うのは好きだが、なるのは御免だぜ」
シュウ「ご心配なく。地上にもゲートを開き、 安定させ易い場所があるのです」
アルバーダ「ほう、どこなんだ?」
シュウ「バミューダ海域やチベットの奥地などですね」
アルバーダ「じゃあ、今からそのどっちかに行くのか?」
シュウ「いえ、地上での私のアジトがある場所…… 南アメリカ付近と言っておきましょうか」
ヨン(宇宙空間じゃないのね……)
アルバーダ「南アメリカか……」
(アルバーダ機に通信)
アルバーダ(ん? プライベート通信か)
セレーナ「ねえ、アル。 地上に戻ってもミッション・デビルは続行?」
アルバーダ「それを判断するのは俺じゃねえ。 とりあえず、ここであったことは上に報告するがな」
エルマ「ですが、シラカワ博士は連絡をするなと……」
アルバーダ「エル公、お前がそんなことでどうすんだ。 俺達の任務を忘れたか。奴にバレねえよう 隊長へレポートを送れ」
エルマ「ラ、ラジャ」
セレーナ「地上に戻ったら、本来の命令通り、 シュウの身柄を拘束した方が良くない?」
アルバーダ「得策じゃねえな」
セレーナ「でも、シュウの目的は今回ではっきりしたじゃない。 ヴォルクルスを倒して、自由になるっていう……」
アルバーダ「いや、新たな謎が出て来ただろ。 奴がこれから地上で何をするつもりなのか…… そいつを探れっていう命令が下るさ、きっとな」
セレーナ「それを見越した上で、シュウの話を受けたの?」
アルバーダ「ああ、 上の連中が結論を出すまでの時間稼ぎでもある」
セレーナ「だったら、いいわ」
アルバーダ「何だ、やけにあっさりと……いや、俺を試したな?」
セレーナ「心配してるのよ、これでもね」
アルバーダ「ふっ、 お前にそういうことを言われるようになるたあ……」
セレーナ「柄にもないって?」
アルバーダ「いや、お前がジェルバに入ったばかりの時を 思い出したのさ。あの頃は愛想のいい笑顔を 浮かべながら、周囲を拒絶してたからな」
セレーナ「……アルやみんなには感謝してるわ。 そのおかげで私は仮面を捨てられたもの」
アルバーダ「隊長達はともかく、俺はお前に礼を言われるほど 上等な人間じゃねえよ」
セレーナ「それはお互い様よ。アルも知っての通りね」
エルマ「あの、すみません」
セレーナ「何?」
エルマ「ボク達、地上じゃMIA認定されているかも 知れませんよね」
アルバーダ「まあな」
エルマ「グランゾンと一緒にいる所を他の人達に見られたら、 ただじゃ済まないですよね」
アルバーダ「極秘任務中ってことで、やり過ごすしかねえだろ」
エルマ「でも、問答無用で攻撃されるケースも……」
アルバーダ「ま、シュウは それを踏まえての弾避け兼免罪符代わりとして、 俺達を利用するつもりだろうよ」
エルマ「あの……もしかして、シラカワ博士は ボク達の任務に気づいているんじゃないでしょうか」
アルバーダ「その可能性は高いな。 あと、エル公……地上に戻ったら、念のために ヨンの部隊のことを調べといてくれ」
エルマ「ラジャ。ボクもそのつもりでした」
シュウ「……皆さん、ゲートを開きますよ」
アルバーダ「ちょっと待った。 俺達が出る先は、安全なんだろうな?」
シュウ「ええ、私のアジトの近くに 出口として確保している場所があります。 第三者がいる可能性は、まずないでしょう」
シュウ「それに、ゲート開放と同時に私の機体を中心として 球状の歪曲フィールドを展開しますから……」
シュウ「向こう側に何者かがいたとしても、 押し潰されてしまいますよ」
アルバーダ「やれやれ、物騒な話だな」
シュウ「では、ゲートを開いて、地上世界へ赴きます。 向こうへ着くまで、機体を動かさないで下さい」
セレーナ「わかったわ」
アルバーダ(……アディオス、ラ・ギアス。 もう戻って来ることはねえだろうがな……)
【デモムービー『ゲート開放』】


第21話
扉の外

〔戦域:海岸部周辺〕

(北東端の森上に出現、出撃準備)
アルバーダ「よし、ゲートを抜けたか!」
セレーナ「エルマ、念のために現在位置を確認して」
エルマ「ラジャ」
サフィーネ「シュウ様、この場所は……」
シュウ「ええ……地上には出たものの、位置がずれましたね」
シュウ(しかも、時間まで……)
アルバーダ「おい、そりゃどういう……」
(味方機の周りに爆煙多数)
アルバーダ「くうっ!?」
ヨン「こ、攻撃!?」
エルマ「アンノウン、多数接近! 2時方向より真っ直ぐ!」
(海側にルイーナ機が出現)
サフィーネ「何なの、あいつら……!?」
テリウス「地上に出た途端、襲われるなんて 話が違うじゃないか……!」
アルバーダ「出口も違ったみてえだがな。 識別信号を出してなかったのが仇になったか」
セレーナ「エルマ、該当するデータは?」
エルマ「いえ、ありません」
ヨン(こちらにもないわ……!)
アルバーダ「じゃあ、新顔の敵かよ?」
シュウ「彼らは、修羅のように別世界から到来した 敵性集団かも知れませんね」
アルバーダ「推測してるってことは…… あいつら、あんたが言ってた敵じゃねえのか」
シュウ「ええ」
アルバーダ「何にせよ、あんなのがうろついてるとなると こっちはこっちで面倒事が起きてるみてえだな」
シュウ「まずはこの場を切り抜けましょう。 皆さん、迎撃して下さい」
(作戦目的表示)

〈敵機20機以上撃墜〉

(セレーナ機に警告シグナル)
エルマ「セレーナさん、またこちらへ接近する物体が!  数は1です!」
セレーナ「今度は何よ!?」
エルマ「今回も該当するデータはありません!」
(南西の海の上にプリスクス・ノクスが出現)
ウンブラ(……希有な波動の発信源はここか……)
アルバーダ「ふん、いかついのが現れやがったな。 アンノウンが迎撃しねえのなら、連中の仲間か」
モニカ「あの機体……この感じは……」
アルバーダ「どうしたんだ、王女さん?」
モニカ「暗くて、冷たい闇…… 澱んだプラーナのようなものを感じます……」
ウンブラ(波動が揺らいだ……私に気づいたか)
(プリスクス・ノクスから通信)
ウンブラ「血と肉、知恵を持つ者達よ、聞くがいい。 我はルイーナ……メリオルエッセのウンブラ」
アルバーダ「通信を入れて来やがった!」
ヨン「なら、あれには地球の人間が……!?」
シュウ「それはどうでしょう。 ただ、ルイーナ、メリオルエッセ、ウンブラという 言葉はラテン語のようですがね」
セレーナ「そうなの、エルマ?」
エルマ「ボクのデータベースによれば、 ルイーナはラテン語で『破滅』や『廃墟』、 メリオルエッセは『より良い存在』……」
エルマ「そして、ウンブラは『影』を意味します」
シュウ「ルイーナは彼らの総称、 メリオルエッセは指揮官的な立場の者の 名称ではないでしょうか」
アルバーダ「つーか、何でラテン語なんだ?」
ウンブラ「人間よ……我らに畏怖せよ。 そして、その負の波動が“破滅の王”を 彼の地より呼び寄せる……」
セレーナ「“破滅の王”……?」
アルバーダ「名前からして、奴らの総元締めっぽいな」
ヨン「呼び寄せる……ということは、 まだこの世界には現れていない……?」
セレーナ「出て来たら、何が起きるのよ?」
ウンブラ「この星と共に、生きとし生けるものが滅びる…… 我らルイーナも然り」
ヨン「えっ……!?」
セレーナ「言ってることが 何となくヴォルクルス教団と似てるわね」
テリウス「くっ、どうしてあんな連中と 戦わなきゃならないんだ……」
ウンブラ「その怯え、恐怖…… 我らルイーナが“破滅の王”の糧として望むもの」
ウンブラ「耐え難き辛苦の中で己の運命を呪い、 肉の体より負の波動と赤き血を迸らせよ」
テリウス「な、何を……!」
シュウ「テリウス、恐れてはなりません。 あの者の思う壺ですよ」
シュウ「それに、あなたはヴォルクルスと戦って 生き残ったのです。自分の力を信じなさい」
テリウス「あ、ああ……!」
シュウ「ウンブラ……あなたの狙いは、この私でしょう?」
ウンブラ「そうだ…… そのマシーンから生じる希有な波動……興味深い」
シュウ「それで、どうするというのです?」
ウンブラ「破滅を定められし者達よ…… 怨嗟と絶望と共に死を迎え、我が王の糧となれ」
シュウ「私の機体に秘められた力は、 あなた達が好きに出来るものではありませんよ」
アルバーダ「こっちは破壊神と戦ったこともあるんでな…… ちょっとやそっとのことじゃ、絶望しねえぜ!」
(作戦目的表示)

〈vs ウンブラ〉

[シュウ]

ウンブラ「その波動……“破滅の王”への極上の糧となろうぞ」
シュウ「では、先にあなたが味わいなさい。 このネオ・グランゾンがもたらす恐怖をね」

[サフィーネ]

サフィーネ「あなたの言う恐怖や苦しみって、 どの程度のものかしら?」
ウンブラ「ならば、望み通りに至上の悶苦を与えよう」
サフィーネ「うふふ、楽しみだわ♥」

[モニカ]

モニカ「“破滅の王”…… 地上世界にもヴォルクルスのような存在が……」
ウンブラ「その波動……恐怖で染まれば、良い糧となろうぞ」
モニカ「シュウ様が一緒にいて下さるなら、 怖いものなどありませんわよ!」

[テリウス]

ウンブラ「お前からは効率良く負の波動を得られそうだな」
テリウス「あんたがヴォルクルス以上の力を 持っていたらの話だけどね……!」

[アルバーダ]

アルバーダ「てめえの肝試しがどれほどのものか、 見せてもらおうじゃねえか!」
ウンブラ「その闘志が恐怖へ転じた時、 質の高い負の波動を生み出すのだ」
アルバーダ「ふん、生半可な出し物は通用しねえぜ!」

[セレーナ]

ウンブラ「人よ、あがけ…… 我が力に屈し、苦悶する様を見せるのだ」
セレーナ「……もし、あんたが私を本当に絶望させられたら…… その時、見るのは笑顔になるかもね」
エルマ「セレーナさん……」
セレーナ「さあ、行くわよ、エルマ!  あいつに見せるのは、情熱のバイレだからね!」
エルマ「ラジャ!」

[ヨン]

ヨン(地球上でルイーナが活動しているのなら、 彼らは今、何を……?)

[HP30000以下]

ウンブラ「なるほど…… あの者が彼らの要となっているが故に……」
シュウ「あなたが私達の意力を 低く見積もっていたからですよ」
ウンブラ「だが、滅びの運命からは逃げられぬ……」
(プリスクス・ノクスが撤退)
アルバーダ「退いたか……」
セレーナ「結局、連邦軍は来なかったわね」
アルバーダ「ルイーナに対応しきれてねえのなら、 かなり厳しい情況なのかもな」
セレーナ「ともかく、情報が欲しいわ。 シュウ、あなたのアジトはここから近いの?」
シュウ「そうですね……海へ出て、1時間ほど移動すれば」
アルバーダ「もしかして、あんたのアジトは海の上にあるのか?」
シュウ「ええ…… 正確に言えば、私が所有している小さな島ですが。 早速、向かいましょう」

《大西洋上》

[シュウのアジト(指令室)]

シュウ「なるほど…… 私の想像以上の事態が起きていたのですね」
ルスラン「あんたにしちゃ、珍しい感想だな」
シュウ「ゲストの襲来は予想していましたが…… ルイーナの存在、そして彼らが次元断層で 地球を包んだ件は、さすがに想定外でしたよ」
ルスラン「ちょっと前まで大変だったんだぜ。 空から太陽や月が消えて、 真っ暗になってたんだからな」
シュウ(私達の出現位置がずれたのは、 ルイーナの次元断層によって境界空間が 不安定になっていたからかも知れませんね……)
ルスラン「幸い、次元断層は消えたが…… 南極や南米じゃ、ルイーナが暴れてる」
シュウ「ここへ来る前に彼らと接触しましたよ」
ルスラン「そりゃ、災難だったな」
シュウ「それで、鋼龍戦隊がグライエン・グラスマン大統領を 殺めた件ですが……」
ルスラン「ああ、あれはガイアセイバーズの…… アルテウル・シュタインベックの陰謀だ。 事故を装った暗殺だよ」
シュウ「確証はあるのですか?」
ルスラン「俺はレーツェルや鋼龍戦隊の連中から 直接事情を聞いてるんだ。今、あいつらは ガイアセイバーズに追われて逃げ回っているがな」
シュウ「……そうですか」
ルスラン「アルテウルは怪しいって言葉じゃ済まねえぜ。 異星人と手を組んでるって噂もあるしよ」
シュウ「実際に彼はインスペクターとのパイプを 持っていると思いますよ」
シュウ「おそらく、彼らからの情報提供によって、 ゲスト襲来のタイミングを知っていたのでしょう」
ルスラン「鋼龍戦隊の連中もそう言ってたぜ。 ガイアセイバーズと連邦軍が、ああも見事に ゲストを撃退したことには裏があるってよ」
シュウ「インスペクターとゲストは、 出自が同じでも折り合いが悪いですから…… 片方の失敗は、もう片方にとって都合がいいのです」
シュウ「また、ガイアセイバーズは世間や連邦軍に対し、 自分達の存在と力を誇示する必要があった……」
シュウ「それを成し遂げるには、 派手な戦果を挙げることが最も効果的です」
シュウ「ガイアセイバーズとインスペクター…… 両者の利の一致が、ゲストの奇襲作戦失敗に つながったのでしょう」
ルスラン「……見事な推論だねぇ」
シュウ「ところで、ルスラン…… あなたに頼みがあるのですが」
ルスラン「おう、何だ?」
シュウ「航宙輸送艦を一隻、都合できませんか?  しばらくの間、宇宙で活動することになるので」
ルスラン「俺に頼むってことは……密輸業者の艦をお望みか」
シュウ「ええ、連邦軍やイスルギ重工に 依頼するわけにはいきませんからね」
ルスラン「相当高くつくぜ?  月やその周辺には、ゲストがうじゃうじゃいるからな」
シュウ「金に糸目は付けませんよ」
ルスラン「OK、なる早で手配してやる。 他には?」
シュウ「最後に聞きたいことが…… 鋼龍戦隊は、孤立している状態なのですか?」
ルスラン「いや、ギリアム・イェーガーが合流したからな…… 軍情報部とはつながってると思うぜ」
シュウ「わかりました」
ルスラン「それじゃ、今回の情報料金は 口止め料込みで3割増しな」
シュウ「口止め料?」
ルスラン「あんたが動いてるってこと、 連邦軍や鋼龍戦隊に知られたくないだろ?」
シュウ「別に構いませんよ。 後者とはいずれ出会うことになりますから」
シュウ「それに、あなたは私を敵に回すほど 愚かではないでしょう?」
ルスラン「まあ、そうだが……2割増しでどうよ?」
シュウ「1割ですね」
ルスラン「さっき、金に糸目はつけねえとか言ってなかったか?  ……1割5分だ」
シュウ「フッ……いいでしょう」
ルスラン「なら、いつもの口座に頼むぜ。 輸送艦が手配できたら、連絡する。 じゃあな」
(通信が切れる)
チカ「……あいつ、ご主人様に吹っ掛けてくるなんて いい根性してますねぇ」
シュウ「一癖ありますが、信用できる人物ですよ。 鋼龍戦隊絡みの者ともつながりを持っていますが、 私に関する情報を漏洩したことはありませんし」
チカ「それで口止め料を請求してきたんですか?  がめついなぁ」
サフィーネ「あんた、他人のことを偉そうに言えるの?」
シュウ「さて……これでだいたいの情況は把握できました」
サフィーネ「地上はラ・ギアス以上に大変ですのね」
シュウ「ええ……ルイーナとメリオルエッセはともかく、 “破滅の王”は厄介な存在です」
シュウ「もし、こちら側へ出て来るようなことがあれば、 地上世界だけでなく、ラ・ギアスにも 災厄をもたらしかねません」
チカ「えっ、そうなんですか!?」
サフィーネ「何か手を打たれますの?」
シュウ「そうですね…… ルスランの話によれば、鋼龍戦隊には ルイーナとの因縁を持つ者がいます」
シュウ「地球連邦軍の上層部が 彼らを見放していないということは……」
シュウ「後々のルイーナとの決戦に 投入するつもりかも知れません」
チカ「ご主人様を酷い目に遭わせた連中がどうなろうと 知ったこっちゃないですけどね」
シュウ「いえ、そういうわけにはいきませんよ」
サフィーネ「もしや、シュウ様…… 鋼龍戦隊に協力なさいますの?」
シュウ「直接的にではありませんが……今の彼らの立場を 少しでも改善させる必要があると思っています」
チカ「どうやってですか?」
シュウ「ガイアセイバーズとゲストを 私が用意する舞台へ招待し、彼らの陰謀を暴きます」
チカ「ええっ!? それこそ、どうやって!?」
シュウ「色々と準備が必要です。 ところで……ヨンは今、どこに?」
サフィーネ「え? 地下格納庫にいると思いますが……」
シュウ「では、彼女をここへ呼んで下さい。 二人きりで話をしたいので」
サフィーネ(シュウ様、ヨンに何を……?)

(浜辺)

アルバーダ「エル公、周辺に他の連中はいねえだろうな?」
エルマ「ええ、センサーに反応はありません」
アルバーダ「よし、つないでくれ」
エルマ「ラジャ」
(通信がつながる)
シンフォーニア「……アルバーダ、セレーナ、無事で何よりだ」
セレーナ「隊長……!」
シンフォーニア「レポートは読んだ。お前達が異世界へ転移し、 ターゲットと接触していたとはな」
アルバーダ「まあ、それからが大変だったんですがね」
セレーナ「隊長、ラ・ギアスへ飛ばされたのは 私とアルだけだったんですか?」
シンフォーニア「そうだ。 皆でお前達のことを心配していたが、 機体の破片が見つからなかったからな……」
シンフォーニア「必ず生還すると信じていた」
アルバーダ「へへ……隊長の教えあってのことでさあ」
セレーナ「私もです」
シンフォーニア「うむ。 それで、ミッション・デビルについてだが…… 上の最終的な結論は、まだ出ていない」
シンフォーニア「よって、お前達は現状維持…… 本来の作戦目的と異なるが、ターゲットに同行し、 その動きを監視してもらう」
アルバーダ「やっぱり、そうなりますか」
セレーナ「このままシュウに協力しろと……」
シンフォーニア「その通りだが、 ミッションの第10項は生きている。 いざという時は、お前達の判断に任せる」
アルバーダ「それでいいんですか?  ラ・ギアスにいた時はともかく……」
シンフォーニア「第10項が適用されるような事態が起きた場合、 こちらの判断を仰いでいる時間はなかろう……」
シンフォーニア「私は、お前達の判断を信じる」
アルバーダ「……了解です」
シンフォーニア「ジェルバは現在、オーストラリアで別任務を 遂行中だ。ミッション・デビルをお前達だけに 任せるのは心苦しいが……」
シンフォーニア「上の決断がどうあれ、 無事に任務を終えて生還することを祈っている」
セレーナ「はい。隊長達もご無事で」
シンフォーニア「ありがとうな、セレーナ。 では、また連絡する。以上だ」
(通信が切れる)
セレーナ「……責任重大ね、私達」
アルバーダ「ああ……」

[シュウのアジト 地下格納庫]

ヨン(……そろそろのはずなんだけど……)
(成功シグナル)
ヨン(来た!  さすが、マスター…… いつも通り、返事が早いわ)
(解析)
ヨン(レポートは受け取った……。 現状維持で任務続行……接触のタイミングは 後日連絡する……)
ヨン(ふふっ、いつも通りの素っ気ない返事……)
ヨン(でも、現状維持ということは、 まだ事情を明かしてはいけないのね……)
ヨン(宇宙へ上がって、私の艦に合流できれば 後々楽になるんだけど……)
(足音)
サフィーネ「ヨン」
ヨン「サ、サフィーネさん……」
サフィーネ「何をしていたの?」
ヨン「え? そ、その……腕時計の調子が悪くて」
サフィーネ「ふ~ん、そう」
ヨン「あの……何か御用ですか?」
サフィーネ「シュウ様がお呼びよ。 あなたと二人だけで話がしたいって」
ヨン「えっ……!?」

REPORT
強化パーツ『メガブースター』を入手しました。
強化パーツ『スラスターモジュール』×2を入手しました。
強化パーツ『オリハルコニウム』を入手しました。

REPORT
強化パーツ『カートリッジ』を入手しました。
強化パーツ『スーパーリペアキット』を入手しました。
強化パーツ『SPドリンク』を入手しました。

REPORT
換装武器『レクタングル・ランチャー』を入手しました。
換装武器『ネオ・チャクラムシューター』を入手しました。
換装武器『ステルス・ブーメラン』を入手しました。

REPORT
換装武器『リニアミサイルランチャー』を入手しました。
換装武器『G・インパクトステーク』を入手しました。
換装武器『マインドブラスト』を入手しました。

REPORT
換装武器『スピリットドレイン』を入手しました。
換装武器『ウェポンブレイカー』を入手しました。

REPORT
換装武器『MTDMシューター』を入手しました。

REPORT
換装武器『フリー・エレクトロン・キャノン』を入手しました。


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