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輝きを一つに ~ 第43話 ~

(格納庫)

ミナキ「……システムZLAIの排除作業を完了しました。 後はDMLシステムとLIOHの調整を行えば、 ジンライは人が操る機体となります」
レーツェル「うむ」
トウマ「ジンライにもDMLシステムが 搭載されていたのか……」
ミナキ「ええ、そうです」
トウマ(なら、俺にも動かすことが出来る……?)
ゼンガー「これで、ジンライは真の意味での ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン3号機に なれるやも知れんな」
ミナキ「いえ……これまでのことを考えると、ジンライに その称号は相応しくありません……」
ゼンガー「そうか……」
レーツェル「ジンライは君の手で生まれ変わるのだ。 イティイティ島にはダブルGの予備パーツがある。 それを用いて、損傷部を修復するといい」
ミナキ「ありがとうございます」
レーツェル「また、アウセンザイターやダイゼンガー用として 開発を行っている脚部増加ブースターもある。 必要であれば、それも使いたまえ」
ミナキ「はい、検討させていただきます」
レーツェル「ジンライを問題なく運用できるようであれば、 パイロットの選定も早めに行いたい」
レーツェル「こちらとしては、ヒューゴ少尉が抜けた分を 埋めなければならないのでな……」
ミナキ「……わかりました」
レーツェル「ではな」
(扉が開閉する・レーツェルとゼンガーが立ち去る)
トウマ(ヒューゴ少尉……もうあの人はいない……)
トウマ(昨日まで見掛けていた人が、突然いなくなる……。 わかってはいるつもりだったけど、これが……)
ミナキ「トウマ……あなたの言葉のおかげで、 ジンライを正す決心が付きました」
トウマ「いや、俺は……」
ミナキ「ジンライにダイナミック・ゼネラル・ガーディアンの 名は相応しくありませんが……」
ミナキ「ダイゼンガーやアウセンザイターのように、 この世界を守護する存在として生まれ変わらせます」
トウマ「だったら……ジンライって名前も 変えた方がいいんじゃないか?」
ミナキ「名前を……」
トウマ「ああ、 君の手で新たな姿と役目が与えられるのなら……」
ミナキ「……考えてみます」

(食堂)

アヤ「アクアの様子は……?」
ゼオラ「あれから、自室に閉じこもったきりです。 カイ少佐はしばらく休ませるようにと……」
アヤ「そう……」
カチーナ「メディウス・ロクスには、 あいつの元先生が乗ってたっていう話じゃねえか」
アヤ「ええ……私も似たような経験があるけど、 彼女の場合は二重のショックだから……」
ショウコ「アクアさん、可哀想……」
アヤ「酷なようだけど、 彼女自身がエルデ・ミッテと決着を付けなければ、 いつまでも引きずってしまうことになる……」
ショウコ「そんな……」
レオナ「アクア少尉は決意するでしょうか?」
カチーナ「あたしはそう思うがな。 あいつ、芯は強そうだしよ」
マイ「……アヤはどう思うの?」
アヤ「私もカチーナ中尉と同意見よ。 今は見守って……彼女が心を決めて 立ち上がったら、みんなで支えましょう」
マイ「うん……」

(ヒリュウ改 ブリッジ)

ショーン「艦長、浮上完了しました。 周辺空域に敵機は見当たりません」
レフィーナ「では、直ちに哨戒機を発進させて下さい。 その後、急速潜行を」
ショーン「了解です」
レフィーナ「それで、ギリアム少佐……報告事項とは?」
ギリアム「私の部下を通し、BFベースのハミル博士から 連絡がありました。Mk-Xのブラックホール・ エンジンとパーツの調整がほぼ終了したそうです」
ギリアム「ついては、こちらへ移送したいと」
レフィーナ「その手段は?」
ギリアム「連邦軍の輸送機を使います。 そのクルーと護衛は全て情報部員です。 これで連邦軍からは追われずに済みますが……」
レフィーナ「ガイアセイバーズに捕捉される可能性がありますね」
ギリアム「そのリスクは承知の上ですが…… これが最も時間を掛けずに済む手段なのです」
ギリアム「なお、こちらとの接触が困難な場合は 輸送機を引き返させます」
レフィーナ「わかりました。 無事に荷が届くことを祈りましょう」


第43話
輝きを一つに

〔戦域:海上〕

(西端にアルテリオン(CF)が出現し、少し東へ移動する)
ツグミ「TD4よりドラゴン2。 エリア24から35までの哨戒を完了。 索敵範囲内に敵影を認めず」
ユン「ドラゴン2よりTD4 本艦は予定進路を航行中。 既定のコースにて、帰艦せよ」
ツグミ「TD4、了解」
アイビス「………」
ツグミ「浮かない顔ね、アイビス」
アイビス「うん……。 戦争だってことはわかってるし、 あたし自身も覚悟はしてる……」
アイビス「今までだって、あたし達がしてきたことで…… ううん、それ以外でも色んな所で……ああいう想いを してる人達がいるって、理解してるつもりだけど……」
アイビス「それでも…… 知った顔が……身近な人がいなくなるのは……」
ツグミ「……そうね……」
アイビス「いつまでこんなことが続くのかな……」
ツグミ「苦しい状況でも、前に進まなければ…… 生き残らなければ、死んでいった人達の想い、 やって来たことが埋もれてしまう」
ツグミ「気休めかも知れないけど、 今の私に言えるのはこれぐらいよ」
アイビス(そうだ……あたし達は飛ばなくちゃいけない…… フィリオのためにも、そしてあたし達自身のためにも)
(アルテリオンに警告シグナル)
ツグミ「接近警報……この反応は!」
(北端にベガリオンが出現)
スレイ「ここでアルテリオンと遭遇するとは……!  運命の巡り合わせとでも言うのか」
アイビス「スレイ!」
ツグミ「何故、こんな所に……しかも、単機で?」
アイビス「もしかして、 今度こそスレイはあたし達の所へ……?」
ツグミ「前回、GRaMXsに敗れたから?  それで何もせずに……スレイのプライドが そんなことを許すと思う?」
アイビス「………」
ツグミ(でも、単機で来たということは…… 何か他の理由があるのかも知れないわね)
スレイ「ここで、私達だけで出会うとは……これも運命か。 あの女の依頼より、成すべきことを成せと……」
ツグミ「アイビス、向こうは戦闘態勢に入ったわ!」
アイビス「ならば……やることは一つだ!」
スレイ「フ……こちらの意図を理解してくれたか。 ……認めたくはないが、根の部分では 気が合うようだな……」
(ベガリオンから通信)
スレイ「全ての決着を付ける前に聞きたいことがある。 アイビス、お前はそのアルテリオンで 何をするつもりだ……?」
アイビス「銀河を飛ぶこと…… そして、その前にあたし達の星を守ることだよ」
スレイ「………」
アイビス「逆に聞く。 スレイ、あんたはそのベガリオンで 何をするつもりなの?」
スレイ「……何だろうな……」
アイビス「……!」
ツグミ「スレイ……」
スレイ「気づいていたさ。今の私には何もない……」
スレイDC、そしてプロジェクトTDにいた頃は 兄様のために……兄様の喜ぶ顔が見たくて…… ただ、それだけのために飛んでいた……」
アイビス「………」
スレイ「兄様を失った後、 私に残されたのはシリーズ77を 求めることだけだった……」
スレイ「だから、アルテリオンを取り戻すため、 兄様の手が直接加えられていない このベガリオンに乗った……」
スレイ「兄様が設計したとは言え、 この機体に兄様の魂は込められていない……。 私と同じ、そして、私が乗っても空虚な……」
ツグミ「………」
スレイ「ベガリオンとアルテリオンを手に入れても、 そこから先が私にはない……」
アイビス「スレイ……」
スレイ「情けない話だ…… 私は、アステリオンやアルテリオンを得て、 兄様の夢を継ごうとするお前に嫉妬していたのさ」
スレイ「私の兄様を…… 兄様の全てを取られたような気がしてな」
アイビス「そんなことは……」
スレイ「だが、たった一つだけ残されていたものが あることに気づいた。それは……」
スレイ「それは、アイビス……お前に勝つことだ」
アイビス「………」
スレイ「この戦いに兄様は関係ない…… 私は、私自身の誇りに懸けて、 最大のライバルであるお前を倒す!」
アイビス「……スレイ、やっと自分の言葉で喋ったね」
スレイ「何……!?」
アイビス「フィリオへの想い…… それ以上に強い意志で、そう、自分の意志で あたしに向かって来るのなら……」
アイビス「あたしも全てを懸けて、受けて立つ!」
(アイビスに『不屈』『気迫』)
アイビス「スレイ!  あたしが勝ったら、あんたにはあたしの 言うことを聞いてもらうよ!」
(スレイに『気合』)
スレイ「いいだろう! だが、私が勝った時は!」
アイビス「どうするって言うの!?」
スレイ「それは……その時に考えるさ!」
(作戦目的表示)

〈vs スレイ〉

[アイビス(1回目)]

スレイ「行くぞ、アイビス!」
アイビス「負けないよ、スレイ!  そして、あんたに教えてあげる!  フィリオとあたし達が夢見たものを!」

[アイビス(2回目)]

スレイ「私に残された誇り、私の意地!  それがどれほどのものか、見せてやる!」
アイビス「それはあたしも同じだ!  あたしの……フィリオから受け継いだ あたしの意志と力を、あんたに示す!!」

[アイビス(3回目)]

ツグミ「アイビス、このままじゃ アルテリオンとベガリオンのどちらかを 失うことに……!」
アイビス「今日はとことんまでやるんだ!  でなきゃ、あたし達は前に進めない!」
アイビス「その結果、アルテリオンとベガリオンが どうなろうと……飛ぶんだ、あたし達は!!」
ツグミ「アイビス……あなた……」
スレイ「そうだ、アイビス! 手加減も情けも無用!  全てを懸けて、勝敗を決する!」
スレイ「そして、私はお前を超えてみせる!  私自身の意志で!!」

[HP9000以下]

(ベガリオンに爆煙、揺れる)
スレイ「くうっ、スタビライザーが!」
アイビス「その隙は! 見逃さないっ!!」
(アルテリオン(DF)がベガリオンに隣接)

<アルテリオンがベガリオンを捕まえ上昇する>

スレイ「!!」
アイビス「もう逃げられない! 勝負あったよ、スレイ!!」
スレイ「くっ、うう……! 撃て、アイビス……!  生き恥を晒すつもりなどない……!」
アイビス「………」
スレイ「兄様……これで兄様の所へ行けます……」
スレイ「馬鹿な妹を叱ってね……お兄ちゃん……」
アイビス「そうだ! 馬鹿だよ、あんたはっ!!」
スレイ「!!」
アイビス「フィリオの代わりにあたしが叱ってやる!  こんな所で死んでどうするの、馬鹿!  馬鹿、馬鹿っ!!」

〔戦域:海上〕

(アルテリオンがベガリオンを離す)
スレイ「アイビス……」
アイビス「何が生き恥だよ……! そんなもの、DC時代に あたしはあんたに負け続けて、何度も何度も 墜落して……!」
アイビス「でも、生きている!  生きてさえいれば、いつか夢を叶えられると 信じて!」
ツグミ「アイビス……」
アイビス「夢を叶える前に……何かを成し遂げる前に 死んでいった人達もいるんだよ……!」
アイビス「その人達のためにも、生きているあたし達は 最後の時まで全力で戦わなきゃ駄目なんだよ……!」
アイビス「だから、あたしは飛び続けて、ここまで来た……!  自分の意志で……夢のために……!」
スレイ「………」
アイビス「そして、その夢のためには アルテリオンとベガリオン…… そして、スレイ……あんたも必要なんだよ!」
ツグミ(アイビス…… 全ての決着を付けるためにスレイを正面から 受け止めたのね……)
アイビス「……約束だよ、スレイ…… あたしの言うことを聞いてもらう……」
アイビス「あたし達と一緒に あんたにもフィリオの夢を継いでもらうよ」
スレイ「……!」
アイビス「思い出して、スレイ…… あんた、プロジェクトTDにいたのは 自分の意志じゃないって言ったけど……」
アイビス「フィリオの意志を継いで、 星の海を飛ぶのは……嫌?」
スレイ「……そんな……そんなことは……」
スレイ「ない……」
アイビス「そうだよ、スレイ…… あんたは自分の夢を見失ってただけだよ」
ツグミ「私からもお願いするわ。 フィリオのためだけじゃなく、自分のためにも 私達の所へ戻って来て」
ツグミ「同じ夢を紡ぐ仲間として……」
スレイ「アイビス……ツグミ……」
(アルテリオンに爆煙)
アイビス「!!」
ツグミ「上空から!?」
(リオン系機体が多数出現)
アラセリ「こんな所で何をしている、スレイ・プレスティ?  1機でアルテリオンに勝負を挑んだか……」
アラセリ「それとも、鋼龍戦隊と合流する気か?」
スレイ「アラセリ・ガルシア……!」
アラセリ「いずれにせよ、 プロフェッショナルな行動ではなかったな」
スレイ「……!」
アラセリ「今の私はガイアセイバーズだ。 鋼龍戦隊に与するようであれば、反逆者として討つ。 このサイリオンでな」
アラセリ「イスルギから供与される このサイリオンの有用性を示して見せんとな」
アイビス「サイリオン……!」
スレイ「カリオンの後継機…… プロジェクトTDのノウハウを用いて 開発されたイスルギの新型機だ……」
アラセリ「そう、アルテリオンやベガリオンのような 実験機ではなく、純粋な軍用機」
アラセリ「言わば、プロジェクトTDが 本来あるべき姿に結実したものなのだ」
アイビス「ふざけるな!  あたし達のプロジェクトは、そんなのを 作り出すめたのものじゃない!」
アラセリ「だが、この機体はこうして存在している。 お前達も承知の上だろう?」
アラセリ「現に、イスルギはこのような機体を生み出すために プロジェクトTDを存続させ……お前達もそれに 甘んじていたのだからな」
アイビス「くっ……!」
アラセリ「今の雇い主は優秀な兵器を欲している。 アルテリオンとベガリオンを差し出せば、 お前達の扱いについて考慮してやってもいい」
アイビス「アルテリオンもベガリオンも渡さない!  それに、あんた達と戦う気もない!」
アラセリ「ほう、どのような立場でそれを言う?」
アイビス「今、あたし達が戦うべき相手は ルイーナやゲスト、バラルだ!  人間同士で争ってる場合じゃない!」
アイビス「あんた達こそ、ここから去れ!」
アラセリ「……随分と屈折した命乞いだな。 なら、力ずくでその機体をいただく。 命の保証はせん」
アイビス「どうしても……やるって言うんだね……!」
ツグミ「アイビス、多勢に無勢よ!  ここは離脱することを考えて!」
アラセリ「無駄だ。 サイリオンはシリーズ77に匹敵する運動性を持つ」
アラセリ「己の命と引き替えにそれを…… プロジェクトTDの成果を思い知るがいい」
アイビス「誰がそんなこと!」
ツグミ「アイビス!」
アイビス「ツグミ、“HYPER77”!  あれをやるよ!!」
ツグミ「えっ!?」
スレイ「もしや、それは!」
アイビス「サイリオンを…… いや、アルテリオンとベガリオンをも超えるには、 あれをやるしかないんだ!」
ツグミ「だけど、あれは最高難易度の……テストもなしに!」
アイビス「いつだってぶっつけ本番だったじゃない!  今度もやる! やってみせる! あたし達三人で!」
スレイ「アイビス……!!」
アイビス「スレイ、ベガリオンが空虚だと言ったね!  でも、それは違う! あんたの機体に あたし達の……フィリオの魂を込めるんだ!」
スレイ「!!」
スレイ「わ、わかった!」
ツグミ「こちらもよ、アイビス……!  その代わり、激突一歩前の軌道よ! 覚悟して!」
アイビス「了解!」
ツグミ「HYPER77、コード入力!  マニューバー、アップロード!」
ツグミ「タイミングは私が取る!  あなた達は、機体制御に集中して!」
スレイ「了解!」
アイビス(フィリオ……今は、力を貸してと言わない!  その代わり、見守っていて! あたし達を!)
ツグミ「フォーメーション・ヘリオス! スタート!!」
(アルテリオンとベガリオンが上昇し光りに包まれる)
スレイ「駆けろ、ベガリオン!」
アイビス「飛べぇーっ、アルテリオン!」
アイビス「フィリオとあたし達の夢、シリーズ77!  アルタイルとベガ!」
アイビス「その輝きを一つに!!」
(アルテリオンとベガリオンがハイペリオンに合体。アイビスに『集中』『不屈』)
ツグミ「アイビス、機体コントロールを!  スレイはテスラ・ドライブと火器管制を!」
アイビス「アイ・ハブ・コントロール!」
ツグミ「コンディション・グリーン!  テスラ・ドライブα・β、 シンクロナイズド100%!」
スレイ「コンタクト!」
ツグミ「二人共、この機体こそが プロジェクトTDの結晶、ハイペリオン…… そして、フィリオが生きた証よ」
スレイ(兄様が生きた証……!)
アイビス「それが……このハイペリオン……!」
アラセリ「ふん、合体したところで!!」
アイビス「もう一度言う!  ここから去れ、ガイアセイバーズ!!」
アラセリ「愚かな。 1機ずつ捕まえる手間が省けただけのことだ」
アイビス「警告は……したよ!!」
【強制戦闘】
アイビス[Gドライバー・Xコンビネーション]vsガイアセイバーズ兵[回避]
(ガイアセイバーズ兵は回避に失敗し、サイリオンが爆発)
アラセリ「何だ、あのスピードは……!」
アイビス「あんた達に、あたし達のハイペリオンを 捉えることは出来ない!」
アラセリ「この数の差を見て、まだ言うか。 各機、攻撃開始。パイロットは殺して構わん」
スレイ「来るぞ、アイビス!」
アイビス「行くよ、二人共!  フィリオの夢と共に銀河を飛ぶ日まで、 あたし達は戦い抜く!!」
(作戦目的表示)

〈2 NEXT PP or アラセリ機のHP50%以下〉

(ハガネが出現)
テツヤ「各機、直ちに出撃せよ!」
(出撃準備)

レーツェルは
出撃した 出撃していない


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