back index next


四龍の長 SRポイント40以下 ~ 第60話 ~

〔戦域:ファブラ・フォレース最深部 クロスゲート周辺〕

(クロスゲート前に味方機が並んでいる)
アヅキ「艦長、後方部隊との通信がつながりました。 メリデンプルムは消滅したとのことですが……」
アヅキ「直後に南極上空もバラルのバリアに 覆われてしまったようです」
テツヤ「図らずも連中の目的に 手を貸してしまったということか……。 バラルの動きは?」
アヅキ「残存するルイーナ機を駆逐した後、 姿を消したそうです」
テツヤ「……エイタ、クロスゲートの反応は?」
エイタ「高エネルギー反応は、依然として顕著。 ただし、ゲートから何かが現れる兆候は 確認できず」
テツヤ「そうか……ウェントスのおかげだな……」
アヅキ「……クリスもです」
テツヤ「!」
アヅキ「ジョッシュ達の通信でわかったんです…… あの子も、ウェントスと一緒に……」
テツヤ「そうだったのか……」
リム(リアナ)「………」
ジョッシュ「……リム……」
リム(リアナ)「……アニキ、あたしはもう泣かないよ」
ジョッシュ「……!」
リム(リアナ)「あたしは……こうして、ここにいる。 クリスが行ってしまっても、 クリアーナ・リムスカヤは存在してる……」
リム(リアナ)「だから、クリスも生きてる。 あの子はそう言った……また会えるって…… きっと、ウェンも……」
リム(リアナ)「あたしは、そう信じる……」
ジョッシュ「………」
ジョッシュ「リアナ……お前もクリスも、俺にとって大事な家族だ。 何があろうと、それは変わらない。 親父も、きっと……」
リム(リアナ)「うん……。 苦しいことも、嫌なこともあったけど…… 父さんはあたし達に優しかったよ……」
グラキエース「………」
ジョッシュ「ラキ……」
グラキエース「私も、ファービュラリスも残っている。 お前達のシュンパティアも……」
グラキエース「つまり、“鍵”となる物は まだこちら側に存在している……そして、“門”も」
ジョッシュ「……わかってる。 だけど、まだ俺にはこいつを使って やらなきゃならないことが残ってる……」
ジョッシュ「俺達が生きていく上で障害となるものは、 まだ残っているんだ……」
グラキエース「バラルか」
ジョッシュ「ああ。 こいつを封印するのは、あの連中から 地球を解放した後だ」
グラキエース「戦う気なのだな、ジョッシュ。 ならば、私も行こう……」
(クロスゲートを指す)
カイ「……ペルフェクティオは倒したが、 クロスゲートは消えなかった。 それどころか、まだ機能している……」
カイ「いったい、あれは……」
ギリアム「先人達の手によって 造られた物ではないかも知れません」
カイ「………」
レーツェル「彼らにとっても、クロスゲートは 謎多き存在だったと言うのか?」
ギリアム「ああ……あれは、元々ここにあって、 先人達は何らかの理由でその中から到来し…… 元いた所へ戻れなくなったのではないか」
ギリアム「かつての……俺のようにな」
アクセル「………」
ギリアム「そして、彼らは元の世界への帰還方法を 模索する中、ルイーナの存在を知った」
ギリアム「彼らと戦いを繰り広げ、そこで得たものから シュンパティアとレース・アルカーナを造り出し……」
ギリアム「さらに、クロスゲートを封印するため、 このファブラ・フォレースを建造した」
レーツェル「結局、“破滅の王”の出現を 水際で阻止できたものの……代償として 滅んでしまったというわけか」
ギリアム「ああ」
マサキ「あのさ、腑に落ちねえことがあるんだが…… どうしてそいつらはクロスゲートそのものを ぶっ壊さなかったんだ?」
マサキ「出口がなくなっちまえば、 “破滅の王”は出て来られねえってのに」
ギリアム「まず、第一に考えられる理由は…… 彼らがいずれクロスゲートを通って 元の世界へ戻るつもりだったこと」
シロ「ニャら、さっさとゲートに飛び込めば 済む話じゃニャいか?」
ラミア「確実な道ではなかったのだろう…… かつてのシャドウミラーのように、異界へ到達する前に 消滅してしまった者が多かったのかも知れん」
ギリアム「第二に考えられる理由は…… クロスゲートを破壊すれば、 さらなる災厄が訪れるということだ」
コウタ「災厄って……?」
ギリアム「“破滅の王”と同等の災いだろう」
アクセル(あちらの世界でも、 クロスゲートを破壊したという話は 聞かなかった……)
マサキ「じゃあ、 あれは放っておくしかねえってのかよ……?」
ショーン「……艦長、いかがなさいますか?」
レフィーナ「今、ここで破壊するのは賢明ではありません。 警戒態勢を厳にした上での調査が必要でしょう」
ショーン「ですが、我らの頭上には バラルの園が陣取っておりますからな……」
レフィーナ「ええ。 後方部隊と連絡を取り、ここの警戒を依頼します」
リュウセイ「……結局、俺達がどうしてクロスゲートに 見覚えがあるか、わからずじまいか」
ライ「ああ、多くの謎が残っているな。 何故、このタイミングでクロスゲートが 始動したか……」
リュウセイ「そりゃ、“破滅の王”が出て来たからじゃねえの?」
ライ「それ以前の話だ」
ジョッシュ「ペルフェクティオが言っていた、別因子…… アルテウル・シュタインベックからもたらされた シュンパティアの改良策のことか?」
ライ「ああ」
ジョッシュ「確か、T-LINKシステムを 応用した物だとか……」
ライ「アヤ大尉、その件について何か御存知ですか?」
アヤ「いえ……知らないわ」
ライ「……もし、アルテウルがイリーガルな手段で T-LINKシステムの情報を入手したとしても……」
ライ「何故、シュンパティアを改良するだけでなく、 クロスゲート始動のきっかけとなるような 要素を組み込めたか……それが気になる」
リュウセイ「ガイアセイバーズは色んな新兵器の開発と テストをやってたんだ。そういうのが 偶然に上手く出来ちまったんじゃねえの?」
ライ「偶然、か。それもあり得るが……」
アヤ「いずれにせよ、アルテウルは死んだのよ。 今、詮索しても仕方がないわ」
リュウセイ「アヤの言う通りだと思うぜ、ライ」
ライ(確かにな……)
アイビス「………」
ツグミ「……アイビス、イルイのこと?」
アイビス「うん……あの子にあんな力があったなんて……。 もしかして、バラルと関係があるのかなって……」
アイビス「あたし達の所からいなくなって、バラルに行って…… もしかしたら、あの子とクストースは……」
ツグミ「……思い当たる節はいくつかあるわね」
クスハ「イルイちゃんとクストースに関係があるとしたら…… 私達を何度か助けてくれたのは……」
スレイ「だが、バラルの園が浮上した後、 魚型のクストースは私達に牙を剥いたぞ」
アイビス「でも、メリデンプルムへの道を開いてくれた……」
スレイ「それは、利害関係が一致したからだ。 クストースはバラルに与するもの……私達の敵だ」
アイビス「イルイも……そうだって言うの?  ペルフェクティオが負の波動を放った時、 勇気を与えてくれたイルイが……」
スレイ「………」
ツグミ「……もしかしたら、イルイが私達と出会ったのは 偶然じゃないのかもね……」
アイビス「じゃあ、何のために?  あの子はあたし達と接触して、 何をするつもりだったの?」
ツグミ「そ、それは……」
ゼオラ「もし、バラルがイルイを連れ去ったのだとしたら、 その理由は……」
ブリット「あの子が見せた力と関係があるんだろうな……」
クスハ「それに、イルイちゃんが言っていた 最後に出来ることって……?」
アイビス「………」
ゼンガー「……イルイの所在も含めて、 我らの目で確かめるしかあるまい。 バラルの園へ赴いてな」
アイビス(そうだ……あそこへ行くしかない。そして……)

[ヒリュウ改 ブリッジ]

ショーン「艦長、各機の収容が完了しました。 なお、ドクトル・クリフやワン博士達は クロスゲートの調査のため、残られるそうです」
レフィーナ「わかりました」
ショーン「まもなく、連邦軍部隊がここへ到着します。 ここの警備は……」
ユン「か、艦長!」
レフィーナ「どうしたのです?」
ユン「バラルの孫光龍から通信が入っています!」
レフィーナ「えっ……!?」
ショーン「祝電……というわけではないでしょうな」
レフィーナ「……ユン、つないで下さい」
ユン「了解です」
(通信がつながる)
光龍「やあ、バラルの孫光龍だよ!」
レフィーナ「………」
光龍「何だ、ノリが悪いねぇ…… こっちはハッピーなんだ、君達が“破滅の王”を 封印してくれたおかげでね」
光龍「そこで、そのお礼として 君達をバラルの園へご招待することにした」
レフィーナ「……何のためにです?」
光龍「君達を労うためさ。盛大な酒宴を用意するよ」
ショーン「そこで出されるのは……四凶の超機人や雀武王、 妖機人ですかな?」
光龍「何だ、やる気満々だねぇ」
ショーン「人間をやめる気はありませんので」
光龍「まあ、直接会ってじっくり話そうか。 バラルの門を開けるから、来てくれたまえ」
レフィーナ「バラルの門……?」
光龍「その名の通り、僕達の居処に通じる入口…… 結界にちょっと穴を開けるのさ」
光龍「ただし、招待するのは君達だけだからね。 他の者を連れてくると、みんな死んじゃうよ?」
光龍「ということで……再見!」
(通信が切れる)
レフィーナ「………」
ショーン「何とも大胆不敵ですな。いかが致します?」
レフィーナ「ジェイコブ・ムーア中将に報告し、 バラルの園へ向かいます」
ショーン「バリアを突破する手間は省けますが、 確実に罠が仕掛けられておりますぞ?」
レフィーナ「しかし、今という状況では 私達が対応するしかないでしょう」
レフィーナ「副長、直ちにバラルの園との ランデヴー・シーケンスの構築を。 私はジェイコブ中将に連絡し、補給を要請します」
ショーン「わかりました。急ぎ、事を進めましょう」

〔戦域:地球衛星軌道上〕

(東端にヒリュウ改とハガネが出現し西へ移動)
ショーン「……現在対地高度250キロメートル。 バラルの園とのランデヴー・シーケンス、 フェイズ3に移行します」
レフィーナ「各員は第一種戦闘配置」
ショーン「了解。第一種戦闘配置を発令」
レフィーナ「バラルの門が開かれる素振りはありますか?」
ショーン「いえ、まだのようです。念のため、 艦首超重力衝撃砲とトロニウム・バスターキャノンの 発射準備をしておきますか?」
レフィーナ「バラルの門が開かれたと同時に先制攻撃……ですか」
ショーン「まあ、招かれておいて不躾ではありますが」
レフィーナ「バラルの園はH-MAPWの直撃を しのいでいますし、孫光龍の口振りから判断しても、 先制攻撃はおそらく無駄でしょう」
ショーン「やはり、後手に回らざるを得ませんか……」
コウタ「……ここからだと、地球は青く見えるんだな」
ミオ「うん……バラルのバリアの下だもんね」
ミオ「地球は黄緑だった、って……何か語呂が悪いもんね。 やっぱり青くなきゃ」
コウタ「そうだな。 そのためには、何としてもバラルの連中を ブッ飛ばさねえと」
グラキエース「あれが……地球か」
ジョッシュ「そうか……初めてだったな」
グラキエース「私は……ルイーナは、 あれを破滅させようといていたのか」
ジョッシュ「………」
グラキエース「あの青い輝きを見て、 胸に湧き起こるもの……何とも言えない…… これは……?」
テュッティ「それは……美しいものを見て、 感動したんじゃないかしら?」
グラキエース「美しい……感動……」
ショウコ「グラキエースさんだって、そうよ。 ショウコが男の子だったら、ほっとかないな」
グラキエース「私が……美しい……?」
ショウコ「うん。女の子でも憧れちゃうわ」
テュッティ「文字通りのクール・ビューティだものね」
グラキエース「………」
ジョッシュ「ラキ?」
グラキエース「先程の……ほっとかないな、とはどういう意味だ?」
ミオ「それはね、イルムさんみたいな男の人が グラキエースさんを口説くってことよ」
グラキエース「口説く?」
イルム「悪いが、見込みのない所に突っ込むほど 暇じゃないさ」
ミオ「見込みがないって……ああ、なるほど」
ジョッシュ「な、何だよ」
イルム「さあ、よもやま話はそこまでだ。 第一種戦闘配置だからな、みんな機体に 乗った、乗った」
(ハガネにアラート)
エイタ「本艦を中心とした半径20キロメートルの空域に、 異常重力反応発生!」
テツヤ「来たか! 全砲門開け! 攻撃用意!」
エイタ「あっ! 0時方向に高エネルギー反応!  か、拡散します!!」
テツヤ「緊急回避!!」
エイタ「ま、間に合いません! 呑み込まれます!!」
テツヤ「!!」
(閃光)


第60話
四龍の長

〔戦域:限仙境〕

(東端にハガネとヒリュウ改が出現)
アヅキ「こ、ここは!?」
テツヤ「あの時と同じ……限仙境か!」
エイタ「艦周辺にデモン多数!」
テツヤ「直ちに各機を出撃させろ!」
(龍虎王とゼンガー機が出撃。出撃準備)
光龍「限仙境へようこそ、鋼龍戦隊の諸君」
クスハ「ブリット君、あそこ!」
ブリット「孫光龍か!」
光龍「その通り。直接会うのは初めてだね。 まずは、“破滅の王”を封じてくれたことに対し、 改めて礼を述べよう」
光龍「彼らは僕らにとっても厄介な敵だったからね。 おかげで大変助かった」
カチーナ「よく言うぜ!  高みの見物を決め込むつもりだったくせによ!」
光龍「そうでもないさ。 君達が“破滅の王”に敗れるようだったら、 南極へ攻め込むつもりだった」
光龍「それに、ルイーナの残党を始末したのは、 僕達なんだよ。感謝して欲しいぐらいなんだが」
レーツェル「だが、我々に時間稼ぎをさせていたことに 違いはあるまい?」
光龍「御明察。俗界桃源郷の枠組みが出来たとは言え、 総人尸解計画を実行段階へ移すには、 まだしばしの時を要するからね」
トウマ「あとどれぐらいなんだ、それは!?」
光龍「実は、あと5分ってとこさ」
トウマ「な、何だって!?」
光龍「いや、あと5時間、それとも5日かな?  まあ、5年ってことはないけどね。 あははははは!」
マサキ「あの野郎、ふざけやがって!」
光龍「ああ、そうそう。もう一つお礼を 言っておかなきゃならないことがあった」
光龍「我らの巫女を丁重に扱ってくれて、ありがとう」
ツグミ「巫女!?」
ブリット「ま、まさか、イルイのことか!?」
光龍「御名答」
クスハ「!!」
アイビス「くっ……!」
ブリット「あの子をかどわかしたのは、やっぱりお前達か!!」
光龍「かどわかすなんて失敬な。 彼女はバラルの神の巫女……総人尸解計画の要だよ」
アイビス「嘘だ! イルイがそんな……!!」
光龍「嘘じゃないよ。 彼女に“力”があることは、 君達も知っているだろう?」
スレイ「ならば、イルイはクストースと関係が……!」
アイビス「あの子がバラルの一員だなんて、 そんなことあるもんか! あの優しい子が!」
光龍「残念だが、事実だよ」
ゼオラ「だったら、どうしてイルイは私達と……!?」
ツグミ「あの子が私達に接触したのは、作為的な……?」
アラド「そ、そんな……馬鹿な!」
ゼンガー「………」
アイビス「あ、あたしは信じない……!  例え事実だったとしても、あいつらが イルイの意思をねじ曲げてるんだ!」
光龍「どうしても真実が知りたければ、方法は二つある。 君達がバラルの名の下に尸解し、入仙するか……」
ゼンガー「お前達を打ち倒し、バラルの園へ行くか……だな?」
光龍「そう。 夏喃や泰北が何度か君達を説伏しようとしたが、 どうも聞く耳を持たないようだ」
光龍「まあ、そういう強い意思を持っているからこそ “破滅の王”を退けたと言えるが……」
光龍「俗界桃源郷の護りを固め、大羅天へ至る道を求めて 現れる万魔百邪と戦うために、君達の力が欲しい」
ゼンガー「断る」
光龍「そう言わず、人間をやめて みんなでハッピーになろうよ」
ラミア「悪いが、元から人間ではない」
光龍「じゃ、俗界桃源郷で面白おかしく暮らそう。 俗界だけに、酒池肉林でね」
ランシャオ「桃源郷で酒池肉林などと…… 仙人の言葉とは思えません」
ヤンロン「まったくだな」
光龍「何だ、頭が固いねぇ。 こっちは間口を広げようってのにさ」
リシュウ「我が先祖と同じく、妄言に耳は貸さぬぞ」
光龍「ん? 先祖?」
リシュウ「我が名はリシュウ・トウゴウ。 トウゴウの名に聞き覚えがあろう」
光龍「トウゴウ……先祖って…… ああ、稲郷隆馬? それとも、瞬馬かな?  兵馬ってのもいたらしいけど」
光龍「いや、懐かしいねぇ。文麗、飛麗、 ジェイベズ、エドワードにアリッサ・グリムズ、 クラウス・ブランシュタイン……」
レーツェル「!」
光龍「そして、V・B…… 彼女もブランシュタインだったっけ」
ライ「ブランシュタインだと……!?」
光龍「おやおや、子孫がいるのかな?  因縁だねぇ。それとも、我が主の導きかな?」
光龍「ま、いいや。 機も熟したからね……君達の身体と心を 折らせてもらうよ」
光龍「あ、死んでも蘇れるかも知れないから、 その点はご心配なく」
シュウ「お言葉ですが、臨死体験はもう充分ですので」
光龍「では、ククル……彼らの相手をしてくれたまえ。 事が成った暁には、君の家族の魂を解放しよう」
ククル「……二言はございませぬな?」
光龍「もちろんさ。じゃあ、後はよろしく」
カーラ「家族って、どういうこと……!?」
ゼンガー「ククル、お前は……」
リシュウ「なるほど、事情が見えて来おったわ」
ククル「そなたらには関係なきこと。 我が主の意思に逆らう者は、冥府へ去んでもらうぞ」
ゼンガー「否! 我が剣にて罷り通る!」
(作戦目的表示)

〈vs ククル〉

[ゼンガー]

ククル「幾度我らに抗おうと、詮無きことよ!」
ゼンガー「かつてのお前と同じようにか?」
ククル「……!!」
ゼンガー「ククルよ、お前は心の底から バラルに従っているわけではあるまい。 違うか?」
ククル「言ったはず! そなたには関係なきことじゃ!」

[リシュウ]

リシュウ「お主がバラルに従っておる理由が見えたぞ」
ククル「老いぼれが! 今日こそ冥府へ堕ちるがよい!」

[ブリット]

ブリット「もしかして、家族を人質に取られて……!?」
ククル「そなたには関係なきこと!  四神の宿命に準じぬのであれば、冥土へ去ね!」
ブリット「バラルに従うことが宿命であるものか!  虎龍王もそう言っている!」

[クスハ]

クスハ「あなたもかつては バラルと戦っていたんじゃないですか!?  この龍虎王のように!」
ククル「黙れ!  四神の超機人とてバラルの神に逆らえば、 百邪として冥獄へ堕ちることになろうぞ!」

[撃墜]

ククル「くううっ! 彼奴らを止められぬとは……!」
ゼンガー「ククルッ!」
ククル「わ、妾は滅するわけにはいかぬ!  妾が湮滅すれば、父君や母君が……!」
(マガルガが西へ移動すると進路を塞ぐように饕餮王と窮奇王が出現)
ククル「!!」
(饕餮王がマガルガに隣接)
ククル「あうううっ!!」
光龍「逃げちゃ駄目じゃないか、ククル」
ククル「光龍様!?」
光龍「ま、君にはそれほど期待してなかったけど。 最期に一役務めてもらおうか」
光龍「僕達に逆らうと、どうなるか…… 鋼龍戦隊に対しての見せしめとして、 饕餮王に食べられちゃってよ」
ククル「そ、そんな! 妾は!!」
光龍「ああ、これまでの働きは認めるよ。 だから、君を父母の所へ送ってあげよう」
ククル「ま、まさか!?」
光龍「そう、君の大事な家族は饕餮王の腹の中さ」
ククル「で、では! バラルの園の氷器は!?  あの中の父君と母君は!?」
光龍「ああ、あれ。良く出来た(よう)だろう?」
ククル「ううう! あああああっ!!」
マサキ「俑って、何なんだ!?」
ヤンロン「死者と共に埋葬される人形のことだ」
クスハ「じゃ、じゃあ!?」
リシュウ「……ククルは光龍に騙されておったようじゃの」
ククル「わ、妾は……妾は、今まで何のために……!?」
光龍「決まってるじゃないか、そんなの」
ククル「!?」
光龍「ここで饕餮王に喰われるためさ!  グッバイ! そして、グンナイ!  あははははは!」
ククル「ち、父君! 母君!!」
(ゼンガー機が饕餮王の北側に隣接し、饕餮王を弾き飛ばす)
ククル「! ゼ、ゼンガー!?」
ゼンガー「………」
光龍「おや、何の真似かな?」
ゼンガー「孫光龍……貴様の比興、見るに堪えん」
光龍「何言ってんの?  そいつは、君達を何度も殺そうとした女だよ?」
ゼンガー「そう仕向けたのは、貴様だろうが」
光龍「甘い、甘いなあ。 でも、巫女は君達のそういう所が 気に入っていたのかも知れないねぇ」
アイビス「どういうことなの、それ!?」
光龍「まあ、いいや。 次の相手は四凶の超機人、饕餮王と窮奇王だ」
光龍「知っての通り、情け無用だからね、彼らは。 あと、老婆心ながら言っておくけど……」
光龍「饕餮王と窮奇王に喰われたら、 尸解もへったくれもないから。 魂を貪られて、完全消滅さ」
ククル「そ、孫光龍……!  許さぬ! そなただけは断じて許さぬ!!」
光龍「僕らに刃向かうつもりかい、ククル?  それがどういうことになるか、 君ならよくわかってるだろう?」
ククル「……!」
光龍「主の恩寵が途切れることになれば、 君の虚魂は消滅するんだよ?」
ゼンガー「……!」
クスハ「そ、そんな……!」
ククル「妾は黄泉の巫女……然るべき処に還るだけのこと。 じゃが、そなたは……そなたらだけは許せぬ!」
ククル「妾の父母の無念、妾が晴らしてくれる!」
光龍「あ、そう。 じゃあ、精々頑張ってくれたまえ」
ククル「……ゼンガー・ゾンボルトよ、 そなたに礼は言わぬ」
ゼンガー「………」
ククル「じゃが、妾はたった今、バラルと袂を分かち、 妾を謀った者共を討つ!」
ゼンガー「良かろう……その言葉、信じるぞ」
(窮奇王と饕餮王を指す)
クスハ「四凶の超機人……あなた達には負けない!」
ブリット「俺達を……白虎と青龍を 易々と止められると思うな!!」
(作戦目的表示)

先にHPを50%以下にしたのは
饕餮王 窮奇王


back index next