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天蓋の下で 地上ルート ~ 第54話 ~

《パリ 地球連邦軍 統合参謀本部》

[地球連邦軍 統合参謀本部]

アルテウル「とんだ失態だったな」
ギャスパル「こちらからの攻撃がきっかけとなったかも知れんが…… いずれ、バラルはああするつもりだったのだろう」
アルテウル「言い訳として受け取っておこう。 それで、用件は?」
ギャスパル「バリア展開と共に南極の結界の直径が縮小し、 その高度を増した」
ギャスパル「こちらでは、南極上空が遮断されることを防ぐため、 そのように変形したと見ている」
ギャスパル「また、バラルを警戒してか、 ルイーナの動きが沈静化しつつある。 これは我が方にとって、好機と言えよう」
アルテウル「なるほど……催促というわけか」
ギャスパル「ああ。オペレーション・アイスブレイカーへの 参加を急いでもらいたい」
アルテウル「こちらにも都合が色々とあるのだが……いいだろう。 ただし、条件が一つある」
ギャスパル「何だ?」
アルテウル「鋼龍戦隊をこちらに引き渡せ」
ギャスパル「引き渡すも何も、 彼らは今、我々の管轄下ではないのだがな」
アルテウル「ふん……では、言い方を変えよう。 そちらの方でも鋼龍戦隊を追撃するのだ。 ただし、接収は我らの方で行う」
ギャスパル「随分と都合のいい話だが…… 我らの方にも体面というものがある」
ギャスパル「鋼龍戦隊の逮捕と引き渡しは 我が方だけに任せてもらいたい」
アルテウル「今更、体面などと…… 彼らの追撃を取りやめろと言うのか?」
ギャスパル「そういうことだ」
アルテウル(フッ、鎌を掛けて来たか……。 お互い様だがな)
アルテウル「……よかろう。では、以上だ」
(通信が切れる)
ダニエル「元帥、本気ですか……!?  鋼龍戦隊をガイアセイバーズに引き渡すなどと……!」
ギャスパル「これは化かし合いだよ。 さて、奴がどう出て来るか……」

《グランド・クリスマス》

[グランド・クリスマス 基地内部(執務室)]

ニブハル「……本命はナフード砂漠でしたね」
アルテウル「フッ……自分でも恐ろしいぐらいに 事が上手く運んでいるよ」
ニブハル「あの空中庭園にバラルの神が鎮座しているのであれば、 あれもまた……」
アルテウル「いや、まだわからんよ。 南極に存在している可能性もある」
ニブハル「しかし、あそこにはルイーナが……」
アルテウル「彼らの王が目覚めるようであれば、 バラルの神が動くだろう……それはそれでいい」
アルテウル「問題は、孫光龍の計画…… 人間の格を上げるという言葉が何を意味するか……」
アルテウル「もし、それが我らにとって災いとなるのであれば、 彼らの仕上げを急ぐ必要がある。南極は後回しでいい。 ゲストは言わずもがなだ」
ニブハル「では……」
アルテウル「ああ。かのビアン・ゾルダークに倣い、 我らの命を賭して最後の仕上げを行う……」
アルテウル「まず、ガンマ・セイバーを出撃させろ。 それで、ギャスパルは腹を決める。 ルイーナが動かぬのであれば、尚更な」
ニブハル「了解しました」

《太平洋上(ハガネ)》

[ハガネ ブリーフィング・ルーム]

ラミア「浮上したバラルの拠点、“バラルの園”から 発生したバリアは、ルイーナの結界以外の空を 覆い尽くし……現在も維持されているでありんす」
ラミア「地球と宇宙間の行き来を断絶するという点では アートルム・エクステリオルと同じですが……」
ラミア「承知の通り、太陽の光は遮断されてなかったり しちゃいます。また、地球各地で特に目立った 災害は確認されておりません」
エクセレン「今度のバリアは、随分と地球に優しいのねぇ」
ラミア「現在、宇宙にいる者との交信は不可能であり、 ヒリュウ改とも連絡が取れていやがりません」
ラミア「また、バリアはH-MAPWの直撃に耐える程の 強度を持っていることが判明していますが……」
ラミア「それ以上の物も凌ぐであろうと推測されて おりますです。おそらくは、空間転移による 突破も不可能でございましょう」
カイ「つまり、俺達は再び地球に閉じ込められたのだな」
ラミア「そうです」
アクセル「あのバリアは盾であり、檻でもあるということか」
レーツェル「孫光龍は、地上に住まう人々の逃げ場をなくした上で 総人尸解計画を遂行するつもりだな」
ジョッシュ「ラミア少尉、バラルのバリアには セプテンプルムのような外界への出入口は あるんですか?」
ラミア「現状では、 バラルの園自体がそうだと予想されている」
シャイン「では、あれを壊さなければ、 私達は地球の外に出られない……?」
トウマ「他に方法はないんですか?」
ラミア「リスクはかなり高いが、 ルイーナの結界を通り抜ければ、 南極から宇宙へ脱出できる」
エクセレン「それは、さすがにきっついわね。 後は……孫光龍に通行税を払って通してもらうとか?」
イング「通行税? お金ですか?」
キョウスケ「真に受けるな、イング。 ともかく、おれ達は頭上を抑えられた……」
キョウスケ「この状態でオペレーション・アイスブレイカーを 敢行するのか、それとも……」
カイ「それについては、 統合参謀本部からの指示待ちだ」
カイ「各員、異常な状況下ではあるが…… それに心惑わされることなく、与えられた任務を 遂行してくれ。以上だ」
エクセレン「……まあ、アートルム・エクステリオルに比べたら まだましだけど……かえって気味が悪いわねぇ」
ラーダ「ええ……ある意味、生殺しね」
アラド「あ、あのっ、カイ少佐」
カイ「……イルイのことなら、ゼンガーから聞いた。 見つからなかったそうだな」
アラド「は、はい……」
ブリット「艦内映像もチェックしたんですが…… それらしい姿は見当たらず……」
ゼオラ「あの子は、部屋の中で 突然消えてしまったとしか……」
カイ「どうやって、そんなことを……」
リシュウ「もしかしたら……バラルの仕業かも知れん」
クスハ「えっ……」
リシュウ「確証はないが……あの妖仙共なら、 何らかの術を使って、イルイを連れ去ることが 出来るのではないかと思っての」
ゼオラ「で、でも……何故、バラルがあの子を……!?」
リシュウ「それは……わからん」
ブリット(もしかして…… イルイが見た夢、あれと関係が……?)

(ハガネ ブリッジ)

テツヤ「……先程、ジェイコブ中将から通達があり、 ガイアセイバーズは我々の追撃を取りやめたそうです」
レーツェル「その理由は?」
テツヤ「ギャスパル元帥とアルテウルの間で 取り引きがあったそうですが、ジェイコブ中将も その詳細は知らされていないと……」
レーツェル「にわかには信じられぬ話だな」
テツヤ「中将は、我々がオペレーション・アイスブレイカーへ 参加することを踏まえた上での処置ではないかと 推測されていましたが……」
(アラート)
エイタ「レーダーに感あり!  ルイーナ機、接近! 3時方向より真っ直ぐ!  レンジ5!」
テツヤ「総員、第一種戦闘配置! 各機を出撃させろ!」


第54話
天蓋の下で

〔戦域:海上〕

(南東端にハガネが待機中)
エイタ「目標群アルファ、ブラボー、 11時方向より真っ直ぐ! レンジ3!」
テツヤ「VLSM、攻撃用意!」
(北西にルイーナ機が出現。出撃準備)
アラド「あいつら、地球がバリアで覆われちまっても お構いなしか!」
グラキエース「……バラルが何をしようと、 “破滅の王”が目覚めれば、結果は同じ。 ウンブラ達はそう考える」
ジョッシュ「ラキ、今回の相手は……」
グラキエース「前にも言ったはずだ。 私は戦うために生まれた……例え、相手が私を 生み出した存在であっても、やることは変わらない」
ヒューゴ「だが、これでお前達のことを奴らに知られた」
ウェントス「ああ、ウンブラやコンターギオ達は ためらうことなく僕らを……君達の水先案内人となる 僕らを消し去ろうとするだろう」
リム(リアナ)「ウェン……」
ウェントス「でも、僕らは君達によって解放され、 新たな生を与えられた。だから、君達の存在を 消そうとする者と戦うよ」
カイ「エレーブ1より各機へ!  速やかにルイーナを撃破しろ!」
(作戦目的表示)

〈4PP or 敵機20機以上撃墜〉

(アラート)
エイタ「高速飛行物体多数、現戦域へ接近中!」
テツヤ「ルイーナの増援か!?」
(残っているルイーナ機が全機爆発)
ジョッシュ「ルイーナが!」
(西側にガイアセイバーズが出現)
シアン「ヘッ、獲物と手柄はいただいたぜ」
アリエイル「ガンマ・セイバー……!」
リシュウ「む、あの機体は……ムラタか!」
ムラタ「………」
ブリット「あの男、いつの間にガイアセイバーズに!?」
エイタ「まさか、あの連中…… こっちにも仕掛けてくる気じゃ!?」
テツヤ「いや、ガイアセイバーズは我々の追撃を 取り止めたと聞いている」
エイタ「それでルイーナだけを攻撃した……?」
シアン「さて……どうするんだ、隊長さんよ?」
シオ「ここへ来る前にも一仕事したから、 早く帰りたいし」
ムラタ「奴らはルイーナより食いでがある。 仕掛けるぞ」
シエンヌ「ふふん、そうこなくちゃね」
シアン「ヘッ、今度の隊長はアルベロと違って話がわかるぜ」
ムラタ「存分に血を吸うがいい。 斬り甲斐のある強者は、俺に回しても構わんぞ」
シオ「じゃ、そうする。 さっきの戦闘で、弾もあんまりないし」
シアン「俺がそんな勿体ねえことするかよ。 ムラタ、あんたより稼いでみせるぜ」
エイタ「艦長! ガイアセイバーズは こちらに仕掛けてくる気のようです!」
テツヤ「アヅキ、回線を開け!」
アヅキ「了解!」
テツヤ「こちらは鋼龍戦隊ハガネ艦長、 テツヤ・オノデラ中佐だ! そちらは我々の追撃を 取り止めたのではないか!?」
ムラタ「……知らんな」
テツヤ「そんなはずはない、確認しろ!」
ムラタ「無駄なことだ」
テツヤ「何!?」
シエンヌ「寝言は寝てから言うもんだよ」
シアン「大統領を殺した罪は重いからな、お前らの上も さすがに庇い切れなくなったんだろうよ」
アラド「だから、それは濡れ衣だって言ってんだろうが!」
ゼオラ「それをわかってくれる人もいるのよ!」
シエンヌ「へえ、どこの誰だい? ここに連れて来なよ」
ラトゥーニ「……あなた達、地球圏の状況を把握していないの?  今、私達が戦うべき相手は……」
シエンヌ「ルイーナとバラルかい?  でも、ここでお前達を見逃す理由にはならないね」
シアン「ああ。 そもそも、鋼龍戦隊の追撃中止命令なんざ出てねえよ」
エクセレン「……嘘を言ってるようにも、 言ってないようにも見えるわね」
キョウスケ「どっちでも同じだ」
エクセレン「そうねぇ、 武者ガーリオンと子犬ちゃん達相手じゃね」
アクア「あの男がガンマ・セイバーの指揮を執っているのなら、 エルデは今、何を……?」
ヒューゴ「………」
リシュウ「……ムラタ、お主がガイアセイバーズにおるとはの。 ノイエDCの残党に荷担しておったのではないか?」
ムラタ「こちらへ戻って来てから、連中の所在は知れん。 異星人や妖魔共に喰われたか……いずれにせよ、 今の俺の雇い主は、ガイアセイバーズだ」
リシュウ「テツヤ・オノデラ中佐の言葉に思う所はないのか?  今は我らで剣を交えている場合ではない」
ムラタ「修羅の悟りは人機の骸、その堆山の彼方にある。 眼前に強者あらば、ただ斬るのみ」
ムラタ「リシュウ、ゼンガー、貴様らが相手なら尚更のこと。 故に、俺は地上世界へ舞い戻ったのだ」
ゼンガー「笑止。悪逆魔道の剣で、この俺は斬れん」
リシュウ「どうあっても退けぬか?」
ムラタ「かつて言ったはず。無意味な題目など、馬耳東風。 人血と機油にて己が渇きを癒すのみ」
シアン「心配すんな。お前らを始末した後で、 ルイーナもバラルも片づけてやるさ!」
アラド「どうしてもおれ達とやるってんなら、 あいつらを倒した後で相手をしてやる!」
シエンヌ「命乞いが下手だねぇ、アラド!  こっちは見逃す気なんて、さらさらないのさ!」
アラド「誰が命乞いなんかするか!」
レーツェル「……テツヤ中佐、降りかかる火の粉は 払わねばなるまい」
テツヤ「やむを得ん……!  各機、ガイアセイバーズを迎撃せよ!」
(作戦目的表示)

〈ケルベリオン・プレザンのHP20%以下〉

シエンヌ「チッ、こんな所で死ねるか!  この借りは必ず返してやる!」
(ケルベリオン・プレザンが撤退)

〈ケルベリオン・パッセのHP20%以下〉

シアン「くうっ、やってくれるじゃねえか!  だが、ここでくたばる気なんざねえんだよ!」
(ケルベリオン・パッセが撤退)

〈ケルベリオン・アヴニールのHP20%以下〉

シオ「……連戦だから、この結果は仕方ないし。 でも、死ぬつもりもないし」
(ケルベリオン・アヴニールが撤退)

〈vs ムラタ〉

[ゼンガー]

ムラタ「ゼンガー!  貴様との死合、心待ちにしていたぞ!」
ゼンガー「私欲の剣など、俺には通用せん!  それほどに剣を振るいたくば、 冥府の鬼共を相手にするがいい!」

[リシュウ]

リシュウ「ムラタ!  いまだ人斬りの快楽から逃れられぬか!」
ムラタ「剣は人を斬るための物!  今、俺の獅子王は貴様の命を絶つために(はし)る!」

[ブリット(虎龍王搭乗時)]

ムラタ「リシュウの弟子、そして超機人!  斬り甲斐のある相手だ! 一太刀で息絶えるなよ!」
ブリット「濁ったその切っ先で、 俺と虎龍王を斬れるものかよ!」

状況選択

ガーリオン・カスタム“無明”以外敵機がいない状態で
  ガーリオン・カスタム“無明”を撃墜した
  ガーリオン・カスタム“無明”のHPを13000以下にした
ガーリオン・カスタム“無明”以外にも敵機がいる状態で
  ガーリオン・カスタム“無明”を撃墜した
  ガーリオン・カスタム“無明”のHPを13000以下にした


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