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デザイア ~ 第59話 ~

〈インペトゥス撃墜〉

イグニス「何だと!? まさか、この俺が!!」
グラキエース「イグニス……」
イグニス「ちきしょう……何でこうなった……!?  俺とお前は同じものだったはずだ……!」
イグニス「お前だけが、必要なものだった……!」
グラキエース「……!」
イグニス「ちきしょう……お前はそこにいるのに、 俺だけが消えたくないぜ……」
グラキエース「イグニス、お前……!」
イグニス「くそっ、人間!  貴様さえ、貴様さえいなければ、 こんなことにはならなかった!」
イグニス「貴様さえいなければ、俺とラキは同じものでいられた!  俺は、俺は貴様が……くそ、何だよ、 この嫌な気分は!」
グラキエース「まさか……」
ジョッシュ「……ああ、そうだ。 イグニス、それがお前の……お前自身の憎しみだ」
ジョッシュ「誰かから与えられたものでも、 誰かの想いを感じ取ったものでもない……」
ジョッシュ「消えたくないという想いは、 お前の悔恨、そして死への恐怖だ」
イグニス「何だと……? これが……これがそうなのか。 これが……俺達が求め、“破滅の王”が 力としてきたもの……」
イグニス「そうか……クッ、ハ、ハハッ、俺は貴様が憎いのか。 これが、憎悪するということなのか」
グラキエース「駄目だ、それでは“破滅の王”に……!」
イグニス「もう……遅い……」
グラキエース「イグニス……」
イグニス「変だな……ラキ…… お前から悲しみの波動を感じるぜ……」
グラキエース「ああ……ああ、そうだ。私は悲しい。 お前が消えてしまう、お前が死んでしまうことが 悲しい……」
グラキエース「確かに、私とお前は同じものだったのだから……」
イグニス「ラ……キ……」
(インペトゥスが大爆発)
グラキエース「イグニス……!」
ウェントス「………」
ジョッシュ(ラキとウェンだけじゃない…… イグニスも……人の感情を……)
(プリスクス・ノクスと多数のベルグランテが出現)
ウンブラ「……アクイラ、コンターギオ、そしてイグニス…… お前達の滅びに、王の祝福が在らんことを」
ジョッシュ「ウンブラ……!」
ウンブラ「悲しみの涙と赤き血は、素晴らしき美酒となり、 呻きと轟く絶叫は、華麗な調べとなる」
ウンブラ「絶望に打ちひしがれる心は、我らルイーナの糧。 そして、幾千万の魂の憎悪と恐怖、幾千万の命の 死と滅びを受けて、“破滅の王”はこの世界へいずる」
ウンブラ「生きとし生けるもの全てを……滅びへ導くために。 この星の破滅を以て、我が王が来たる道を開くのだ」
アクセル「その道とやらが、あのクロスゲートか」
ウンブラ「然り」
コウタ「なら、クロスゲートを作ったのも てめえらなのかよ!?」
ウンブラ「否」
ショウコ「ええっ!?」
ウンブラ「あれは古から存在し、 大いなる破壊、破滅、滅亡を司る存在を招く門……」
ウンブラ「我らにこの世界の知識を与えた者は、 それをファブラ・フォレースと呼んだ」
ジョッシュ「そいつは俺の親父……フェリオ・ラドクリフか!?」
ウンブラ「真実を知ったところで、何も変わらぬよ」
ジョッシュ(否定しなかったな……やはり……!)
アラド「クロスゲートを作ったのは、 ルイーナじゃねえってことなのか……!?」
ラトゥーニ「多分……。 彼らは、元々存在していたものを 利用しただけなのかも……」
ラッセル「じゃあ、いったい誰がクロスゲートを作って、 こんな所に設置したんだ……!?」
カチーナ「今はそんなことをとやかく言ってる場合じゃねえ!  とっととウンブラを倒し、クロスゲートを ブチ壊さねえと!」
タスク「こりゃあ、あれッスよ。 あいつを倒したら、それがきっかけになって ボスが出てくるパターンじゃ……」
キョウスケ「倒さずとも、“破滅の王”は現れる。 やるなら、さっさとやった方がいい。 ……切り札は、先に切った方が負けだ」
タスク「とか言って、今までも結構切ってるような気が~」
カイ「ここで手をこまねいている場合ではない!  各機、攻撃を開始しろ!」
ウンブラ「人よ、その短き旅路もここで終わる。 耐え難き絶望と恐怖の中で。 さあ、お前達のその血を……」
ウンブラ「魂が凍り付く程の憎悪の叫びを。 そして、その死を“破滅の王”と私に……」
(作戦目的表示)

〈vs ウンブラ〉

[ジョッシュ]

ウンブラ「もはや、お前とそのマシーンとて “破滅の王”の目覚めを止められぬ」
ジョッシュ「まだ奴はその姿を現していない!  なら、止められるチャンスがあるってことだ!」

[リム]

ウンブラ「“鍵”を開けた者がお前であったなら、 我らの姿形は今とは違う物になったかも知れぬ」
リム(リアナ)「そ、それって、どういう意味よ!?」
ウンブラ「知る必要はない。結果は同じことよ」

[ウェントス]

ウンブラ「お前とて“破滅の王”を止めることは出来ぬぞ」
ウェントス「いや、方法は一つだけある…… ウンブラ、お前はそれを知っているはずだ」
ウンブラ「無駄だ、ウェントス。 お前達はここに至るまで、時間を掛け過ぎた。 もう不可能よ」
ウェントス「………」

[グラキエース]

ウンブラ「運命に抗おうと、行き着く先は虚無…… 定められた時は、すぐそこに」
グラキエース「滅びの宿命は変えられずとも、 そこへ至る過程は変えられる……!」

[撃墜]

ウンブラ「……これが……私の宿命……」
ウンブラ「ならば、我が血、我が身体、我が命、我が死を 我が主に……!」
ウンブラ「来たれ、我が王、“破滅の王”……!」
ウンブラ「ペルフェクティオォォォォォォォォ…………!!」
(プリスクス・ノクスが大爆発。残っている敵機が爆発。轟音、震動)
ザッシュ「い、遺跡が!!」
ミチル「じ、地震なんかとちゃうで、これは!!」
ヴィレッタ「空間そのものが振動している……!?」
アクア「ヒューゴ!  クロスゲートから物凄いエネルギー反応が!!」
ヒューゴ「計測は!? 何のエネルギーだ!?」
アクア「で、出来ない! わからないわ!!」
レフィーナ「各機、直ちにクロスゲートを破壊せよ!」
ショーン「いけませんぞ、艦長!  あの状態で破壊すれば、ファブラ・フォレース そのものが吹き飛ぶかも知れません!」
レフィーナ「く……!!」
プレシア「こ、この感じ……い、嫌……!!」
マイ「ね、念が……負の念が溢れ出してくる……!!」
アヤ「く、くううっ!!」
クスハ「ああああっ!!」
ブリット「こ、これが“破滅の王”の!?」
ミオ「み、見て! クロスゲートが!!」
(クロスゲートの中心に光が集まり、中から発光したようになる。 黒い煙のようなものが出た後、人のようなものが出現)
トウマ「な、何だ、あれ!?」
ライ「人間、か……!?」
ヤンロン「大山鳴動して鼠一匹、というわけでは なかろうが……!」
リム(リアナ)「ア、アニキ! あれは!!」
ジョッシュ「………」
アクセル「奴が“破滅の王”……ペルフェクティオか」
ペルフェクティオ「ペルフェクティオとは、我が宿りし、 仮初めのこの身体の名……」
ペルフェクティオ「我は破滅、我は混沌……全てをただ消し去る。 無限に広がり続ける宇宙を、無限に原初の闇へと 戻し続けるもの」
キョウスケ「……随分と大きく出たな」
アクセル「フン…… “破滅の王”と呼ばれるだけのことはあるか」
トウマ「ふざけるな!  余所の世界から来たお前に、俺達の世界を、 宇宙を滅ぼされてたまるものか!」
エクセレン「……素直なリアクションねぇ、トウマ君」
アクセル「憶するよりはましだ」
エクセレン「そうね。 ところで、あのペルフェクさん……誰かに似てない?」
アリエイル「もしや、それは……」
クリフォード(……若い……若いが、あれはジョッシュに 良く似ている。あの身体は、やはり……)
ジョッシュ「親父……なのか……!!」
ペルフェクティオ「お前は……我が得た知識の中にあるぞ。 ジョシュア・ラドクリフ……」
ジョッシュ「!」
ペルフェクティオ「そして、クリアーナ・リムスカヤだな」
リム(リアナ)「あ、あんた、父さんの記憶を!?」
クリフォード「ならば、教授はまだ!?」
ペルフェクティオ「否だ、クリフォード・ガイギャクス」
クリフォード「……!」
ペルフェクティオ「お前達がフェリオ・ラドクリフと認識する 知的生命体……その魂は、すでに消滅している。 この肉体は、我の仮初めの器に過ぎぬ」
ジョッシュ「!!」
リム(リアナ)「じゃ、じゃあ、父さんは……!!」
ペルフェクティオ「我にこの世界の知識を与え、虚無に還った」
ジョッシュ「お前を引き込んだのは……親父の意志なのか!?」
ペルフェクティオ「否。 フェリオ・ラドクリフはここで“鍵”を見つけ、 “門”を開けようとしただけだ」
ジョッシュ「その“鍵”とは何だ!?」
ペルフェクティオ「お前達がシュンパティアと呼ぶ物…… それが最も近しい」
ジョッシュ「……!」
ペルフェクティオ「本来、“鍵”は我が赴く先の世界、その知識所有者…… 負の波動の源となる者達……すなわち、我の糧となる 知的生命体の心の有り様を調べるための物だ」
リム(リアナ)「どうして、あたし達やアニキに そんなのが扱えたのよ!?」
ペルフェクティオ「お前達のシュンパティアは、“鍵”を歪めた物。 おそらくはこの封印殿を建造した者達により、 作り出されたものであろう」
ジョッシュ「何者なんだ、それは!?」
ペルフェクティオ「古の知識所有者…… 我の目覚めに備え、我が眷属との戦いで 得た物を利用し、封印殿やシュンパティア……」
ペルフェクティオ「そして、お前達がレース・アルカーナと 呼ぶ物を作り、遺した知的生命体」
ジョッシュ「地球人なのか?」
ペルフェクティオ「姿形は、今のお前達とよく似ていた。 だが、既に死滅している。我の封印と引き替えにな」
カイ「ルイーナは、 過去の地球にも出現していたのか……!?」
リシュウ「もしや、かつて超機人が戦ったという 百邪の中にルイーナも含まれておるのか?」
レーツェル「だとしたら、バラルが真っ先にここへ来るはず。 彼らは、百邪とは別の敵性体ではないでしょうか?」
クスハ「そうだと思います。 龍虎王も彼らに関する知識は 持っていないようですから」
カイ「ならば、ルイーナはいったい……」
ペルフェクティオ「……古の知識所有者達も フェリオ・ラドクリフも、“鍵”の全てを 解明することは出来なかった」
ペルフェクティオ「“鍵”に触れた者は、 その知識と引き替えに魂を蝕まれる…… いずれ来る破滅の導き手となるために」
ジョッシュ「何っ!?」
ペルフェクティオ「そう、お前達がメリオルエッセと呼ぶ存在…… 我が下僕、我が尖兵と化すのだ」
リム(リアナ)「!!」
ジョッシュ「そ、そんな……!!」
ペルフェクティオ「知らぬことか。ならば、フェリオ・ラドクリフの 記憶を垣間見るがいい……それは、お前達にとって さらなる絶望を呼ぶ因子となるであろう」
(閃光)

[回想:南極 リ・テク マザー・ベース(メインルーム)]

リ・テク研究員「……教授、本気ですか?」
フェリオ「ああ……。 あれが、人の精神に反応する装置だという所までは 解明できている」
フェリオ「だが、私が試しても動かなかった。 高感応力を持ったテスター達も同様だ」
フェリオ「もちろん、要因はあれが発掘された時点で 破損していたことだ。しかし、私は別の角度から 原因を考察してみた」
リ・テク研究員「それが……被験者の質だと?」
フェリオ「そうだ。あれは、より純粋な精神の持ち主に 反応するのではないか……私はそう考えたのだ」
リ・テク研究員「上手くいく保証はありませんよ」
フェリオ「だが、危険もなかろう。 先程も言った通り、私自身も1号機から3号機まで 試したのだからな」
リ・テク研究員「しかし、あれが本格的に動いた場合は……!」
フェリオ「結果を出さねば、前に進めん。 この遺跡は人類にとって、テスラ・ドライブを 凌駕する恩恵をもたらす可能性がある」
フェリオ「ここまで来て、LTR機構に遺跡を明け渡すわけには いかん。それに、我々リ・テクがテスラ・ライヒ 研究所以上の功績を挙げるチャンスなのだ」
フェリオ「上手くいけば、この南極からも出られる。 機密保持のため、ここへ閉じこめられずに済むのだ」
リ・テク研究員「だからと言って…… 身寄りのない、年端の行かぬ子を 被験体にするのは……」
フェリオ「日本の特脳研への申し出は断られた。 いや、上の方で握り潰されたかも知れん。 方法は、これしかない……」
フェリオ「クリアーナ・リムスカヤ…… 高感応力と純真な心を併せ持った彼女に 一縷の望みを託す……」

[回想:南極 リ・テク マザー・ベース(医務室)]

フェリオ「……まさか、こんなことになるとは……」
リ・テク研究員「クリアーナは昏睡状態に陥っています。 海馬に異常が見受けられるため、 目覚めても記憶障害の可能性が……」
フェリオ「だが、間違いなく、あれは動いたのだ…… 彼女に応えたのだ。そして、あの装置も 連動するような反応を見せた……!」
リ・テク研究員「え、ええ……教授の予測通り、 あれはセットで運用する物のようですが…… 唯一成功した被験体があの様子では……」
フェリオ「私は諦めん……諦めんぞ……。 何としてもクリアーナを目覚めさせてくれ……」
フェリオ「ようやく新たな一歩を踏み出せたのだ…… 彼女が我々の希望なのだ……!」

[回想:南極 リ・テク マザー・ベース(データルーム)]

フェリオ「DID……解離性同一性障害?」
リ・テク研究員「ええ……お気づきになりませんでしたか?  最近、彼女が独り言を……いえ、一人で 誰かと会話していることを」
フェリオ「いや、私は……」
リ・テク研究員「シュンパティア01でのリンク・テストを 重ねる度に、その兆候が顕著になっていると 思われます」
フェリオ「君は、01との接触が原因だと考えるのか?」
リ・テク研究員「その点も踏まえて、精神科医による検査を。 あの歳の少女をこんな所に閉じこめているのです。 ストレスが溜まって当然でしょう」
リ・テク研究員「親兄弟、いえ、近い歳の子が側にいるのならともかく、 この環境では……」
フェリオ(親兄弟、か……)

[回想:南極 リ・テク マザー・ベース(医務室)]

リ・テク研究員「危険な兆候です。 これ以上のリンク・テストは避けるべきかと」
フェリオ「シュンパティアとレース・アルカーナの関連性が ようやくわかってきた所だと言うのに……」
リ・テク研究員「彼女のDIDは、重くなる一方です。 メンタル的な問題の範疇を越えつつあります」
リ・テク研究員「もう一つの人格……クリスはリアナと呼んでいますが、 彼女らは明確にお互いを認識し、他者と同じような 感覚で会話まで行っているのです」
フェリオ「……養子とは言え、娘のことだ。わかっている」
リ・テク研究員「交代人格のように見えますが、 真の意味での多重人格かも知れないのですよ?」
リ・テク研究員「しかも、海馬に生じた異常によって、 彼女らは初めから自分達がそうであったと 認識しています。記憶が書き換えられたのです」
フェリオ「………」
リ・テク研究員「クリスは、ほぼ以前のクリアーナと同じです。 しかし、リアナは好戦的な性格……」
リ・テク研究員「第18次リンク・テストにおいて、 リアナがクリスを圧倒し、凶暴性を見せたことを お忘れですか?」
フェリオ「いや……。 確かに、あの時のリアナは……別人のようだった」
リ・テク研究員「原因は明らかにシュンパティア01です。 あれとリンクする度、彼女は彼女で なくなっていくような気がします」
リ・テク研究員「ドクターによれば、このままでは リアナの人格がクリスを圧迫するどころか、消去…… さらに別の人格へ変貌する可能性があると」
フェリオ「………」
リ・テク研究員「それに、ジョシュア君も 薄々気づいているようです」
リ・テク研究員「我々が第18次テストの結果を隠していても…… 彼女達の体調不良の原因が、シュンパティアとの リンクであることを……」
フェリオ「……昨日の夜も息子に問い詰められたよ」
リ・テク研究員「これは私見ですが……シュンパティアは 人間を別の人格に……それも闘争本能を 肥大させた人格に変える装置なのではないですか?」
フェリオ「ならば、何故、クリスだけがそうなる?  何故、シュンパティア01は あの子にしか反応しない?」
フェリオ(いや、大体の見当は付いている…… リアナは、シュンパティアとの接触によって 生じた別人格だ。そして、それは……)
フェリオ「……わかった。シュンパティアのテストは中止する。 私の子供達にもそう伝えてくれ」

[回想:南極 リ・テク マザー・ベース(メインルーム)]

フェリオ「……わざわざこんな地の果てまで 呼びつけて悪かったな、クリフォード・ ガイギャクス君」
クリフォード「クリフで結構です、教授。 周りの人間には不思議がられましたよ」
クリフォード「アイドネウス島ならともかく、 何故に南極まで行くのか、とね」
フェリオ「EOTI機関からも声が掛かっていたのか?」
クリフォード「テスラ研からもね。 ただ、前者にはキナ臭い噂が多いですし…… 後者はある意味、安定してしまっている」
フェリオ「フッ……変わっているな、君は」
クリフォード「よく言われますよ。 ですが、ここに来て正解だったようです」
クリフォード「僕にとっては、怪しげな隕石より、 南極の氷床下にある遺跡の方が興味深い」
クリフォード「宇宙人より、こんな辺境にあのような物を造った 古代文明の方がロマンティックですよ」
フェリオ「君はLTR機構の方が向いているかもな」
クリフォード「あいにく、考古学より機械に対する興味の方が 上回っていますので」
フェリオ「では、本題に入るが…… 私のベーシック・プランに目を通してもらえたかな」
クリフォード「ええ。 エール・シュヴァリアーにブランシュネージュ…… それに、NVユニット」
クリフォード「探査機じゃない、完全に人型機動兵器だ。 ゲシュペンストを開発したマオ・インダストリーに 対抗するつもりですか?」
クリフォード「あるいは、巷で噂の異星人と戦うつもりだとでも?」
フェリオ「保険だよ、クリフ」
クリフォード「何に対しての?」
フェリオ「ファブラ・フォレースだ。 それ以上は言えん。私にも確証がないからな」
クリフォード「……時間がかかりますよ、これは。 特にNVユニットに関しては、現時点じゃ 実現の可能性が低い……例え、テスラ研でもね」
クリフォード「それに、こんな物騒な物を作っていることが 外部に知れたら……」
フェリオ「幸い、ここは僻地中の僻地だ。 軌道に乗るまで、私の一存で一切を機密事項とする。 君もそのつもりでいてくれたまえ」
クリフォード「………」

[回想:南極 リ・テク マザー・ベース(格納庫)]

クリフォード「……シュンパティア02と03のリンク・テスト、 良好だったようですね」
フェリオ「ああ。今の所、私達の心身に異常は見られない。 新しいスポンサーのおかげだな」
クリフォード「しかし、あそこから シュンパティアの改良策がもたらされるとは……」
フェリオT-LINKシステムを 応用した物だと聞いているが…… 私は大元の装置を扱ったことがない」
フェリオ「とは言え、リムのDIDが進行せず、 以前より安定すらしている結果が出た以上…… 信用するしかあるまい」
クリフォード「……教授の02はともかく、 ジョッシュが03のテスターに 立候補するとは思いませんでしたよ」
フェリオ「リムを01に触れさせたくない一心からだろう」
クリフォード「彼は怒っていましたよ。 結局、リムを再びシュンパティアのテストに 関わらせたんですから」
フェリオ「……わかっている。 だが、シュンパティアはファースト・コンタクトを 成功させた者にしか反応しない……」
フェリオ「より細かなデータを取るには、 私とジョッシュだけでなく、最初に接触と起動を 成し遂げたリムの協力が必要だ」
クリフォード「いつジョッシュとリムに本当のことを話すんです?  あの二人は、シュンパティアが原因だと まだ知らないんでしょう?」
フェリオ「その件については、いずれ……な」
クリフォード「隠し通すにも限界があると思いますがね。 ジョッシュが03のテスターになった以上、 近い内に必ず気づく」
クリフォード「そうなったら、彼はリムを連れて ここから飛び出しかねませんよ?」
フェリオ「………」
クリフォード「……私が来る前に何かあったんですか?  シュンパティア01のデータには、 いまだ私にも閲覧を許されていない物がある……」
クリフォード「リムの過去も、彼女がああなった本当の理由も 知らされていません。関わっていたスタッフも 皆、口を閉ざしている。それは何故です?」
フェリオ「……現段階で、問題はクリアされつつある。 アルテウル・シュタインベックから もたらされた改良策によって」
フェリオ「事を先に進めよう、クリフ」
クリフォード「……では、ジョッシュと03に問題がないのであれば、 例の件を実行に移します」
フェリオ「03とレース・アルカーナ01を エール・シュヴァリアーに搭載するのだな?」
クリフォード「ええ。現状のOSと動力源でも ジョッシュはアインストを撃退してみせましたが…… 性能を最大限に引き出すためには」
クリフォード「そして、その運用データをスポンサーに渡せば、 研究資金の足しになるでしょう」
クリフォード「あるいは、アルテウル・シュタインベック自身が ここへ視察に来るかも知れません」
フェリオ「彼は来んよ。 我々がファブラ・フォレースの謎を解明するまでは」
クリフォード「高みの見物を続けるというわけですか。 ……政治家らしいな」
フェリオ「ローリスク・ハイリターンということだろう。 こちらは得体の知れぬ遺跡を 研究しているのだからな」
フェリオ「さらに、大統領特別補佐官という立場では、 南極くんだりまで足を運ぶのも難しかろう」
クリフォード(……はたして、そうなのか?)
フェリオ「それより、シュンパティア01を ブランシュネージュに搭載してくれ。 レース・アルカーナ02もだ」
クリフォード「教授……リムにあれを使わせる気ですか?」
フェリオ「以前にも言っただろう……保険だよ。 ファブラ・フォレースが開かれた時、 何が起きるかわからないのだからな」
クリフォード「NVユニットの設計図を彼らに渡し…… ワン博士に建造を委託したのも、保険ですか」
フェリオ「ああ。だが、その件はジョッシュとリムには 内密にしておいてくれ」
フェリオあれが保険として運用されることを 私は望んでいないのでな…………」
(閃光)

〔戦域:ファブラ・フォレース最深部 クロスゲート周辺〕

リム(リアナ)「…………」
ジョッシュ「…………」
リム(リアナ)「あ、あたしは……あたしは…… シュンパティアによって生み出された……」
リム(リアナ)「本当のクリアーナ・リムスカヤは…… あたしじゃなく……クリス……」
ジョッシュ「リム!!」
リム(リアナ)「わかっていた…… ホントはわかっていたの、薄々…… だけど、だけど……!」
ペルフェクティオ「触れた物がシュンパティアではなく、 本物の“鍵”であったならば…… すぐに我が下僕となったものを」
リム(リアナ)「あ、あああ……」
ペルフェクティオ「だが、お前が長期間シュンパティアに 触れていれば……本来の魂を打ち消し、 破滅の導き手へと変貌を遂げる可能性もあった」
リム(リアナ)「い、嫌……やめて……!」
ペルフェクティオ「マシーンに搭乗した時、 お前の人格が前面に出ていたのは、その兆候だ」
ペルフェクティオ「しかし、今のお前は、 人間とメリオルエッセの狭間で揺れる 不安定な存在であるがな」
リム(リアナ)「や、やめて! やめてぇぇ!!」
ウェントス「リム!!」
リム(リアナ)「あ、あたしがクリスを!  あの子を殺した!! あたしが!!」
ウェントス「違う! それは違うよ、リム!!」
リム(リアナ)「あたしが! あたしが!! あああーーっ!!」
アクア「リム! しっかりして!!」
ジョッシュ「くっ、親父! いや、ペルフェクティオ!!」
ペルフェクティオ「お前も同様だ。本物の“鍵”に触れていれば、 この仮初めの器のように我が物となっていた」
ジョッシュ「リムは二つの人格に分かれた……!  親父はお前の器となった……!  なら、何故、俺は平気なんだ!?」
ペルフェクティオ「時間の問題だ。 歪められた物とは言え、シュンパティアに 触れたことによって、お前も変貌しつつある」
ペルフェクティオ「その証拠に、メリオルエッセ達の声を聞き、 グラキエースとは共振までしたであろう?」
ジョッシュ「……!!」
グラキエース(それが……原因だったのか?)
ラミア「ジョッシュとグラキエース、 リムとウェントスは近しい存在だから、 共振したと言うのか……!?」
ゼオラ「じゃ、じゃあ、ジョッシュさんが シュンパティアを使い続けたら……!?」
ジョッシュ「……時間の問題だと言ったな、ペルフェクティオ。 だが、俺もリムも、まだ人間だ。 なのに、親父は何故そうなった?」
ペルフェクティオ「その原因は、シュンパティアに組み込まれた 別因子による作用だ」
ジョッシュ「別因子だと!?」
クリフォード「もしや、アルテウルからもたらされた シュンパティアの改良策か……!?」
ペルフェクティオ「フェリオ・ラドクリフが触れた シュンパティアの別因子は、 “鍵”としての機能を励起した」
ジョッシュ「何で親父のシュンパティアだけが!?」
ペルフェクティオ「“門”を開き、我の一部に直接触れたからだ」
ペルフェクティオ「そして、この肉の器が所有していた知識によって、 我が眷属が新たな姿で生まれ出でた」
レーツェル「では、メリオルエッセは フェリオ・ラドクリフ教授の知識や記憶を 基にして作られたのか……!」
ペルフェクティオ「然り。“鍵”によって人間の心の仕組みを調べ、 そこから効率良く負の波動を引き出し、 収集するための姿、力を得たのだ」
アクセル「貴様も同じか、それは?」
ペルフェクティオ「そう、見るがいい……我の機械の器を!」
(クロスゲートから光があふれ、中からファートゥムが出現し、ペルフェクティオが乗り込む)
シャイン「あ、あれが“破滅の王”の本体ですの……!?」
アラド「ば、化け物だ……!!」
タスク「ああ、妖機人も真っ青だぜ……!」
レオナ「“破滅の王”の名に相応しい、 醜悪な機体ね……!」
サフィーネ「あらん、なかなか素敵だと思うけど?」
コウタ「んなこと言ってる場合かよ!」
ロア「コウタ、OGセンサーを使うぞ」
コウタ「あ、ああ!」
(ファートゥムをOGセンサーでスキャンする)
ロア「やはり、そうか。ペルフェクティオの本体は、 まだクロスゲートの向こう側にいる。 つまり、あれは奴の分身とも言える存在だ」
コウタ「Rゲージが真っ赤っかだぜ! 分身でこれかよ!?」
ロア「本体が出て来たら、終わりだ。 今の内に何としてもあれを倒し、 クロスゲートを封印せねばならん」
ショウコ「で、でも、あんなのを倒せるの!?」
ギリアム「可能性はある。 ペルフェクティオは、過去に少なくとも 一度封印されているからな」
カーラ「そ、そっか!  だから、このファブラ・フォレースが あるんだもんね!」
ラージ「待って下さい。 ファブラ・フォレースを作った者達は、命と引き替えに ペルフェクティオを封印したんでしょう?」
リュウセイ「だからって、俺達もそうなるとは限らねえ!」
キョウスケ「ああ、この勝負……賭け甲斐がある」
ジョッシュ「俺が親父を……いや、ペルフェクティオを 止めなければ……!」
ヒューゴ「……ジョッシュ、命を粗末にするなよ。 お前一人だけで何とかなる問題じゃない」
ジョッシュ「………」
エクセレン「そうよ、ジョッシー。 前にも言ったけど、一人で抱え込まないでね」
ジョッシュ(だが、ここは……ここだけは……!)
ウェントス「………」
リム(リアナ)「う、ううう……」
ジョッシュ「リム、しっかりしろ」
リム(リアナ)「ア、アニキ……」
ジョッシュ「ペルフェクティオに言った通り、 俺もお前も、まだ人間だ。 人間として、奴と戦える」
リム(リアナ)「だけど、 あたしはクリアーナ・リムスカヤじゃない…… それに、クリスを……」
リム(リアナ)「あたしが消えていれば、あの子は……」
ジョッシュ「馬鹿なことを言うな!  お前もクリスも、両方とも俺の大事な妹だ!!」
リム(リアナ)「!」
ウェントス「そう……君が消えれば、クリスが悲しむ」
リム(リアナ)「ウェン……」
ウェントス「君は……いや、君達はクリアーナ・リムスカヤだ。 そして、僕に新たな生を与えてくれた」
ウェントス「僕も、君達にそうしたい。 “破滅の王”を倒すことによって……」
リム(リアナ)「………」
ジョッシュ「リム……聞いてくれ。おそらく、この戦いじゃ 俺達のシュンパティアが鍵となる」
ジョッシュ「だが、それはペルフェクティオが言う “鍵”じゃない……俺達のマシンには奴を倒す力が、 そのきっかけがあるはずなんだ」
リム(リアナ)「……!」
ジョッシュ「どうしようもない親父だったが…… 俺は、あの時のメッセージを信じる」
リム(リアナ)「メッセージ……? あ……!」
ジョッシュ「思い出したか。なら、俺に力を貸してくれ。 ここが俺達の正念場だ。やるしかない。 クリスのためにも」
リム(リアナ)「わかった、アニキ……あたし、やるよ。 ここで何もしなかったら、それこそ クリスに怒られるもんね……!」
ペルフェクティオ「我は全ての宇宙と共に存在するもの。 この肉体と同じ、自らを人と呼ぶ生命体よ。 お前達の世界が破滅へと導かれる時が来た」
マサキ「るせえ!  てめえこそ、とっとと元の世界へ戻りやがれ!」
マサキ「それが出来ねえってんなら、ここでブッ倒す!!」
ペルフェクティオ「儚き生命は寂滅すべし。 抗拒せず、摂理を受け入れよ」
ジョッシュ「行くぞ、ペルフェクティオ……!  このファブラ・フォレースから始まった全ての災い…… ここで、俺達の手で終わらせる!」
(作戦目的表示)

〈vs ペルフェクティオ〉

[ジョッシュ]

ペルフェクティオ「“鍵”に近しい物を得てもなお、 我に抗うか……人間よ」
ジョッシュ「俺のシュンパティアは、お前を倒すための鍵だ!  俺はそう信じる!」
ペルフェクティオ「ならば、その器ごと 恐怖と絶望の奈落へ堕ちるがいい」

[リム]

ペルフェクティオ「お前は本来、存在し得ないもの…… 我が生み出したも同然の虚ろな魂……」
リム(リアナ)「で、でも、あたしは生きてる!  ここに、こうやって!」
ペルフェクティオ「シュンパティアは偽りの“鍵”…… お前もまた、偽りの存在……消え行く運命なのだ」
リム(リアナ)「あたしが何者であっても、 クリスが戻って来るまで消えるわけには いかないのよ!」

[ウェントス]

ペルフェクティオ「我へ注がれる負の波動の流れ…… そこに介在していたお前が抗うとはな」
ウェントス「その役目を担っていた僕だからこそ、 出来ることがある……!」

[グラキエース]

ペルフェクティオ「お前も他のメリオルエッセと同じく、 我が糧となって滅びるがいい」
グラキエース「それは、かつての私の宿命……だが、今は違う。 私は、ジョッシュ達と共に在る……!」

[HP70%以下]

ペルフェクティオ「無駄だ……我は、死と滅びを糧として存在するが故に。 我を滅ぼすことは出来ぬ」
(ファートゥムに『ド根性』)
ジョッシュ「何っ!?」
ウェントス「“破滅の王”はこちら側と向こう側の狭間にいる。 ファブラ・フォレースへ流れ込む負の波動と、 そこから出て来るエネルギーの流れの間に……」
シュウ「現世と隠世の狭間…… ある意味、アストラルシフトに似ていますね」
マサキ「ルオゾールが使ってやがった無敵モードか!」
シュウ「ペルフェクティオは、こちら側の攻撃を 完全に無効化しているわけではありませんよ」
シュウ「もっとも、あそこにいる限り、 クロスゲートからのエネルギーを受け、 存在し続けるでしょうが」
トウマ「だったら、クロスゲートそのものを 破壊すれば……!」
サフィーネ「今、そんなことをしたら、 私達もろとも吹っ飛んじゃうかもよ」
シュウ「ええ……場合によっては、南極大陸の消滅だけでは 済まないかも知れません」
テュッティ「とどのつまり、ペルフェクティオを 何とかするしかないということね」
ジョッシュ「ギリアム少佐も言った通り、 奴は過去に一度封印されている……!  方法はあるはずなんだ、必ず!」
ウェントス「………」

[HP60%以下]

ペルフェクティオ「お前達の焦燥、周章を感じるぞ。 それもまた、我の力となる……」
(ファートゥムに『ド根性』)
ラウル「くそっ、またか!!」
シャイン「こ、このままでは……!!」
プレシア「ホ、ホントにあんなのが倒せるの……!?」
ジョッシュ(くっ! これじゃ、奴の思う壺じゃないか……!)

[HP60%以下]

ペルフェクティオ「まもなく、我が本体が現出する。終焉の時だ」
ペルフェクティオ「お前達に与えよう…… これまでに我が糧となった、亡者達の怨念を」
(ファートゥムから黒い煙のような物が広がる)
シャイン「ううっ! あああっ!!」
アヤ「くうううっ!!」
プレシア「い、嫌ぁぁっ!!」
ラーダ「か、身体が動かない!!」
ラウル「何なんだ!? 何なんだよ、これ!?」
レオナ「心を……鷲掴みにされるような……!!」
カチーナ「て、手が震えてる……!?  馬鹿な、このあたしが!?」
リオ「こ、これじゃ……このままじゃ……!!」
アイビス「む、無理なの、あたし達には……!?」
スレイ「“破滅の王”には……勝てない……!?」
デスピニス「わ、私達は……ここで死ぬ……!?」
フィオナ「駄目よ……! それじゃ、あいつに呑まれる……!」
ゼオラ「あ、あああ……!!」
マサキ「く、くそっ! こ、こんなもんで!!」
アクア「あ、あ、圧倒的過ぎる……!!」
イング「これが……これがペルフェクティオの……!!」
カイ「お前達、しっかりせんか!!」
クスハ「暗い……あまりにも暗い波動……!」
ブリット「くっ、屈してたまるか、奴に……!!」
サフィーネ「ああっ! 凄い、凄いわ! 私、堕ちそう!!」
ユウキ「冷静に……心を保たなければ……!!」
トウマ「動け、動けよ、俺の身体! 何で動かないんだ!?」
リュウセイ「ち、ちきしょう、こんな所で終われるかよ!!」
エクセレン「あ、あの時と…… アインストの時と似たような……!?」
ミチル「こ、このミチル・ハナテン様が、 ビビッてるやて!? そ、そんなわけあるかい!!」
キョウスケ「チッ、サマ師が……!!」
アクセル「こんな……まやかしなどで!」
レーツェル「これが……“破滅の王”の波動か……!」
ギリアム「幾多の激戦を経た者達をも呪縛する…… それほどまでの……!」
ペルフェクティオ「感じるぞ、お前達の叫びを。 絶望の果てに滅びを迎え……我が糧となれ、 人という名の生命体よ」
リム(リアナ)「ううっ! ア、アニキ!!」
ジョッシュ「く、ううう……あああっ!!」
(ジェアン・シュヴァリアーに共振)
ジョッシュ「!!」
(ジェアン・シュヴァリアーでシステム起動)
ジョッシュ「な、何だ!? レース・アルカーナが!!」
(デア・ブランシューネージュでシステム起動)
リム(リアナ)「こ、こっちも!?」
(ジェアン・シュヴァリアーとデア・ブランシューネージュが光り輝きはじめる)
ペルフェクティオ「……!」
ジョッシュ「よ、呼んでいる……だ、誰だ……!?」
アイビス「う、ううう……!!」
???(イルイ)(……アイビス……)
アイビス「そ、その声は……!?」
(ファートゥムの上に光の玉が出現)
???(イルイ)(……みんな……私の声を聞いて……)
アイビス「!!」
トウマ「イ、イルイ! イルイなのか!?」
クスハ「そ、そこにいるの、イルイちゃん!?」
イルイ(………)
ゼオラ「あ、あなた、今までいったい……!?」
アイビス「な、何で……どうして、そんな……!?」
イルイ(みんな……心に希望を……希望を持って……)
アラド「え……!?」
イルイ(みんなは地球を護る剣…… その意思は……強く、揺るがない……)
イルイ(だから、希望を捨てないで…… 希望という名の想いがある限り…… 命ある限り、みんなは負けない……)
アイビス「イ、イルイ……!」
イルイ(破滅に打ち克つ“心”、シュンパティアを通じて…… みんなに力を……負の波動をはね除ける力を……)
イルイ(それが……私が私である内に出来る…… 最後のこと……)
(光りの玉が消える)
アイビス「待って、イルイ!!  まだ聞きたいことが! 話したいことが!!」
ゼオラ「………」
アラド「い、今の……夢じゃねえよな……?」
シャイン「え、ええ……私にも声が聞こえましたわ」
ゼンガー「………」
スレイ「どういうことだ……!?  イルイにあんな力があったと言うのか?」
クスハ(以前にも……こんなことがあったような……)
アイビス「それに、最後に出来ることって……!?」
ゼンガー「……今は、その詮索をしている場合ではない」
アイビス「!」
ゼンガー「イルイは我らに往くべき道を示した。 希望ある限り、命ある限り、前に進めと」
アイビス「……!」
アラド「そ、そうだ……そうッスよ!」
トウマ「信じればいいんだ……自分の意思を、想いを、力を。 ただひたすらに信じれば……!」
イルム「フッ……そうだ、言われてみれば単純だぜ。 気持ちで負けたら、そこで終わりってな」
アイビス「あたし達はまだ終わっちゃいない…… まだ結果を出しちゃいない……!」
クスハ「清水の念で、負の波動をはね除ける……!」
リシュウ「そうじゃ、希望という名の想いと共に」
リム(リアナ)「ア、アニキ……あたし、わかるよ…… シュンパティアを通じて……」
リム(リアナ)「みんなの意思……気力を…… 戻って来たんだ……みんなの力が……」
ジョッシュ「ああ、俺にもわかる……!」
ペルフェクティオ「何だ、これは? 我の、我の力を押しのけるだと?」
ペルフェクティオ「あり得ぬ……我は無限、我は永遠。 滅びの宿命を持つただの生命体が、死と滅びと 負の波動によって存在し続ける我の力を退けるなど」
ペルフェクティオ「例え、我が仮初めの身体を通してのみ この宇宙に存在しているとしても……あり得ぬ!」
グラキエース「ペルフェクティオが……!」
ウェントス「揺らいでいる……!?」
リム(リアナ)「アニキ、これ……これさ、もしかして……」
ジョッシュ「ああ……今……」
ジョッシュ「今、わかった」
ジョッシュ「この遺跡に遺されていた、このシステムの本当の意味。 遥かな昔、最初に開かれてしまったあの扉……」
ジョッシュ「そこから現れた破滅の力を押し戻し、 それを封じるきっかけを作ったもの…… 人の想いの連なり……」
ジョッシュ「その魂の共鳴……仲間達を通じ、 その後ろに広がる人々の連なりを信じ、 自らの未来を信じ、そして希望があると信じること」
ジョッシュ「その想いの力、その命の力…… それが……それだけが、死と滅びを糧とする “破滅の王”に抗い得る、唯一のもの……」
ペルフェクティオ「愚かな……形ある物は滅び、生あるものは死す。 これは絶対真理……お前達などに覆せぬ」
アクセル「フッ……だからと言って、 貴様などに死を与えられる謂われはない、これがな」
ギリアム「ペルフェクティオ…… お前の全てがこの世界へ現出することはない。 昔も、今も……そして、これから先も」
ジョッシュ「親父……やはり、俺達のシュンパティアは “破滅の王”を倒す鍵だった……」
ジョッシュ「あんたの頼みを今、成就してやる。 そして、解放してやる……!」
ジョッシュ「奪われたあんたの身体、俺が消してやる!  ルイーナの災い、ペルフェクティオと共にな!!」
(ジェアン・シュヴァリアーとデア・ブランシューネージュの光が収まる)

[撃墜]

ペルフェクティオ「あり得ぬ……!  この肉の体に縛られた故か……!  この仮初めの機械体は、もう保たぬ……!」
ペルフェクティオ「だが、我を退ける力……古の者達を凌駕するこの力…… その存在を許してはならぬ……!」
ペルフェクティオ「我は無限……我は永遠……!  絶対真理を以て、宇宙の破滅、 破砕、破界を司るもの……我は……!」
ペルフェクティオ「……我は……永遠……!!」
(ファートゥムが大爆発)
トウマ「や、やった! やったぞ!!」
ジョッシュ(くっ、親父……)
ジョッシュ(こうするしかなかった…… あんたの願いとは言え……こうするしか……)
リム(リアナ)(父さん…………)
ジョッシュ(結局、あんたとは最後まで……く……うう……)
(クロスゲートの中心に光が集まり、白く発光する。光はすぐに収まる。轟音)
ツグミ「ま、またクロスゲートが!」
ギリアム「もしや、ペルフェクティオの本体が 出で来るのか!?」
カイ「クロスゲート付近の機体は退避!  エネルギーに飲み込まれるぞ!」
(クロスゲートの上にいた機体がクロスゲートの淵の外側まで移動)
レフィーナ「あ、あの状態のクロスゲートを 攻撃したら、我々も……!?」
ギリアム「レフィーナ大佐、 先人に倣って、あれを封印するしかありません!」
レフィーナ「しかし、どうやって!?」
ギリアム「それは……!」
ジョッシュ「……“鍵”は“門”を開き、閉じもする……」
ヒューゴ「ジョッシュ!?」
ジョッシュ「俺が……やるしかない」
ストゥディウムがクロスゲートの中心へ移動)
ウェントス「いや……それは僕の役目だよ、ジョッシュ」
ジョッシュ「!!」
リム(リアナ)「ウェン!!」
(ストゥディウムが白い光を放ち始め、光の玉のようになる)
ウェントス「来ちゃ駄目だ、リム。 僕は……ここに来る前から、こうするつもりだった」
リム(リアナ)「えっ!?」
ウェントス「内緒にしていて、すまない。 でも、言えば、君は僕を止めるだろうから……」
リム(リアナ)「あ、当たり前よ!!」
ウェントス「“破滅の王”の力を受け、 アートルム・エクステリオルの片極を 担った僕なら、今のクロスゲートを封印できる……」
グラキエース「しかし、それではお前が!」
ウェントス「………」
リム(リアナ)「あ、あたしも! あたしも手伝うわ!!」
ウェントス「駄目だ、リム。 そして、ジョッシュ、ラキ……君達も。 これは、僕の役目なんだ」
リム(リアナ)「そんな……そんな!!」
ウェントス「悲しまないで。僕は君に感謝している…… 束の間だったけど、君は僕に新たな命を与え、 生きる意味を教えてくれた」
ウェントス「だから、僕は君に……君達に恩返しがしたい。 そして、これからも生き続けて欲しい」
リム(リアナ)「い、言ったでしょ……!  ウェン、あなたも一緒だって……!」
ウェントス「君達がここで死んでしまったら、何の意味もない…… 彼女も……クリスもそう言っている……」
リム(リアナ)「!!」
ウェントス「僕にはわかる……クリスは“向こう側”にいる…… そして、僕に力を貸してくれる……」
リム(クリス)「……そうよ、リアナ……」
リム(リアナ)「ク、クリス!!」
ジョッシュ「お、お前……!!」
リム(クリス)「お兄ちゃん……リアナ…… 私、ウェントスと一緒に行くね……」
リム(リアナ)「ま、待って! あ、あたしは!  あたしは、クリアーナ・リムスカヤじゃない!」
リム(リアナ)「シュンパティアによって植え付けられた、 メリオルエッセのなり損ない!」
リム「行かなきゃならないのはクリスじゃない、 あたしの方! 偽物のあたしなのよ!!」
リム(クリス)「ううん……どっちも本当の私…… クリアーナ・リムスカヤだよ……」
リム(リアナ)「ク、クリス!!」
リム(クリス)「私がいなくなっても、リアナがいれば…… クリアーナ・リムスカヤは生き続けられる……」
リム(クリス)「それは、私も生きてるってことなんだよ……」
リム(リアナ)「でも! でもっ!!」
リム(クリス)「悲しまないで……リアナの傍にお兄ちゃんや グラキエースがいるように……」
リム「私の傍にはウェントスがいてくれるから……」
ジョッシュ「クリス……!」
ウェントス「ラキ……僕の分も生きてくれ……彼らと共に……」
グラキエース「ウェン……トス……!」
リム(クリス)「さよならは言わないよ、リアナ、お兄ちゃん、 みんな……きっと、また会えるから……」
リム(リアナ)「ま、待って……お願い……待って……!!」
リム(クリス)「お兄ちゃん達をよろしくね、リアナ……」
リム(リアナ)「待って、クリス!  嫌よ!! クリスがいなくなるなんて!!」
リム(クリス)「どうか、元気で……もう一人の私…… もう一人のクリアーナ・リムスカヤ……」
リム(クリス)「大好きな……リアナ………………」
(閃光)


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