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去来交差点 ~ 第50話 ~

《パリ 地球連邦軍 統合参謀本部》

[地球防衛軍 統合参謀本部]

ダニエル「レコンキスタ……聖地奪還ですか」
ギャスパル「ああ。月奪還作戦の名として、相応しかろう?」
ダニエル「わかりました。 オペレーション・アルファの正式名称は いかが致しましょう?」
ギャスパル「アイスブレイカーだ。 片方の名は、わかり易いものにしようと思ってな。 それに、君はストレートなネーミングが好みだろう?」
ダニエル「ええ。では、今後はアルファを オペレーション・アイスブレイカー、ブラボーを オペレーション・レコンキスタと呼称します」
ギャスパル「それでは、報告を聞こうか」
ダニエル「現在、ゲストは散発的に地球への威力偵察を 行っておりますが……大きな動きは見られません」
ダニエル「また、ルイーナは 南アメリカのみならず、アフリカ西南部や オーストラリア、オセアニアにも出没し……」
ダニエル「こちら側の基地や、アーマードモジュールの 生産工場がいくつか制圧されました。 詳細については、このデータをご覧下さい」
(モニターオン)
ギャスパル「ふむ……水際作戦もそろそろ限界か」
ダニエル「ええ、ルイーナの出現頻度が上がっています。 南米方面軍や南極周辺に派遣した艦隊では 対応し切れません」
ギャスパル「オペレーション・アイスブレイカーの前倒しは 可能か?」
ダニエル「現状では困難です。 例の件で揉めているせいか、ガイアセイバーズ側の 対応が鈍化しております」
ギャスパル「ふん、アルテウルめ、何を企んでいる……?  場合によっては、連邦軍だけで敢行せねばならんか」
ダニエル「それを踏まえた上で、準備を進めております。 鋼龍戦隊については、いかが致しましょう?」
ギャスパル「戦力を二つに割り、アイスブレイカーと レコンキスタの両方に参加させた方が いいかも知れんな」
ダニエル「アイスブレイカーに専念させた方がよろしいのでは?  ルイーナは今後、どのような手を打ってくるか わかりませんから」
ギャスパル「無論、ルイーナの動向次第では、そうする。 ただ、月が抑えられていることもあり、 ゲストとも早く決着を付けたい」
ギャスパル「“破滅の王”などという得体の知れぬ存在より、 テイニクェット・ゼゼーナンの方が まだ組み伏せ易そうだからな……」

《イティイティ島(鋼龍戦隊)》

(ブリーフィング・ルーム)

ショーン「……先程の敵は撃破しましたが、ガイアセイバーズに この基地を知られたと考えた方がいいでしょうな。 いかがしますか、艦長?」
レフィーナ「この島を出て、彼らを陽動します」
ショーン「ガイアセイバーズは、イティイティ島より 我らの追撃を優先するでしょうが……それでも ここが攻撃を受ける可能性はありますぞ」
レーツェル「やむを得ません。 あなた方を迎え入れると決めた時点で、 覚悟していたことです」
レフィーナ「……申し訳ありません……」
レーツェル「いえ、旧DC関係者から この基地の情報が漏れる可能性もありますし…… いずれ、このようなことは起きたでしょう」
レーツェル「ただ、大佐が仰った通り、 ターゲットを分散させるためにも、 我々はここを出た方がいいと考えます」
レフィーナ「テツヤ中佐、副長……異論はありますか?」
テツヤ「いえ」
ショーン「こちらもありません」
レフィーナ「なお、ガイアセイバーズを陽動した後は チリ沖海底に潜伏し、ジェイコブ中将からの 次の指示を待ちます」
ショーン「わかりました」
レフィーナ「では、直ちに進発準備を。 それと、哨戒任務に就くメンバーを 選抜しておいて下さい」
ショーン「了解です」
レーツェル「クルト艦長……私は引き続き鋼龍戦隊と行動を 共にする。後のことは頼むが、いざという時は クロガネでイティイティ島から脱出してくれ」
クルト「はっ……」

(食堂)

(扉が開閉する)
トウマ「うう……」
カーラ「トウマ……身体の具合は大丈夫なの?」
トウマ「あ、ああ……それより、みんな…… あんなことになってしまって、すまなかった……」
カーラ「あたしは気にしてないよ。 そもそも、基地を守るために出てくれたんでしょ?」
リオ「それに、あんなことになるなんて 予想できなかったし……」
ラウル「まあ、お前が無事で良かったよ」
デスピニス「ええ、一時はどうなることかと……」
リューネ「DMLシステムに振り回され気味だったけど、 あそこまでやるなんて、大したもんだよ」
トウマ「その後、システムLIOHに 思いっ切り振り回されたけどね……」
アラド「ところで……カイ少佐のお説教は、終わったんスか?」
トウマ「ああ……雷鳳で出撃したことじゃなく、 初陣で自分の力を過信したことで2時間ぐらい 怒られた……」
マサキ「そんなの、ヤンロンの説教に比べれはましだぜ」
クスハ「え? どういうことなの?」
マサキ「前に俺もくらったことがあるんだが…… 中国四千年の歴史から始まって、 延々といつ果てることなく続くんだ」
マサキ「しかも、口答えしようものなら、 言ったことの10倍の説教が返ってきて……」
マサキ「ヤンロンが疲れたら、 ランシャオが交代するから休む暇もないし」
クスハ「そ、それは……」
イルム「す、凄まじいねえ……」
マサキ「噂じゃ、プッツンいっちまった奴も いるとかいないとか」
ヤンロン「……適当なことを言うのはやめてもらおう。 僕は丁寧に、時間を掛けて諭しているのだ。 きちんと改悛してもらうためにな」
ランシャオ「その通りです。よろしければ、改めて じっくりとご説明致しますが……」
マサキ「い、いや! わかった!  俺が悪かった! 悪かったから、勘弁してくれ!」
イルム「……効果は絶大だな」
アラド(お、おれも気をつけなきゃ)
ユウキ「ところで……今後、雷鳳はどうなるんだ?」
トウマ「上で話して決めるそうだけど…… 俺が降ろされるのは確実だろうな。 あんなことがあったから……」
ユウキ「他の者が乗っても、 同じ結果になった可能性は高いがな……」
トウマ「………」
リューネ「……トウマ、これを貸してあげるよ」
トウマ「パワーリストとアンクル……?」
リューネ「そう、 あたしが普段付けてるのとはちょっと違うけどね。 ほら、受け取って」
トウマ「うおっ! お、重い!」
リューネ「それをいつも付けてたら、DMLシステムを 使いこなすトレーニングの一つになるよ」
トウマ「え……?」
リューネ「一大決心して、雷鳳に乗ったんでしょ。 あれがどうなるかわからないけどさ…… あんたは諦めずに頑張んなよ。もしもの時に備えてね」
トウマ「……ありがとう、リューネ……」

《グランド・クリスマス》

[グランド・クリスマス 基地内部(データ室)]

(キー操作)
エルデ(これでプロテクトは解けた……)
エルデ(イデアラント…… ドゥバン・オーグの……データを……)
(モニターオン)
エルデ(! これは……!)
エルデ(フフフ……この情報は使えるわ。 後は8号機と9号機を……)

[グランド・クリスマス 基地内部(ラボ)]

ミタール「エルデ、試作8号機と9号機の巡航テストを行う。 データ収集はそれぞれのAI0と君に任せる。 メディウス・ロクスで同行してくれ」
エルデ「了解しましたが…… 万が一、会敵した場合の対処は?」
ミタール「こちらの勢力圏内でテストコースを 設定しているのだがね。ゲストはともかく、 ルイーナや鋼龍戦隊と遭遇する確率は低かろう」
ミタール「もし、敵と出くわした場合は速やかに撤退したまえ。 8号機と9号機を失うわけにはいかん」
エルデ「……わかりました」
エルデ(これはチャンスね…… 目的を同時に果たせるかも知れない……)
エルデ(アルベロ……あなたにも手伝ってもらうわ……)

《太平洋上(鋼龍戦隊)》

(ブリーフィング・ルーム)

エリック「……以上が、TEアブゾーバー試作8号機、9号機、 そして10号機の大まかな仕様じゃ」
アクア「じゃあ、本命は……」
エリック「10号機MODEL-Xでの。 8号機と9号機はその過程でこさえた 有人のTEアブゾーバーでの」
エリック「ガイアセイバーズでも運用できるようにした機体での。 スポンサーから資金を引き出すための成果物じゃが、 サーベラスやガルムレイドの性能は超えとるでの」
アクア「でも、MODEL-XにはAI1が……」
エリック「そこは黄色信号での。 ミタールは、AI1の暴走を懸念しておるからの」
アクア(暴走……)
ギリアム「ワン博士、サーベラスやガルムレイドと メディウスが模擬戦ではなく、実戦を行うよう 仕向けられた件についてですが……」
エリック「経緯はワシもよく知らんでの。 おそらくは、エルデが言い出したことでの」
エリック「ガチンコ勝負の方が、双方とも真剣になるでの。 すると、いいデータが得られるでの。AI1を より効率的に学ばせ、育てるための措置ではないかの」
アクア「……その結果、私達が死んでも……」
エリック「構わんということじゃの。 エルデにとって、本命はあくまでもAI1…… あれを自分の子供のように可愛がっておるからの」
アクア「………」
カイ「では、アルベロ・エスト少佐が ツェントル・プロジェクトに従っている理由は?」
エリック「ワシにはわからんの。妙だと思って調べてはみたが、 ミタールもガードがえらく固くての。アルベロも エルデも、それについては口をつぐんでおったしの」
ギリアム(相当の理由があるということか……)
エリック「ワシは全てを知っておるわけではないからの。 前大統領の件やガリルナガン、キャニス、 マシンナリー・チルドレンやイング……」
エリック「そこら辺のことは、よくわからんでの」
レフィーナ「……では、最後にお聞きします。 博士はアルテウル・シュタインベックについて、 本当の所はどう思われます?」
エリック「あやつの真意は見えんが…… 白か黒かと言われたら、かなり黒に近いと思うの」
エリック「ガイアセイバーズを隠れ蓑にして、 何か良からぬことを企んでおるような気がするの」
エリック「まあ、ワシの勘じゃがの。 ビアン・ゾルダークなどとは 根本が違うような気がするでの」
エリック「シーちゃんもそこら辺がわかっておったから、 あのようなことをしたんじゃないかの」
レフィーナ「シーちゃん……?  もしかして、シュウ・シラカワ博士ですか?」
エリック「んむ。 ワシも食っていくためにガイアセイバーズに 協力しとったが……これ以上はの」
エリック「あやつらに対するお主らの判断と行動は、 間違っておらんとは思うがの」
レフィーナ「……お話を聞かせていただいて、 ありがとうございます、博士」
(通信)
ユン「艦長、まもなく浮上の時間です。 ブリッジにお戻り下さい」
レフィーナ「わかりました」
アクア「……私は哨戒任務がありますので、これで」
カイ「ああ、そうだったな。気をつけて行ってこい」
アクア「了解です」

<海上をアクア機、ヴァルシオーネR、ガッデス、ガルガード、ザムジードが飛行している>

ミオ「天気晴朗なれども波高し、 海は広いな、でっかいな♪ ってね」
テュッティ「もう……遊びに来たんじゃないのよ、ミオ。 これは哨戒任務なんだから」
ミオ「わかってますって。 ちゃんとレーダーはチェックしてるから」
ハッカイ「見てるのは俺達ですけど~」
ゴジョー「ホンマ、ファミリア使いの荒いお人やさかいに」
アクア「……いいなあ、ファミリア。 色々なお手伝いをしてくれるものね」
ミオ「うん。 暇な時には、漫才の練習相手にもなるよ」
アクア「そ、そういうのは求めてないけど……」
アクア(……やっぱり、一人でTEアブゾーバーに乗るのは 寂しいしね……ヒューゴと一緒だったから……)
リューネ「ねえねえ、もしファミリアが作れるんだったら、 どういうのがいいの?」
アクア「そうねぇ……えーっと……」
ミオ「コモドオオトカゲとか?」
アクア「そうそう、意外に足が速くて……」
アクア「って、何でトカゲなのよっ!!」
ミオ「ん~、いいノリツッコミだね」
リューネ「で、何がいいの?」
アクア「カピバラ、かな」
リューネ「へえ……って、何それ?」
ミオ「別名、オニテンジクネズミ。 現生種で一番おっきなげっ歯類だよ」
ゴクー「天竺……俺ら的には気になるワードですな」
ハッカイ「そうそう、夢の国へGO WEST~」
リューネ(鬼……大きなネズミ……?)
アクア「今、凄いの想像したでしょ。 そうじゃなくて、可愛いんだから」
ミオ「うん。 さん付けで呼ぶとなお良し、ってね」
アクア「後で画像を送ってあげる。 きっとリューネも気に入るわ」
リューネ「ありがと」
ザッシュ(参考までに僕もそれ、見ておきたいな……)
テュッティ(はあぁ……どうも緊張感が足りないわね)
(警告シグナル)
フレキ「テュッティ様、直上に異常反応が」
ゲリ「空間が歪曲しているようです。 警戒が必要かと」
テュッティ「ええ! みんな、上空に注意して!」


第50話
去来交差点

〔戦域:群島〕

(東端にアクア機、ヴァルシオーネR、ガッデスが出現)
アクア「これは……転移出現反応だわ!」
(西寄りにガロイカなどが転移出現)
リューネ「あいつらは……!」
アクア「ゲストよ!」
テュッティ「どうして、こんな所に……!?」
アクア「最近、各地で威力偵察を行ってるっていう 話は聞いてたけど……!」
リューネ「テュッティ、この距離じゃ逃げ切れないよ!」
テュッティ「ええ、迎撃するしかないわね」
アクア「ヒリュウには連絡を入れたわ!  みんな、くれぐれも無茶しないでね!」
(作戦目的表示)

〈3PP or 敵機12機以上撃墜 or ゲイオス=グルードを撃墜〉

(警告シグナル)
ゲリ「テュッティ様、こちら側へ接近してくる物体を キャッチしました」
フレキ「機影は3つです」
テュッティ「転移して来ないのなら、ゲストじゃない……!?  もしかして、ガイアセイバーズ!?」
(南西の小島にサーベラス・イグナイト(G)とガルムレイド・ブレイズ(G)が出現)
アクア「あの機体は!?」
(ガルムレイド・ブレイズ(G)が南側のゲイオス=グルードに攻撃)
【強制戦闘】
AI0・M[ロウガ・クラッシャー]vsバイオロイド兵[回避]
(バイオロイド兵の回避は失敗し撃墜される。ゲイオス=グルードが爆発。 サーベラス・イグナイト(G)が北側のゲイオス=グルードに攻撃)
【強制戦闘】
AI0・M[レイガン・ポッド]vsバイオロイド兵[回避]
(バイオロイド兵の回避は失敗し撃墜される。ゲイオス=グルードが爆発。残った敵機も全て爆発)
ザッシュ「ゲスト機を撃破した……!」
アクア「あ、あれは!!」
(サーベラス・イグナイト(G)とガルムレイド・ブレイズ(G)の東側にメディウス・ロクスが出現)
エルデ(フフフ……運がいいわ。 こんなに早く彼女と接触できるとは……)
アルベロ「貴様……テストコースを変更したのは、 これを狙ってのことか?」
エルデ「まさか……偶然ですわ」
アルベロ「しかも、8号機と9号機を戦闘させるとは…… ミタールの命令に反しているのではないか?」
エルデ「ご心配なく。責任は私が取りますから」
アクア「ミッテ先生!」
エルデ「ご覧の通り、8号機と9号機は完成したわ。 つまり、あなたとその機体は もう用済みだと言うことよ」
アクア「私は……まだ先生に用があります」
アクア「今なら……今なら、まだ間に合います。 メディウス・ロクスから降りて下さい。 でなければ、私達は……!」
エルデ「最後通告というわけね。 だけど、そんなものは無駄だと わかっているでしょう?」
アクア「あなたのことは許せない……でも、今は……!」
エルデ「……嫌いなのよ、 あなたのそういう押しつけがましい所。 ずっと前からね」
アクア「!」
エルデ「あなたは苦労もなく育ち、進む道を与えられ、 大した挫折もせず生きてきた……」
エルデ「富と力を持つ者から守られ、生かされてきたと 気づかず……軍に入ったのも、お嬢様扱いされることを 嫌っただけに過ぎない」
エルデ「そして、パイロットという職種を選び、 籠の中の鳥ではなく……死地に身を晒し、 自力で羽ばたく鳥だと周囲に認めさせようとした」
エルデ「有り体に言えば、 ファッション感覚で軍人になったのでしょう?」
アクア「ち、違う……!」
エルデ「何が違うの?  強制的でも、やむを得ない事情があったわけでも、 食べていくためでもないでしょう?」
エルデ「そもそも、あなたはお金なんていらないはずよ。 あのケントルム家の一員なのだから」
エルデ「生きるために身を削ったことなんてないでしょう、 私とは違ってね」
アクア「わ、私は……結果を出すために……!」
エルデ「結果? それは何?  ヒューゴ・メディオの死かしら?」
アクア「う……!」
エルデ「知識はあっても、根本は愚かな甘えん坊なのよ。 でも、そんなあなたにも利用価値はあった」
エルデ「そう……あなたが構築したDFCのデータは、 私のAI1にとって必要なものだったわ」
アクア「!」
リューネ「あんた、そのAI1とやらで 何をやろうってのさ!?」
エルデ「フフフ……どう答えれば納得してもらえるかしら。 富と名声? 世界の征服? 人類の滅亡?  ……どれも興味がないわ、私にとっては」
アクア「………」
エルデ「私は、AI1が行き着く先を見たいだけ。 そのためなら、何であろうと利用するわ」
アルベロ「………」
アクア「だ、だから、私を……!?」
エルデ「さあ、アクア。 その血肉を私の子に差し出しなさい」
アクア「エ、エルデ……あ、あなたって人は……!!」
(メディウス・ロクスにエラーシグナル)
エルデ(またAI1にノイズが……!  アクアに反応しているとでも言うの……?)
アルベロ「前回と同じ現象が起きているようだな」
エルデ「……許容範囲内です。 8号機と9号機の制御は、私とAI1が行います。 あなたは彼女を」
アルベロ「………」
エルデ「それぞれの子供のために……ですわ、アルベロ」
アルベロ(この女……!)
テュッティ「アクア!」
アクア「だ、大丈夫よ……!  私は先生を……エルデを止めてみせる……!」
アクア「そのために……AI1を破壊するわ!」
(メディウス・ロクスに少し長いエラーシグナル)
エルデ(間違いない……アクアに反応しているわ。 共鳴しているとでも言うの……!?)
エルデ(成長進化した故だと言うの、AI1……?)
アルベロ「行くぞ。いいな?」
エルデ「ええ……鋼龍戦隊が来る前にアクアを抹殺して下さい。 彼女は目障りです」
(作戦目的表示)

〈vs アルベロ〉

[アクア(1回目)]

アクア「AI1を破壊する!  そうすれば、あなたは!」
エルデ「AI1は私の全てよ。 あなたごときに倒せはしないわ」

[アクア(2回目)]

エルデ「アクア、AI1にはあなたのDFCデータが 組み込まれている。つまり、私と同じか、それ以上に あなたの癖を知っているのよ」
アクア「だったら、もっと早く決着が付くはずでしょう!  それが出来ないのなら、私にも勝機はあるはず!」
エルデ「フフフ……その強がりがどこまで通用するかしら?」

[HP70%以下]

エルデ「ラズムナニウム、CAコントロール。 装甲損傷部を修復します」
(メディウス・ロクスに『ド根性』)

〈vs サーベラス・イグナイト(G)〉

[アクア]

アクア「8号機……サーベラスの発展型……!  迂闊に間合いへ飛び込んだら、やられる!」

〈vs ガルムレイド・ブレイズ(G)〉

[アクア]

アクア「9号機……ガルムレイドの発展型……!  パワーでは勝てない、相手の動きを見切らなきゃ!」

〈6PP or ガルムレイド・ブレイズ(G)のHP30%以下 or サーベラス・イグナイト(G)のHP30%以下 or メディウス・ロクスのHP50%以下〉

アクア「このままでは埒が明かない……!  TEリミッターを解除するしかないの!?」
エルデ「……ここまでよく耐えたと褒めてあげるわ。 でも、もう終わりよ」
エルデ「行きなさい、イグナイト」
(サーベラス・イグナイト(G)がアクア機に隣接、捕まえる)
アクア「くうっ! やられてたまるもんですかっ!」
(アクア機が北西の島まで高速で移動)
エルデ「読み通りね。 彼女を捕らえなさい、ブレイズ」
(ガルムレイド・ブレイズ(G)がアクア機の南側に隣接。アクア機が揺れる)
アクア「ああっ!!」
ミオ「アクアさん!!」
(ヴァルシオーネR、ガルガード、ガッデス、ザムジードが中央の島へ移動)
エルデ「邪魔はさせないわ」
(サーベラス・イグナイト(G)がザムジードに向かって銃撃、ザムジードに爆煙)
ミオ「きゃあっ!」
ザッシュ「くううっ!」
エルデ「アルベロ、こちらで機体を制御します」
アルベロ「何だと!?」
エルデ「さあ、AI1。 あなたがアクアを抹殺するのよ」
(メディウス・ロクスがシステム起動後、高速でアクア機の西側に隣接)
アクア「ああっ、機体が!!」
エルデ「私の言うことを聞いてくれたわね、AI1。 いい子よ」
アクア「き、機体が動かない!!」
(コックピット・ハッチを取られた)
アクア「コ、コックピット・ハッチが!!」
エルデ「ねえ、アクア。最期にお願いがあるの」
アクア「えっ!?」
エルデ「あなたの綺麗な顔が歪み、潰れていく様を 先生に見せてちょうだい」
アクア「!!」
エルデ「苦しみ抜いて死ぬのよ。 そうすれば、あなたのことを 好きになってあげてもいいわ」
エルデ「……少しはね」
アクア「あ、あああ……ヒューゴ……!!」
アクア「ヒューゴォォォォ!!」
(メディウス・ロクスで精神感応)
エルデ「!?」
(メディウス・ロクスが一瞬揺れ、黒い光を発した後、黒い煙のようなものがアクア機に流れ込む)
アルベロ「な、何だ!? コックピットが!!」
エルデ「ラ、ラズムナニウムが!?」
アルベロ「か、身体が呑み込まれる! 制御しろ、エルデ!!」
エルデ「AI1! あなた、何をしているの!?  ラズムナニウムの膨張を止めなさい!」
(アクア機の黒い煙のようなものが多くなり、アクア機はぼぼ包まれる)
アクア「の、呑まれる! きゃあああ!!」
アルベロ「うおおおお!!」
エルデ「ぼ、暴走!? そんな!!」
テュッティ「な、何が起きてるの!? アクア!!」
(閃光)

(不明)

アクア(う、うう……)
アクア(わ、私……どうなったの……)
アクア(メディウスに押さえられて、それで……)
???(ヒューゴ)(アクア……)
アクア(この声……ヒューゴ……?)
???(ヒューゴ)(アクア……)
アクア(ごめんなさい、ヒューゴ…… 私……駄目だった……)
ヒューゴ(目を覚ませ、アクア…… まだ終わっちゃいない……)
アクア(で、でも……私はもう……)
ヒューゴ(俺がいる……俺とお前なら…… 奴を……止められる……)
アクア(えっ……!?)
ヒューゴ(だから、目を覚ませ……!)

〔戦域:群島〕

アクア「ヒューゴ!?」
ヒューゴ「く、うう……」
アクア「ラ、ラズムナニウムの中から……!」
ヒューゴ「手を貸してくれ、アクア……!  今なら、奴から逃れられる……!」
アクア「あ、あなた、いったい!?」
ヒューゴ「ここから……引き上げてくれ……早く……!」
アクア「わ、わかったわ!!」
ヒューゴ「く、うううっ……!!」
アクア「んんんん!!」
(ヒューゴがラズムナニウムから逃れる)
ヒューゴ「はあっ、はあっ、は……」
アクア「ヒュ、ヒューゴ……!」
ヒューゴ「す……すまん……おかげで助かった……」
アクア「あ、あなた……腕は……!」
ヒューゴ「も、問題ないさ……見ての通り、本物じゃない……」
エルデ「そ、そんな……馬鹿な……!  AI1……あなた、彼も取り込んでいたの……!?」
エルデ「何故……!? TEエンジンのように 必要なパーツだと判断したから……!?」
エルデ「さらなる進化を遂げるために、 パイロットを……人間を必要としたから……!?」
エルデ「スキャンしても、 それらしいものは見つからなかったのに……!  何故……!?」
エルデ「どうして、彼を生かして……排出したの……!?  もう用済みだから……!? でも、アクアに 反応したのは……!」
エルデ「いえ、ヒューゴの意志に反応していたの……!?  アクアを取り込むためや殺すためでなく……!?」
(メディウス・ロクスでシステムダウン)
アルベロ「ぬう……うう……ヒューゴ……!」
ヒューゴ「隊長!?」
アクア「ラ、ラズムナニウムに取り込まれてる……!!」
アルベロ「早く……メディウスから離れろ……!」
ヒューゴ「あ、あんた……!!」
アルベロ「ど、どうやら……立場が逆転したようだな……」
アルベロ「これも……報いだ…… 俺が……今までしてきたことに……対しての……」
ヒューゴ「た、隊長!!」
アルベロ「ヒュ、ヒューゴ…… フォリアを……フォリアを頼む……!」
ヒューゴ「!?」
アルベロ「頼む……俺の息子を……!」
ヒューゴ「な、何を言ってるんだ、隊長!  あいつはもう!!」
アルベロ「いや……生きて……いる……ミタールの下で……」
ヒューゴ「!!」
アルベロ「フォリアの……命をつなぐために…… 俺は……今まで……」
(銃声)
アルベロ「ぐふうっ!!」
エルデ「……いいわ、AI1……好きになさい……。 でも、アルベロ……あなたはもう用済みよ」
アクア「エルデ!!」
アルベロ「ぬ、ううう……!」
エルデ「予想外の展開だったけど…… どのみち、あなたに対しては こうするつもりだったのよ」
エルデ「そのままAI1に取り込まれるがいいわ。 ただし……死体となってね」
アルベロ「き、貴様……!!」
エルデ「最期に教えてあげる。 フォリア・エストはこの世に存在していないわ」
アルベロ「な……何だと……!?」
エルデ「あなたが見ていたものは、偽者よ。 他人の死体に整形手術を施しただけ。 よく出来ていたでしょう?」
アルベロ「う、ううう……!!」
エルデ「それとも、本物だと信じたい?  でも、もう真偽は関係ないわね。 ここで死んでいくあなたには」
アルベロ「エ、エルデ……よくも……貴様……!」
ヒューゴ「た、隊長ぉぉっ!!」
アルベロ「ヒュ、ヒューゴ……………………」
ヒューゴ「アルベロ隊長ぉぉぉっ!!」
アクア「あ、あああ……!!」
(黒い煙が全てメディウス・ロクスに吸い込まれる)
エルデ「……ラズムナニウムの暴走は止まったわね。 これなら、何とかコントロールできる」
ヒューゴ「エ、エルデ・ミッテ!  よくも、隊長を!! フォリアを!!」
エルデ「言っておくけど、フォリア・エストの死は 私のせいじゃない……恨まれる筋合いなんてないわ」
ヒューゴ「き、貴様ぁぁぁっ!!」
(南西側にレリオンが多数出現)
GS兵「レイク1よりガンマ1!  直ちに帰投し、命令違反の釈明をされたし!」
エルデ「……アルベロ・エストは戦死しました」
GS兵「ほ、本当ですか!?」
エルデ「ええ、残念ながら……。 それに、命令に違反したのは彼なのです。 私にテストコースを変更するよう強要したのです」
エルデ「8号機と9号機を伴って、 鋼龍戦隊を襲撃するために……。 手柄を焦って……」
GS兵「……と、ともかく、そちらは 8号機、9号機と共に後退を!」
エルデ「それが……その2機は現在、戦闘時の損傷で、 制御不可能なのです。こちらもパイロットを失い、 行動がままならないので、回収をお願いしますわ」
GS兵「なっ……!」
アクア「エルデ!!」
エルデ「アクア、あなたの最期を見届けたかったけど…… 8号機と9号機に任せるわ」
エルデ「あの2機には、あなたとヒューゴが得た 各種データが活かされている……」
エルデ「つまり、あなた達はもう一人の自分とも言える存在に 命を奪われることになるのよ」
ヒューゴ「貴様……!!」
エルデ「さようなら、ヒューゴ・メディオ。 陳腐な台詞だけど、言っておくわ…… あの世でアルベロやフォリア達と仲良くなさい」
(メディウス・ロクスが撤退)
ヒューゴ「逃がすものかよ、エルデ・ミッテ!  追え、アクア!!」
アクア「駄目よ!!」
ヒューゴ「!?」
アクア「あなたの気持ちはわかる……私だってそうよ」
アクア「でも、ここは生き残ることを最優先に考える…… あなたが戻って来てくれたんだもの」
ヒューゴ「アクア……」
アクア「何があっても生きて帰る…… それが、アルベロ少佐の教えなんでしょう?」
ヒューゴ「………」
ヒューゴ「……ああ、そうだ」
アクア「だから、ここは私に任せて」
ヒューゴ「……わかった……」
(ヴァルシオーネRに警告シグナル)
リューネ「この反応……! みんなが来てくれたよ!」
(ヒリュウ改とハガネが出現、出撃準備)
マサキ「みんな、無事か!?」
テュッティ「ええ、何とかね」
ミオ「それと、アクアさんがヒューゴさんを助けたよ」
ジョッシュ「何だって!?」
カイ「本当か!?」
ヒューゴ「ええ……この通り、ですが……」
ラミア「ヒューゴ少尉、生きていたとは……!」
アクセル「フッ……どうやら、悪運は尽きていなかったようだな」
アラド「で、でも、今までどこにいたんスか!?」
ヒューゴ「それは……」
カイ「話は後で聞く。各機、攻撃を開始しろ!」
エリック「あ~、その前に。ちょっとええかの、艦長」
レフィーナ「何です?」
エリック「あそこの2機…… TEアブゾーバーの8号機と9号機じゃが、 手に入れられんかの」
レフィーナ「え?」
エリック「あれの開発にはワシも関わっておっての。 壊してしまうのは、もったいない」
エリック「回収してくれたら、後でワシが改修するでの。 ヒューゴ少尉が戻って来たんなら、 運用も出来るじゃろうし」
レフィーナ「わかりました。 各機に伝達。TEアブゾーバー8号機と9号機は 破壊せず、ろ獲するように」
ユン「了解!」
(作戦目的表示)

〈サーベラス・イグナイト(G)のHP2000以下〉

(サーベラス・イグナイト(G)でシステムダウン)
エイタ「TEアブゾーバー8号機、機能停止!」
(サーベラス・イグナイト(G)が撤退)

〈ガルムレイド・ブレイズ(G)のHP2000以下〉

(ガルムレイド・ブレイズ(G)でシステムダウン)
エイタ「TEアブゾーバー9号機、機能停止!」
(ガルムレイド・ブレイズ(G)が撤退)

〈敵機全滅〉

ユン「戦域内の残敵、反応ありません!」
レフィーナ「全周警戒を厳となせ。 各機を収容後、現戦域から離脱します」

(メディカル・ルーム)

エリック「いや、驚いたの。 メディウスに……ラズムナニウムに取り込まれて、 生きて帰ってくるとはの」
エリック「理由はわからんが、 割と綺麗に排出されたみたいじゃの」
マリオン「もしかしたら、ヒューゴ少尉の身体に ラズムナニウムが組み込まれていたことと 何か関係があるかも知れませんわね」
エリック「んむ……ミタールが補った部分は そのままじゃからの……」
ヒューゴ「……命があっただけましですよ……」
エリック「いったい、メディウスの中にいた時は、 どんな案配だったんかの?」
ヒューゴ「ずっと眠っていたような……。 ただ、このまま死ぬわけにはいかないと思っていた…… 必ず帰還しなければと……」
ヒューゴ「それで……アクアの声が聞こえて……」
エリック「ふむ……お主のその意志が AI1に何らかの影響を与えたのかの」
アクア「そもそも、あれはどうしてヒューゴを 取り込んだんでしょうか……」
エリック「偶然か、故意かはわからんが…… お主達と戦っていて、興味を持ったのかも知れんの。 TEアブゾーバーを操る存在としての」
アクア「でも、それはエルデが望んでいたことでは なかったんじゃ……」
エリック「まあ、そうじゃろうの」
ヒューゴ「……ともかく、アクア…… お前のおかげで助かった……」
アクア「それはお互い様よ、ヒューゴ……。 あなたが戻って来てくれて、嬉しいわ。 死んじゃったと思ってたから……」
ヒューゴ「だが、アルベロ隊長は…… エルデやミタールに騙されて……」
カイ「辛い道を……選択せざるを得なかったのだな、 彼は……」
ヒューゴ「自分は……そうだと知らず……」
カイ(今、思えば……ヒューゴを引き入れようとしたのは 彼を助けるためだったのか……)
ヒューゴ「ミタール……エルデ…… あの連中を許すことなど出来ない……」
ヒューゴ「ツェントル・プロジェクトを叩き潰さなければ…… 隊長やフォリア、クライウルブズの仲間達が 浮かばれない……」
エリック「んむ……AI1がこのまま進化すれば、 あのプロジェクトは危険な方向へ行くの……」
エリック「おそらく、メディウスはまた現れるの。 お主達はサーベラス・イグナイトと ガルムレイド・ブレイズを使うとええでの」
ヒューゴ「ですが、俺の身体は……」
エリック「ミタールが組み込んだ物を完全に取り除く方法が あるかどうかわからんがの、割とメカっぽい部分は ワシでも修理できるでの」
ヒューゴ「それでも、薬が……もうほとんどないんです」
エリック「あるでの。こんなこともあろうかと思って、 トーチカ8へ行く前に拝借したでの」
ヒューゴ「えっ、本当ですか!?」
エリック「んむ。ミタールはもう不要だと思っておったのか、 あれの管理のガードが甘くての。 薬をすり替えたでの」
ヒューゴ「なら……俺はまだ戦える……」
エリック「じゃあ、お主にサーベラス・イグナイトと ガルムレイド・ブレイズの説明をしておくかの」
エリック「まず、イグナイトの素体はサーベラスの強化型での。 しかも、リバーシブル・トランスフォームが可能での」
エリック「それと、イグナイト・パーツという 武装ユニットの装着位置が変わることによって……」
エリック「近距離・格闘戦用のフォームGと 遠距離・砲撃戦用のフォームSという 二つの形態になれるでの」
エリック「また、TEエンジンも改良型になっておっての、 出力調整の問題が軽減しておるでの。 DFCも比較的楽での」
エリック「での、フォームに応じてパイロットが変わるように なっておるがの……サーベラスやガルムレイドと 同じ仕様にも出来るでの。どうするの?」
ヒューゴ「それは……」
アクア「あなたの身体の負担を減らすためにも、 パイロットが変わる仕様にした方がいいと思う」
アクア「私、ここしばらくは 一人でTEアブゾーバーに乗っていたし…… やってみせるわ」
ヒューゴ「……わかった」
エリック「じゃあ、次はブレイズの説明をするでの。 あれの素体はガルムレイドの強化型での。 こっちのTEエンジンも改良されておっての」
エリック「さらに、マシン・アニマリートという サポート・メカ……狼型のロウガ、鳥型のヒオウが 用意されておっての」
エリック「ロウガとヒオウは単体でも戦闘可能じゃがの、 通常は分離状態で素体の各所に装着されていての。 んで、その位置が変わることによって……」
エリック「ブレイズもフォームGとフォームSになれるでの」
ヒューゴ「そちらも近距離戦用と遠距離戦用の……?」
エリック「んむ。サーベラス・イグナイトと ガルムレイド・ブレイズ、それぞれのフォームを 状況に応じて使い分けるとええでの」
ヒューゴ「了解です。 ……アクア、俺はミタールとエルデを……」
アクア「ええ……わかっているわ。 もうAI1を破壊するだけじゃ済まない……」
アクア「エルデと決着を付けるしかない……!」

(ブリーフィング・ルーム)

トウマ「えっ!? 俺を雷鳳に!?」
カイ「そうだ。レフィーナ大佐は、 あれが今後も戦力として必要だと判断された」
カイ「そして、俺やゼンガーは 雷鳳に初めて乗ったにも関わらず、量産型ジンライと 戦ってみせたお前の才能に着目した」
トウマ「カイ少佐だけでなく、ゼンガー少佐も……?」
ゼンガー「ああ。荒削りだが、いい素質を持っている」
トウマ「………」
カイ「無論、断っても構わん。よく考えろ」
トウマ「……その必要はありません。やらせて下さい」
ミナキ「トウマ……」
トウマ「ミナキ……俺はやるよ。君の手で改修された雷鳳が、 この世界を護るための力だということを証明する」
ミナキ「父の……私のせいで、あのような目に遭ったのに…… そう言ってくれるのですか」
トウマ「ああ……」
カイ「ならば、この件は決定だ。 ミナキ、再改修部分についての説明を」
ミナキ「はい。 人間が雷鳳を運用するに当たって、 システムLIOHを排除することは出来ません」
ミナキ「その理由は……五体駆動によるフィードバックに 耐えるために、LIOHのレジスターを 使用しなければならないからです」
トウマ「システムLIOHが残ったままなら、 また暴走する危険性が……」
ミナキ「いえ、使う機能は先程述べたレジスターだけ…… 他は休眠させます。その代わり、LIOHによる サポートがほとんど成されず……」
ミナキ「あなた自身の格闘スキルを上げることが 必要となります」
トウマ「つまり、特訓しろと……」
ミナキ「ええ」
カイ「そこで、俺とゼンガー……そして、アクセルで お前を鍛え上げることにした」
アクセル「……なるほど、おれがここに呼ばれた理由はそれか」
カイ「ああ……ソウルゲインには DMLシステムに似た物が搭載されているし、 お前自身の格闘スキルも高いからな」
アクセル「そんな頼みを聞く義理はないが…… 今の状況ではそんなことを言ってられんか」
アクセル「引き受けてやろう。 ただし、生半可ではないぞ。覚悟しておけ」
トウマ「は、はい! よろしくお願いします!」

《グランド・クリスマス》

[グランド・クリスマス 基地内部(ラボ)]

ミタール「命令に違反しただけでなく、 試作8号機と9号機までも失うとは!  君は何をやっていたのかね!?」
エルデ「先程申し上げた通り、 その原因を作ったのはアルベロです。 ……もっとも、彼は死んでしまいましたが」
ミタール「あ、あの男……何故、そのような真似を……!」
エルデ「手柄を焦っていたようですわね、 偽物の息子のために」
ミタール「馬鹿な……! 私の命令に逆らった時点で 息子がどうなるか、わからぬはずがあるまい!」
エルデ(フフ……死人に口なし、ね)
ミタール「こ、このような失態……それに、損失を……!  これでは、私の立場が……プロジェクトが……!」
エルデ「まだAI1とメディウス、MODEL-Xがあります。 それらで結果を出せばよろしいのでは?」
ミタール「そういう問題ではないのだよ!  私の名誉に大きな傷が付けられたのだ!」
エルデ「AI1がさらなる進化を遂げれば、 私の子をMODEL-Xに搭載すれば…… それを補って余りある物が得られます」
ミタール「冗談ではない! あれは危険だ!  君にも責任を取ってもらうぞ! 覚悟しておけ!」
エルデ「……ええ」
エルデ(後はドゥバン・オーグを……。 それで、この男には選択肢がなくなるわ)


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