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黒焔の狩人 ~ 第21話 ~

《グランド・クリスマス》

(執務室)

ニブハル「アルテウル様、特次副大統領へのご就任、 おめでとうございます」
アルテウル「とは言え、大統領権限継承順位は、 ダン・ヘンドリックス副大統領よりいくつか下だ」
ニブハル「それでも異例の抜擢です。 グラスマン大統領が『GS』の存在を重要視し、 その働きに期待されている証でしょう」
アルテウル「……で、報告とは?」
ニブハル「リ・テクの機体は、ご指示通り 伊豆の特殊戦技教導隊へ出向させました」
アルテウル「パイロットはラドクリフ教授の息子だったな。 我らの意思が介在していることを 知られていないだろうな?」
ニブハル「教授には口止めをしてあります。 また、教導隊の面々に詳細を教えぬよう、 ケネスには申し伝えてあります」
アルテウル「わかった。 いいデータが得られることを期待しよう。 ……他には?」
ニブハル「“グレイ”から連絡がありました。 彼らの先遣はすでに到来し、調査を開始…… Xデーは一週間以内だと」
アルテウル「ふむ……読み通りだな。狙いは?」
ニブハル「こちらの頭と腕……それに、凶鳥です」
アルテウル「フッ、まだそれに拘るとはな。 それとも、グランゾンが行方不明のままだからか」
ニブハル「凶鳥はオルレアンの工場にて オーバーホール中とのことです」
アルテウル「では、全機をこちらへ移送させろ。 特次副大統領権限でマオ・インダストリーに通達…… 輸送は連邦軍に任せろとな」
ニブハル「承知致しました」
アルテウル「念のため、オメガも派遣しておく。 “グレイ”もまた、凶鳥と縁のある男だ…… こちらの裏をかくつもりかも知れん」
ニブハル「彼……いや、もう片方が 凶鳥の所在位置を知っていると?」
アルテウル「ああ……事前に偵察をしているだろうからな」
ニブハル「では、Xデーの対処については?」
アルテウル「手はず通りだ。 それと、連邦軍のキャスパル・ギラン元帥に 一報を入れておけ」
ニブハル「パリは候補地から外しておくのですな?」
アルテウル「ああ。そこへは、私がアルファと共に エア・クリスマスで赴く」
ニブハル「ギャスパル元帥が“グレイ”の忠告を 信じなかった場合は?」
アルテウル「その時は、彼の首が飛ぶだけだが…… ミッション・ハルパーを看過し、 体制の維持を図った男だ……愚か者ではない」
アルテウル「ギャスパルは、必ず手を打つ。 残念ながら、その急先鋒たる鋼龍戦隊は 行方知れずだがな……」
ニブハル「ですが、そのおかげで『GS』は センセーショナルなデビューを飾れます」
アルテウル「ああ。まもなく、我らの時代が来る……」

《地球連邦軍極東方面軍 伊豆基地》

[伊豆基地 司令部]

カイ「……ヒュッケバイン・シリーズ移送の 護衛任務でありますか?」
ケネス「そうだ。貴様らは明朝0600をもって 伊豆から進発、マオ・インダストリーの オルレアン工場へ向かえ」
ケネス「なお、移送の目的地はハワイのヒッカム基地だ」
カイ「何故、南欧方面軍の部隊ではなく、 我々がその任務に?」
ケネス「マオ社の方から、わざわざお前達教導隊を 指名してきおったのだ。そして、アビアノの連中が それを真に受け、ワシの所へ丸投げだ」
ケネス「ヒュッケバインが絡んでいるだけに、 面倒事だと思ったのだろうが……」
カイ「……了解しました。 特殊戦技教導隊は明朝0600より 任務に就きます」
ケネス「護衛対象は、曰く付きのバニシング・トルーパー共だ。 新しい伝説などいらんぞ。ワシの面子に関わるからな」
カイ「はっ」
ケネス「それと、ツェントル・プロジェクトから 出向して来たアクア・ケントルム少尉だが……」
カイ「彼女が何か?」
ケネス「くれぐれも扱いは丁重にな」
カイ「……彼女を特別扱いする気はありませんが。 それとも、ツェントル・プロジェクトから 申し出があったのですか?」
カイ「だとしたら、こちらから問い質したいことが 多々あるのですが」
ケネス「ツェントル・プロジェクト絡みの件は、 大統領特別補佐官直々の命令だ。 ワシも詳細は知らん」
カイ「では、何です?」
ケネス「アクア少尉の父親だ。 ワシの所へ直接連絡を入れてきおった」
カイ(なるほど……そういうことか)

[伊豆基地 内部(個室)]

テイラー「……アクア、もう一度考え直してくれないか」
アクア「また話を蒸し返す気?  ようやくパイロットになれたのよ、 家に戻る気なんてないわ」
テイラー「叔父さんも心配しているよ。 女だてらに軍人など……万が一のことがあったら、 どうするつもりなんだと」
アクア「あの人は自分の地盤維持が気になってるだけでしょ。 言っとくけど、私は会社を継ぐ気も 政治家になるつもりもないから」
テイラー「アクア、いったい何が不満で……」
アクア「だから、私を縛り付けようとする人達が嫌なの。 何を言われたって、考えは変えないわよ」
テイラー「ううっ、頑固な所はアマリア譲りだな……」
アクア「母様が生きていたら、きっと賛成してくれたわ」
テイラー「そ、そんなはずはない。 子供を軍隊に取られて、心配しない親など……」
アクア「………」
テイラー「お前が出向している特殊戦技教導隊は、 あの鋼龍戦隊とも縁が深いじゃないか。 下手をしたら、お前も最前線に……」
アクア「父様、もう仕事の時間だから。 それと、基地に直電するのはやめてね」
アクア「連邦議会の上院議員から連絡があったって、 ちょっとした騒ぎになったんだから」
テイラー「いや、お前の扱いを良くしてもらえるよう、 基地司令にお願いをしておいたのだが……」
アクア「そ、そんなことをやったの!?  し、信じられない! 過保護にも程があるわ!」
テイラー「いや、だから、アクア……私は……」
アクア「もう切るわよ! それじゃ!」
(通信が切れる)
アクア「はああ……ただでさえDFCスーツのせいで 目立ってるかも知れないのに…… 父様にそんなことをされたら……はああ……」

[伊豆基地 ブリーフィング・ルーム]

アラド「えっ、フランスに出張ッスか!? やったぁ!」
ゼオラ「アラド、遊びに行くんじゃないのよ」
アラド「だけど、フランスって言ったら、 クロワッサンにバゲット、バタール…… ううっ、早く食べてえ!」
リム(クリス)「それ……全部、パンじゃない?」
ラミア「で、我々はフランスで何を?」
カイ「マオ社のオルレアン工場にある ヒュッケバイン・シリーズ全機を受け取り、 ヒッカムまで移送する」
ラトゥーニ「何故、そんな所へヒュッケバインを……?」
カイ「理由は俺も聞いとらん。 出発は明朝0600だ。各員、準備をしておけ」
アクア「あの、少佐…… 私達も行くということで、よろしいのですね?」
カイ「ああ、お前を特別扱いする気はない」
アクア「……ありがとうございます」
カイ「だが、父親の気持ちも少しは理解してやれ。 俺も娘親だからな……他人事とは思えん所もある」
アクア「………」
ヒューゴ(父親……?)
リム(クリス)「あの…… アクアさん、お父さんと何かあったんですか?」
アクア「ううん、別に。気にしないで」
ジョッシュ「………」

《マオ・インダストリー オルレアン工場》

[マオ・インダストリー オルレアン工場(制御室)]

ユアン「お久しぶりです、カイ少佐」
カイ「常務……あなたがいらしたとは」
ユアン「ええ、3日前に月から降りて来ましてね」
カイ「……鋼龍戦隊のことですが、いまだに行方は……」
ユアン「どうかお気になさらず。 リオは……私の娘は、きっと息災なはずです」
ユアン「どこにいようと、頼もしい仲間達と 一緒でしょうから……」
カイ「そうですな」
ロバート「……ラトゥーニ、シュナーベルの調子はどうだ?」
ラトゥーニ「フライヤー・モード時の レールガンの重心位置を見直しました。 少しふらつきがあったので……」
ロバート「そうか。じゃあ、後でデータを見ておくよ」
ラトゥーニ「お願いします」
カイ「ハミル博士、オオミヤ博士、 ヒュッケバインの準備は?」
カーク「008L、Mk-II、Mk-III…… 全機、後は輸送機に積み込むだけだ」
ロバート「もっとも、EXはこの工場に残しておきますがね」
カイ「EX……パーツを集められたのか?」
ロバート「ええ。あれは表向きにはヒュッケバインじゃなく、 社内開発用データ取得機のエクスバインですから…… 今回、提出する必要はありません」
カイ「エクスバイン……」
ロバート「エクストラ・ヒュッケバインの略ですよ。 まあ、方便ですがね」
ロバート「それより、どうしてヒュッケバイン・シリーズを ヒッカムへ移送するんです?」
カイ「何? そちらも理由を聞いていないのか?」
ロバート「ええ……シュタインベック特次副大統領の 命令だとしか」
カイ「その男……確か、『GS』の中心メンバーだったな」
ロバート「こっちも色々怪しいと思って、教導隊による 移送護衛を申し出たんですが……少佐も詳細を ご存じないとなると、こりゃやっぱり胡散臭いな」
ユアン「もしや、ヒュッケバインは『GS』に……?」
カイ「だとしたら、ヒッカムは単なる経由地……?  ならば、何故、我々教導隊に移送護衛命令が 下ったのだ?」
ロバート「確かに…… 腹を探られたくなければ、こちらからの依頼を 握り潰せるはずですからね」
カイ(ギリアムに連絡して、調べてもらうか……)

[マオ・インダストリー オルレアン工場(滑走路)]

リム(クリス)「マオ社の工場ともなると、広いのね…… 南極のマザー・ベースとは大違いだわ」
ジョッシュ「あそこは量産のことなんて考えていないからな」
リム(クリス)「でも、工場のラインはたくさんあったのに、 機体がほとんどなかったね」
ジョッシュ(こんなご時世だ、パーソナルトルーパーの発注は 多いはず……経営状態が悪化しているのか?)
(サイレン)
リム(クリス)「えっ!? 何なの!?」
ジョッシュ「まさか……!?」

[マオ・インダストリー オルレアン工場(制御室)]

ラミア「カイ少佐、こちらへ所属不明機が接近中です」
カイ「このタイミングで……狙いはヒュッケバインか?」
ラミア「その可能性は高いと思うです」
カイ「教導隊とヒューゴ、アクアは直ちに出撃!  急げ!」


第21話
黒焔の狩人

〔戦域:オルレアン工場周辺〕

(格納庫の前にヒュッケバイン・シリーズが並んでいる。教導隊とヒューゴ機が出撃)
ラミア「全機発進完了。目標群、依然接近中」
カイ「エレーブ1より各機。迎撃準備」
アラド「あの、ヒュッケバインを動かして 格納庫に入れるなり、輸送機に積むなりした方が いいんじゃ……」
ラトゥーニ「各機とも休止モードに入っているから、 すぐには立ち上げられないわ」
カーク「その通りだ。 ヒュッケバイン各機はキャリアーで格納庫へ戻す。 その時間を稼いでくれ」
アラド「わかりました!」
(エール・シュヴァリアーが出撃)
ヒューゴ「!」
カイ「ジョッシュ! 何故、出て来た!?」
ジョッシュ「手勢は少しでも多い方がいいでしょう?  それに、工場には妹もいるんです。 攻め込まれるわけにはいかない」
リム(クリス)「お兄ちゃん……」
ヒューゴ「ジョッシュ、 今度の相手はパイロットが乗ったマシンだ。 いけるのか?」
ジョッシュ「南極の遺跡は、アインスト以外の襲撃も受けた…… 初めてじゃないんだ、人が乗ったものと戦うのは」
ヒューゴ「………」
アクア「ヒューゴ、アンノウンが来るわ!」
(敵機が出現、基地の東側に爆煙)
カイ「ふん、警告の手間が省けたな。 各機、敵はアーマードモジュールだが、 数が揃っている。抜かせるなよ」
ラトゥーニ「了解」
カイ「ジョッシュ、お前は後衛だ。 リム達を守れ」
ジョッシュ「はい!」
アクア「ヒューゴ、体調は問題ないわよね?」
ヒューゴ「ああ。お前こそ、出力調整を上手くやれよ。 肝心な時にパワーダウンしたら、命取りだからな」
アクア「言われなくても、やってみせるわよ!」
(作戦目的表示)

〈vs バイオロイド兵〉

[カイ]

カイ「奴らが現れたのは、偶然ではあるまい。 どうやって今回のことを知った……?」
(戦闘)
カイ「む……!  不自然なまでにモーションの淀みが少ないな。 まさか……」

[ラミア]

ラミア「破壊が目的なら、工場を直接攻撃するか、 移送中の輸送機を撃墜すれば済む。 やはり、ろ獲が目的か……!」
(戦闘)
ラミア(この手応え、ゆらぎのなさ…… もしや、敵のパイロットは?)

[ゼオラ]

(戦闘)
ゼオラ「! この違和感、覚えがあるわ……!」

[ラトゥーニ]

(戦闘)
ラトゥーニ「あの独特の反応……もしかして……!」

[ヒューゴ]

(戦闘)
ヒューゴ「むっ、この手応えは……!」
アクア「どうしたの、ヒューゴ!?」
ヒューゴ「……終わればわかることだ、 お前はDFCに集中しろ!」

[ジョッシュ]

ジョッシュ「先に手を出したのはお前達の方なんだ…… やらなきゃ、やられる……!」
ジョッシュ「それはお互い様だって、わかってるだろ!」

〈敵機全滅〉

カイ「……とりあえず終わったか。 各機、散開して工場周辺を警戒せよ」
ラトゥーニ「了解」
(各機が工場を中心に円を描くように移動する)
アクア「……あの敵、ノイエDCの残党だったのかしら?」
アラド「多分……。 工場には攻撃しなかったし、やっぱり狙いは ヒュッケバインで……」
ラミア「正解と不正解、両方だな」
アラド「え?」
ラミア「おそらく、連中はノイエDC残党ではない」
アラド「ええっ!?」
カイ「ラミア、お前もそう思っていたか」
ラトゥーニ「私も……」
ゼオラ「あのパイロット達に違和感を感じました」
ヒューゴ(……どうやら、俺だけじゃなかったらしいな)
アラド「え? え? どういうこと?  ジョッシュさん、何か感じたッスか?」
ジョッシュ「特には……。 ただ、動きがどこか不自然だったような気はした。 上手く説明できないが……」
カイ(感じ取っていたか。勘はいいようだな)
アラド「不自然って……言われてみれば、 そんな気もしたような、しなかったような……」
ラミア「残骸を調べればわかることだ。 もっとも、証拠は残っていないかも知れんが……」
ヒューゴ「それもまた証拠になる、だろう?」
ラミア「そういうことだ」
アクア(どういうことなの……?)
(ヒューゴ機に警告シグナル)
アクア「!! こ、この反応って!?」
ラトゥーニ「重力震反応! 工場直上です!」
ラミア「転移出現か! やはり、彼らは!」
(ヒュッケバインを囲むようにガーリオンが転移出現)
アクア「ガーリオン!? 何であれが転移を!?」
ゼオラ「あ、あの位置じゃ、ヒュッケバインが!!」
(ガーリオンが着地)
ラミア「正体を明かしてでも、 ヒュッケバインが欲しいということか!」
アクア「しょ、正体って!?」
カイ「くっ……!  迂闊に撃てばヒュッケバインに当たる!」
ラミア「ですが、彼らならすぐに再転移できないはず!  奪還するチャンスは……」
(ガーリオンが全機爆発)
カイ「誰が撃った!?」
ゼオラ「わ、私達じゃありません!」
カイ「なら、いったい!?」
ラトゥーニ「少佐、こちらへ急速接近してくる物体が!」
【デモムービー『ガリルナガン登場』】
(工場の南側にガリルナガンが出現)
アラド「な、何だ、ありゃ!?」
ゼオラ「パ、パーソナルトルーパーなの……!?」
ラトゥーニ「ヒュッケバインに……似てる……!」
ラミアIFFに応答なし、機体情報も登録なし……」
カイ「ユアン常務、あの機体に見覚えは?」
ユアン「い、いえ! あんなもの、弊社では!」
カーク「単なるコピーには見えん……むしろ……」
アラド「ガーリオンを撃墜したってことは、 こっちの味方なんスかね?」
ラミア「いや、まだわからんぞ」
???(アーマラ)「………」
【強制戦闘】
???(アーマラ)[バスタックス・ガン]vsヒュッケバインMk-II[攻撃不能]
(ヒュッケバインMk-IIが2機とも爆発)
ユアン「ああっ! Mk-IIが!!」
???(アーマラ)「……彼らに狙われ、奪われるようなら、 機体は破壊しても構わない……」
???(アーマラ)「それがあの方の命令……」
(ガリルナガンが高速でヒュッケバイン008Lに隣接)
【デモイベント『ガリルナガンがヒュッケバイン008LとヒュッケバインMk-IIIを破壊』】
ゼオラ「なっ……!!」
アクア「ヒュ、ヒュッケバインが!!」
カイ「うぬっ! 各機、アンノウンを攻撃!  ただし、工場の上に落とすなよ!」
???(アーマラ)「まだ……あの中にもあるはずだ」
(南西の格納庫に爆煙)
ユアン「い、いかん! あの格納庫には!!」
(ガリルナガンが撤退)
ヒューゴ「は、速い!」
ラトゥーニ「そ、そんな……!!」
カイ「おのれ、奴の目的は!!」
ラミア「ヒュッケバイン・シリーズの 破壊……だったのか……!」

[マオ・インダストリー オルレアン工場(制御室)]

カイ「申し訳ありません、常務。 このような結果になってしまって……」
ユアン「いえ……社員の中から死者が出なかっただけでも 良しとしなければ……」
ロバート「それに、ヒュッケバインは 全て失われたわけじゃありませんよ」
カイ「確かにな。 量産型ヒュッケバインMk-IIがあるし…… そもそも、量産試作3号機は確か……」
ロバート「それらに加え、エクスバインが残っています」
カイ「何? あれは無事だったのか?」
ロバート「ええ……被害を受けましたが、 フレームの破損までには至っていません」
ロバート「俺達は諦めませんよ。鋼龍戦隊のために 残ったパーツを集め、エクスバインを仕上げます」
カーク「元々、あれには大幅な強化改造を施すつもりで 作業を進めていたのでな」
ロバート「当面の間は、応急措置を施して 凌ぐしかありませんが、いずれ……」
カイ「では、作業を頼む。 懸念していた事態が起きるのは、もはや確実だからな」
アクア「少佐、その事態とは……?」
カイ「まもなくわかる」
ユアン「それにしても、あの黒い機体はいったい……」
ロバート「あれは、ヒュッケバイン・シリーズのデータを 流用して作られた機体だと思いますが……」
ロバート「単なるコピーではなく、Mk-IIIと同等…… あるいは、それ以上の性能を持っているようです」
ロバート「しかも、奴はヒュッケバインから ブラックホール・エンジンとトロニウム・エンジンの コアを抜き取りました」
ユアン「ほ、本当かね、それは!?」
ロバート「ええ……破片を調査した結果、判明しました」
カイ「奴は連中の一味ではなさそうだが……」
カーク「ああ……最初に現れた者達の目的は、 ヒュッケバインの破壊ではなく、奪取だったからな」
ジョッシュ「あれがマオ・インダストリーの機体じゃないのなら…… どこで作られた物なんです?」
ロバート「量産型ヒュッケバインMk-IIのデータを 持っていて、あれだけの機体を開発するとなると…… まずイスルギ重工が挙げられる」
ロバート「彼らは、ブラックホール・エンジンや トロニウム・エンジンのノウハウを 欲しがっているだろうからな」
カイ「必要としていたのは心臓部のみであって、 機体そのものは不要……だから、破壊したというのか」
カーク「しかし、こちらに仕掛けて来なかった点に 疑問が残る。その力を以て障害を取り除けば、 ここの全てを手に入れられるのだからな」
ロバート「そうだな……」
(扉が開閉する)
ラミア「……カイ少佐、分析結果が出ちゃいました」
カイ「どうだった?」
ラミア「予想通りです。 アーマードモジュールに搭乗していたのは、 バイオロイド……」
ラミアインスペクターが使用していた物に 酷似しています。また、転移出現時の ESWパターンも同様でありんす」
アクア「じゃ、じゃあ、あの敵は!?」
カイ「ああ…… インスペクターが地球圏へ舞い戻って来たのだ」

REPORT
強化パーツ『T-LINKセンサー』を入手しました。
強化パーツ『G・テリトリー』を入手しました。


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