back index next


風の呼び声 ~ 第51話 ~

《南極遺跡》

[南極遺跡 内部(玉座)]

ウンブラ「……危険な兆候だ。 あの人間達は新たな力を手に入れ、グラキエースや ウェントスとの同調も強まっている」
コンターギオ「ああ、彼らはそのせいで壊れつつあるようだな。 修復は可能なのか?」
ウンブラ「手は打ったが、良い効果は見られぬ」
コンターギオ「では、そろそろ見切り時かな、クククッ」
ウンブラ「……やはり、あの人間とシステムを破壊せねば、 問題は解決せぬようだ」
アクイラ「確かめたいことがあると言っていたが、いいのか?」
ウンブラ「それを踏まえた上での判断だ。 あの人間がウェントスに悪影響をもたらせば、 糧の質に問題が出かねない」
コンターギオ「ならば、今の役目から外しておくのが無難であろうよ。 奴がおらずとも、糧を捧げることは出来るのだからな」
アクイラ「それでは、“破滅の王”の目覚めが遅れるぞ」
コンターギオ「どのみち、今のウェントスでは同じことよ。 別の役目を与えた方がいい」
ウンブラ「その役目とは?」
コンターギオ「今、私が建造しているオフィチナスの エネルギー供給源とするのだよ」
コンターギオ「そうすれば稼働率が上がり、 破滅の軍勢をより早く増やすことが出来る。 つまり、糧の質の低下を量で補うのだ」
ウンブラ「確かに、オフィチナスの数を増やすことは急務ね。 これまでは“破滅の王”のお力により、この地の 物質を変成して軍勢を生み出してきたが……」
ウンブラ「出所は多ければ多いほど良い。 様々な地の人間達に効率よく恐怖や絶望を 与えられるからな」
コンターギオ「そういうことだ、クククッ」
アクイラ「だが、ウェントスを使うのであれば…… あの人間達がシステムを通じて、その存在を知り、 現れる可能性が高いぞ」
コンターギオ「クククッ、それはそれで狙い通りよ。 その際はウェントスのみならず、グラキエースにも 役立ってもらおう、ククククッ」

[南極遺跡 内部(広間)]

イグニス「ラキ……俺とお前、ウェントスとで コンターギオのオフィチナスへ行くことになった」
グラキエース「壊れかけた私にも、 まだ与えられる役目があるのか……」
グラキエース(外に出れば、 ジョシュア・ラドクリフと出くわす可能性も……)
イグニス「何だ、ラキ? どうして、そんな顔をする?」
グラキエース「………」
(足音・グラキエースが立ち去る)
イグニス(……おかしい、おかしいぜ。 ラキの変調はおかしいんだ。あり得ない)
イグニス(俺達は、メリオルエッセの中でも俺達だけが 同時に生まれた。同じものだったはずだ……)
イグニス(あの人間とシステムのせいだということは わかっているが……)
イグニス(ラキ……お前の中で何が起きているんだ……?)

《太平洋上(鋼龍戦隊)》

(通路)

アクア「え? ミニ・パーティ?」
プレシア「はい」
シャイン「ヒューゴ少尉も無事に戻って来られましたし…… 快気祝いも兼ねてということで」
プレシア「あたし達で簡単なお料理を作ろうと思ってるんです」
デスピニス「カイ少佐の許可も取っています。 どうでしょうか……?」
アクア(……これから大変な戦いが待ち受けてるけど、 それだけに英気も養っておかなきゃね……)
アクア「気を遣ってくれて、ありがとう。 ヒューゴを誘って、参加させてもらうわね」

(食堂)

タスク「それでは、ヒューゴ・メディオ少尉の 奇跡の生還を祝って、かんぱ~い!」
カーラ「かんぱ~い!」
アラド「かんぱ~い、ッス!」
タスク「さて、ヒューゴ少尉!  ここで一言挨拶をお願いします!」
ヒューゴ(こ、こんな大げさなことになるとは……)
カチーナ「おら、ヒューゴ! 気の利いたことを喋れよ!」
ヒューゴ「りょ、了解……」
ヒューゴ「み、皆さん……自分のことで大変な ご迷惑とご心配をお掛けしました。依然として 予断を許さぬ状況でありますが、今後も……」
ミチル「えろう真面目な挨拶やのう」
エクセレン「ヒューゴ君、硬い、硬いってば」
コウタ「まったくだぜ、カイ少佐かっつーの」
ヒューゴ「そんなこと……ただいまとでも言えと?」
コウタ「それで良かったんじゃねえか?」
ミチル「何やねん、それ。 家に帰って来たんとちゃうんやで」
ヒューゴ(家……か。 そうでなくても、戻ってくる場所があるというのは ありがたい話だ……)
ヒューゴ(そうだ……こんな身体になっても、俺にはまだ……)
ヒューゴ(だが、隊長やフォリアは……)
エクセレン「……ヒューゴ君、 はしゃいでられない気持ちはわかるけど…… ここは気分転換の意味でも……ね?」
ヒューゴ「あ……は、はい」
アラド「あの~、もう料理食っていいッスか?」
プレシア「はい、どうぞ」
ゼオラ「この和食、プレシアが作ったの?」
プレシア「ええ、お兄ちゃんから 日本の料理のことを色々聞き出して…… お口に合えばいいんですけど」
ゼオラ「私の勤務地は日本の下田だもの、最近は和食派なの。 喜んでいただくわ」
リュウセイ「肉じゃがにサワラの西京焼、 ホウレン草のおひたしかぁ。日本人には嬉しいな」
リシュウ「うむ、そうじゃのう」
マイ「おいしい……」
ショウコ「うん、この味……とってもいいわよ、プレシア。 お店を出せるぐらいの腕前ね」
プレシア「ありがとうございます。 この艦、思っていたより食材が揃っていて……」
カイ「それは、レーツェルのおかげだな。 奴は食に並々ならぬ拘りがある」
カーラ「あの人なら、 ラ・ギアスからでも食材を調達してくるかもねぇ」
ラウル「ところで、トウマは? 姿が見えないけど……」
カイ「奴はアクセルと特訓中だ」
ラウル「そうなんですか? 熱心だなあ、あいつ」
カイ「ところが、それだけではないのだ。 アクセルがこの会への参加を認めなかった。 時間がもったいないと言ってな」
アヤ「意外に面倒見がいいんですね、あの人……」
カイ「……正直言って、俺も驚いている」
(扉が開閉する)
デスピニス「リムさん達と一緒にライスボールも作ったんです。 良かったら、どうぞ」
リオ「じゃあ、リョウト君とイングの分ももらうわね」
テュッティ「私もいただくわ」
ミオ「それじゃ、あたしも」
ミチル「ほな、ワイも一つ」
ミオ「んぐんぐ……中身はシャケかぁ、お袋の味だね」
ミチル「ふぐっ!?」
ミオ「え? そっちはふぐなの? 豪華ぁ~」
ミチル「ちゃ、ちゃうちゃう! イチゴジャムや!」
ミオ「えっ、おにぎりに!?」
リム(クリス)「わ、私が作ったんですけど……駄目でした?」
ラトゥーニ「おにぎりにストロベリー・ジャムを入れるのは、 スタンダードとは……」
ジョッシュ「リム、お前……パンならともかく……」
リム(クリス)「うぅ~、ごめんなさい…… 疲労回復にもなるかなと思って……」
テュッティ「あら、私はもっとジャムが入ってても良かったわよ」
イング「……僕もです」
リョウト「え?」
マサキ「てめえもあれか、度が過ぎた甘党か?  テュッティみてえによ」
イング「甘い物は……好きです。かなり」
リオ「そ、そうだったの……」
ツグミ「じゃあ、アイビスと気が合うかもね」
シャイン「……ライディ様、お取り分け致しますわ」
ライ「あ、いえ……自分でやりますので」
シャイン「どうかご遠慮なさらず。 たくさん召し上がって下さいまし」
リューネ「そうそう。男だったら、ガッツリ食べなきゃね」
ザッシュ「ぼ、僕もたくさん食べる方なんです、リューネさん」
リューネ「あ、そう? じゃあ、取り分けてあげるよ。 これとこれ、あれもそれも……ほら!」
ザッシュ(こ、こ、こんなに……!  だけど、食べ切ってみせる!)
エクセレン(あらら…… ザッシュ君、食べ過ぎでおなか壊さなきゃいいけど)
ブリット(こ、この流れ……も、もしかすると……)
キョウスケ「どうした、ブリット?」
ブリット「あ、いえ……クスハが例のアレを持って 来るんじゃないかと……」
イルム「あ、あり得るねえ、それ」
キョウスケ「……ブリット、フォワードは任せた」
ブリット「え!? え、ええ……はい」
イング「……何の話なんです?」
マサキ「新入りのおめえは知らねえだろうが、 鋼龍戦隊の洗礼……通過儀礼みてえなもんだ」
イング「は?」
カチーナ「その名も恐怖のクスハ汁…… 栄養ドリンクなんだけどよ、そいつを飲んで ラミアがぶっ倒れたことがある」
マサキ「ああ、とにかく不味いのなんのって…… ヤンロンの説教と同じで、あれは二度と 体験したくねえな」
ヤンロン「失敬な。 その飲料、効能は如何ほどなのだ?」
マサキ「まあ、後々の効き目は抜群なんだけどよ」
イング「………」
イング(高い効果を発揮するのなら、今後の作戦のためにも 飲んでおいた方がいいかも知れない……)
イルム「お前、その顔……まさか、挑戦する気か?」
(扉が開閉する)
クスハ「……皆さん、飲み物の追加です」
イルム「来たか!?」
クスハ「あ、あの…… ジュースとお茶、コーヒーなんですけど……」
マサキ「な、何だ、脅かすなよ」
クスハ「私の栄養ドリンクのことなら、 最近は色々と改良中なんだけど……」
マサキ「わかった、そのまま改良を続けててくれ」
イルム「……無事とわかれば、そのコーヒーをもらおうかな」
クスハ「あ、それは……イルイちゃんが淹れた ゼンガー少佐の分なんです」
ゼンガー「………」
イルイ「あ、あの……ゼンガー少佐……」
ゼンガー「子供がそのような硬い呼び方をしなくてもいい。 ゼンガーで構わん」
イルイ「じゃ、じゃあ、ゼンガー……コーヒーを……」
ゼンガー「………」
クスハ「イルイちゃん……少佐に飲んで欲しくて、 一人でそれを淹れたんですよ」
イルイ「今度はブラックで……」
ゼンガー「うむ、もらおう」
ゼンガー「………」
イルイ「ど、どう……?」
ゼンガー「……ああ……砂糖は入っていない……」
ゼンガー「が!」
(ゼンガーが倒れる)
イルイ「ああっ!」
クスハ「ゼンガー少佐!?」
マサキ「お、おい! 大丈夫か!?」
カイ「何だ、どうした?」
マサキ「ゼンガーのおっさんが、イルイのコーヒーを飲んで ぶっ倒れて……」
カイ「ああ……なるほど。 イルイ、コーヒーにブランデーか何かを入れたか?」
イルイ「は、はい……本を見て…… 紅茶に入れると美味しいって書いてあって…… だったら、コーヒーにもと思って……」
カーラ「でも、ブランデーって…… もしかして、ルスランさんが持ち込んだ奴かな?」
マサキ「よくわからねえが、酒を入れるのは まずいんじゃねえの?」
イルイ「じゃ、じゃあ……わ、私……間違ったことを……」
カイ「大丈夫だ、奴はすぐに気づく」
リシュウ「うむ。ゼンガーは下戸じゃが、 酔いが醒めるのは早いからのう」
イルイ「げこ……?」
リシュウ「酒が飲めない人間のことじゃ。 特にゼンガーは極端での、少量のアルコールでも こうなってしまうんじゃ」
イルイ「ええっ!?  ご、ごめんなさい、ごめんなさい、ゼンガー!」
ミチル「あの人がそこまで酒に弱いなんて…… 人は見かけによらんもんやなぁ」

(メディカル・ルーム)

イルイ「……わ、私……」
アラド「イルイ、ゼンガー少佐はわかってくれるって」
ゼオラ「そうよ、悪気があってやったことじゃないんだし」
クスハ「うん……イルイちゃんに 予め教えてあげられなかった私に責任があるわ……」
イルイ「……でも……」
ブリット「ゼンガー少佐は小さなことで怒る人じゃない。 大丈夫さ、イルイ」
ゼンガー「う……むう……」
クスハ「目が覚めましたか、ゼンガー少佐」
ゼンガー「あ、ああ……」
イルイ「ご、ごめんなさい、ゼンガー……私のせいで……」
ゼンガー「いや、気にすることなどない」
イルイ「で、でも……」
ゼンガー「また頼む」
イルイ「え……」
ゼンガー「今度こそ……ブラックでな」
イルイ「う、うん……」
ゼンガー「……ブルックリン、汗を流したい。 稽古に付き合ってくれ」
ブリット「わかりました」

(格納庫)

クリフォード「ジョッシュ、リム……準備はいいか?」
ジョッシュ「ああ、コンタクトした」
リム(リアナ)「こっちもOK」
クリフォード「では、シュンパティアのカット・オフ・テストを行う。 格納庫内だから、墜落などの危険はないが…… 何か異常があったら、すぐに知らせろ」
ジョッシュ「了解……」
リム(リアナ)「! こ、これは!?」
ジョッシュ「リム……!?」
リム(リアナ)「声が……声が聞こえる……!!」
クリフォード「声だと……!?」

(ブリーフィング・ルーム)

アヤ「ウェントスの声が聞こえた……?」
リム(クリス)「は、はい……シュンパティアを通して…… 私を呼んでいました……」
アヤ「彼は何と?」
リム(クリス)「僕はここにいる……早く来てくれ、って……」
カイ「………」
ラーダ「彼は……この近くにいるの?」
リム(クリス)「いえ……遠くだと思います……。 正確な場所はわかりませんが……方角は……」
ギリアム「……ジョッシュ、君は何か感じたか?」
ジョッシュ「いえ、俺は……」
カチーナ「う~ん…… 何か、これまでのパターンと違うんじゃねえか?」
レーツェル「ああ……ある程度近くなければ、 彼らとの同調現象は起きていなかった」
ヴィレッタ「ウェントスの思念が強力になり、 それ故にリムへ届いたのか…… 何らかの方法で中継されているのか……」
アヤ「あるいは、リムかシュンパティアの 感度が上がっている可能性も……」
ジョッシュ(もし、リムの感度があがっているのだとしたら……)
キョウスケ「何にせよ、随分とわかり易い罠だ」
イルム「そうだな……ウェントスだけがいるってことは、 まずないだろうな」
ギリアム「カイ少佐、レフィーナ大佐に報告した方が いいのでは?」
カイ「ああ」

(ヒリュウ改 ブリッジ)

レフィーナ「……トーチカ8の件もあります。 彼女のその話は気になりますね」
カイ「ルイーナの罠である可能性が大だと思いますが」
ショーン「まあ、こちらを呼び寄せているわけですからな」
レフィーナ「……では、あえてその誘いに乗りましょう、 ルイーナに関する情報を得るために。 カイ少佐、リムが言った方角とは?」
カイ「それは……」
(アラート)
ユン「レーダーに感あり!  ルイーナ機接近、1時方向より真っ直ぐ!」
カイ「大佐、敵が飛来した方角は、リムの話と一致します」
レフィーナ「……!」
ショーン「その向こうにルイーナと関係する何かが 存在しているのかも知れません」
レフィーナ「では、リムが示した方角……その直線上に 存在する都市や軍関連施設、工場類を洗い出して 下さい。幅は100キロメートルで」
ショーン「了解です」
レフィーナ「カイ少佐達は直ちに出撃を」
カイ「はっ!」


第51話
風の呼び声

〔戦域:水辺〕

(ヒリュウ改とハガネが西端にいる)
エイタ「目標群アルファからホテル、本艦に接近!」
(敵機が出現)
テツヤ「各砲、上部VLSM、攻撃用意!」
(出撃準備)
ヒューゴ「アクア、エンジンの調子はどうだ?」
アクア「ワン博士が言った通り、前の物より安定してるわ。 DFCもある程度自動で行える」
ヒューゴ「よし……まずはこのまま、フォームGで行く」
アクア「射撃戦になったら、私に任せてよ?  あなたがいなかった間、経験を積んでたんだから」
ヒューゴ「ああ、当てにさせてもらうぞ」
アクア「ふふっ」
ヒューゴ「何がおかしい?」
アクア「ううん、やっぱりタンデム・シートには 二人で乗らなきゃね。何だかんだ言って、 一人乗りは寂しかったのかな、って」
ヒューゴ「しおらしいことを言うじゃないか」
アクア「ま、カピバラを乗せるわけにはいかないもんね」
ヒューゴ「は?」
アクア「こっちの話。気にしないで。 今回の作戦で慣らしを終わらせましょう」
ヒューゴ「ああ、そのつもりだ」
ミナキ「……トウマ、身体の感覚はどう?」
トウマ「こないだの時より結構重い……」
ミナキ「システムLIOHが設定したバトル・スタイルに 制限をかけ、DMLシステムからのフィードバックを 考慮して、各関節可動範囲を狭めてあるからです」
トウマ「つまり、手枷足枷ってわけか……」
アクセル「そうなるかどうかはお前次第だ、これがな」
トウマ「アクセルさん……」
アクセル「常に次動作を踏まえた動きを心掛けろ。 おれに時間を無駄にしたと思わせるなよ」
トウマ「わかってます……!  この雷鳳、必ず物にしてみせます!」
ジョッシュ「リム、どうだ? 奴の声は聞こえるか?」
リム(リアナ)「ううん……。 でも、この先にウェントスがいるのは間違いない……」
リム(リアナ)「声は聞こえないけど、 あたし達を呼び続けてる気がする……」
コウタ「な、何か微妙な感じ方だな、そりゃ。 本当にあのメッセ野郎がいるのかよ?」
キョウスケ「奴がいなくても、 ルイーナがおれ達を出迎えるのは確実だ」
エクセレン「手荒い歓迎でしょうねぇ、きっと」
タスク「出来れば、手厚い歓迎……の方がええな~」
カチーナ「馬鹿言え、 あのゲジ眉野郎やハゲがニコニコ笑って、 手もみして出て来たら、気色わりぃだろうが」
エクセレン「ん~、それはそれで見てみたいかも」
ラッセル(そ、想像してしまった……)
リム(クリス)(リアナ……)
リム(クリス)(うん……ウェントスのことが益々気になる……)
リム(クリス)(死なせたくないっていう想いも強くなって……)
リム(リアナ)(リシュウさんが言った通り、 あいつが無意識の内に生を求めているから……?)
カイ「エレーブ1より各機! 攻撃を開始せよ!」
(作戦目的表示)

〈敵機全滅〉

ユン「戦域内の敵機、全機撃墜!」
レフィーナ「全周警戒を厳となせ。 ……副長、調査の結果は?」
ショーン「もしかしたら、当たりを引いたかも知れません。 リムが指し示した方角、その直線上に チリのコイアイケ基地があります」
ショーン「そして…… 現在、そこはルイーナに占拠されています」
レフィーナ「! それは本当ですか?」
ショーン「ええ……連邦軍の通信を傍受して 判明したことです」
レフィーナ「………」
ショーン「ただし、コイアイケ基地を奪還すべく出撃した 連邦軍部隊は敗走したようですが……」
レフィーナ「では、今度は私達が赴きましょう。 直ちに各機を帰艦させ、コイアイケへ急行します」
ショーン「了解です」


back index next