ゼブ「ふうん、
な~かなかやってくれるじゃないの、鋼龍戦隊。
メキちゃん達がやられたのも納得、納得」
ゼブ「ま、こ~っちの作戦が成功してれば、
ま~たチャンスはあるだろうしね。
そんじゃ、そ~ろそろお暇させてもらいますよ」
(ライグ=ゲイオスが撤退。残っている敵機が撤退)
カイ「退いたか……」
レーツェル「カイ少佐、
彼の言っていたことが正しければ、今頃……」
カイ「地球の要所が襲撃されているか……!」
(東側の敵機が次々に爆発)
オペレーター「全目標、撃破! 後続、なし!」
ケネス「諸君、ご苦労だった。
第二波に備え、対空警戒を厳にしつつ、待機せよ」
ケネス(フフフ、異星人め……
そう何度も同じ手が通用すると思うなよ)
ケンゾウ(……ここ数日の非常警戒態勢と先程のスクランブルは、
この事態に備えるためだったか)
ケンゾウ(だが、手際が良過ぎる。
上層部は、今日ここに敵が現れることを
知っていたかのようだ……)
(研究所の東側に敵機、北西部にストーク、ケルベリオン3機とレリオンが多数出現済み。東側の敵機が爆発)
シオ「……意外に呆気なかったし」
シアン「ああ、ラ・ギアスにいた方が楽しめたぜ」
シエンヌ「まったくだね。
……アルベロ少佐、終わったよ」
アルベロ「ガンマ・セイバー各機は
第2波に備え、現状のまま待機せよ」
シエンヌ「あたしらの本格的なデビューとしちゃ、物足りないね。
テスラ研、さっくりと制圧しとこうか?」
アルベロ「俺の命令が聞こえなかったのか? 待機だ」
シエンヌ「はいはい」
シエンヌ(チッ……つまらねえ親父だよ、まったく。
ガンマ・セイバーはあたしらだけでいいのにさ)
エルデ「……せっかくの機会でしたのに、
メディウス・ロクスを出せなくて残念ですわ」
アルベロ「忘れたのか?
メディウスは強奪されたことになっているのだ。
お前とミタールの計画のせいでな」
エルデ「もうすぐ、それを気にしなくても
いいようになるでしょう?」
アルベロ「………」
ラウル「あ、あの部隊はいったい……」
フィオナ「いきなりやって来て、部隊を展開して、
それで……」
ジョナサン「ストーク以外は初めて見る機体ばかりだな。
リオンタイプの新型と……後はガーリオン系の
カスタム機か?」
ラージ「それよりも気になるのは……
彼らが敵の出現を知っていたことです」
ジョナサン「ああ、そのことや所属について、
問い合わせたのだが……何の応答もない」
ジョナサン「敵の正体については見当がつくが、彼らは……」
ラージ「もしかしたら、連邦軍ではないのかも」
ラウル「じゃあ、どこの所属なんだ?」
ラージ「リオン系の新型機を持っていることから、
イスルギと関係があるのかも知れませんが……」
フィオナ「もしかして、噂の『GS』?
研究所を守ってくれたことには感謝するけど、
何か胡散臭いわね……」
(東側にアレス・ガイスト、キャニスが多数とペレグリンがいて、西側に敵機がいる。敵機が爆発)
ドゥバン「……全機撃破したな。
ベータ1から各機。帰投するぞ」
アリエイル(指定された時間との誤差がなさ過ぎる……
MOSSで得たデータから予測したことだと
思えない)
アリエイル(もしや、上層部はゲスト襲来のタイミングを
予め知っていたのでは……?)
【デモムービー『エア・クリスマス出撃』】
(北西~南東にかけて敵機が、北東にエア・クリスマスとリオン系列機がいる)
オペレーター「目標群、インレンジ!」
カーリー「主砲、1番から4番! 撃て!」
(砲撃、敵機が全て爆発)
エグレッタ「フッ……
これじゃ、僕達の出番はなさそうだね」
カーリー「アルテウル司令、ゲスト部隊を撃破しました」
アルテウル「ご苦労、カーリー・ナウマン艦長。
いい指揮だった。今後も期待させてもらおう」
カーリー「はっ。私を拾って下さった上に、
このような名誉ある役職まで……。
その御恩に報いるべく、尽力します」
アルテウル「ああ」
オペレーター「司令、グラスマン大統領からの通信です」
アルテウル「つなげ」
グライエン「……アルテウル、お前が言った通りだったな」
アルテウル「ええ。
このパリ以外に現れた敵軍の撃退にも
成功しております」
グライエン「超高々度からの砲撃に対しては?」
アルテウル「連邦軍の軌道哨戒戦隊の他、
オメガ・セイバーとベータ・セイバーを
派遣しております。動きあらば、事前に対処を」
グライエン「では、未然に防いだか……
そもそも、彼らにそのつもりがなかったか」
ニブハル「後者だと思われます。
前任者より権力志向が強いようですから、
後々の地盤に悪影響を与えるような真似は避けたかと」
グライエン「ふむ」
ニブハル「なお、各方面軍基地やターゲットとなった都市は
連邦軍が防衛していますが、首都パリを救ったのは
本艦とアルファ・セイバー……」
ニブハル「連邦軍とガイアセイバーズ、
そのどちらの活躍が人民の目に焼き付いたか……
言うまでもないでしょう」
ニブハル「大統領閣下が以前に仰っていた、
ガイアセイバーズが鮮烈なデビューを飾り、
鋼龍戦隊以上の実績を挙げるという課題……」
ニブハル「これで成し遂げられたと思いますが、
いかがでしょうか?」
グライエン「うむ……お前達に任せて正解だったようだ」
アルテウル「ありがとうございます、閣下」
グライエン「軍には私のシンパを通じて根回しをしてあるが……
議会の反対派と組んで、こちらを探る者達が
必ず出てくる」
グライエン「特に、ゲストの襲撃を予測していた件……
これが焦点になり得る。情報操作はぬかりなきよう」
アルテウル「承知しております。状況が落ち着き次第、
閣下には演説を。ガイアセイバーズこそが
地球を護る剣であることを、民にお示し下さい」
グライエン「ああ。
これよりのゲストとの戦い……必ずや勝利を得よ」
アルテウル「心得ております、大統領閣下」
ダニエル「元帥、各方面軍からの報告がまとまりました。
緒戦は我が方の圧勝です」
ギャスパル「向こうはさぞかし面食らっているだろうな。
それで、敵本隊の位置は?」
ダニエル「現在、捜索中ですが……MOSSのプローブが
攻撃を受けていないことから判断して、月軌道外
宙域にいる可能性が高いと思われます」
ギャスパル「おそらく、次の狙いは月とヘブンゲート……
初手でそこへ仕掛けなかったのが意外だったがな、
各所の警戒を厳にせよ」
ダニエル「はっ。
ところで、先程の大統領の演説ですが……
よろしいので?」
ギャスパル「我らの最高司令官が述べたことだ、構わんさ」
ダニエル「ですが、ガイアセイバーズの功績が喧伝され……
あれでは、我が軍の立場がありません」
ギャスパル「こちらの予算を圧迫せず、新兵器の実験が出来る上に
ゲストとも積極的に戦ってくれるというのだ。
ありがたい話ではないか」
ダニエル「アルテウルはガイアセイバーズを足掛かりにして、
軍への発言権を強めるつもりかも知れませんぞ」
ダニエル「あるいは、旧国際連合安全保障理事会の
常任理事国以外の旧国軍と結託し、現在の連邦軍体制の
転覆を画策している可能性も……」
ギャスパル「心配性だな、君は。さすがにそれはなかろう。
ま、そう考えていたとしても構わんが」
ダニエル「下手をすれば、内戦……由々しき問題ですぞ」
ギャスパル「共通の外敵は、結束を固める要因となる。
かつて、ビアン・ゾルダークとマイヤー・V・
ブランシュタインがそれを示してみせた」
ギャスパル「しかも、DC戦争は反連邦勢力のガス抜きにも
なったのだ。しばらくの間、大きな内戦は起きんよ。
新たな外敵も現れたことだしな」
ダニエル「ですが、
いまだDC残党と反連邦主義者達の問題は……」
ギャスパル「我が軍の仕事が増え、戦争商人達の懐も潤う。
しかも、我らが画策したことではなく、
自ら悪役を買って出る者達がいてくれる」
ギャスパル「そのおかげで我らは大義の下、任務を遂行できるのだ。
語弊はあるが、持ちつ持たれつの関係だよ」
ダニエル「………」
ギャスパル「この世界に完全な平和など成立せんよ。
それに、軍隊は敵と戦い、勝利を収めることと同等……
あるいは、それ以上に困難な課題を抱えている」
ダニエル「いかに組織を維持するか、ですか」
ギャスパル「そうだ。
敵対者の根絶は、自らの足場を危うくすることに
つながるのだよ、ダニエル」
ダニエル「……ガイアセイバーズは劇薬かも知れませんぞ」
ギャスパル「こちらにも特効薬がある。
鋼龍戦隊以外の駒……カルロやエッケハルト達が
準備を進めているのだろう?」
ダニエル「ええ……」
ギャスパル「ならば、次期大統領選に向けた
グライエンやアルテウル達のパフォーマンスは
看過したまえ」
ギャスパル「それに、大木は風に折らると言う。
戦時下を理由にした大統領の強引な政策を、
連邦議会の保守派がいつまでも許すとは思えん」
ギャスパル「木が倒れるその時まで、
アルテウル達には精々働いてもらおうではないか……」
ラトゥーニ「リュウセイ……!」
リュウセイ「色々と心配させて済まなかったな、ラトゥーニ」
ラトゥーニ「ううん、きっと無事に戻って来てくれると
信じてたから……」
ラトゥーニ「新型機の写真も色々撮っておいたの……」
リュウセイ「おっ、そりゃ嬉しいな。ありがとう。
後で見せてくれ」
ラトゥーニ「うん……」
シャイン「……ラトゥーニ、私も戻って参りましたわ」
ラトゥーニ「シャイン王女、よくご無事で……」
アクア「あっ、あの! 王女様!」
シャイン「はい?」
アクア「わ、私、リクセント公国に行ったことがあって!
パレードでお姿を見たことがあります!」
シャイン「あら、そうでございましたの」
アクア「そ、それで!
よろしければ、シャ、シャイン……あ、いえ!
サインをいただきたいんですが!」
シャイン「ええ、いいですわよ」
アクア「あ、ありがとうございます!」
ゼオラ「ところで、シャイン王女……
国に戻られなくても大丈夫なんですか?」
シャイン「ラ・ギアスでの事件の参考人として、
もうしばらく鋼龍戦隊にいて欲しいと
要請されまして……」
シャイン「あ、でも、国には先程連絡致しました。
ジョイスが大変喜んでおりましたわ」
ロバート「……それにしても、
みんな揃ってラ・ギアスへ行っていたとはな」
リュウセイ「まあ、話すとホントに長くなるんだけどさ」
アラド「あの……コウタとアクセルさんは?
一緒じゃないんスか?」
キョウスケ「その二人とは会っていない。
ラ・ギアスへ召喚されたかどうかも不明だ」
ラミア「そうでございますですか……」
リュウセイ「鋼龍戦隊のメンバーは全員戻って来たんだが……
俺達以外でラ・ギアスに行っちまった地上人は、
マサキ達が捜索してくれることになってる」
リュウセイ「もし、あの二人があっちにいたら、
あいつらが地上へ戻してくれるだろうさ」
アラド「わかったッス」
シャイン「あと、アラド……それに、ラトゥーニとゼオラに
お伝えしなければならないことがあります」
リュウセイ「そうだ、あいつらのことを……」
アラド「あいつら?」
シャイン「ええ……私達はラ・ギアスで
シエンヌ、シアン、シオという者達と戦いました」
ゼオラ「!!」
ラトゥーニ「その三人は……アルジャン・クラスの……!」
アラド「まさか、生きてたなんて……!」
カチーナ「いけすかねえガキ共だったぜ。
まだラ・ギアスにいると思うがよ」
ゼオラ(もし、あの三人がこちらへ戻って来たら……
私達は……)
アラド(スクールの生き残りが……
よりにもよって、あいつらだなんて……)
カチーナ「向こうじゃ、色々あったが……
地上の方でも面倒事が起きてるようだな」
ロバート「ああ……それについては、レフィーナ司令達との話が
済み次第、報告するよ」
リュウセイ「ロブも呼ばれてんのか?」
ロバート「ああ、オブザーバーとしてね。
おそらく、ゲスト襲撃後の戦況についても
説明があるはずだ」
カイ「本当ですか、それは……!?」
レフィーナ「はい。
ゲストはパリや各方面軍基地、重要施設に対し、
空間転移戦法を用いて奇襲したそうですが……」
レフィーナ「連邦軍や『GS』……『ガイアセイバーズ』によって
阻止されたとのことです」
テツヤ「ガイアセイバーズ……
それが例の大統領直轄部隊の正式名称ですか」
レフィーナ「ええ。先程、グラスマン大統領の演説で
ゲスト襲来による非常事態宣言の公布と共に
その存在が公表されました」
レフィーナ「地球を護る剣ある限り、
地球人の主権が侵されることはない……
大統領はそう仰ったそうです」
ゼンガー「剣……か。
それがガイアセイバーズのみを指しているのなら、
連邦軍を蔑ろにしているな」
レーツェル「それ以前に、解せぬ点がある。
ゲストはオルレアン工場にヒュッケバインがあることを
知っており、クロガネの動きも察知していた」
レーツェル「我らにも兵を差し向けたのは、
インスペクター事件から得た教訓を
生かしてのことだろうが……」
レーツェル「事前に情報収集を行っていなければ、無理な話だ。
そして、インスペクターの失敗を踏まえ、最初から
一気に地球側の中枢を抑えにかかった……」
レーツェル「つまり、彼らは情報を集めた上で、
必勝を期し、多方面への同時奇襲を行ったのだ。
それを、こうもあっさりと阻止できるとは……」
カイ「何が言いたいのだ、レーツェル?」
レーツェル「統合参謀本部やガイアセイバーズは、
ゲストが仕掛けてくるタイミングを
事前に知っていたのではないでしょうか?」
レフィーナ「……私も同意見です」
カイ「しかし、いったいどうやって……」
レーツェル「以前にも言った通り、連邦政府と異星人の間には
パイプが存在していました。そして、やはり
それが今も何らかの形でつながっている……」
レーツェル「また、先程のゼブという男の言葉から推測して、
インスペクターとゲストは同じ勢力でありながらも
折り合いが悪いようです」
レーツェル「もしかしたら、
インスペクター側からゲスト襲撃に関する情報が
もたらされた可能性があります」
カイ「同勢力ならば、地球を制圧するという目的も
同じであるはずだが……」
カイ「インスペクターとゲストの間で
派閥争いめいたものがあって、
それが持ち込まれたと言うのか?」
レーツェル「ええ。ゲストの失敗は、インスペクターにとって
都合がいいのかも知れません」
ロバート「だとしたら、
もっと早い段階でゲストの地球侵攻を
阻止してくれれば……」
レーツェル「それが出来なかったからこそ、
情報をリークしたとも考えられる」
ロバート「どこの世界でも派閥争いはあるんだな。
使っている兵器の系統は同じなのに……」
レフィーナ「分析結果が出たのですか?」
ロバート「ざっとですけどね。
先程の敵機は、どれも初出でしたが……」
カーク「その内の一機種にジェミニラと同じような
パーツが使われていた」
カイ「ジェミニラ……インスペクター事件で
確認されたという可変機のコードネームだったな。
俺達はそいつと遭遇しなかったが……」
ロバート「インスペクターと違い、
ゲストは結構な数の自前の機体を
持ち込んできていると見ていいでしょう」
レフィーナ「わかりました。
では、今後の行動についてですが……」
レフィーナ「極東方面軍司令部に連絡を入れた所、
直ちに出頭し、一連の事情を説明するよう
命令が下りました」
レフィーナ「よって、本艦とハガネは
これより伊豆へ帰投します」
ロバート「その前に、お願いしたいことがあるんですが……」
レフィーナ「何でしょう?」
ロバート「ブリットとクスハをテスラ研へ連れて行きたいのです。
超機人との意思疎通が可能なあの二人がいてくれれば、
龍王機の改修作業が進みますので」
レフィーナ「わかりました。
バラルの正体を探るためにも超機人は必要でしょう。
許可します」
レーツェル「博士がテスラ研へ戻ると言うのなら、
エクスバインの修復もそこで行った方が
いいのではないか?」
ロバート「ええ」
レーツェル「ならば、近場までクロガネで送ろう」
カーク「レフィーナ大佐、リョウトとリオも
同行させて構わないだろうか?」
カーク「ヒュッケバインMk-IIIの開発に関わっていた
あの二人に、エクスバインの調整を
サポートしてもらえると助かる」
レフィーナ「……テツヤ中佐、どうでしょう?」
テツヤ「構いません。
このような状況下で戦力増強は急務ですから」
レフィーナ「では、各員は進発準備に取り掛かって下さい」
ジョッシュ「そうか……そっちは無事だったか」
クリフォード「とは言え、南極事件の時と同じぐらい
現場は緊張したがね」
ジョッシュ「それで、俺に用とは?」
クリフォード「リムと一緒に南極まで戻って来てくれないか」
ジョッシュ「……親父がそう言ったのか?」
クリフォード「ああ……“ファブラ・フォレース”の調査が
新たな段階へ進んだ。そのため、シュンパティアが
必要となったのだ」
ジョッシュ「新たな段階って……何度、その手の話を聞いたことか。
ここ最近、めぼしい進展はないだろう?」
クリフォード「今回は違う
早急にエール・シュヴァリアーが必要なのだ」
ジョッシュ「そんなことを言って、
リムに01を使わせる気なら……!」
クリフォード「教授にその気はないさ。
だからこそ、君を呼んだんだ」
ジョッシュ「だったら、何故、親父は直接俺に言わない?
あの男はいつもそうだ、肝心なことは……」
クリフォード「ジョッシュ……教授が連絡を入れて来たら、
君は受け付けないだろう?」
ジョッシュ「………」
クリフォード「もし進展があれば、リムの問題について
判明することがあるかも知れん。
……これは、私からの頼みでもある」
ジョッシュ「………」
ジョッシュ「……わかったよ、クリフ……」
カイ「……では、ブリット、クスハ、リョウト、リオは
クロガネでテスラ研へ向かってもらう」
リョウト「わかりました」
ロバート「こっちへ戻って来たばかりで済まないが、頼む」
ブリット「オオミヤ博士、虎王機の行方については……」
ロバート「現状で手掛かりはないに等しい。
バラルの調査については、LTR機構の
協力も得ているが……」
ブリット「そうですか……俺が現場にいれば……」
ロバート「いなかった方が幸いだったかも知れん……
下手をすれば、お前ごと連れ去られていたかもな」
ブリット「………」
クスハ「あの……オオミヤ博士、
龍王機は本当に再生できるんでしょうか……」
ロバート「現状、カザハラ所長の話では五分五分とのことだ。
それを俺と君で何とかするのさ」
クスハ「……わかりました」
リオ「カイ少佐、具申してよろしいですか」
カイ「何だ?」
リオ「テスラ研にイングも連れて行きたいんです」
カイ「イング?」
ツグミ「何者かとの戦闘で撃墜され、脱出ポッドで
洋上を彷徨っていた所をラウル達が回収し……
ハガネに預けた少年です」
リオ「過去の記憶を失っていて、素性は不明です。
しかし、ラ・ギアスでの戦いでは
私達に協力してくれました」
カイ「素性のわからない者を戦わせたのか?」
リョウト「ええ、ヴィレッタ大尉の判断で
アルブレード・カスタムに乗せました」
カイ「待て。何故、記憶を喪失した者に
そんな真似が出来る? 身体がPTの操縦や
戦闘技術を覚えていたとでも言うのか?」
リョウト「その通りです。
以前に高度な訓練を受けていたらしく……
機体への適応能力には目を見張るものがあります」
カイ「だからと言って、実戦に投入するとは……」
リョウト「まず、彼という戦力を必要とする状況があり……
そして、一種のショック療法による
記憶の回復を試みたんです」
カイ「その結果は?」
リオ「駄目でした。
しかし、これまでの素行に怪しい点はなく、
本人も協力的です」
カイ「とは言え……話を聞いているだけでも
何かこう、作為的なものを感じるな」
リオ「ですから、イングの謎を調べるために
テスラ研へ連れて行きたいのです。
本人も自分が何者なのか、知りたがっていますし……」
ロバート「記憶喪失だと言うのなら、
伊豆のコバヤシ博士に頼んだ方が良くないか?
その手の分野のエキスパートだよ」
リョウト「アヤ大尉の話では、多角的な調査を行うために
まずテスラ研で見てもらった方がいいと……」
カイ「わかった。艦長の判断を仰ぐ」
(扉が開閉する)
ジョッシュ「……カイ少佐、よろしいですか?」
カイ「何だ?」
ジョッシュ「マザー・ベースから連絡があって、
いったん南極へ帰還させていただきたいのです」
カイ「お前達は軍属ではないから、構わんが……
急ぎか?」
ジョッシュ「ええ」
カイ「では、俺達が乗って来た輸送機を出す。
あと、ヒューゴとアクアも同行させよう」
ジョッシュ「え?」
カイ「彼らも俺の隊や鋼龍戦隊の所属ではないからな、
融通が利く。護衛として連れて行け」
ジョッシュ「しかし……」
カイ「これまでにも妖人機やジンライなどの襲撃を受け、
ゲストとの戦端も開かれた。道中で敵性機と
遭遇する可能性は高いぞ」
カイ「それとも……迷惑か?」
ジョッシュ「……いえ」
カイ「ならば、ヒューゴ達には俺から話しておく。
南極までの道程、くれぐれも気をつけてな」
ジョッシュ「わかりました」
セティ「ゼゼーナン司令、第一波はほぼ全滅です。
地球人は、我が方の奇襲を予期していたようです」
ゼゼーナン「……直前の偵察で、そのような素振りを
見せていなかったのではないか?」
セティ「ええ……臨戦態勢ではありましたが、
多方面で同時に、しかも敏速に対応するとは……」
ゼブ「や~れやれ、一筋縄でい~かないのは
鋼龍戦隊だけじゃな~いのね」
ゼゼーナン「猿共全ての練度が、そこまで高いとは思えん。
いくら連中が闘争心に長けた生物であってもな」
ゼゼーナン「事前に情報が漏れていたのだ。それ以外に考えられん。
……まさか、お前達ではあるまいな?」
セティ(まず身内を疑うのね……)
ゼブ「そ~んなことをして、何の得にもな~らないよ。
や~っぱ、ヒュッケバインに手を出したのが
ま~ずかったんじゃない?」
ゼブ「あ~れでバレちゃったんだ~よ」
セティ「忘れたの? グランゾンとヒュッケバインの確保は、
今回の作戦において優先度が高いのよ」
ゼゼーナン「シャフラワースの言う通りだ。
所在不明のグランゾンはともかく、ヒュッケバインは
早急にろ獲する必要があった」
ゼブ(結局、消~えちゃったけ~どね)
セティ(でも……何故、司令はヒュッケバインと
グランゾンに拘るのかしら……?)
ゼブ「あと、考えら~れる情報漏れの原因は……
ウェンドロが使ってい~た連絡員か~な?」
セティ「だとしても、ウォルガの者でしょう。
どうやって、私達の奇襲タイミングを知るの?」
ゼブ「だ~よね。じゃあ、ウォルガのスパイが
ど~こかに紛れ込んでい~るのかな。あるいは、
戦闘用バイオロイドに細工し~ていたとかね」
セティ「調べてみたけど、その線はないわ」
ゼブ「じゃ、ウォルガの誰かが地球に来~ていて、
俺達を見~張っていたんだ~よ」
セティ「ウェンドロ達が使っていた転移航路は
私達が制圧し、封鎖しているのよ?」
セティ「当事者達が生きているなら、抜け道を作れるかも
知れないけど……それ以外の者はゼゼーナン司令の
認証コードがない限り、使用できないわ」
ゼゼーナン「情報漏洩の件は、引き続き調査せよ。
グランゾンの所在についてもな」
セティ「はっ」
ゼゼーナン「以後の作戦内容を変更……月を制圧する。
猿共が待ち受けていることを踏まえた上で、
攻略プランを提出せよ」
ゼブ「りょ~かい」
ゼゼーナン「援軍は既に手配済みだ。
次こそ、地球の猿共に我らゾヴォークの力を
思い知らせてやれ」