(メディウス・ロクスが出現)
エルデ「アルベロ、
ヒューゴ少尉が単機で追って来ました」
アルベロ「わかった。ここまで引き離せば良かろう」
(サーベラスが出現)
ヒューゴ「隊長……!」
アルベロ「迷いは捨て切れたか、ヒューゴ?」
ヒューゴ「“敵”と戦うことにためらいはしない……
それがあなたの教えだったからな」
アルベロ「………」
ヒューゴ「だが、何故、ミタール・ザパトの話に乗った?
どうしてガイアセイバーズに荷担している?」
ヒューゴ「俺はともかく、
あんたが連中に手を貸す理由はないはずだ!」
アルベロ「……理由はある」
ヒューゴ「何っ……!?」
アルベロ「だが、お前がそれを知る必要はない。
……いや、知らぬ方がいい」
ヒューゴ「どういうことだ!?」
アルベロ「話はここまでだ。
お前にはメディウスの糧になってもらうぞ」
ヒューゴ「糧だと!?」
アクア「ヒューゴ、来るわ! 集中して!」
ヒューゴ「くっ!」
(作戦目的表示)
ヒューゴ「ぐっ! うう!」
アクア「ヒューゴ!?」
ヒューゴ(こ、こんな時に……!
薬の効く時間がさらに短くなって……!)
アクア「ちょっと、ヒューゴ!」
ヒューゴ「だ、大丈夫だ! お前は自分の仕事に専念しろ!」
エルデ「アルベロ、くれぐれも手加減なきよう」
アルベロ「わかっている。
AI1に拒絶反応を出させるなよ」
エルデ「はい」
エルデ(AI1……恐れることはないわ。
痛みと共にあなたは強く成長していく……)
エルデ(だから、拒絶しては駄目。苦痛を受け入れなさい。
その結果、機体が大破しても、私が逃がしてあげる。
必ずね)
ヒューゴ「何のために俺達を狙う!?
メディウスの糧とは何だ!?」
アルベロ「フン、質問が多いな!」
ヒューゴ「当たり前だ!
ミタールに踊らされているのは承知の上だが、
そのままで終わるつもりはない!」
アルベロ「どうしても真実を知りたければ、
本気でかかって来い! でなければ、
お前は死ぬことになる!」
ヒューゴ「そんなこと、言われるまでもない!」
アクア「ヒューゴ、
メディウスの予測パターンデータ、
リニュー間隔を狭めたわ!」
ヒューゴ「表示するのは80%以上だけでいい!」
アクア「わかったわ!」
エルデ(……無駄よ、アクア。
システムに頼っている限りはね)
エルデ(もっとも、万が一最上の答えを導き出したとしても……
それはAI1の成長の糧となる)
(メディウス・ロクスが一番大きな島の北側へ移動)
アクア「離脱した!?」
ヒューゴ「逃がすか!」
アルベロ「よく耐えたな。だが、ここまでだ!」
(サーベラスがメディウス・ロクスに隣接、メディウス・ロクスがヒューゴの南側へ移動)
ヒューゴ「くそっ、後ろに!?」
アクア「スピードがさらに上がってる!」
エルデ(当然よ。
AI1はリアルタイムで成長しているのだから)
(サーベラスに爆煙)
ヒューゴ「ぐあああっ!!」
アルベロ「ヒューゴ、お前ではメディウスに勝てん。
ましてや、その身体ではな」
ヒューゴ「うぐっ、ううう……!!」
アクア「身体って……どういうこと!?」
アルベロ「お前に最後のチャンスを与えてやる。
……俺の下へ来い」
ヒューゴ「!?」
エルデ(アルベロ……この期に及んで、あなたは……!)
アルベロ「限界が近いのだろう、ヒューゴ。
その身体をもたせるには、ミタールの
調整を受けるしかない」
アクア「限界!? 調整って!?」
ヒューゴ「そ、それで……
尻尾を振り続けろというのか……」
ヒューゴ「あんたのように……ミタールの下で!
ガイアセイバーズで犬に成り下がれと言うのかっ!!」
アルベロ「聞け、俺が奴に従っている本当の理由は……」
(サーベラスがメディウス・ロクスに体当たりする)
アルベロ「!!」
(サーベラスが西へ移動)
ヒューゴ「話は、あんたをメディウスから
引きずり降ろした後で聞く!」
ヒューゴ「アクア、TEリミッター解除!
メディウスに勝つには、それしかない!」
アクア「わ、わかったわ! リミッター、解除!」
(サーベラスでシステム起動。ヒューゴに『熱血』『気迫』『EN回復』)
アルベロ「やらせん!」
アクア「! ヒューゴ、3時、俯角10!
左肩スラスター、噴射2秒!」
(メディウス・ロクスが高速でサーベラスに近づくが、サーベラスは避ける。メディウス・ロクスは西の海まで移動)
アルベロ「何!?」
エルデ(AI1が動きを読み切れなかった!?
アクア、システムを通さずに予測を!?)
ヒューゴ「もらった!」
【強制戦闘】
ヒューゴ[ターミナス・キャノン]vsアルベロ[回避]
(アルベロは回避に失敗し、メディウス・ロクスのHPが200に。メディウス・ロクスに爆煙)
アルベロ「ぬうう……っ!!」
エルデ「くうっ……!
危険な状態です、これより機体制御の全てを
AI1に委ねます」
アルベロ「余計な真似をするな!」
エルデ「あなたは、ここでAI1とメディウスを
失うつもりなのですか……!?」
アルベロ「黙れ! まだ勝負はついていない!」
エルデ「……!」
エルデ(AI1を……私の子を死なせはしない。
この子はまだまだ成長する……)
エルデ(その邪魔はさせない……こんな所で死なせはしない)
(メディウス・ロクスでシステム起動)
エルデ(!
AI1、あなた……まだやれると言うのね?)
エルデ(そう、それでいいのよ。さすが、私の子。
私が時間を稼いであげる)
アクア「ヒューゴ!
こっちはあと34秒で動けなくなるわ!
早くメディウスを!」
(メディウス・ロクスから通信)
エルデ「待ちなさい。
あなた達に私の子を殺させはしないわ」
アクア「!!」
ヒューゴ「女の声!?」
アクア「そ、その声……ま、まさか、ミッテ先生!?」
エルデ「そうよ、アクア・ケントルム」
アクア「そ、そんな!!
どうして先生がメディウスに!?」
エルデ「言っておくけど、ツェントル・プロジェクトに
加わったのは、あなたより私の方が先よ」
アクア「!!
じゃ、じゃあ、最初から知っていて……!?」
エルデ「フフフ……
あなた達のおかげで、私の子は本当の痛みを知った。
そして、彼は存続するための力を引きずり出す」
ヒューゴ「アクア、出力が落ちる! ブルーゾーンへ!」
アクア「あ、ああう……!」
エルデ「それがどういう結果を導き出すか、
今見せてあげるわ」
(メディウス・ロクスでシステム起動)
アルベロ「ぬうっ、コントロールが!?」
エルデ「機体制御、移行完了。
ラズムナニウム、CAリミッター解除」
エルデ「マルティプリケイション、エヴォリューション、
リミッター解除」
アルベロ「エルデ! 何をしているのだ!?」
エルデ「フィギュアイメージ、固定。
インクレメントゥム、開始」
エルデ「さあ、AI1……あなたが今までに学んだ全てを……
あなたの真の力を見せなさい!」
【デモムービー『メディウス・ロクスの変貌』】
(メディウス・ロクスが一回り大きくなり、機体の色が黒から青紫っぽくなる)
ヒューゴ「な、何っ!?」
アクア「メディウスが!!」
アルベロ「何だ、これは!?
メディウスに何が起きたのだ!?」
エルデ「フフフ、驚くことはありません。
これがラズムナニウムの……
いえ、私のAI1の本当の力ですわ」
アルベロ「馬鹿な! そんな話は聞いておらんぞ!」
エルデ「それは……
あなたに教える必要がなかったからです」
アルベロ「貴様!!」
エルデ「さあ、AI1……彼らをあなたの糧となさい」
アクア「あ、あああ……っ!!」
(メディウス・ロクスがサーベラスに隣接)
ヒューゴ「くっ、かわし切れん! アクアッ!!」
【強制戦闘】
AI1[スパイラル・ファング]vsヒューゴ[防御]
(サーベラスのHP10。サーベラスに爆煙、スパークを発する)
アクア「う、ううう……! ヒュ、ヒューゴ……」
(サーベラスから黒い塊がメディウス・ロクスに引き込まれる)
アクア「!!
そ、そんな! 前部シートがっ!!」
アルベロ「ヒューゴは……ヒューゴはどうなった……!?」
エルデ「姿は見当たりません。生体反応もなし。
死亡したと思われます」
アルベロ「!!」
アクア「ヒュ、ヒューゴ!!
どこへ行ったの!? ヒューゴォォ!!」
エルデ「彼が防御していなければ、
コックピットは全壊していたものを……」
アルベロ「エルデ……貴様……!!」
エルデ「私やザパト博士を欺き、
二兎を追おうとしましたね、アルベロ。
でも、結果はご覧の通りです」
エルデ「あなたの行動もAI1を
さらなる段階へ進化させるきっかけと
なりましたから……」
エルデ「ヒューゴ少尉を引き入れようとしたことは
不問にしますわ。あなたの子のためにもね」
アルベロ「ぬ……う……!」
アクア「う、うう……ミッテ先生……あ、あなたは……!」
エルデ「アクア、ヒューゴ少尉の死はあなたのミスよ」
アクア「!!」
エルデ「あなたの動揺がメディウスに進化の時間を与え……
結果的に彼を死に至らしめた」
エルデ「何故、私がメディウスに乗っていることを
あなたに隠していたか、わかるかしら?」
アクア「ま、まさか……!?」
エルデ「そう、このような時にあなたの動揺を誘うためよ。
あなたがそういう脆さを持っているのは、
知っているから」
アクア「ミ、ミッテ……先生……」
エルデ「かつて、私はあなたに教えたはず。
いかなる時も冷静に状況を分析し、
あらゆる事態に対応できるようになれと」
アクア「わ、私は……私は……」
エルデ「フフフ、高い授業料だったわね」
アクア「く……ううう……!!」
エルデ「あなた達のおかげで、
予想より早く次の段階へ進めたわ。
そのお礼に……」
エルデ「あなたもヒューゴ少尉の所へ送ってあげる」
アクア「!!」
(メディウス・ロクスでシステムダウン)
エルデ「拒絶反応……! 何故!?」
アルベロ「コントロールが戻った……!」
エルデ「進化したばかりで、安定していないと言うの……!?
それとも……?」
アルベロ「……離脱するぞ、エルデ。
この不安定な状態で、鋼龍戦隊と
戦闘するのは危険だ」
エルデ「……やむを得ません。わかりました」
(メディウス・ロクスが西端まで移動)
エルデ「フフフ、運が良かったわね、アクア」
アクア「先生……!」
エルデ「TEアブゾーバーはもう1機あるわね。
今回の経験を活かし、そのパイロットになりなさい」
アクア「え……!?」
エルデ「そして、生まれ変わったメディウス・ロクスに
挑んで来なさい」
エルデ「あなたにその気があるのならね」
(メディウス・ロクスが撤退)
アクア「………」
(東側にハガネが出現)
エイタ「メディウス・ロクス、戦域から離脱!」
テツヤ「ヒューゴ少尉達は!?」
エイタ「機体が大破しているようです!」
テツヤ「直ちに回収! デッキに救護班を向かわせろ!
その他の機体は対空警戒を厳となせ!」
アラド「そっ、そんな……!!」
ゼオラ「ヒューゴ少尉が……!!」
カイ「………」
アクア「わ、私の……私のせいなんです……
私がミッテ先生のことで、動揺して……」
カイ「ミッテ?」
アクア「エルデ・ミッテ……
私が士官学校にいた頃の……講師で……
TC-OSのアーキテクチャー・アレンジを……」
アクア「あ、あの人が……
ツェントル・プロジェクトに参加していて……
しかも、メディウスに乗っているなんて……」
アクア「せ、先生は……知っていて……
今まで私達を……う、うう……」
リム(クリス)「アクアさん……」
アクア「それなのに……私は……
私のせいでヒューゴが……ヒューゴが……!!」
エクセレン「アクアちゃん、落ち着いて……」
アクア「だけど……だけど……
ヒューゴは身体が……限界が近いって……」
ジョッシュ「限界……?」
ラトゥーニ「ヒューゴ少尉の身体に何が……?」
カイ「……イェッツトとの戦いで彼は瀕死の重傷を負った。
そして、彼の身柄はあの怪物と関わりがあった
ツェントル・プロジェクトに引き取られ……」
カイ「失った部分は、ミタール・ザパトによって補われた」
アクア「!!」
ジョッシュ「じゃ、じゃあ、ヒューゴ少尉は……」
カイ「所謂、サイボーグだ」
アクア「そ、そんな……!!」
ラーダ「しかも、人工骨にはラズムナニウムと思しき物が
投入されていたの」
ラーダ「少尉がいつも服用していた薬は、拒絶反応を抑え、
ラズムナニウムの働きを鈍化させるための物……
そして、それはザパト博士にしか調合できない」
アクア「……!」
ラーダ「おそらく、彼はヒューゴ少尉を
ラズムナニウムの実験台にしていたのだと思う……」
ゼオラ「で、でも、薬がなくなったら……?」
ラーダ「全身がラズムナニウムに侵蝕されて、死に至る……
ヒューゴ少尉の身体そのものが、枷だったのよ」
アクア「そ、そんなこと……私には一言も……」
カイ「お前に余計な気を遣わせたり、
心配を掛けたくなかったからだろう……」
アクア「だ、だからって……そんな重要なことを……」
カイ「……ガイアセイバーズとの一件で薬の入手が
ままならなくなり……あと10日ほどの分量しか
残っていなかった」
リム(クリス)「えっ……!」
カイ「イティイティ島に着いたら、
俺は奴をTEアブゾーバーから降ろすつもりだった。
アクアにも本当のことを話せと諭したのだが……」
アクア「ヒューゴは……島に到着したら、
本当の事情を話すと言っていました……」
カイ「そうか……」
アクア「あの人が、私にシミュレーター訓練をやらせたり、
TEリミッター解除の話をしたのは……
残された時間が少なかったから……」
アクア「私がもっと早くそのことに気づいていれば……」
エクセレン「アクアちゃん、そうは言っても……」
カイ「いや……無理にでも奴を降ろすべきだった……。
これは俺の責任だ……」
アクア「………」
アクア「少し……一人にさせてもらえませんか……」
カイ「……わかった。行くぞ、みんな」
ゼオラ「は、はい……」
(扉が開閉する・アクア以外が立ち去る)
アクア(どうして……どうして、ミッテ先生が……
何故、あの人は私を……?)
アクア(わからない……色んなことがあり過ぎて……)
アクア(ヒューゴ……私……どうすればいいの……?)
アクア(あなたがいなくなって、私……う、うう……)
アクア(ううう……ヒューゴ…………)
マリオン「……このTEアブゾーバーは、
もう使い物になりませんわね」
ロバート「ええ……」
マリオン「アクア少尉は?」
ラミア「彼女は軽傷で済みました」
マリオン「やはり……妙ですわね」
ロバート「え? 何がです?」
マリオン「損傷部分……特に胴体部をご覧なさい。
四肢は相当の衝撃を受け、ひしゃげているのに
まるで切り取られたかのような傷口……」
マリオン「さらに、TEエンジンも
モジュールごと持って行かれています」
ラミア「もしや、それが目的で……」
マリオン「TEエンジンはツェントル・プロジェクト側にも
存在しているでしょう。機体をろ獲するなら
ともかく……」
マリオン「何故、あの場でエンジンを取り込んだか。
しかも、ヒューゴ少尉ごと……」
アリエイル「取り込んだ……?」
マリオン「この結果は、向こう側でも
予期していなかったのではないか……
私はそう思うのです」
ラミア「メディウス・ロクスが進化を成し遂げたにも
関わらず、ろ獲も撃墜も出来なかった……
つまり、中途半端な結果だったと?」
マリオン「ええ」
キョウスケ「それに、ここまで追い詰めておきながら、
撤退した理由が解せん。何か不具合があったのか?」
マリオン「アクア少尉だけが生き残ったのも、
TEエンジンを奪取したのも、向こうにとっては
意外なことだったかも知れません」
ロバート「意外も何も、メディウスを操縦していたのは
アルベロ少佐ですよ。アクア少尉はともかく、
意図せずにTEエンジンを奪うなんて……」
マリオン「ラズムナニウムというファクターを踏まえて
考えてみなさい」
マリオン「あれはダメージを修復するだけでなく、
メディウス・ロクスの形状、サイズ、特性まで
大幅に変化させたのです」
マリオン「つまり、マシンセルと同等の力を……
侵蝕支配機能までも有しているとしたら?」
ロバート「あっ……!」
アリエイル「心当たりがあるのですか?」
ロバート「あ、ああ……
ヒューゴ少尉の身体から検出された
ラズムナニウムにその兆候が……」
ラミア「では、ヒューゴ少尉とTEエンジンは
ラズムナニウムによって取り込まれた……?」
ロバート「アルベロ少佐の意図とは関係なく……?」
アリエイル「TEエンジンはともかく、
ヒューゴ少尉が取り込まれた理由……
その答えを導き出すための因子が足りません」
マリオン「ラズムナニウムを制御する何かが、
関係しているかも知れませんわね」
ラミア「いずれにせよ……ヒューゴ少尉を失ったという事実に
変わりはないのですね……」
キョウスケ「………」
アクセル(ヒューゴ・メディオ……お前の悪運は尽きたか。
それとも……)
カオル「私のジンライが奪取された!
お、お前はいったい何をやっていたのだ!?」
エルデ「お言葉ですが、ターゲットを捕捉するまで
こちらはデルタの指示通りに動きました。
そして、ジンライの離脱の手助けも……」
カオル「その後が問題なのだ!」
エルデ「ターゲット捕捉後、独自の行動を取らせていただくと
申し上げたはずですが?」
カオル「くっ……!」
エルデ「こちらとしても残念な結果でしたが……
これまで通り、AI1とAI0のデータ共有化は
行わせていただきます」
エルデ(もっとも、AI1のデータはダミーだけど)
カオル「AI1などより、
私のシステムZLAIの方が遥かに重要だ!」
エルデ「……ザパト博士へ報告せねばなりませんので、
失礼致します」
(扉が開閉する・エルデが立ち去る)
カオル「お、おのれ……! おのれ、鋼龍戦隊……!
このままでは済まさん!」
カオル「それに、ミナキ!
このような時に何故、連絡が取れん!
いったい、お前はどこで何をしているのだ!?」
ミタール「そうか……ヒューゴ少尉が死んだか」
エルデ「はい」
ミタール「アルベロ少佐、ご苦労だったな。正直言って、
ヒューゴ少尉の件に関しては、君を疑っていた……。
最終的には、彼も救う気だったのではないかとね」
アルベロ「………」
ミタール「フォリア准尉のことは、引き続き任せてくれたまえ。
……では、下がってくれていい」
アルベロ「その前に聞きたいことがある」
ミタール「何かね?」
アルベロ「メディウスの形状変化についてだ。
AI1とラズムナニウムであのようなことが
可能だという話は、知らされていなかった」
ミタール「機密事項だったのだよ。
それに、君が関与することではない。
パイロットに徹すればいい」
ミタール「それが、君の息子のためでもある」
アルベロ「………」
(扉が開閉する・アルベロが立ち去る)
エルデ「……アルベロの件、このままでよろしいのですか?」
ミタール「ああ、まだ御者は必要なようだ。
今回のようなことが起きるのであればな」
エルデ「何かご不満な点が?」
ミタール「メディウス・ロクスの進化については認めよう。
だが、TEエンジンやパーツを取り込むとは……
君がそういう指示を出したのか?」
エルデ「……いえ」
ミタール「それは……君がAI1を制御し切れていないと
いうことではないかね?」
エルデ「私達が望む結果を出すために、
あの子自身がさらなる力を必要としたのです」
エルデ「それまでの経験を経て、
そのような判断が出来るようになったのです。
素晴らしい成長ぶりだと言えましょう」
ミタール「いや、危険な兆候だな。AI1がこのまま学習を続け、
より強い力を望むようになったら、どうする?」
エルデ「子が望む物を与えるのは、親の務めですわ」
ミタール「暴走する可能性があると言っているのだ、私は」
エルデ「ラズムナニウムを制御するのは、AI1の役目です」
ミタール「私が懸念しているのは、そのAI1だよ。
ここがボーダーラインだ。取り込んでしまった物は
仕方がないが、リミッターを再調整したまえ」
ミタール「君がAI1を御せぬようであれば、
MODEL-Xの件は再考せざるを得ない」
エルデ「………」
アルベロ(まさか、あのようなことになるとは……)
アルベロ(俺は取り返しのつかないことをしてしまった……)
アルベロ(これでは……フォリアが目を覚ましても
合わせる顔がない……)
アルベロ(ヒューゴ……俺はお前を救えなかった……
お前の道を閉ざしてしまった……)
アルテウル「ふん……ジンライとメディウス・ロクスでは
神僕を呼び寄せるまでに至らなかったか」
ニブハル「引き続き、アルファとベータに追撃させます」
アルテウル「場合によっては、オメガも出す」
ニブハル「デルタはどうなさいます?」
アルテウル「量産型は後々の作戦で……
そして、人身御供としても使えるだろう。
現状維持でいい」
ニブハル「はっ。
それと、メディウス・ロクスが興味深い結果を
出しました。これが、その概要データです」
(モニターオン)
アルテウル「ほう……」
ニブハル「ザパト博士は難色を示しているようですが」
アルテウル「これがどこまで化けるか、だな。
その結果次第では、私の計画の要の一つとなろう」
ニブハル「では、エルデ・ミッテのプランを優先させますか?」
アルテウル「いや、ザパトだ。
そうすれば、彼女は奮起するだろう?」
ニブハル「なるほど、承知致しました」
アルテウル「他に報告事項は?」
ニブハル「まもなく、第二次生産分のサイリオンが納入されます。
今回はパイロット込みで……アラセリ・ガルシア、
ミツコ・イスルギ子飼いの傭兵です」
アルテウル「ああ……確か、そのようなことを言っていたな」
ニブハル「こちらの腹を探る気でしょうか?」
アルテウル「だろうな。
その男の部隊には、鋼龍戦隊の追撃命令を出しておけ」
アルテウル「セイバーへの組み込みを望むなら、こちらへ来る前に
サイリオン以外の手土産が必要だとな」
ニブハル「了解しました。申し伝えます」
(足音)
オペレーター「申告致します。
アルテウル司令宛で電文が送られて来ました」
アルテウル「ここへ直接だと……? 発信者は誰か?」
オペレーター「シュウ・シラカワ……となっております」
アルテウル「何だと……?」
ミツコ「……あなたに直接連絡を入れましたのは、
折り入ってお願いしたいことがあるからですの」
スレイ「それで私はアラセリ・ガルシアのチームから
外されたのか……」
ミツコ「もっとも、今回の件がなくても、
ベガリオンをガイアセイバーズへ
提供する気はありませんわ」
ミツコ「プロジェクトTDは、
表も裏も我が社にとって有益ですから」
スレイ「……で、私に何をさせる気だ?」
ミツコ「私の特使として、
鋼龍戦隊に合流していただきたいんですの」
スレイ「!」
ミツコ「本来なら直接か、人を介して
あの方達へ連絡を入れる所なのですが……」
ミツコ「裏のプロジェクトTDのこともあって、
そう簡単には信用してもらえませんでしょう?」
ミツコ「そこで、当事者の一人であり、鋼龍戦隊とも縁がある
あなたに出向いていただこうと思いまして」
スレイ「……私の本当の目的が何か知っているのか?」
ミツコ「ええ。
でも、織姫と彦星の逢瀬にも期待しておりますのよ?」
スレイ(織姫と彦星……ベガとアルタイル……)
ミツコ「ともかく、
この依頼はプロジェクトTDや鋼龍戦隊だけでなく、
私共の命運にも大きく関わっております」
ミツコ「大げさに言えば、地球の未来が懸かっていますのよ」
スレイ「……断る、と言えば?」
ミツコ「あら、あなたには断る理由などありませんでしょう?
“HYPER77”……それがあなたのお兄様の
夢を叶えるために、必要不可欠な物なのですから」
ミツコ「それをあなた一人で手にするか、あるいは……。
私の依頼を確実に果たしていただけるのなら、
より一層の援助をお約束しますわよ?」
スレイ(……私が兄様の夢を実現させるには……)
スレイ「わかった。引き受けよう」
ミツコ「では、よしなに」
REPORT
強化パーツ『高性能電子頭脳』を入手しました。
REPORT
機体『ダイゼンガー』に以下の武器が追加されました。
『ダイナミック・ナックル』『ゼネラル・ブラスター』